輸入先国における不作、新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアのウクライナ侵略を始めとする国際情勢の変化等により、輸入依存度の高い麦の安定供給に対するニーズが高まっている。
国産麦の安定供給体制の構築に向けては、品質・単収を高位安定化するための生産対策を中心に支援してきたところであるが、流通面においても克服すべき課題が残されている。国産麦については、品質低下や収穫量の減少の原因となることが知られているかび毒デオキシニバレノール(以下「DON」という。)について、令和4年4月から食品衛生法(昭和22年法律第233号)第13条第1項の規定に基づき穀類及び豆類の成分規格に小麦についての具体的な基準が新たに設定され、これを踏まえて農林水産省では令和5年3月に「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」を改訂し、その予防及び低減を図っているところであるが、これに加えて、栽培環境、乾燥調製施設等の状況が各産地で異なる中、それぞれの産地の状況に合わせた取組を検討し、実施する体制の構築が必要である。
本事業では、国産麦の安定供給体制を強化するため、流通構造の構築に向けた新たな流通モデルづくり等の取組を支援する。
補助金の総額は 50 百万円