1.1 事業の概要、現状、方向性、目標と成果
(概要、現状)
痛みは主観的な感覚であるため、標準的な評価法や診断法、治療法が確立されておらず、現時点では
診療体制も十分に整っていませんが、難治性の慢性の痛みに悩む国民は多く、エビデンスに基づく対策
の充実が求められています。
平成 22 年の「今後の慢性の痛み対策について(提言)」で記載された3種類の慢性の痛み、すなわち、
患者数の多い既知の疾患に伴う慢性の痛み、原因や病態が十分に解明されていない慢性の痛み、機能的
要因により引き起こされる慢性の痛みについて、病態解明等の基礎的な研究、客観的な評価法や治療法
の開発につなげる研究が進められていますが、その数や成果は十分とは言えない状況であり、本分野の
研究について一層の充実を図り、慢性の痛みに関する客観的な評価法や効率的な治療法の開発が求めら
れています。
(方向性)
慢性の痛みでは、客観的所見と自覚症状の乖離や、原疾患とは異なる症候(症状・徴候)が現れるこ
とから、原疾患にとらわれず痛みの症状に着目し、慢性の痛みの病態や発生機序の解明、客観的・定量
的な評価法や効果的な治療法の確立等に向けた研究を推進します。(ただし、効率的な研究の実施のため、
がんや指定難病は、本事業の対象としません。)
「どの事業に応募すればよいのか」などに関する質問は AMED Research Compass(AReC)※1 に
お問い合わせください。がんを主な研究対象とする研究は「革新的がん医療実用化研究事業」※2 また
は「次世代がん医療加速化研究事業」※3 等を、指定難病を主な研究対象とする研究は「難治性疾患実
用化研究事業」※4 への応募をご検討ください。対象とする疾患が指定難病かどうかの判断は、厚生労
働省の指定難病に関する Web サイト※5 の一覧表から確認できます。
※1 https://www.amed.go.jp/contact/arec.html
※2 https://www.amed.go.jp/program/list/15/01/010.html
※3 https://www.amed.go.jp/program/list/11/01/007.html
※4 https://www.amed.go.jp/program/list/11/02/003.html
※5 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084783.html
(目標と成果)
本事業では、原因不明、または痛みの要因は明らかであるにも関わらず治療に抵抗性があるような慢
性の痛みを対象とし、慢性の痛みの病態や発生機序の解明、客観的・定量的な評価法や効果的な治療法
の確立等に向けた研究を行うことで、患者のQOLの向上、支援に資することを目標としています。
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1.1 事業の概要、現状、方向性、目標と成果
1.1.1 事業の概要
本事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療における再生医療等製品の産業化促進を目的とし、創薬開発の
主体となる企業(ベンチャー等を含む。以下、同じ。)に対して、企業治験に進むために求められる薬事規制に
沿った臨床前段階での品質確立、製造方法の確立等に必要な研究開発を支援します。
1.1.2 事業の現状
AMED では各省連携プロジェクト「再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト」に基づき、再生・細胞医療・
遺伝子治療において、基礎から臨床段階まで切れ目なく一貫した支援を行っています。iPS 細胞、ES 細胞、
体性幹細胞等の幹細胞を用いた再生・細胞医療、in vivo 遺伝子治療又は遺伝子を導入した細胞を用いる
ex vivo 遺伝子治療は、臨床現場において新たな治療の選択肢となり、国民の健康増進に大きく寄与するこ
とが期待されます。今後、再生・細胞医療・遺伝子治療は、グローバルでの急速な市場の拡大が予想され、国
際競争が激化していることから、我が国のシーズ技術を再生医療等製品としていち早く実用化し、産業化を
促進することが望まれます。
再生医療等製品の開発を進めるには、規制当局が求める非臨床試験の実施並びに治験製品の製造工程、
規格設定等の品質の確立において、多くの資金や高い専門的知識が必要です。国内での開発においては、
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」)及び薬機法に基
づく国内規制、海外展開に向けては当該国・地域の規制要件への対応が必要となります。しかしながら、適切
な開発・製造受託機関(Contract Development Manufacturing Organization:以下、 CDMO)と
のマッチングによる商用製造を見据えた製造プロセス開発が治験前に実施できず、創薬シーズが市場に出て
いけないケースや、規制当局が求める品質を確立することや非臨床試験を適切なタイミングで実施すること
ができず、迅速な企業治験につながらないケース等が起きており、産業化における大きな障害の一つとなっ
ています。こうした再生医療等製品の開発は多岐に亘るため、一社単独で開発を実施することは難しく、自
社で不足する機能を補う体制の構築が求められます。
1.1.3 事業の方向性
本事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療における再生医療等製品の産業化促進を目的とし、臨床前段階
で製品の製造プロセス開発※を必要としている創薬開発の主体となる企業に対して、CDMO と連携し、
CDMO による商用製造を見据えた製造プロセス開発を中心に支援を実施します(非臨床試験実施の支援は
含みません)。これらの研究開発を通じて、企業治験の実施を加速するとともに、当該シーズの価値を高め、
ベンチャー・キャピタル等からの資金調達や他の製薬企業への導出、海外展開を通じた当該分野の産業化事
例の創出等を促進することを目指します。
※ 本事業における製造プロセス開発とは、規制に対応するための製法開発、スケールアップを想定した製法
開発、非臨床試験を目的とする必然性のあるスケールアップ製造、品質試験法開発などを対象とします。な
お、本事業における非臨床試験とは、医薬品等候補選定の最終段階以後に実施される薬理学試験、毒性試験、
薬物動態試験等を、主に念頭に置いています。
1.1.4 事業の目標と成果
本事業では、創薬開発の主体となる企業(ベンチャー等を含む。)が有する市場性が期待できる再生・細胞
医療・遺伝子治療等の再生医療等製品シーズの産業化を加速することを目標とします。CDMO による商用
製造を見据えた製造プロセス開発を前提とした製造プロセス開発支援を実施し、製品化を見据えた製造プロ
セスの確立を行うことにより、有望な創薬シーズの市場展開を後押しします。また、これらの取り組みによっ
て、シーズ開発力を高めて、企業治験等の臨床開発だけでなく、将来的にはベンチャー・キャピタル等からの
支援資金調達や他の製薬企業への導出等を促進することを目指します。
1.1.1 事業の現状
健康・医療戦略(平成 26 年 7 月 22 日閣議決定)において、医療技術・サービスの国際展開を進めてい
くこととしており、達成すべき成果目標(KPI)として、2020 年に「医療機器の輸出額を倍増」、2030 年
には「日本の医療技術・サービスが獲得する海外市場規模を 5 兆円」と設定されている。厚生労働省にお
いては、平成 25 年 5 月に医療国際展開戦略室が設置され(平成 26 年4月に医療国際展開推進室に改
組)、開発途上国・新興国等の保健省との2国間協定を結び、また、平成 27 年度より医療技術等国際展開
推進事業を実施している。同事業では、医療技術や医薬品、医療機器に関連する人材育成、日本の経験・
知見を活かした相手国の医療・保健分野の政策形成支援を行うため、我が国の医療政策等に関する有識
者や医療従事者の派遣、研修生の受入れに取り組んでいる。
第三期健康・医療戦略(令和7年2月18日閣議決定)では、「重点国を戦略的に絞ること等を通じてアジ
ア健康構想・アフリカ健康構想・グローバルヘルス戦略を一体的に推進することで、グローバルサウス諸国
の健康・医療関連市場における我が国の医薬品・医療機器の調達や日本企業によるビジネスの国際展開
を推進することが重要である。」という課題が掲げられており、これに対する具体的な取組の一つとして、
AMED の研究開発支援により、開発サポート機関の機能を強化しつつ、国際機関等との対話も活用しな
がら関係機関とのネットワーク構築を促進することで、日本企業によるアジア・アフリカを始めとしたグロ
ーバルサウス諸国のニーズを踏まえた医療機器創出に取り組むこととしている。
開発途上国・新興国等においては、日本とは異なる医療・事業環境や公衆衛生上の課題を抱えており、
医療機器に対するニーズも日本と異なる可能性がある。また、日本企業による医療技術等の国際展開に
あたっては、以下のような課題がある。
・ 開発途上国・新興国等における保健・医療課題を解決しつつ、そのニーズを十分に踏まえた医療技
術・医薬品・医療機器を開発する事が必要
・ 日本の医療技術等の開発途上国・新興国等への展開に資するエビデンスの構築を推進する事が必要
・ 開発途上国・新興国等の現地の文化も考慮した開発が必要(例:現地のステークホルダーの関係性や
健康意識の状況を踏まえた生活習慣病に対する保健指導の普及方法)
・ 日本の医療機器関連企業が実際に製品開発し途上国等で上市を図る際に、現地ニーズに即した製品
コンセプト策定、現地社会状況・医療状況に即した事業計画策定、現地ネットワーク拡大等、企業に対す
る持続的な支援体制の構築が必要
特に、ニーズの把握に関して、日本企業は自社シーズ・自社技術に基づく製品開発を行い、現地でのニーズ
を満たすことができず、製品上市後に売上が伸びない事例がみられる。そこで、日本と異なる医療・事業
環境や公衆衛生上の課題を深く理解し、相手国でのニーズや価格水準に基づいた医療機器等(医療機器
プログラムも含む)(※)を開発する事、および、現地固有の事情の理解に基づく事業計画を策定すること
が特に必要と考えられる。 (※) 対象となる機器等については、2.2.1 公募概要(4)その他注意事項を参
照。
1.1.2 事業の方向性
「開発途上国・新興国等における医療技術等の実用化研究事業」(以下、本事業という。)では、開発途上
国・新興国等におけるニーズを十分に踏まえた医療機器等(医療機器プログラムも含む)の開発や、日本の
医療技術等の開発途上国・新興国等への展開に資するエビデンスの構築を推進することで、開発途上国・
新興国等における保健・医療課題を解決するとともに、日本がもつ医療技術等の国際展開を促進します。
具体的には、相手国のニーズに合わせた製品設計の重要性が指摘されていることを踏まえ、開発途上
国・新興国等における現地ニーズを十分に踏まえた医療機器等(医療機器プログラムも含む)の設計から
薬事申請・市場導入計画までを目指し「開発途上国・新興国等における医療技術等実用化研究」として実施
します。
また、日本の医療機器関連企業に対する持続的な開発支援を実現するための体制構築も進めます。
1.1.3 事業の目標と成果
本事業は、日本の医療機器関連企業が相手国の公衆衛生課題の解決に貢献するとともに、その過程で
得られた知見を日本の医療機器産業全体で共有し、日本発医療技術の国際展開を促進することを目的と
します。事業の実施にあたっては、開発途上国・新興国等の臨床現場においてデザインアプローチを活用し、
現場ニーズを把握したうえで、現地の課題に即した製品開発を行います。このため、開発支援機関は現地
医療機関と連携し、企業が臨床現場でニーズを把握できる環境を整備します。さらに、開発製品の事業化・
導入・普及に向けては、大学や研究機関との連携による学術的交流やガイドライン採用の推進、相手国規
制当局との対話など、官民・学が連携して持続的な国際連携体制を構築します。
また、以下の取組を通じて、日本の医療の国際展開に資するエビデンス構築と産業基盤の強化を進めま
す。1研究開発に携わった企業の成功事例集の作成、2医療機器関連企業が途上国・新興国等に展開する
際に必要な実務情報の整理・資料化、3現地展開を計画する開発事業者が活用できるステークホルダーネ
ットワークの構築、4医療機器企業が継続的にデザインアプローチを応用した開発を行うための支援体制
(開発サポート機能)の整備と社会実装。 これらの取組を通じ、日本の医療機器産業がグローバルヘルス
課題の解決に貢献しつつ、国際的プレゼンスの向上を目指します。
本事業では、臨床研究の質の担保に不可欠な生物統計家を、大学院教育及び大学院修了後に就職した医療機関等において座学及び実際の臨床試験業務を通じて育成し、その過程で得られる知見を基にPDCA(Plan-Do-Check-Action)を実践することで、大学院修士課程2か年プラス卒後教育1か年の一貫した育成を行う優れた生物統計家育成プログラムの構築を行います。
育成プログラム終了以降も継続した研鑽を通じて職能向上を目指し、自立出来る専門家となるべく育成拠点(公募要領3.1.2参照)を中心に卒後のネットワークを構築し、修了生をバックアップする体制の整備を実施します。
また、今後、ゲノム創薬やAI創薬といった次世代の創薬技術が進展するなかで、大学院修士課程のカリキュラムを充実させるとともに、日本がグローバルな創薬エコシステムの一員として、革新的な新薬を世界中に向けて送り出すことに貢献し続けられるよう、より広範な知識・能力の習得を可能とする大学院博士課程教育を追加します。
加えて、本修了生の製薬企業への就職や、博士課程において製薬企業等からの社会人学生の受入を行う等、アカデミアと製薬企業の人材交流やネットワーク作りを進展させ、産官学の流動性を高めます。
さらに、本事業期間中に事業終了後の自立運営を図る体制作りにも取り組むことにより、日本の医療機関における質の高い生物統計家の育成に継続して貢献し、質の高い臨床研究・治験の実施へつなげていくことを目指します。
本事業では、日本主導の国際共同治験の強化へつなげ、治療薬等の開発・供給の加速を目指すため、日本とアジア諸国が連携し、治験・臨床試験のネットワークの継続的な構築を推進します。これまでの取り組みも踏まえつつ、臨床試験を実施するための基盤整備に関する研究を広く公募により支援します。
具体的には、国際水準の治験・臨床試験実施体制の整備、安定的に臨床研究・治験が実施可能な基盤の維持・実施体制の拡大を目的として、治験・臨床試験が実施されることが想定されるアジア諸国において、これまでに整備された基盤の継続性の確保とともに、国内外の臨床試験実施を担う人材を対象とした教育研修の実施、更なる拠点整備を対象とします。
また、効果的な体制整備のために、「感染症分野」と「非感染症分野」の2つの分野を設定し、最終的には体制整備した拠点病院との間で、医薬品・医療機器等に関する国際共同治験が開始されることを目標とするため、製薬企業等との積極的な連携を可能にする基盤整備を強力に支援します。
※臨床研究・治験推進研究事業(アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築事業)は、令和8年度より、名称変更となり、臨床研究・治験推進研究事業(アジア地域における治験・臨床試験ネットワークの構築事業)となります。
1.1.1 事業の現状
新型インフルエンザ、エボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)等の新たな感染症(新興感染症)や、デング熱や結核等の再び注目されている感染症(再興感染症)の流行が世界各地で発生し、大きな問題となっています。
また、薬剤耐性菌対策のような新たに取り組むべき課題も生じています。感染症の原因となる病原体は刻々と変化を繰り返し、ヒト社会もまた大きく変貌しています。
これら感染症対策として、平成 26 年に策定された健康・医療戦略及び医療分野研究開発推進計画の中では、国内外の様々な病原体に関する疫学的調査及び基盤的研究並びに予防接種の有効性及び安全性の向上に資する研究を実施し、感染症対策並びに診断薬、治療薬及びワクチン開発を一体的に推進することとされています。
1.1.2 事業の方向性
本事業では、国内外で対策が必要な感染症について、患者及び病原体に関わる疫学調査、病原体のゲノム及び性状・特性等の解析、病態解明等、総合的な感染症対策の強化を目指した基盤的研究を継続して推進します。
得られた知見をもとに新たな診断法・治療法・予防法の開発を目指します。
これら感染症研究に携わる若手研究者の育成を実践的な環境下で行い、感染症研究の人的基盤の拡大を図ります。
本事業は、認定VCが補助対象経費の1/3以上を出資する創薬ベンチャーが行う医薬品の実用化開発にAMEDが補助金を交付する事業です。 本公募では補助金の交付対象となる創薬ベンチャーを募集します。
本事業では、国が定める重点感染症に対して、感染症有事にいち早く、安全で有効な、国際的に貢献できるワクチンを国内外に届けることを目標としており、(1)感染症ワクチンの開発、(2)ワクチン開発に資する新規モダリティの研究開発を実施します。
また、長期的・安定的に、産学官・臨床現場の連携による総合的な研究開発推進体制により戦略的に支援することとしており、その一環として、ワクチン開発の研究代表者が進める研究開発等について、より優れたワクチン等の速やかな実用化に資するよう、現時点で、以下の支援ユニットを設けており、今後も適宜増設することとしています。
▪アジュバンド・キャリア技術支援ユニット
▪非臨床薬効試験支援ユニット
基礎・基盤領域の研究成果を確実に医療現場に届けるため、非臨床領域の後半から臨床領域を中心として、予防・早期発見、診断・治療等、がん医療の実用化をめざした研究を「健康・医療戦略」及び「がん研究 10 か年戦略(第5次)」に基づいて支援
引用元:公募要領2p1.1.3 事業の目標と成果
日本で生み出された基礎研究の成果を薬事承認につなげ、革新的な医薬品を創出するため、科学性及び倫理性が十分に担保された質の高い臨床研究・医師主導治験等を推進するための事業
引用元:公募要領 第Ⅰ部第1章 1.1.2 事業の方向性、目標と成果





