1.1.1 事業の現状
昨今、我が国では高齢化の進行や生活習慣病の増加を背景として、公的保険外の非薬物的手法による行動変容介入への関心が高まっています。特に、スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスなどのデジタル技術を活用した疾患予防・健康づくりに関するヘルスケアサービス※1 は急速に拡大しています。
一方で、これらの行動変容介入については、科学的妥当性を裏付けるエビデンスが分野横断的に十分に体系化されているとは言えず、サービスの開発・提供及び利用に際して、評価基準やエビデンス水準が必ずしも明確ではないことが大きな課題となっています。
これまで本事業では、科学的エビデンスに基づくヘルスケアサービスの社会実装を目指し、関連医学会が中心となり、成人期の健康課題(高血圧症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病)、老年期の健康課題(認知症、サルコペニア、フレイル)、職域の健康課題(メンタルヘルス、女性の健康)に係る一次予防、並びに脂肪肝関連疾患、循環器疾患、婦人科疾患に係る二次予防について、指針※2 の策定を段階的に進めています。
また、予防・健康づくり領域では、疾患発症を主要評価項目とすることやランダム化比較試験の実施が困難な場合が多く、行動変容の継続性を含む効果評価手法の確立が課題となっています。このため、本事業では、エビデンス構築に併せて当該領域の特性を踏まえた評価指標及び研究手法の開発、ならびにエビデンスを継続的に整理・更新するための手法の高度化に取り組んでいます。
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洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた中核であり、我が国の気象・海象条件に適した技術の確立とコスト低減が求められています。本事業では、浮体式洋上風力発電を対象に、2040年以降の一層の導入拡大を見据え、中長期的な観点から、我が国周辺海域の特性(気象・海象条件、海域・水深特性)、系統・施工・保守等を踏まえた技術課題の抽出・整理・検証を行います。あわせて、信頼性・耐久性の向上、環境影響の把握・評価手法、社会受容性の確保、国内サプライチェーン・標準化との連携に資する取組を推進し、導入コストの着実な低減と産業競争力の強化に資することを目的とします。
1.1 事業の概要、現状、方向性、目標と成果
1.1.1 事業の現状
新型インフルエンザ、エボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)等の新たな感染症(新興感染症)や、デング熱や結核等の再び注目されている感染症(再興感染症)の流行が世界各地で発生し、大きな問題となっています。また、薬剤耐性菌対策のような新たに取り組むべき課題も生じています。感染症の原因となる病原体は刻々と変化を繰り返し、ヒト社会もまた大きく変貌しています。これら感染症対策として、平成 26 年に策定された健・医療戦略及び医療分野研究開発推進計画の中では、国内外の様々な病原体に関する疫学的調査及び基盤的研究並びに予防接種の有効性及び安全性の向上に資する研究を実施し、感染症対策並びに診断薬、治療薬及びワクチン開発を一体的に推進することとされています。
1.1.2 事業の方向性
本事業では、国内外で対策が必要な感染症について、患者及び病原体に関わる疫学調査、病原体のゲノム及び性状・特性等の解析、病態解明等、総合的な感染症対策の強化を目指した基盤的研究を継続して推進します。得られた知見をもとに新たな診断法・治療法・予防法の開発を目指します。これら感染症研究に携わる若手研究者の育成を実践的な環境下で行い、感染症研究の人的基盤の拡大を図ります。
1.1.3 事業の目標と成果
本事業では、感染症から国民及び世界の人々を守り、公衆衛生の向上に貢献するため、感染症対策の総合的な強化を目指します。そのために国内外の感染症に関する基礎研究及び基盤技術の開発から、診断法・治療法・予防法の開発等の実用化研究まで、感染症対策に資する研究開発を切れ目なく推進します。
近年、光・量子技術の進展により、従来型のセンサでは到達し得なかったレベルの精度・感度を実現するセンシング技術が急速に台頭しています。例えば、原子波干渉を用いたセンサや固体中の量子ビットを利用した量子センサでは、従来比で数桁高い精度の時間や重力、磁場の測定が実現されつつあります。これらの技術は、既に先進企業にて製品化が始まっています。光・量子技術の高感度・高精度という特性は、センシング技術のパラダイムシフトを引き起こしつつあり、その応用領域は急拡大しています。
こうした「光・量子センシング技術」と「衛星技術」との融合は、衛星の機能・性能を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。地球環境の高精度モニタリング、昼夜を問わない光学地球観測、重力異常の検出、高精度時刻同期、高精度な航法技術など、地球観測・測位・安全保障・衛星運用・探査といった広範な分野で、従来技術では困難であったブレイクスルーが期待できます。
実際に、欧米を中心として光・量子センシング技術の宇宙応用に向けた開発は加速しており、例えば米国ではレーザー冷却原子を活用した量子技術の国際宇宙ステーションでの実証や、自由空間伝送による高精度周波数比較の実証が行われています。これにより、宇宙空間を舞台とした光・量子センシングの実現が現実味を帯びてきています。
本テーマでは、光・量子センシング技術の衛星応用に向けた複数の構想を支援する領域を設定し、産学の野心的な技術開発・実証を推進します。これにより、我が国の衛星基盤技術の高度化を図るとともに、光・量子センシング技術と衛星との複合領域において国際的な先導的地位を確立し、既存技術では到達し得なかった革新的な成果や新たなユースケースや事業構想の創出を目指します。
近年、世界的に小型衛星の開発が活発化しており、地球観測や通信の分野で衛星コンステレーションの構築が進展しています。これに伴い、我が国においては小型衛星部品・コンポーネントの国産化に向けた取り組みが進んでおり、姿勢・軌道制御系のADCS(姿勢決定制御サブシステム)、推進系の電気推進機、電源系の太陽電池などの開発が行われています。
これらの開発された部品・コンポーネントを宇宙関連ビジネスへと展開するためには、宇宙環境下での実績(フライトヘリテッジ)の獲得が不可欠です。そのため、宇宙環境下での動作を確認する軌道上実証は、技術の成熟度を評価する上で重要なプロセスであり、また、宇宙技術の基盤でもあると言えます。
また、半導体や創薬、ライフサイエンス等の他産業においては地上で利用する製品の製造のため、微小重力環境における製造技術の研究開発の検討が進んでおり、宇宙空間を利用した実証・製造ニーズは宇宙機器産業に限らず広がっています。
しかしながら、我が国においては、軌道上実証の機会は必ずしも多くはなく、部品・コンポーネントの開発や他産業における軌道上での製造研究を行う事業者にとって、実証機会の確保が課題となっています。こうした中、このような事業者を対象として、実証機会を提供する軌道上実証サービスが生まれつつあります。中でも、衛星を活用した軌道上実証は、実証の頻度やタイミングの柔軟性の観点から実証機会の確保に関する課題解決への寄与が期待できます。一方で、現状の国内の軌道上実証サービスの提供に要する費用は、サービス受給者が負担し得る水準を超えて高額となることもあり、軌道上実証を実施するうえで障壁となっています。また、実証対象の部品・コンポーネント等と実証衛星とのインターフェース調整や適合性検討に要する時間の長さなどにより、サービスのリードタイムが長期化することも、開発した部品・コンポーネント等の迅速な事業化を目指す上では障壁となっています。
本テーマでは、これらの課題を解決するため、衛星による軌道上実証サービスの実証プロセスの効率化・迅速化に資する技術開発を支援し、低コストかつ高頻度な国際競争力ある軌道上の実証機会の創出を目指します。
衛星通信はこれまで離島、海上、山間部等、地上網の整備が難しい地域での通信手段や、携帯電話基地局のバックホール回線等として発展してきました。近年、この分野では低軌道衛星コンステレーションの登場により市場の拡大が進むとともに、今後、自動車、船舶、建機、農機等の自動運転等、他分野での社会実装も期待され、さらなる市場の発展が見込まれています。他方、これらの通信サービスが実現するためには、地上側で送受信するためのアンテナを適応させる必要があります。しかしながら、現状では、例えば、アンテナのサイズ・重量面で大きく車載等に適していないことや、フラットパネルアンテナの場合、特定の衛星通信サービス(例:Starlink)としか通信できず利便性が十分でなく、衛星通信サービスからのロックインが生じるなど、十分な対応はできておらず、衛星通信の利活用のボトルネックとなり得る状況にあります。 このような課題を解消するためには、複数の衛星通信サービス・規格に対応した汎用性が高いアンテナの開発が求められます。また、他分野での社会実装を促進するためには、小型化・軽量化による搭載先の製品(車体等)との一体化技術も必要です。
これらを踏まえ、本テーマでは衛星通信アンテナの汎用化・小型軽量化、車体等との一体化等の技術開発を支援することで、衛星通信サービスの規格に依存せず衛星通信を利活用することが可能な環境の構築に貢献します。これにより、衛星通信利活用の障壁を下げるとともに、自動車、船舶、建機、農機等のメーカー等の非宇宙プレーヤーの参入を促進し、衛星システムの利用による「宇宙関連市場の拡大」を目指します。
事業概要
我が国は、世界に先駆けて少子高齢化や過疎化といった成熟社会特有の課題に直面しており、これらの課題解決に向けて医療の効率化や質の向上が喫緊の課題となっています。
AI戦略会議・AI制度研究会の中間取りまとめ(令和7年2月4日)においても、医療分野におけるAIの活用が重視されているように、AI技術の活用は、医療現場における診断や治療の質の向上、医療従事者の業務負担の軽減において重要な役割を果たすと期待されています。こうした技術を医療現場のニーズに合わせて実用化するためには、医療業界と産業界が連携して医療機器やソフトウェア等の開発を進める「医工連携」が不可欠です。
本事業では、AIを利活用した疾病の診断・治療技術の改善による患者の予後や生活の質の向上に資するプログラム医療機器又は医療従事者の業務負担軽減を目的としたAIサービス又はAI製品の開発と実用化(社会実装)を推進します。
1.1.1 事業の概要と現状
次世代型医療機器開発等促進事業は、革新的な医療機器・システムの開発等による国内外市場の獲得
を通じ、『健康・医療戦略』(第2期)(令和7年2月 18 日閣議決定)の基本的理念である『世界最高水準の技
術を用いた医療の提供への寄与』、『経済成長への寄与』の実現を目的とし、加えて、高齢化の進展による介
護需要の増加により、介護現場では人材不足が深刻化している状況を踏まえ、介護の生産性向上や介護の
質の向上等を実現することを目的とします。また、その構成事業である、革新的な医療機器創出プロジェク
トは、我が国の医療機器産業の国際競争力を強化するため、グローバル市場獲得を見据えた最先端の科学
技術を駆使した革新的な医療機器・システムの研究開発を支援します。
本プロジェクトでは、「医療機器産業ビジョン 2024」に掲げる「米国をはじめとしたグローバル展開へ
踏み出す企業の創出」の実現のため、米国事業展開を見据えた開発に伴う、障壁(規制、コストやリスク)の
高い先進的な医療機器・システム等の実用化を支援します。なお、同ビジョンに基づく「医療機器産業ビジョ
ン 2024 イノベーション創出及び事業化支援戦略*1」では、スタートアップ(SU)*2 が当初からグローバ
ル展開を見据えた研究開発を行い、医療機器企業による導出を経て、医療機器企業の海外販路を活用して
展開されていくことが重要であることから、医療機器企業による導出を見据えた注力領域を選定すること
としており、令和8年度以降に向けては、医療機器産業ビジョン研究会*3において、「医療機器企業との連
携・導出を目指した SU 支援領域」についての議論を進めています。また、令和 9 年度に策定が予定されて
いる次期「第 3 期医療機器基本計画」との整合性を図る方針としての議論も進めています。
また中小企業やSU企業は、本プロジェクトでの支援終了後、非臨床フェーズ以降を支援対象とする “医
工連携グローバル事業” への導出を目指すものとします。著しい優位性があると評価された場合には、米
国での上市を優先とする米国バイオデザインプログラムへの支援を通じて、グローバルで戦える、これまで
にない革新的な医療機器の海外導出を加速させ、グローバル市場での社会的課題の解決に貢献します。
*1:
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryokikivision_innov
ation_senryaku/innovation_word.pdf
*2:AMED では SU 企業等を「中小企業(※中小企業の定義はI-3.1 応募者資格を参照)の内、設立 10
年以内」と定義
*3:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/medical_device/index.html
1.1.2 事業の方向性
脳科学の領域には根本的治療の見通しが未だに立たない疾患が数多く存在します。病因の解明が疾患治
療の基盤となることは論を待たず、翻って神経疾患・精神疾患の治療法開発の促進には、疾患の根に有る脳
神経の構造と機能を解明することで、診断や根本的な治療の実現に近づけていくことの必要性が指摘され
ています。さらに、診断・治療法のイノベーションを生み出すために、疾患概念を越えた疾患横断的な共通病
態の解明や、脳科学領域以外からの技術や戦略の導入が期待されます。
脳科学に関する新たな国家プロジェクトと位置づけられる本事業では、国際的なネットワークを強化する
とともに、臨床と基礎の双方向性の産学共同研究を推進し、これまでに築いた研究基盤や開発した技術等を
最大限活用・発展させます。これらにより、神経疾患・精神疾患の発症および進行の抑制回復等につながる診
断・治療・創薬シーズの研究開発及びその基盤整備を推進していきます。
1.1.3 事業の目標と成果
本事業では、「中核拠点」、「個別重点研究課題」、「研究・実用化支援班」を事業スキームの 3 本柱として支
援していきます。このうち、「中核拠点」では、「個別重点研究課題」の研究参画者とも有機的に連携しながら
研究を実施するとともに、基礎と臨床の連携、産学連携、ドライとウェットの融合などの異分野融合、研究基
盤の整備・共用、研究成果の取りまとめ・情報発信(アウトリーチ)機能等を担います。「個別重点研究課題」で
は、1.革新的技術・研究基盤の整備・開発・高度化、2.ヒト高次脳機能のダイナミクス解明、3.神経疾患・精
神疾患に関するヒト病態メカニズム解明、4.デジタル空間上で再現する脳モデル開発・研究基盤(デジタル脳)
の構築、5.神経疾患・精神疾患の治療等のシーズ開発、の5つの領域の研究を重点的に推進します。「研究・
実用化支援班」では、知財戦略の策定など研究成果を実用化に結びつけるための伴走支援や倫理課題の対
応を行います。この体制を基本とし、産学官コンソーシアム、府省間連携、AMED 事業の基盤利活用を充実
させることで、脳のメカニズム解明等を進めるとともに、認知症をはじめとする神経疾患・精神疾患の抜本的
な発症・進行の抑制や回復に向けた診断・治療(法)の開発に貢献していきます。
NEDOは、スケールメリットを活かした低コスト化を目指し、複数建物や熱負荷の大きい建築物の熱需要を、単一もしくは複数再エネ熱により大容量化した熱エネルギーで賄うための技術開発プロジェクト(再生可能エネルギー熱の面的利用システム構築に向けた技術開発)に取り組んでいます。
本プロジェクトの成果普及方策を検討・分析するため、再生可能エネルギー熱利用に関する政策動向、市場動向、技術動向等から日本における再生可能エネルギー熱利用の導入可能性等の調査を行うものです。





