働き方改革など、建設業者の皆さまを取り巻く環境の変化は激しい時代に突入してきたのではないでしょうか。
今回は、建設業者が活用できる助成金・補助金を紹介します。
一般的に活用されている補助金4つ、建設業特有の補助金3つ(計13コース)の計7つを紹介します。ぜひ、活用してください。
①IT導入補助金
IT導入補助金は、建設業者の皆さんのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める切り札になる補助金です。IT導入補助金には、通常枠と低感染リスク型ビジネス枠の二種類があります。
IT導入補助金 通常枠(A・B類型)
通常枠は、中小企業や小規模事業者が自社の強みや弱みを分析し、業務効率化を図るための対策として、ITツールの導入費用を支援する補助金です。
ITツールの申請要件
下記表のとおり、類型ごとのプロセス要件を満たすもので労働生産性の向上可能なITツールが申請要件になります。
補助事業者は、下記の類型から選択します。ただし、共 P-01~各業種 P-06を必ず1種類以上含む必要があります。汎P-07のみの単独申請は不可です。
種別 | Pコード | プロセス名 |
業務プロセス(共通) | 共P-01 | 顧客対応・販売支援 |
業務プロセス(共通) | 共P-02 | 決済・債権債務・資金回収管理 |
業務プロセス(共通) | 共P-03 | 調達・供給・在庫・物流 |
業務プロセス(共通) | 共P-04 | 会計・財務・経営 |
業務プロセス(共通) | 共P-05 | 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス |
業務プロセス(特化型) | 各業種P-06 | 業種固有プロセス |
汎用プロセス | 汎P-07 | 汎用・自動化・分析ツール |
補助金額
ソフトウェア購入費用、ソフトウェアに関連するオプションや役務の費用が対象です。
類型 | 補助金額 | 補助率 |
プロセス数 |
A類型 | 30~150万未満 | 1/2 | 1以上 |
B類型 | 150~450万以下 | 1/2 | 4以上 |
なお、B類型は、前述の「事業者の申請要件」⑥の達成が必須要件になっています。
出典:IT補助金2021通常枠(A・B 類型)公募要領
https://biz.stayway.jp/hojyo_detail/933/
IT導入補助金「低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)」
低感染リスク型ビジネス枠は、店舗などでの対人接触機会を減らすための対策等のために、ITツールの導入費用を支援する補助金です。
出典:IT導入補助金2021低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D 類型)公募要領
補助金額
ソフトウェア購入費用、ソフトウェアに関連するオプションや役務の費用が対象です。
類型 | 補助金額 | 補助率 |
プロセス数 |
C-1類型 | 30~300万未満 | 2/3 | 2以上 |
C-2類型 | 300~450万以下 | 2/3 | 2以上 |
D類型 | 30~150万以下 | 2/3 | 2以上 |
なお、C-2類型は、前述の「事業者の申請要件」⑥の達成が必須要件になっています。
出典:IT導入補助金2021低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D 類型)公募要領

②小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓等の取組や業務効率化の取り組みを支援する補助金です。
種類 | 補助上限額 | 補助率 |
一般型 | 50万円 | 2/3 |
低感染リスク型ビジネス枠 | 100万円 | 3/4 |


③ものづくり補助金(一般型)
ものづくり補助金は、設備投資を支援する補助金です。
種類 | 補助上限額 | 補助率 |
通常枠 | 1,000万円 | 1/2 ※ |
低感染リスク型ビジネス枠 | 1,000万円 | 2/3 |
※小規模事業者の場合は、補助率は2/3になります。

④業務改善助成金
業務改善助成金は、賃金引上げに際しての負担を軽減することにより、最低賃金の引上げに向けた環境整備を図ることを目的としており、「事業場内で最も低い賃金」を一定額以上引き上げるとともに、生産性向上につながる設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)などを行った場合に、その費用の一部を助成されます。
さらに、令和3年8月一部改定があり、助成上限額が引き上げされています。
出典元:厚生労働省業務改善助成金(令和3年8月改定リーフレット)
<概要>
コース区分 | 助成上限額 |
20 円コース | 引き上げ労働者数に応じて20~70万円 |
30 円コース | 引き上げ労働者数に応じて30~100万円 |
45 円コース | 引き上げ労働者数に応じて45~150万円 |
60 円コース | 引き上げ労働者数に応じて60~230万円 |
90 円コース | 引き上げ労働者数に応じて90~450万円 |
<助成率>
・事業場内最低賃金900 円未満 5分の4
※生産性要件を満たした場合は 10分9
・事業場内最低賃金900 円以上 4分の3
※生産性要件を満たした場合は5分の4

⑤建設事業主等助成金(トライアル雇用助成金)
トライアル雇用助成金、 若年者(35歳未満)や女性を一定期間試行雇用する中小建設事業主に対する助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
若年・女性建設労働者 トライアルコース |
35歳未満や女性を対象として試行雇用を行った場合 |
1人あたり4万円/月×3か月 (トライアル雇用助成金の上乗せ) |

⑥建設事業主等助成金(人材確保等支援助成金)
人材確保等支援助成金は、雇用した建設労働者の定着を図るために支給される助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
雇用管理制度助成 コース(建設分野) |
就業規則や労働協約の変更により雇用改善につながる制度を新たに導入し、目標を達成した場合 | 57万円(第1回)<72万円> 85.5万円(第2回)<108万円> (雇用管理制度助成コースの上乗せ) |
就業規則等の変更により建設キャリアアップシステムのレベル4相当に該当する者の賃金テーブルを年間2%かつ以上かつ5万円以上引き上げ、実際に適用した場合 | 10万円/年 増額した場合 6.65万円/人<8.4万円>(最大3年) 5万円/年 増額した場合 3.32万円/人<4.2万円>(最大3年) |
|
若年者及び女性に 魅力ある職場づくり 事業コース (建設分野) |
若年者及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った場合 | 中小建設事業主 対象経費の3/5<3/4> 中小建設事業主以外 対象経費の9/20<3/5> など |
作業員宿舎等 設置助成コース (建設分野) |
作業員宿舎等の確保(被災三県のみ)や、建設現場の女性専用設備を整備した場合 | 作業員宿舎等設置 対象経費の2/3 女性専用作業員施設 対象経費の3/5<3/4> など |




⑦建設事業主助成金(人材開発支援助成金)
人材開発支援助成金は、労働者の職業訓練の一部を支給してくれる助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
建設労働者 認定訓練コース |
認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練を実施した場合 | 経費助成 対象経費の1/6 賃金助成 3,800円/人日 <1,000円/人日> |
建設労働者 技能実習コース |
若年者等の育成と熟練技能の維持・向上を図るため、キャリアに応じた技能実習を実施した場合 | 中小建設事業主(20人以下) 経費助成 3/4 <3/20> 賃金助成 8,550円/人日<2,000円/人日> 中小建設事業主(21人以上) 経費助成 7/10 <3/20> 賃金助成 7,600円/人日<1,750円/人日> |


まとめ
建設業界では労働者不足対策のために、AIやIOT技術を活かした建設ロボットなどの建設DX化が、今後大きく前進するものと予想されます。
今回紹介しました助成金や補助金を活用して、工事管理システムなどのIT化とDX化にぜひお役立てください。
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