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最大1,500万円!IoT・ロボット導入を補助する「中小企業省力化投資補助事業」とは

公開日 2023/11/24
更新日 2024/02/14
この記事は約8分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和5年11月10日に、令和5年度補正予算案が閣議決定されました。これに伴い、経済産業省や厚生労働省をはじめ、各省庁から関連資料が公表されています。

 

経済産業省からは物価高騰や省エネルギーに関する支援策等が公表されているほか、事業再構築補助金を実施していた「中小企業等事業再構築促進事業」を再編して「中小企業省力化投資補助事業」が実施されます。

 

この事業は、IoTやロボットの導入に対して最大1,500万円の補助を行うものです。そこでこの記事では、「中小企業省力化投資補助事業」について解説します。

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事業再構築補助金

中小企業省力化投資補助事業 予算規模・事業目的

出典:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要

掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算案の概要

 

中小企業省力化投資補助事業には、中小企業等事業再構築促進事業を再編して1,000億円(中小企業等事業再構築基金の活用などを含めて総額5,000億円規模)の予算が盛り込まれています。

 

「省力化」とは、業務を見直して効率化を図り、生産性向上・労働時間の削減を行うことを指します。このことから「省力化投資」は、省力化を目的としたIoTやロボットといった設備への投資を指すと言えます。

参照:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)

掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算案の概要

 

本事業は人手不足が深刻化し、社会問題となっているなか、全国の中小企業の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業が行う省力化投資を支援することを目的としています。

 

またあわせて、この事業によって中小企業の付加価値や生産性向上を図り、賃金向上につながることも目的としています。

中小企業省力化投資補助事業 概要

本事業は、令和8年9月末までに15回程度の公募を予定しています。公募頻度は2か月に1回で、採択予定件数は計120,000件程度となります。
(1件当たりの補助申請額によって、予定件数の増減あり)

このほか、関係資料には、事業概要として以下の記載があります。

IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する。

引用:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)

この記述からも、IoT(Internet of Things)やロボットといった人手不足の解消につながる製品が補助対象経費となることがわかります。

対象となる商品を「カタログ」の形式で掲載し、中小企業等がそのカタログの中から選択して申請を進める運用となります。

 

参照:「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募要領

中小企業省力化投資補助事業 カタログについて

カタログに掲載する製品カテゴリは、工業統計調査用品目分類の粒度又はそれ以下の粒度ごとに認定・登録が行われるものとします。一例として、以下の粒度での登録が挙げられます。

例)自動清掃ロボット、スチームコンベクションオーブン、自動配膳ロボット

 

なお、令和6年2月14日時点では、より具体的な対象経費は未定ですが、以下のような製品が想定されます。

 

・製造、研究分野等における温度・湿度センサー、振動センサー、圧力センサー、距離センサー、監視カメラ
・工場、生産現場における組み立て用ロボットアーム
・介護現場や飲食店などの配膳ロボット
・高齢者施設や病院などの介護ロボット
・飲食店やホテルなどの受付ロボット
・ホテルや旅館などの清掃ロボット
・物流現場における自動配送ロボット
・飲食店や小売店などのセルフレジ
・建設現場における点検・測量ドローン など

 

カタログに掲載する省力化支援事業者と機器は、公募期間中に並行して拡充を続けます。

 

参照:中小企業省力化投資補助事業 製品カテゴリ 登録指針

中小企業省力化投資補助事業 補助対象者

本事業における補助対象者の要件として、以下3項目が挙げられています。
※記載の内容は差し当たってのものであり、今後、補助対象者の実情等を踏まえて変更となる可能性があります。

(1)人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等であり、客観的にそれを示す証憑を提示、あるいは人手不足が経営課題となっている旨の申告を行うこと。

 

(2)補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること(以下「付加価値額要件」という。)。
(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)

 

(3)賃上げによる補助上限の変更を適用する場合は、申請時点で、申請要件を満たす賃金引上げ計画を従業員に表明すること。交付後に表明していないことが発覚した場合は、補助金の増額分の返還を求める。

※「賃上げによる補助上限」については後述

 

参照:「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募要領

中小企業省力化投資補助事業 賃上げによる補助上限の変更

補助事業終了時点において以下2つの項目を達成することを、申請時に宣言した場合、「大幅な賃上げを行う場合」の補助上限を適用します。

(a)事業所内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること

(b)給与支給総額を年率平均6%以上増加させること

 

参照:「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募要領

中小企業省力化投資補助事業 補助率・補助上限額

本事業で予定されている補助率・補助上限額は、以下のとおりです。なお、別途示される「賃上げ要件」を達成した場合、括弧内の値まで補助上限額が引き上げられます。

補助率:1/2
補助上限額:従業員規模に応じて、補助上限額が異なります。
・従業員数   5名以下:   200万円   (300万円)
・従業員数  6~20名:   500万円   (750万円)
・従業員数 21名以上:1,000万円(1,500万円)

 

これまでの事業再構築補助金の補助上限額が、中小企業の場合、最大1億円(申請類型・要件による)であったことと比較すると、中小企業省力化投資補助事業の補助上限額は大幅に縮小されています。

 

また、中小企業基本法による中小企業の定義と照らし合わせると、中小企業のなかでも特に従業員規模は小規模事業者と同等の小さな企業に焦点を当てた事業であることがわかります。

業種分類 中小企業基本法の定義
製造業その他 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
サービス業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

以下、参照)小規模事業者の定義

業種分類 中小企業基本法の定義
製造業その他 従業員20人以下
商業・サービス業 従業員 5人以下

出典:中小企業庁 中小企業・小規模事業者の定義

中小企業省力化投資補助事業 補助金の返還等

以下のとおり、要件未達の場合は補助金の返還等を求められるため、ご注意ください。

①予見できない大きな事業環境の変化に直面するなどの正当な理由なく、付加価値額要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還を求める。

②予見できない大きな事業環境の変化に直面するなどの正当な理由なく、賃上げ要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の減額を行う。
③付加価値額が目標通りに伸びなかった場合に給与支給総額の年率増加率平均が「付加価値額の年率増加率平均/2」を越えている場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還・減額を求めない。

参照:「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募要領

中小企業省力化投資補助事業 成果目標

本事業における成果目標として、以下、記載されています。

付加価値額の増加、従業員一人当たり付加価値額の増加等を目指す。

引用:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)

以上の内容をもとに、これまで実施してきた中小企業等事業再構築促進事業のスキームで実施される予定です。ただし、関係資料には以下の記載もあります。

※なお、中小企業等事業再構築促進基金を用いて、これまで実施してきた、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、企業の思い切った事業再構築の支援については、必要な見直しを行う。

引用:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)

この記述により、事業再構築補助金については内容の見直しが行われると考えられます。

中小企業省力化投資補助事業 スケジュール

本事業は、令和6年3月から公募開始予定です。

2月20日まで事務局の公募が実施されていて、事務局決定後に公募開始となります。

 

参照:中小機構 令和5年度補正予算「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募について

全国:(暫定)令和5年度補正予算 中小企業省力化投資補助事業(中小企業等事業再構築促進事業を再編)
2024/01/29追記:本事業は3月から公募開始予定です。現在~2/20まで事務局の公募が実施されています。 ----- IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるように...

まとめ

今回は閣議決定された経済産業省の令和5年度補正予算のうち、「中小企業省力化投資補助事業」について解説しました。本事業は、人手不足の問題解決につながるIoT・ロボットの導入を支援する事業です。

社会全体で人手不足が深刻化するなか、製造業や飲食業では、生産性向上が特に大きな課題となっています。また、物流業が抱える「2024年問題」解決に向けた「ラストワンマイル配送の効率化・最適化」も喫緊の課題と言えます。

 

現在、こうした人手不足の課題を抱えている場合や設備投資による生産性向上を検討している場合は、ぜひ、本事業をご活用ください。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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