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令和3年補正予算「ものづくり補助金」11次の特徴と実施内容を解説

この記事は約5分で読めます。

中小規模事業者や個人事業主に適用可能な補助金として、国が支援する「ものづくり補助金」があります。

この補助金は鋭意見直しと拡充が続けられており、令和3年補正予算案の中で「一般型・グローバル展開型」の第11次が公募開始されました。今回の状況について、詳しく解説します。

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ものづくり補助金とは

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が、中小規模事業者などを支援する目的で実施している補助金です。

概要は、生産性向上を実現するための革新的なサービスの開発や試作品開発、また生産プロセス改善のための設備投資支援となっています。

「ものづくり」といえば一見、製造業の工作機械が主な対象と想像しますが、実際には業種に限定せず、生産性向上につながる設備の導入であれば、どの事業者でも補助対象となります。

実際の採択事例をみると、サービス業や小売業、農業など、さまざまな業種の事業者に適用されています。さらに、必要となる条件を満たせば個人事業主でも応募が可能です。

令和3年補正予算における見直しと拡充

ものづくり補助金は令和3年度補正予算の成立に伴い、10次締切以降、新たな見直しと拡充が実施されました。これに先立ち、公募実施されていた「低感染リスク型ビジネス枠」は終了しています。

引き続き多くの事業者が影響を受けているコロナ禍で、これまでは感染防止と生産性向上を両立するビジネスモデルへの支援が主な施策でしたが、今後の社会経済活動の再開にあたり、新たな取り組みが検討されています。

参照:中小企業庁

ものづくり補助金(前回10次~)の見直しと拡充内容

令和3年度補正予算案における、前回10次締切からのものづくり補助金の見直し・拡充の内容は以下のとおりとなっています。なお、今回11次の公募は令和4年5月12日(木) に開始されています。

10次締切からの募集骨子は次のとおりです。

  • 補助対象事業者の見直し・拡充
  • 従業員規模に応じた補助上限額の設定
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠の新設
  • デジタル枠の新設
  • グリーン枠の新設

参照:中小機構

補助対象事業者の見直し・拡充

10次締切から、補助対象となる事業者の追加と拡充が実施されています。

資本金10億円未満の「特定事業者」の追加

政府は、中小企業から中堅企業への成長途上にある企業の支援を目的として、「中小企業等経営強化法」で新たな支援対象類型(特定事業者)を創設しました。

これにより、資本金の規模に限らず新たな支援が対象となり、これまで支援施策の対象外だった企業も対象に含まれることとなりました。

この変更に伴い、補助対象事業者に「資本金10億円未満」の特定事業者が追加されています。

再生事業者を対象とした加点

再生事業者(中小企業再生支援スキームを活用して自社の事業再生計画を策定する事業者)を対象として、加点による採択を優遇し、補助率を2/3に引き上げて支援します。

また、要件が未達だった場合に補助金の一部返還を求める返還要件が、一定の場合に免除されます。

従業員規模による補助上限額の設定

従来一律1,000万円であった通常枠の補助上限額が変更されました。

最低賃金の引上げを含めた賃上げ原資となる付加価値を創出する事業者を支援するため、従業員の規模に応じた上限額が設定されています。具体的な上限額は次のとおりです。

  • 従業員数5人以下:750万円
  • 6~20人:1,000万円
  • 21人以上:1,250万円

再生事業者も、小規模事業者と同じく補助率は2/3です。

回復型賃上げ・雇用拡大枠の新設

コロナ禍等により引き続き業況が厳しい事業者に対して、賃上げや雇用拡大に取り組むための生産性向上を支援する申請類型を創設し、補助率を2/3に引き上げました。

通常枠および、回復型賃上げ・雇用拡大枠の対象となる追加要件は次のとおりです。

通常枠の基本要件

次の要件を全て満たす、今後3~5年の事業計画を策定していることが要件となります。

  1. 事業者全体の付加価値額が年率平均3%以上増加すること
  2. 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
  3. 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金に30円以上加えた水準とすること

追加要件

回復型賃上げ・雇用拡大枠の対象となる事業者に対して、上記項目に加え「補助金への応募申請時に前年度の事業年度の課税所得がゼロであること」が要件となります。

なお、補助金の返還要件として、上記1、2が未達の場合に補助金額の全額返還を求めることで、賃上げ・雇用拡大の実効性を確保しています。

デジタル枠の新設

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)に貢献する革新的な製品・サービスの開発や、デジタル技術を活用した生産プロセスとサービス提供方法の改善を字実施する事業者を対象として、補助率を2/3に引き上げた新たな申請類型を創設しました。

対象となる事業者は、前述の基本要件に加え、次の要件が求められます。

  • DXに資する革新的な製品・サービスの開発や、デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善を行う事業計画を策定していること(→ポイント)
  • 経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有するの自己診断を実施するとともに、その結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に提出すること

グリーン枠の新設

温室効果ガスの排出削減に貢献する革新的な製品・サービスの開発や、炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善を実施する事業者を対象として、補助金の上限額と補助率を引き上げ、新たな申請類型を創設しています。

グリーン枠の対象となる事業者は、こちらも前述の基本要件に加え、以下の要件が求められます。

  • 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均で1%以上増加すること
  • 温室効果ガス排出削減に向けた詳細な取組状況を示す書面を提出すること
全国:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(一般型・グローバル展開型)/11次公募
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり、相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い...

最後に

ものづくり補助金は、中小企業や個人事業主が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を実施した場合、これに対する補助を目的とする役割を担っています。

今回の補正予算案では、グリーン・デジタルといった成長投資の加速化に対応する特別枠や、賃上げによる事業環境変化に対応するための特別枠が加わっています。

このような支援策を活用し、自社の経営革新を図ることが有益です。

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