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働き方改革をはじめさまざまな原因で、建設業者の皆さまを取り巻く環境の変化は激しい時代に突入してきたのではないでしょうか。変化する環境のなか、事業を維持・拡大するためには、補助金・助成金の活用がおすすめです。
そこで今回は、建設業者が活用できる助成金・補助金を紹介します。一般的に活用されている補助金5つ、建設業特有の補助金3つの計8つを紹介します。ぜひ、活用してください。
①事業再構築補助金
出典:事業再構築補助金公式HP内 事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)
事業再構築補助金は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編など思い切った事業再構築にあたり、中小企業の挑戦を支援する、経済産業省主管の補助金です。
これまでの申請類型を再編し、令和5年3月30日(木)から公募開始の第10回公募以降は成長枠、グリーン成長枠(エントリー・スタンダード)、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠、サプライチェーン強靱化枠、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠の計8枠となりました。
本補助金への申請が採択された場合、申請類型や要件によりますが、最大で1億円(中小企業の場合。中堅企業の場合は最大1.5億円。)が補助されます。第10回公募の各類型概要や補助金額、補助率等については、こちらの記事で解説しています。ぜひ、ご参照ください!
【事業再構築補助金】3月30日公募開始!第10回公募の概要・変更点とは
②IT導入補助金
出典:IT導入補助金 サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2023』の概要
IT導入補助金は、ITツール(ソフト・ハード)の導入を支援するものです。そのため、設業者の皆さんが今後行うDX(デジタルトランスフォーメーション)の切り札となります。
申請類型には、通常枠(A・B類型)とセキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型・商流一括インボイス対応類型)があります。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は、「IT導入補助金2023」にて新設された申請類型です。2023年10月から開始予定のインボイス制度に対応をした受発注の機能を有しているクラウド型ソフトウェアを対象に、その導入を支援するものです。
通常枠(A ・B類型)の場合、費用の1/2、最大450万円が補助されます。各類型の概要や補助金額、補助率等については、こちらの記事で解説しています。ぜひ、ご参照ください!
【徹底解説】IT導入補助金2023の目的・概要・補助額・事例とは
③小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
2023年5月現在行われている令和4年第2次補正予算分以降、要件を満たす場合、インボイス特例の適用により全枠一律で補助上限が50万円上乗せされるなど大きな変更が行われました。
小規模事業者持続化補助金の概要については、以下の記事にて解説しています。
令和4年度第2次補正予算・小規模持続化補助金の概要は?活用事例とあわせて解説
④ものづくり補助金
出典:ものづくり・商業・サービス補助金 公募要領 概要版 15次締切分
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり、相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資等を支援するものです。
2023年5月現在公募中の15時締切分では、加点項目の追加や文言変更など、前回の内容から一部変更が行われています。ものづくり補助金の概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
⑤業務改善助成金
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。 生産性向上のための設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。
<補助上限金額>
コース区分 | 助成上限額 |
30 円コース | 引き上げ労働者数・事業場規模に応じて30~130万円 |
45 円コース | 引き上げ労働者数・事業場規模に応じて45~180万円 |
60 円コース | 引き上げ労働者数・事業場規模に応じて60~300万円 |
90 円コース | 引き上げ労働者数・事業場規模に応じて90~600万円 |
<助成率>
助成率は、申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって変わります。
・事業場内最低賃金870円未満:10分9
・事業場内最低賃金870円以上920円未満:5分の4
※生産性要件を満たした場合は10分の9
・事業場内最低賃金920円以上:4分の3
※生産性要件を満たした場合は5分の4
⑥トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者 トライアルコース)
若年者(35歳未満)や女性を一定期間試行雇用する中小建設事業主に対する助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
若年・女性建設労働者 トライアルコース |
35歳未満や女性を対象として試行雇用を行った場合 |
1人あたり4万円/月×3か月 (トライアル雇用助成金の上乗せ) |
出典元:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金 パンフレット 建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)のご案内(建設事業主向け)令和5年度版
⑦建設事業主等助成金(人材確保等支援助成金)
人材確保等支援助成金は、雇用した建設労働者の定着を図るために支給される助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
建設キャリアアップシステム等普及促進コース | 建設労働者の処遇改善やキャリアパスの明確化を図り、もって若年者等の建 設業への入職・定着促進による担い手の確保、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備及び職業能力開発の促進に資するよう、建設キャリアアップシステム等の普及促進に取り組む建設事業主団体に対して、必要な助成を行うものです。 |
中小建設事業主団体:対象経費の2/3 1団体につき1事業年度(4/1~3/31)の上限額 |
若年者及び女性に 魅力ある職場づくり 事業コース (建設分野) |
若年者及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った場合 |
中小建設事業主 1団体につき1事業年度(4/1~3/31)の上限額200万円 |
作業員宿舎等 設置助成コース (建設分野) |
作業員宿舎等の確保(被災三県のみ)や、建設現場の女性専用設備を整備した場合 | 作業員宿舎等設置 対象経費の2/3 女性専用作業員施設 対象経費の3/5<3/4> など |
出典元:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金 パンフレット 建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)のご案内(建設事業主向け)令和5年度版
⑧建設事業主助成金(人材開発支援助成金)
人材開発支援助成金は、労働者の職業訓練の一部を支給してくれる助成金です。
コース名 | 概要 | 助成額 |
建設労働者 認定訓練コース |
認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練を実施した場合 | 経費助成 対象経費の1/6 賃金助成 3,800円/人日 <1,000円/人日> |
建設労働者 技能実習コース |
若年者等の育成と熟練技能の維持・向上を図るため、キャリアに応じた技能実習を実施した場合 | 中小建設事業主(20人以下) 経費助成 3/4 <3/20> 賃金助成 8,550円/人日<2,000円/人日> 中小建設事業主(21人以上) 経費助成 7/10 <3/20> 賃金助成 7,600円/人日<1,750円/人日> |
出典元:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金 パンフレット 建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)のご案内(建設事業主向け)令和5年度版
まとめ
労働者不足対策の一環として、データのシステム化やロボットの導入など、建設業界におけるDX化は今後大きく前進すると予想されます。
今回紹介した補助金や助成金を、御社の事業にお役立てください。
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