※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
企業にとって設備投資は、事業の加速や成長に欠かせません。しかし、購入費用がかさむ場合があり、躊躇してしまう事業者も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、設備投資の後押しとなる補助金を紹介します。設備によっては導入することで省エネ対策にもなり、導入後の光熱費削減が期待できます。
大阪府に事業所を置く企業が対象となる補助金を紹介するので、ぜひ、活用をご検討ください。
事業再構築補助金
類型 | 最低賃金枠 | 物価高騰対策 ・回復再生応援枠 |
産業構造 転換枠 |
成長枠 | グリーン成長枠 | サプライチェーン 強靱化枠 |
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エントリー | スタンダード | ||||||
対象 | 最低賃金引上げ の影響を受け、その原資の確保が困難な事業者 |
業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者、 原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者 |
国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者 | 成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーン の強靱化及び地域産業の活性化に資する 取組を行う事業者 |
|
補助 上限 |
最大 1,500万円 |
最大 3,000万円 |
最大 7,000万円 |
最大 7,000万円 |
最大 8,000万円 (中堅1億円) |
1億円 (中堅1.5億円) |
最大 5億円 |
補助率 | 3/4 | 2/3 (一部3/4) | 2/3 | 1/2(大規模な賃上げ達成で2/3へ引上げ) | 1/2 |
○大規模賃金引上促進枠:上限3,000万円上乗せ
○卒業促進枠(中小企業等からの卒業):上限を2倍に引上げ
参照:経済産業省 事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)
資料掲載ページ:経済産業省 事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
要件を満たす場合、上記の取り組みに要する建物費や機械装置・システム構築費 などの一部が補助されます。
今後実施が予定されている第12回公募以降、申請枠の再編や内容変更が予定されているため、申請検討の際は必ず最新情報をご確認ください。
採択事例
過去の採択事例から、大阪府における設備投資の事例を紹介します。
【事例1】
業種 | 製造業 |
所在地 | 大阪府東大阪市 |
従業員数 | 約60名 |
事業計画概要 | 次世代エネルギー普及のための鍛造設備導入で事業再構築を実現 |
【事例2】
業種 | 製造業 |
所在地 | 大阪府松原市 |
従業員数 | 約80名(本社) |
事業計画概要 |
ロボットシステム及び3Dプリンタの導入による医薬品製造業界への新規参入事業 |
【事例3】
業種 | 製造業 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
従業員数 | 約10名 |
事業計画概要 | 工場、製造設備を導入し本場中国の味を届ける食品製造業への進出 |
出典:事業再構築補助金 第10回公募 補助金交付候補者の採択結果
ものづくり補助金
枠・類型 | 補助上限額 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合 |
補助率 | |
省力化 (オーダーメイド)枠 |
5人以下 750万円(1,000万円) 6~20人 1,500万円(2,000万円) 21~50人 3,000万円(4,000万円) 51~99人 5,000万円(6,500万円) 100人以上 8,000万円(1億円) |
1/2※ 小規模・再生 2/3 ※補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円 を超える部分は1/3 |
|
製品・サービス 高付加価値化枠 |
通常類型 | 5人以下 750万円(850万円) 6~20人 1,000万円(1,250万円) 21人以上 1,250万円(2,250万円) |
1/2 小規模・再生 2/3 新型コロナ回復加速化特例 2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 5人以下 1,000万円(1,100万円) 6~20人 1,500万円(1,750万円) 21人以上 2,500万円(3,500万円) |
2/3 | |
グローバル枠 | 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | 1/2 小規模 2/3 |
➡大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例:補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者(給与支給総額 年平均成長率+6%以上等)に対して、補助上限額を100万円~2,000万円上乗せ (申請枠・類型、従業員規模によって異なる。新型コロナ回復加速化特例適用事業者を除く。)
ものづくり補助金は、令和5年度予算による直近公募回 16次公募が終了し、17次公募からは令和5年度補正予算による実施となります。これに伴い、申請枠・内容を新たにして上図の申請枠・補助上限額・補助率となりました。
なお、17次公募は省力化(オーダーメイド)枠のみの募集となります。
本補助金は中小企業等が行う、革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援するもので、補助対象経費は以下のとおりです。
<共通>
機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
また、大幅な賃上げに取り組む事業者については補助上限額が引き上げられる特例が適用されます。
活用イメージ
経済産業省が公表している資料に掲載されている申請枠ごとの活用イメージを紹介します。
省力化(オーダーメイド)枠
例)熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(SIer)と共同で開発したAIや画像
判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性
が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
製品・サービス高付加価値化枠(①通常類型)
例)最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発。
製品・サービス高付加価値化枠(②成長分野進出類型(DX・GX))
例)AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発
グローバル枠
例)海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展
参照:ものづくり補助金 公式HP
参照:中小企業庁 中小企業対策関連予算
IT導入補助金
申請類型 | 補助対象経費 |
補助上限額 |
補助率 |
通常枠 |
ITツール |
150〜450万円 |
1/2 |
複数社連携IT導⼊枠 |
①インボイス枠の対象経費と同様 |
①+②+③ |
1/2 〜 4/5 |
インボイス枠 |
ITツール (会計ソフト、受発注システム (※1)、決済ソフト) |
下限無し 50万円 |
3/4 4/5 |
350万円 | 2/3 | ||
PC・レジ・券売機 等 | 10〜20万円 | 1/2 | |
セキュリティ対策推進枠 |
サイバーセキュリティお助け |
100万円 |
1/2 |
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
令和5年度補正予算実施分から申請類型が再編され、上図の内容で実施されます。
会計ソフトやセキュリティ対策ソフト等の購入費・サービス使用料が対象となるほか、インボイス枠では、パソコンやタブレット端末などのハードウェアの購入費用を補助対象経費としています。
ただし、ハードウェアを補助対象として申請する場合は、そのハードウェアが会計ソフトや受発注ソフトなどのソフトウェア使用に資するものであることが必要となります。 ※その他要件あり
参照:IT導入補助金2023後期 公式HP
参照:中小企業庁 中小企業対策関連予算
小規模事業者持続化補助金
類型 | 通常例 | 賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 |
補助率 | 2/3 | 2/3 (赤字事業者については3/4) |
2/3 | ||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | |||
インボイス特例 | 50万円 ※インボイス特例の要件を満たす場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せ |
参照:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金 公式HP ガイドブック
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者自らが作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、地道な販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するものです。
製造業の場合、原則、常時使用する従業員の数 20人以下であり、かつ、その他の要件を満たせば申請可能です。
以下が、補助対象経費となります。
①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦資料購入費、⑧雑役務費、⑨借料、⑩設備処分費、⑪委託・外注費
ただし、機械装置費等の場合、補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費が対象となり、通常の事業活動のための費用、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外です。
同様に広報費や旅費についても、補助事業の遂行に必要であることが求められ、通常の営業活動に要する経費とみなされる場合は補助対象外となります。
なお、ウェブサイト関連費については、補助金交付申請額の4分の1が当経費の申請額の上限となります。
本事業は令和5年度補正予算においても、継続して実施予定です。
参照:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金 公式HP 公募要領
採択事例
過去の採択事例から、大阪府の事例を紹介します。
【事例1】
業種 | サービス業 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
従業員数 | – |
事業計画概要 | 紙広告とHPよる販促、新設備導入してレッスン生産性向上させる |
【事例2】
業種 | サービス業 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
従業員数 | – |
事業計画概要 |
高度技術を備えた設備導入による極上ヘッドスパサービスの実現 |
【事例3】
業種 | 製造業 |
所在地 | 大阪府東大阪市 |
従業員数 | 約5名 |
事業計画概要 |
新設備導入により、お客様が求めるネジ金型の生産能力強化 |
省エネ補助金
令和5年度における「省エネ補助金」とは、以下2つの補助金の総称です。
・省エネルギー投資促進支援事業
・省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
いずれも令和5年度分の公募は終了していますが、令和5年度補正予算分にて、今後も継続して実施予定です。
省エネルギー投資促進支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、省エネルギー性能の高いユーティリティ設備・生産設備等への更新、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入することにより、省エネルギー効果の要件を満たす事業に要する経費の一部を補助する事業です。
省エネ補助金全体には、以下のとおり、A~Dの大きく4つの事業区分があります。
- A. 先進事業
- B. オーダーメイド型事業
- C. 指定設備導入事業
- D. エネルギー需要最適化対策事業
本事業はこのうち、「C. 指定設備導入事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「C. 指定設備導入事業」では、SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録及び公表したものが補助対象となり、それらへの更新を要件として最大1億円の補助を受けられます。
指定設備一覧:https://sii.or.jp/shitei04r/search/
「D. エネルギー需要最適化対策事業」では、SIIが定める 「EMSのシステム要件」を満たし、エネマネ事業者が提供するエネルギー管理支援サービス等の実施のために必要不可欠なシステム・機器で、あらかじめSIIの確認を受け、補助対象システム・機器として登録されているものを補助対象とし、最大1億円を補助します。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進支援事業
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、導入ポテンシャルの拡大等を見込める先進的な設備・システムの導入、機械設計が伴うオーダーメイド型設備への更新やプロセス改修、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入を支援するものです。
本事業は、「A. 先進事業」「B. オーダーメイド型事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「A. 先進事業」は、SIIが公表した補助対象設備へ更新等することにより、原油換算量ベースで指定の要件を満たす事業です。最大15億円が補助されます。補助対象設備は、以下のページで公開されています。
対象設備一覧:https://sii.or.jp/senshin04r/system/search
また、「B. オーダーメイド型事業」は、既存設備を機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等へ更新等することにより 、原油換算量ベースで指定要件を満たす事業です。最大15億円の補助を受けられます。(非化石転換設備の場合は20億円)
「D. エネルギー需要最適化対策事業」の内容は、省エネルギー投資促進支援事業と同様です。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
SHIFT事業
参照:環境省 令和5年度補正予算(案)の概要(令和5年11月) 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組の推進
本事業は、年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満の工場・事業場を保有する中小企業等に対し、認定外部支援機関によるCO2排出量削減余地診断(以下「削減余地診断」という。)及び診断結果に基づくCO2削減計画を策定する事業(「CO2削減計画策定支援」、以下「計画策定支援」という。)と、基準年度CO2排出量が50トン以上の工場又は事業場において、意欲的なCO2削減目標を盛り込んだCO2削減計画に基づく高効率設備導入や電化・燃料転換を行う事業(「省CO2型設備更新支援」、以下「設備更新支援」という。)から構成されます。
令和3年度補正予算にて行われた「グリーンリカバリーの実現に向けた中小企業等のCO2削減比例型設備導入支援事業」を統合し、令和5年度から新たな支援メニュー(企業間連携先進モデル支援)が追加になりました。
令和5年11月2日(木)まで2次公募が行われ、令和5年度補正予算においても継続して実施される予定です。(上図参照)
参照:環境省 令和5年SHIFT事業企業間連携先進モデル支援の概要
大阪府:企業立地促進補助金(府内投資促進補助金)
ものづくり中小企業の投資や新規立地の促進を図るため、工場又は研究開発施設の新築や増改築を行う企業に対し補助を行うものです。
補助対象施設
補助の対象となる施設は以下の2種類で、立地(投資)に必要な経費の一部を補助します。
1. 産業集積促進地域における工場又は研究開発施設
2. 研究開発施設の投資促進を奨励する市町村における先端産業の研究開発施設
補助対象経費
立地(投資)に必要な経費の一部
補助率
5%(大阪府内に本店・工場・研究開発施設を持つ企業は10%)
補助上限額
3千万円
大阪府:中小事業者LED照明導入促進補助金
中小事業者が大阪府内で運営する工場・事業場において、既設の照明設備をLED照明へ更新する取組みを支援するものです。リースを活用する場合も申請可能です。
ただし、工事を伴わない管球(ランプ)の交換のみや既存のLED照明からの更新の場合は対象外となります。
補助率
補助対象経費の2分の1に相当する額以内(補助金額に千円未満の端数が生じた場合は切り捨て)
補助上限額
上限額 1,500万円、下限額 20万円
大阪府:受動喫煙防止対策補助金
「大阪府受動喫煙防止条例」の施行により、府条例で規制の対象となる府内飲食店が、受動喫煙防止対策として喫煙専用室等を整備する場合又は全面禁煙する場合に経費の一部を補助する制度です。
補助対象事業
喫煙専用室等の設置や店舗の全面禁煙化
補助対象経費
1.喫煙専用室等設置事業:喫煙専用室等の整備内容にかかる工費、設備費、備品費、機械装置費など
2.全面禁煙化事業:全面禁煙化に係る経費のうち、工費(既存の喫煙室の撤去費含む)、クリーニング費及び備品費等。ただし、備品費は客席で用いるもの、クリーニング費はたばこの汚れ・臭気の除去のためのものに限る
補助率
1.喫煙専用室等設置事業:3/4
2.全面禁煙化事業:3/4
補助基準額
1.喫煙専用室等設置事業:300万円
2.全面禁煙化事業:100万円
喫煙専用室等設置事業では最大300万円に3/4を乗じた額、全面禁煙化事業では最大100万円に3/4を乗じた額が補助されます。
まとめ
この記事では、大阪府で設備投資に活用できる補助金を解説しました。
補助金の活用によって設備の導入費用を抑えられるだけでなく、その後の光熱費削減も見込める場合があります。設備投資を検討される場合は、ぜひ、補助金申請もあわせてご検討ください。
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