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滋賀県が行った景況調査の結果、令和5年度 第2四半期において企業の景況感を示す業況DIのマイナス幅が縮小し、令和5年度 第3四半期ではさらにマイナス幅が縮小する見通しとなりました。
そこでこの記事では、さらにその下支えともなる、滋賀県で製造業を営む事業者が活用できる2024年注目の補助金を紹介します。
参照:滋賀県 景況調査報告書 令和5年度第2四半期(7~9月期)
滋賀県の製造業がつかえる補助金(令和5年度補正予算にて実施予定)
まず、令和5年度補正予算に計上された補助事業のうち、滋賀県の製造業者におすすめの主な補助金を紹介します。なお、いずれも令和5年1月4日時点で詳細未公表であるため、申請検討の際は必ず最新情報をご確認ください。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中堅・中小企業が、持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行うものです。
最大50億円が補助される大型補助金であることから、拠点新設や大規模設備投資を行う予定の企業から注目を集めています。
ただし、投資下限額は10億円と定められていて、一定規模以上の投資を行う中堅・中小企業がいる場合に限り、コンソーシアム形式により参加企業の投資額の合計が10億円以上となる場合も対象となります。
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
中小企業省力化投資補助事業
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援するものです。
「省力化」とは、業務を見直して効率化を図り、生産性向上・労働時間の削減を行うことです。このことから「省力化投資」は、省力化を目的としたIoTやロボットといった設備への投資を指します。
IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進します。
製造業で想定される省力化投資の例として、工場、生産現場における組み立て用ロボットアームや生産状況の監視カメラ、温度・湿度センサー、振動センサーなどが挙げられます。
本事業で予定されている補助率・補助上限額は、以下のとおりです。なお、別途示される「賃上げ要件」を達成した場合、括弧内の値まで補助上限額が引き上げられます。
補助率:1/2
補助上限額:従業員規模に応じて、補助上限額が異なります。
・従業員数 5名以下: 200万円 (300万円)
・従業員数 6~20名: 500万円 (750万円)
・従業員数 21名以上:1,000万円(1,500万円)
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
滋賀県の製造業がつかえる補助金(実施実績あり)
次に、過去公募実績を踏まえ、公募前ではありますが注目の補助金を紹介します。いずれも令和5年度予算分までの公募は終了していますが、令和5年度補正予算分にて継続実施予定です。
申請検討時は、必ず最新情報をご確認ください。
省エネ補助金
令和5年度における「省エネ補助金」とは、以下2つの補助金の総称です。
・省エネルギー投資促進支援事業
・省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
いずれも令和5年度分の公募は終了していますが、令和5年度補正予算分にて、今後も継続して実施予定です。
省エネルギー投資促進支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、省エネルギー性能の高いユーティリティ設備・生産設備等への更新、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入することにより、省エネルギー効果の要件を満たす事業に要する経費の一部を補助する事業です。
省エネ補助金全体には、以下のとおり、A~Dの大きく4つの事業区分があります。
- A. 先進事業
- B. オーダーメイド型事業
- C. 指定設備導入事業
- D. エネルギー需要最適化対策事業
本事業はこのうち、「C. 指定設備導入事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「C. 指定設備導入事業」では、SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録及び公表したものが補助対象となり、それらへの更新を要件として最大1億円の補助を受けられます。
指定設備一覧:https://sii.or.jp/shitei04r/search/
「D. エネルギー需要最適化対策事業」では、SIIが定める 「EMSのシステム要件」を満たし、エネマネ事業者が提供するエネルギー管理支援サービス等の実施のために必要不可欠なシステム・機器で、あらかじめSIIの確認を受け、補助対象システム・機器として登録されているものを補助対象とし、最大1億円を補助します。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進支援事業
公開されている採択結果のうち、直近となる令和4年度補正予算 2次公募の結果は、以下のとおりです。
申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択金額合計 | 計画省エネ量 | |
(C)指定設備導入事業 | 1,622 件 | 1,515 件 | 93.4% | 95.6 億円 | 13,040.3 kl |
(C)指定設備導入事業 + (D)エネルギー需要最適化対策事業 |
3件 | 3件 | 100.0% | 0.2 億円 | 130.9 kl |
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業交付決定 新規採択事業について
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、導入ポテンシャルの拡大等を見込める先進的な設備・システムの導入、機械設計が伴うオーダーメイド型設備への更新やプロセス改修、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入を支援するものです。
本事業は、「A. 先進事業」「B. オーダーメイド型事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「A. 先進事業」は、SIIが公表した補助対象設備へ更新等することにより、原油換算量ベースで指定の要件を満たす事業です。最大15億円が補助されます。補助対象設備は、以下のページで公開されています。
対象設備一覧:https://sii.or.jp/senshin04r/system/search
また、「B. オーダーメイド型事業」は、既存設備を機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等へ更新等することにより 、原油換算量ベースで指定要件を満たす事業です。最大15億円の補助を受けられます。(非化石転換設備の場合は20億円)
「D. エネルギー需要最適化対策事業」の内容は、省エネルギー投資促進支援事業と同様です。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
公開されている採択結果のうち、直近となる令和4年度補正予算 4次公募の結果は、以下のとおりです。
申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択金額合計 | 計画省エネ量 | ||
(A)先進事業 (B)オーダーメイド型事業 (D)エネルギー需要最適化対策事業 |
単年度事業 | 3件 | 1件 | 33.3% | 0.2億円 | * |
複数年度事業 | 31件 | 24件 | 77.4% | 47.5億円 | 3,828.6 kl |
*「計画省エネ量」は、採択事業の合計値
*単年度事業は採択件数が1件であるため非公開
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業交付決定 新規採択事業(単年度事業)について
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業交付決定 新規採択事業(複数年度事業)について
工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
参照:環境省 令和5年度補正予算(案)の概要(令和5年11月) 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組の推進
本事業は、年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満の工場・事業場を保有する中小企業等に対し、認定外部支援機関によるCO2排出量削減余地診断(以下「削減余地診断」という。)及び診断結果に基づくCO2削減計画を策定する事業(「CO2削減計画策定支援」、以下「計画策定支援」という。)と、基準年度CO2排出量が50トン以上の工場又は事業場において、意欲的なCO2削減目標を盛り込んだCO2削減計画に基づく高効率設備導入や電化・燃料転換を行う事業(「省CO2型設備更新支援」、以下「設備更新支援」という。)から構成されます。
令和3年度補正予算にて行われた「グリーンリカバリーの実現に向けた中小企業等のCO2削減比例型設備導入支援事業」を統合し、令和5年度から新たな支援メニュー(企業間連携先進モデル支援)が追加になりました。
令和5年11月2日(木)まで2次公募が行われ、令和5年度補正予算においても継続して実施される予定です。(上図参照)
参照:環境省 令和5年SHIFT事業企業間連携先進モデル支援の概要
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
出典:環境省 令和5年度補正予算(案)の概要(令和5年11月) 令和5年度補正予算(案)施策集
本事業は「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」のうちのひとつで、ストレージパリティの達成に向けてオンサイト PPA* モデル等による自家消費型太陽光発電や蓄電池などの導入を行う事業に要する経費の一部を補助するものです。* PPA: power purchase agreement / 電力購入契約
「ストレージパリティ / storage parity: SP」とは、太陽光発電設備の導入に際して、蓄電池(ストレージ / storage)を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態を指す言葉です。
補助事業を行うために直接必要で、エネルギー起源CO₂の排出削減に直接資する工事費や設備費、業務費、事務費などが補助対象となります。交付額は基準額・算定方法によって異なります。
令和5年度当初予算にて公募が実施されましたが、令和5年度補正予算においても継続実施予定です。(上図参照)なお、過去実施された公募の採択率等は非公開とされています。
まとめ
本記事では、滋賀県で製造業を営む事業者が2024年注目したいおすすめの補助金を紹介しました。詳細未公表の補助金も多くありますが、製造業の景気回復の下支えとなるものですので、ぜひご活用ください。
なお、ご不明点等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。
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