※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
業務効率化やデジタル化のためにパソコン導入を検討する中小企業者等にとって、導入コストは大きな負担となります。
費用を抑える手段として、補助金・助成金の活用が有効です。ただし、パソコン単体では補助対象外となる制度もあるため、対象となる条件や申請方法を正しく理解する必要があります。
そこでこの記事では、パソコン購入が補助対象となる主な補助金・助成金と対象条件について解説します。
パソコン購入が補助対象となる主なケース
パソコン購入が補助対象となるかどうかは、制度ごとに定められた要件や、導入の目的・活用方法によって判断されます。
多くの制度では、業務効率化やデジタル化、テレワーク環境の整備などの取り組みに必要な導入であることが求められます。
このため、単にパソコンを購入するだけの場合や、既存設備の更新にとどまる場合は、補助対象とならない場合があります。
また、パソコン単体での購入か、業務システムやITツールとあわせて導入するかといった活用方法も補助対象の判断に影響します。
そのため、パソコン購入に補助金・助成金を活用する場合は、自社の導入目的と活用方法の両面から整理したうえで、制度ごとの対象経費や要件を確認する必要があります。
パソコン購入に使える主な補助金
ここでは、パソコン購入に使える主な補助金について、国(省庁)および地方自治体が実施する制度のうち、令和8年4月24日時点で公募中の制度から主なものを紹介します。
デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠 インボイス対応類型)


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「デジタル化・AI導入補助金」は、AI等を用いた業務の効率化やDXの推進、セキュリティ
対策に向けた、ITツール等の導入費用を支援する制度です。
次の5つの申請類型をもって、公募を行っています。
・通常枠
・複数者連携デジタル化・AI導入枠
・インボイス枠 インボイス対応類型
・インボイス枠 電子取引類型
・セキュリティ対策推進枠
このうち、「インボイス枠 インボイス対応類型」は、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」の機能を有するソフトウェアの導入を必須とし、これを満たす場合に、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入も補助対象となります。
つまり、ハードウェアはソフトウェアの利用に資する場合に限り補助対象となり、ハードウェア単独での申請は認められません。
「複数社連携IT導入枠」は、商店街等において複数の中小企業者等が連携してITツールを導入する場合を対象とする申請枠です。
そのため、本記事では「インボイス枠 インボイス対応類型」に絞って解説します。
補助対象経費
「インボイス枠 インボイス対応類型」の対象経費は、大きく「ソフトウェア関連費用」と「ハードウェア」に区分できます。
<ソフトウェア関連費用(ソフトウェア・オプション・役務)>
ソフトウェアの導入に伴い、以下の費用を補助対象とします。
・ソフトウェア購入費
・クラウド利用料(最大2年分)
・オプション費用(セキュリティソフト等)
・役務費(導入支援費、保守費等)
なお、補助対象となるソフトウェアは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を有するものに限ります。
<ハードウェア>
ソフトウェアまたはクラウドサービスの使用に資する機器については、以下の費用を補助対象とします。
・パソコン・タブレット等の購入費用
・レジ・券売機等の購入費用
・設置費用
ただし、これらのハードウェアはソフトウェアとあわせて導入する場合に限り、補助対象となり、ハードウェア単独での申請は認められません。
補助上限額・補助率
「インボイス枠 インボイス対応類型」では、ITツールの機能数に応じて補助上限額が異なります。
<ITツール(ソフトウェア等)>
① 1機能(会計・受発注・決済のいずれか1つ)の場合
補助上限額:50万円以下
補助率:
中小企業者等:3/4以内
小規模事業者:4/5以内
② 2機能以上の場合
補助上限額:350万円以下
補助率:
50万円以下の部分:
中小企業者等:3/4以内
小規模事業者:4/5以内
50万円超~350万円の部分:
中小企業者等・小規模事業者ともに2/3以内
※対象となる機能は「会計」「受発注」「決済」です。
<ハードウェア>
PC・タブレット等:補助上限額10万円、補助率1/2以内
レジ・券売機等:補助上限額20万円、補助率1/2以内

東京都江東区:ICT等導入支援事業
ICT等導入支援事業は、業務効率化・合理化および事業継続性の確保を目的として、区内中小企業者等が行うITツール等の導入に対し、相談支援および導入経費の一部を補助する制度です。
対象となる事業は、次のとおりです。
1. ソフトウェアの導入(クラウドサービス・サブスクリプション型を含む)
2. 情報セキュリティ機器の導入
3. キャッシュレス決済端末等の導入
4. テレワーク関連機器の導入
補助対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。
・ソフトウェアの購入費・ライセンス料
・初期設定費・カスタマイズ費
・ソフトウェア導入に伴い必要となる専用機器の購入費または賃借料(汎用機器を除く)
・情報セキュリティ機器の購入費または賃借料
・キャッシュレス端末および関連機器の購入費または賃借料
・テレワーク関連機器の購入費または賃借料
・汎用機器(パソコン・タブレット等)の購入費または賃借料(条件付き)
<汎用機器(パソコン等)の取扱い>
パソコンやタブレットなどの汎用機器は、単体での導入や買い替えは補助対象外です。
ただし、ソフトウェア等の導入に伴い必要となる場合に限り、補助対象経費の一部として算入することができます。
この場合、算入できる金額は以下のとおり上限を設定しています。
ソフトウェア等の補助対象経費の合計額 × 1/2 または 20万円のいずれか少ない額まで
<パソコンが補助対象となる例>
・創業時に会計ソフトを導入し、その運用に必要なパソコンをあわせて導入する場合
・POSレジシステムと会計ソフトを導入し、連動運用のためにパソコンを導入する場合
補助上限額・補助率
補助上限額:50万円
補助率:1/2以内

愛知県豊田市:働き方改革推進支援補助金(働く場所・時間の多様化促進事業)
働き方改革推進支援補助金(働く場所・時間の多様化促進事業)は、働く場所や時間の多様化を通じて中小企業者の働き方改革を推進するための制度です。
対象となる事業は、次のとおりです。
1. 事業所以外の場所での勤務を認めるテレワークを新たに導入する事業
2. 働く場所の多様化事業
3. 働く時間の柔軟化事業
4. 働く場所・時間の多様化に関する就業規則等を作成する事業
補助対象経費
上記の対象事業のうち、「働く場所・時間の多様化に関する就業規則等を作成する事業」において、パソコンの導入費用が補助対象となります。
パソコン等の導入費用は、「テレワークの新規導入」に係る取組に必要な機器として使用する場合に限り、補助対象となります。
なお、一品当たりの単価が税抜2万円以上のものとします。ただし、単価が税抜20万円を超えるものについては、当該20万円を補助対象経費の限度額として算定するものとします。
補助上限額・補助率
補助上限額:各事業合わせて50万円まで申請可能
補助率:1/2
参照:愛知県豊田市 働き方改革推進支援補助金(働く場所・時間の多様化促進事業)

パソコン購入に使える主な助成金
ここでは、パソコン購入に使える主な助成金について、国(省庁)および地方自治体が実施する制度のうち、令和8年4月24日時点で公募中あるいは今後公募を行う予定の制度から主なものを紹介します。
業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上につながる設備投資等(機械設備導入やコンサルティングの実施等)を行うとともに、事業場内最低賃を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資等に要した費用の一部を助成する制度です。
助成対象経費
助成対象となる経費は、「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。具体的には、機械設備の導入費やシステム構築費、コンサルティング費用等が該当します。
なお、パソコン、スマートフォン、タブレット等の端末および周辺機器の新規導入は、原則として助成対象外です。
ただし、特例事業者のうち、物価高騰等要件に該当する場合のみ、パソコンやタブレット等の端末も助成対象となります。
参考)特例事業者とは
特例事業者とは、以下のいずれかに該当する事業者を指します。
| ア. 賃金要件 | 事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者 → 助成上限額の拡大(10人以上区分)の対象 |
| イ. 物価高騰等要件 |
|
助成上限額・助成率
助成上限額は、事業場内最低賃金の引上げ額および引き上げる労働者数によって異なります。

出典:業務改善助成金 公式HP
※10人以上の上限額区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に適用されます。
助成率は、申請を行う事業場の引上げ前の事業場内最低賃金によって、助成率が変わります。
事業場内最低賃金 1,050円未満:4/5
事業場内最低賃金 1,050円以上:3/4
参照:業務改善助成金 公式HP

人材確保等支援助成金(テレワークコース)
人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、適切な労務管理下におけるテレワークを制度として導入・実施することを支援する制度です。
本助成金はパソコンやプリンター等の導入費用を直接支援するものではなく、テレワークの導入・実施に必要な環境整備に係る経費を対象としています。
パソコン等の導入費用についても、テレワーク導入に必要な環境整備の一部として実施する場合に限り、助成対象経費に含まれます。
助成対象経費
助成対象となる経費は、テレワークの導入・実施に必要な環境整備に係る費用です。(ICT環境整備、制度導入に伴う取り組み等)
支給区分・助成額
本助成金は、テレワークの導入から定着までの取り組みを支援するため、以下の2段階で支給されます。
<制度導入助成>
1企業あたり20万円
(テレワーク制度の導入・整備に係る取組を支援)
<目標達成助成>
1企業あたり10万円(賃金要件を満たす場合15万円)
(テレワークの定着・運用状況に応じて支給)

東京都:創業助成事業
創業助成事業は、都内における開業率の向上を目的として、創業予定の個人または創業から間もない中小企業者等に対し、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度です。
対象となる経費は、賃借料や広告費、人件費など、創業期の事業立ち上げに必要な費用です。
助成対象経費
本助成金の対象経費は、次のとおりです。
事業費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、 専門家指導費
人件費:従業員人件費
委託費:市場調査・分析費
<器具備品(パソコン等)の取扱い>
パソコンは、都内の事務所・店舗等に設置し、創業初期の事業運営に必要な器具備品として購入する場合に助成対象となります。
机、コピー機、エアコン等も同様に対象となります。ただし、対象となる器具備品は1点あたりの購入単価が税込1万円以上50万円未満のものに限ります。
応接セットやパソコンなど複数で構成される場合は、同時購入した合計金額を1点あたりの単価として扱います。
また、配送費や組立・据付費など、器具備品の購入に付随して発生する費用で、会計上一体として処理できるものも対象となります。
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助成上限額・助成率
助成上限額:上限400万円(下限100万円)
※事業費及び人件費を助成対象とする助成金の助成限度額:上限300万円
委託費を助成対象とする助成金の助成限度額:上限100万円
※事業費を助成対象経費として申請する必要があります。
助成率:2/3以内

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まとめ
この記事では、パソコン購入が補助対象となる主な補助金・助成金と対象条件について解説しました。
パソコンの購入費用は、単体で対象となる場合は限定的であり、多くの制度ではテレワーク導入や創業支援など、事業全体の取り組みの一部として扱われます。
そのため、補助金や助成金の活用をお考えの場合は、自社の取組内容や所在地に応じて、各制度の要件をご確認のうえご検討ください。









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