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設備投資・システム開発で活用できる補助金・税制優遇まとめ

公開日 2026/06/29
更新日 2026/06/29
この記事は約25分で読めます。

多くの企業が人材不足や非効率的な業務プロセスを課題としている今、国は業務の省人化・生産性向上・DXを強く後押ししています。設備の導入やシステム開発に使える補助金や税制優遇は多くあり、企業が稼ぐ力を上げるための支援はかなり手厚くなっています。

 

生産性向上やDX、業務効率化、賃上げ、事業転換を進めたい事業者は、自社の課題やニーズを整理したうえで、適切な補助金や制度を戦略的に活用することが重要です。

 

本記事では、設備投資・システム開発で活用できる補助金・税制優遇をわかりやすく整理しました。自社の投資計画に合った制度を選び、コストを抑えながら事業成長を実現するための一助としてご活用ください。

設備投資・システム開発で活用できる補助金・助成金一覧

制度名

主な目的

補助率・助成率

補助上限額

デジタル化・AI導入補助金

革新的な開発による高付加価値化、生産性向上、持続的な賃上げ

1/2 〜 4/5

最大450万円

(複数者連携枠は10者以上でグループ合計最大3,000万円)

ものづくり補助金

ITツール・AI導入による生産性向上、DX推進、セキュリティ対策

1/2 〜 2/3

750万~最大4,000万円

新事業進出補助金

新市場進出・高付加価値事業への挑戦を通じた生産性向上と賃上げ

1/2(最低賃金引上げ特例時は2/3)

最大7,000万円

(大幅賃上げ時は最大9,000万円)

中小企業省力化投資補助金

簡易で即効性のある省力化投資による人手不足解消と賃上げ

1/2(一部2/3)

カタログ型:最大1,500万円

一般型:最大1億円

小規模事業者持続化補助金

販路開拓や業務効率化による持続的な経営基盤の強化



原則 2/3

通常枠:50万円、賃金引上げ・創業型等の特別枠:最大200万円

業務改善助成金

生産性向上と賃上げの両立支援

3/4 〜 4/5

600万円

働き方改革推進支援助成金

労働時間削減や労働環境改善の推進



3/4(一定の要件を満たす30人以下の事業者は 4/5)

成果目標の達成状況による

※最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。

設備投資・システム開発で活用できる補助金・助成金

設備投資・システム開発は国策と一致しており、企業が選択できる補助金・助成金は豊富です。人手不足や経営環境の変化に強い企業構造を実現できる、補助金・助成金を紹介します。

1. デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)

 

目的

革新的な開発による高付加価値化、生産性向上、持続的な賃上げ

対象者

中小企業・小規模事業者、個人事業主、社会福祉法人、NPO法人など

補助率・補助限度額

補助率:1/2 〜 4/5(枠や事業者規模により異なる)

補助限度額:最大450万円

(複数者連携枠は10 者以上でグループ合計最大3,000万円)

主な対象経費

  • ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大 2 年分)、導入関連費
  • ハードウェア(インボイス枠のみ:PC・タブレット・レジ・券売機等)

実施主体

中小企業庁 / 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)

出典:中小企業デジタル化・AI導入支援事業『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要|中小企業庁

 

ITツールやAIを活用して業務効率化や生産性向上を図る際、導入費用の一部について国から支援を受けられる制度です。

 

従来の「IT導入補助金」を発展・拡充した制度であり、会計ソフトや受発注システム、クラウドサービスに加え、AIを活用したシステムやデジタルツールの導入も支援対象となっています。

 

本補助金の特徴は、事務局に登録されたITツールの中から選択して導入する仕組みであることです。事業計画書の作成ハードルが低いといえますが、自社仕様のフルスクラッチシステムの導入などは対象外です。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

  • 会計・給与・勤怠システムを導入したい企業
  • AIツールを活用して業務効率化したい企業
  • CRM・販売管理・在庫管理システムを導入したい企業

2. ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

 

目的

ITツール・AI導入による生産性向上、DX推進、セキュリティ対策

対象者

中小企業・小規模事業者

補助率・補助限度額

補助率:1/2 〜 2/3、補助限度額:750万〜 最大4,000万円

(大幅賃上げ時は上乗せあり)

主な対象経費

機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、クラウド利用料など

主な申請要件

  • 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上となること(または「付加価値額が年平均3.0%以上増加すること」)
  • 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が+3.5%以上増加すること
  • その他、公募要領で定める基本要件を満たすこと 

実施主体

中小企業庁 / 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)

出典:補助金 ものづくり|中小企業庁

 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)は、中小企業等が取り組む、革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援する補助金です。

 

製造業だけでなく、商業・サービス業など幅広い業種が対象となっています。補助金の上限額も高く、大規模な設備投資への活用が可能です。

 

採択を受けるには、「革新的な新製品・新サービス開発」や生産性向上につながる事業であることが求められます。付加価値額や賃金の向上などの基本要件を満たす事業計画を策定・実行する必要があり、提示した目標のクリアは絶対条件です。

 

事業者の責任を問えない天災や営業赤字など以外の理由で目標未達となった場合は、補助金の返還が求められる点に注意しましょう。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

  • 新製品・新サービスを開発したい企業
  • 製造ラインや設備を更新して生産性を高めたい企業
  • 独自システムや業務システムを構築したい企業

なお、次回公募以降は「新事業進出補助金」と統合し「新事業進出・ものづくり補助金」として公募される予定です。

3. 新事業進出補助金

 

目的

新市場進出・高付加価値事業への挑戦を通じた生産性向上と賃上げ

対象者

新規事業に挑戦する中小企業・小規模事業者等

補助率・補助限度額

補助率:1/2(最低賃金引上げ特例時は2/3)

補助限度額:750万 〜 最大7,000万円

(大幅賃上げ時は最大9,000万円)

主な対象経費

機械装置・システム構築費または建物費(いずれか必須)、技術導入費、外注費など

主な申請要件

  • 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業へ進出すること
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均4.0%以上増加を目指す事業計画を策定すること
  • その他、賃上げ要件など公募要領で定める基本要件を満たすこと 

実施主体

中小企業庁 / 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)

出典:中小企業新事業進出促進補助金公募要領(第4回)| 独立行政法人中小企業基盤整備機構

 

新事業進出補助金は、中小企業・小規模事業者が新市場への参入や新たな事業展開に取り組む際、設備投資やシステム構築などに必要な費用の一部を支援する補助金です。

 

本補助金の魅力は、新製品・新サービスの開発に加え、建物の建設・改修や広告宣伝費まで幅広く補助対象となっていることです。これまでの事業とは全く異なる新分野への事業転換や、建物の改修を伴う大規模な事業転換も、本補助金の活用でカバーできます。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

  • 新規事業・新市場へ参入したい企業
  • 新製品・新サービスを立ち上げたい企業
  • 工場・店舗・設備を新設・改修したい企業

なお、次回公募以降は「ものづくり補助金」と統合し、「新事業進出・ものづくり補助金」として公募される予定です。

4. 中小企業省力化投資補助金

 

目的

簡易で即効性のある省力化投資による人手不足解消と賃上げ

対象者

中小企業・小規模事業者等

補助率・補助限度額

補助率:1/2(一部2/3)

補助限度額:カタログ型:最大1,500万円、一般型:最大1億円(従業員数等による)

主な対象経費

カタログ登録製品の本体価格、導入経費など(カタログ型)、省力化設備・システム導入費など(一般型)

主な申請要件

  • 人手不足の状態にある中小企業等であること
  • カタログ型は、あらかじめ登録された製品カテゴリから選択すること
  • 一般型は、個別の現場に合わせた省力化設備・システム構築の計画を策定すること
  • その他、公募要領で定める基本要件を満たすこと 

実施主体

中小企業庁 / 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)

出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)|独立行政法人中小企業基盤整備機構

出典:中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)|独立行政法人中小企業基盤整備機構

 

中小企業省力化投資補助金は、システムによる業務工程の自動化・省力化投資を後押しする補助金です。人手不足に悩む中小企業・小規模事業者等が、省力化や業務効率化につながる設備・システムを導入する際に、その費用の一部について補助を受けられます。

 

2026年3月の制度改正により、補助上限額の拡充や収益納付の撤廃(カタログ型)が実施されました。カタログに掲載されていない設備やシステムも対象となる「一般型」も整備され、企業ごとの課題に応じた設備投資やシステム開発にも活用しやすくなっています。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

【カタログ型】

清掃ロボットや自動券売機・自動チェックイン機など、既製品を導入してすぐに効果を出したい事業者

 

【一般型】

  • 社内の基幹システムと連動する、自社専用のフルスクラッチシステムを導入したい事業者
  • 自社専用のオーダーメイド設備を導入したい事業者

5. 小規模事業者持続化補助金

 

目的

販路開拓や業務効率化による持続的な経営基盤の強化

対象者

小規模事業者および一定の要件を満たす「特定非営利活動法人(NPO法人)」

補助率・補助限度額

補助率:原則 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は 3/4)

補助限度額:通常枠:50万円、賃金引上げ・創業型等の特別枠:最大200万円(※インボイス特例等による上乗せあり)

主な対象経費

機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、委託・外注費など

主な申請要件

  • 小規模事業者であること
  • 商工会/商工会議所の支援を受けて経営計画を策定すること
  • その他、公募要領で定める基本要件を満たすこと

実施主体

日本商工会議所 / 全国商工会連合会(中小企業庁)

出典:持続化補助金の概要|中小企業庁

 

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や販路開拓に紐づいた業務効率化に取り組む際に活用できる補助金です。新たな顧客獲得や売上向上を目指す取り組みを支援することを目的としており、広告宣伝やホームページ制作、設備導入など幅広い経費が対象となります。

 

本補助金の特徴は、商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成し、その計画に基づく取り組みを実施することです。比較的小規模な投資を対象としているため、大型補助金ほど申請のハードルは高くありません。

 

地域の商工会・商工会議所のサポートを無料で受けられるメリットも大きく、経営計画そのもののブラッシュアップにも繋がります。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

  • 飲食店、美容室、小売店、町工場など、新規顧客を獲得したい小規模事業者
  • ホームページやECサイトを整備したい事業者
  • 販促活動を強化したい店舗・サービス業

6. 業務改善助成金

 

目的

生産性向上と賃上げの両立支援

対象者

最低賃金引上げを行い、生産性向上につながる設備投資を行う中小企業・小規模事業者

補助率・助成限度額

補助率:3/4 〜 4/5(事業場内最低賃金の額等により異なる)

助成限度額:最大600万円(賃上げ額や対象労働者数に応じて30〜600万円)

主な対象経費

POSレジ、リフト付き車両、専門家によるコンサル、顧客管理システムなど

主な申請要件

  • 申請時点での事業場内最低賃金が毎年10月頃に適用される地域別最低賃金未満であること
  • 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる計画を策定すること
  • 生産性向上に資する設備投資等の計画を策定すること 

実施主体

厚生労働省(各都道府県労働局)

出典:令和8年度業務改善助成金のご案内|厚生労働省

 

業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、生産性向上に資する設備投資やシステム導入費用の一部を助成する制度です。

 

本助成金は、他の補助金のような競争審査型ではありません。提示された要件を全てクリアして書類を適切に準備すれば、高い確率で受給できます。

 

本助成金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

  • 最低賃金引き上げへの対応が必要な企業
  • 人手不足に対応するため設備投資を行いたい企業
  • 業務効率化と賃上げを同時に進めたい企業

 

令和8年度の申請受付は、9月1日から始まる予定です。

7. 働き方改革推進支援助成金

 

目的

労働時間削減や労働環境改善の推進

対象者

労災保険に加入している中小企業事業主

補助率・助成限度額

補助率:3/4(一定の要件を満たす30人以下の事業者は 4/5)

助成限度額:成果目標の達成状況による(例:時間外労働削減等で最大100万円)

賃上げ加算を合わせると最大500万円超になるケースもある

主な対象経費

労務管理ソフト、労働能率増進のための設備・機器、外部専門家によるコンサルティング、研修など

主な申請要件

  • 労災保険の適用を受ける中小企業であること
  • 月60時間を超える残業の削減や、有給休暇の計画的付与制度の導入などの成果目標を立てること
  • その他、定められた基本要件を満たすこと

実施主体

厚生労働省(各都道府県労働局)

出典:令和8年度「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内|厚生労働省

 

働き方改革推進支援助成金は、労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の導入など、働き方改革に取り組む中小企業を支援する助成金です。

 

勤怠管理システムや労務管理システムの導入、業務効率化のための設備投資なども対象となるため、労働環境の改善と生産性向上を同時に進めることができます。

 

ただし本助成金は、あらかじめ設定した「成果目標」を達成することが前提です。最終的な支給額は、その上限額、または「助成対象となる取組(改善事業)」に要した対象経費の合計に補助率(3/4または4/5)を乗じた額の、いずれか低い方の金額となります。

 

つまり、目標未達の場合は助成上限額が適用されません。助成金額が減額される、あるいは支給されないケースもあり得る点に注意しましょう。

 

本補助金は主に、以下のような事業者におすすめです。

 

  • IT・情報通信業、運送業、建設業、宿泊業、医療機関など、長時間労働が慢性化している事業者
  • 勤怠管理のデジタル化を急ぎたい事業者
  • 有給休暇取得率の向上を目指す事業者

設備投資・システム開発で活用できる税優遇制度一覧

制度名

税優遇の内容

対象者

適用条件

中小企業経営強化税制

即時償却または税額控除を受けられる

青色申告書を提出する中小企業者等で、中小企業等経営強化法の「特定認定」を受けた事業者

「特定経営力向上計画」に基づき、新品の特定経営力向上設備等を取得等して、国内の指定事業の用に供する など

中小企業投資促進税制

30%の特別償却または7%の税額控除を選択適用できる

資本金1億円以下の法人、または常時使用する従業員数1,000人以下の個人事業主など

一定額以上の対象設備やソフトウェアを取得し、事業で利用すること

先端設備等導入計画に関する固定資産税特例

認定を受けた設備投資について、固定資産税を3~5年間軽減する

市区町村から計画の認定を受けた中小事業者等

労働生産性が年平均3%以上向上する計画であることなど

地域未来投資促進税制

最大50%の特別償却または最大6%の税額控除のいずれかを選択適用できる

青色申告書を提出する法人で、都道府県知事・主務大臣の確認を受けた承認地域経済牽引事業者

承認を受けた事業計画に基づき、一定額以上の設備投資を行うこと

研究開発税制

研究開発費の一部を法人税額から控除できる

青色申告書を提出する法人

青色申告を行い、研究開発費を支出していること

※最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。

設備投資・システム開発で活用できる税優遇制度

補助金・助成金の不確実性、事前資金負担、対象経費の限定性といった構造的な限界を補うため、国や地方自治体は税制優遇措置も併せて充実させています。

 

税優遇制度を活用し「キャッシュイン増大」「キャッシュアウト削減」で経済的効率性を向上させましょう。

 

設備投資・システム開発で活用できる国税優遇制度を紹介します。

1. 中小企業経営強化税制

 

制度の内容

中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を導入した場合に、即時償却(100%)または税額控除(10%、資本金3,000万円超は7%)のいずれかを選択適用できる

対象者

青色申告書を提出する中小企業者等で、中小企業等経営強化法の「特定認定」を受けた事業者

適用要件

  • 指定期間内に、認定を受けた「特定経営力向上計画」に基づき、新品の特定経営力向上設備等を取得等して、国内の指定事業の用に供する
  • 設備の種類に応じた「類型(A〜E)」ごとの証明書や確認書の取得

適用期間

令和9年(2027年)3月31日まで

利用のポイント

設備取得前に「工業会等の証明書」や「経済産業大臣の確認書」を取得し、経営力向上計画の認定を受ける

出典:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

出典:中小企業経営強化税制|中小企業庁

 

中小企業経営強化税制は、中小企業が生産性向上や収益力強化につながる設備投資を行いやすくするために設けられた税制優遇措置です。

 

具体的には、設備投資にかかった取得価額の全額を導入年度に一括して経費化できる「即時償却(全額損金算入)」、または取得価額の最大10%を法人税額から直接差し引く「税額控除」のいずれかを選択適用できます。

 

本制度の大きな特徴は、国から「経営力向上計画」の認定を受けるという手続きを伴う点です。対象となる設備には、生産性を高める機械装置(A類型)だけでなく、収益力を高める設備(B類型)、経営資源の集約化(M&Aなど)に伴う設備(D類型)、経営規模拡大に資する設備(E類型)など、企業の成長戦略に合わせた幅広い投資が含まれています。

 

本制度の主なメリットは以下の通りです。

 

  • 取得価額の全額を、取得した事業年度において経費(損金)として計上できる
  • 取得価額の10%(資本金3,000万円超の法人は7%)を、法人税額から直接差し引くことができる
  • 機械装置(160万円以上)だけでなく、工具・器具備品(40万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)、さらには一定の建物附属設備(60万円以上)や建物(1,000万円以上)も対象に含まれる

2. 中小企業投資促進税制

 

制度の内容

青色申告書を提出する中小企業者等が、指定された期間内に新品の機械装置等を取得して指定事業に供した場合、30%の特別償却または7%の税額控除を選択適用できる制度

(※税額控除は資本金3,000万円以下の法人・個人事業主等のみ)

対象者

資本金1億円以下の法人、または常時使用する従業員数1,000人以下の個人事業主など

適用要件

指定期間内に、1台160万円以上の機械装置や、一定のソフトウェア(70万円以上)などの新品(特定機械装置等)を取得・製作して、国内の指定事業の用に供すること

適用期間

令和9年(2027年)3月31日まで

利用のポイント

  • 確定申告書等に明細書を添付する必要あり
  • 同一の資産について特別償却と税額控除の重複適用は不可
  • 他の税制(中小企業経営強化税制など)との重複適用も不可

出典:No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

出典:中小企業投資促進税制|中小企業庁

 

中小企業投資促進税制は、中小企業者の設備投資を促し、生産性の向上を支援することを目的とした税制措置です。中小企業経営強化税制とは異なり、原則として「経営力向上計画」などの事前の認定手続きを必要としないため、適用のハードルは低いといえます。

 

対象となる設備は、機械装置だけでなく、測定・検査工具、ソフトウェア、さらには車両総重量3.5トン以上の貨物自動車や内航船舶など、多岐にわたります。ただし、中古品や貸付用の設備、あるいは一部の電子計算機(デスクトップPC等)やデジタル複合機などは対象外です。

 

本制度の主なメリットは以下の通りです。

 

  • 通常の減価償却費に加えて、取得価額の30%を初年度に上乗せして償却(経費化)できる
  • 資本金3,000万円以下の法人や個人事業主等の場合、取得価額の7%を法人税額(または所得税額)から直接差し引くことができる
  • 申告時に明細書を添付することで適用できるため、事務負担が少ない

3. 先端設備等導入計画に関する固定資産税特例

 

制度の内容

市区町村から認定を受けた「先端設備等導入計画」に基づき、一定の設備を新規取得した場合、その設備に係る固定資産税(償却資産)の課税標準を3年間または5年間にわたって軽減する制度

対象者

資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等のうち、市区町村から計画の認定を受けた中小事業者等

適用要件

  • 労働生産性が年平均3%以上向上する計画であること
  • 投資利益率が年平均5%以上となる投資計画に含まれる設備であること
  • 賃上げ方針を従業員に表明すること(軽減率上乗せの場合)など

適用期間

令和9年(2027年)3月31日までに取得した設備が対象

利用のポイント

  • 設備取得前に市区町村から計画の認定を受けることが必須
  • 認定経営革新等支援機関(商工会議所や金融機関等)による事前確認書や投資計画の確認書も必要

出典:【中小企業等経営強化法】先端設備等導入計画について|経済産業省中小企業庁

出典:中小企業等経営強化法に係る課税標準の特例について(旧地方税法附則第15条第44項)―生産性向上や賃上げの促進に資する償却資産の導入に係る固定資産税の軽減―|固定資産税(償却資産)|東京都主税局

 

先端設備等導入計画に関する固定資産税特例は、中小企業が生産性向上や業務効率化につながる設備を導入する際、設備にかかる固定資産税の負担を軽減できる制度です。

 

中小企業等経営強化法に基づき、市区町村から「先端設備等導入計画」の認定を受けたうえで一定の設備を取得すると、固定資産税(償却資産)が軽減されます。なお昨今の情勢を踏まえ、賃上げを行う企業はより手厚い軽減措置の適用が可能です。

 

固定資産税の負担を軽減できれば、設備投資に伴うランニングコストを削減できます。中小企業経営強化税制や中小企業投資促進税制とあわせて活用することで、企業はより高い設備投資効果を得ることが可能です。

 

本制度の主なメリットは以下の通りです

 

  • 賃上げ方針を表明し計画に盛り込むことで、通常よりも有利な特例率が適用される。

・1.5%以上の賃上げ表明:3年間、課税標準を1/2に軽減

・3.0%以上の賃上げ表明:5年間、課税標準を1/4に軽減

  • 機械装置(160万円以上)だけでなく、測定工具・検査工具(30万円以上)、器具備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)と、現場で必要とされる多くの新品設備が対象

4. 地域未来投資促進税制

 

制度の内容

地域経済牽引事業計画に従って建物や機械等の設備投資を行う場合に、最大50%の特別償却または最大6%の税額控除のいずれかを選択適用できる制度

対象者

青色申告書を提出する法人で、都道府県知事から「地域経済牽引事業計画」の承認を受け、さらに主務大臣の確認を受けた承認地域経済牽引事業者

適用要件

指定期間内に、承認された計画に基づき、特定地域経済牽引事業施設等(取得価額合計1億円以上)の新設・増設のために、機械装置、器具備品、建物、構築物等の新品を取得・供用すること

適用期間

令和10年(2028年)3月31日までに取得した設備が対象

利用のポイント

設備の発注・契約および「取得(納品・検収)」を行う前に、「都道府県の計画承認」と「国の確認」の双方が完了していることが必要

出典:No.5436 地域未来投資促進税制(地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

出典:税制支援 |経済産業省

 

地域未来投資促進税制は、地域の特性(産業集積、観光資源、特産物等)を生かした「地域経済牽引事業計画」を実行する企業に対し、国税(法人税・所得税)および地方税の優遇措置を講じる制度です。

 

本税制度は単なる設備の更新ではなく、地域の成長発展の基盤強化に資するような大規模な投資を主な対象としています。対象となる設備投資は、総額1億円以上、かつ前事業年度の減価償却費の25%以上であることが必要です。

 

本税制度を利用したい事業者は、設備を取得する前に計画の承認と大臣の確認を完了させておかなければなりません。自治体との事前相談や書類審査に数ヶ月を要するため、長期的な投資スケジュール管理が必須となります。

 

本制度の主なメリットは以下の通りです。

 

  • 主務大臣の確認を受けた「上乗せ類型」の場合、機械装置等については最大50%、建物等については20%の特別償却が可能
  • 「建物」や「構築物」も対象に含まれており、工場や物流施設の建設を伴う大規模投資に適している
  • 国税(法人税)だけでなく、自治体の条例に基づき、固定資産税や不動産取得税の課税免除または不均一課税を受けられる場合がある

5. 研究開発税制

 

制度の内容

企業が試験研究(研究開発)を行った場合に、その試験研究費の額に一定の控除率(1%~14%)を乗じた金額を法人税額から控除できる制度

対象者

青色申告書を提出する法人

適用要件

青色申告書を提出し、各事業年度において試験研究費を支出していること(大企業については、賃上げや設備投資の状況に応じた適用要件を満たすこと)

適用期間

令和9年(2027年)3月31日まで

利用のポイント

  • 制度は「一般型」「中小企業技術基盤強化税制」「特別試験研究費(オープンイノベーション型)」の3つで構成されている
  • 「一般型」と「中小企業技術基盤強化税制」は選択適用であり、同時適用は不可
  • 他の税制(中小企業経営強化税制など)との重複適用も不可

出典:No.5441 研究開発税制について(概要)|国税庁

出典:研究開発税制について|経済産業省

 

研究開発税制は、イノベーションの創出や日本の成長力・国際競争力の強化を図ることを目的とした税制優遇措置です。製造業だけでなくIT企業やソフトウェア開発企業など幅広い業種が活用できます。

 

本税制は、設備投資そのものを支援する制度ではなく、「研究開発活動への投資」を後押しする点が特徴です。近年はAIやデータ活用、ソフトウェア開発なども研究開発に該当するケースがあり、システム開発を行う企業も大きい恩恵を受けられます。

 

本制度の主なメリットは以下の通りです。

 

  • 所得(利益)から差し引く「所得控除」ではなく、算出された法人税額から1%~14%(特別試験研究費(オープンイノベーション型)では最大30%)を直接差し引く「税額控除」であるため、支払うべき税金を直接的に減らせる
  • 外部機関との連携を対象とした「特別試験研究費」の枠があるため、自社単独では難しい高度な研究開発を促進できる

まとめ

人手不足への対応やDX推進、生産性向上、新規事業への挑戦を後押しする制度は年々充実しています。 これらの制度を上手に活用することで、企業は設備投資やシステム開発にかかる負担を大幅に抑えることが可能です。

 

とはいえ、補助金や税制優遇には対象者・対象経費・賃上げ要件など多くの条件があり、自社に適した制度を選ぶのは容易ではありません。  さらに、申請書類の作成や事業計画の策定には相応の時間と労力が必要となり、十分なリソースを割けない企業も見られます。

 

「どの制度を利用できるかわからない」「採択される事業計画書を作りたい」「申請要件を満たせるか不安」などでお悩みの事業者の方は、ぜひStaywayにご相談ください。

 

当社は、経済産業省・中小企業庁に認定されている経営革新等支援機関です。フォームからご登録いただければ、最短で翌営業日の対応も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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