補助上限額8,000万円⁉医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業を徹底解説
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補助上限額8,000万円⁉医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業を徹底解説

公開日 2026/07/08
更新日 2026/07/08
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業は、ICT機器等の導入によって業務効率化や職場環境の改善を図り、生産性を向上させる医療機関に対して必要な経費を支援する事業です。

医療における2040年問題が懸念される中、病院の生産性向上や医師・医療従事者の働き方改革を推進するために設けられました。

条件を満たして選定された病院経営者・管理者は、1施設あたり最大8,000万円までの補助を受けることができます。

本記事では、医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業の概要や対象事業・申請要件について詳しく解説します。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業とは

事業の目的

ICT機器等の導入により業務効率化・職場環境改善を図り、効率的で質の高い医療提供体制を構築すること

補助上限額

1施設あたり8,000万円

補助率

業務効率化に必要な経費の 5分の4
(補助額のうち、国が3分の2、都道府県が3分の1を負担)

対象医療機関

① 令和8年4月1日時点で「ベースアップ評価料」を届け出ていること
② 保険医療機関コードがあり、診療報酬請求の実績があること
③ 地域医療(5疾病6事業等)への貢献や地域医療構想への協力が確認されていること

対象経費

ICT機器等の導入費用および附随費用

主な申請要件

・最大3年間の「業務効率化計画」の作成
・院長等を委員長とする「業務効率化推進委員会」の設置と経営層主導のPDCA実施
・国への進捗報告および指定データの提出

申請窓口

各都道府県

出典:令和8年度(令和7年度からの繰越分)医療施設等持続化支援事業費の国庫補助について|厚生労働省


本事業は、厚生労働省(実施主体は各都道府県)が主導する、病院の生産性向上や医師・医療従事者の働き方改革を推進するための大型補助金事業です。

日本の医療は、長らく医師や看護師をはじめとする医療従事者の自己犠牲的な長時間労働によって支えられてきたという現状があります。

しかし、2024年4月からは、医師に対しても時間外労働の上限規制が適用されました。長時間労働に依存した運営が不可能になった今、病院や医療機関は業務にICTやデジタル技術を取り入れ、生産性を向上させることが急務となっています。

また、日本の高齢化はますます進み、2040年頃には65歳以上人口がピークに達する見込みです。

医療・福祉分野の需要が膨らむ一方で、人材の供給は追いついていません。「患者は増えるのに、働き手は減る」という構造的問題に対し、早急な対応が必要です。

本補助金は、タスク・シフトのICT化による「医療現場の負担軽減(生産性向上)」と、それによる「医療提供体制の持続可能性の確保」を主な目的として創設されました。

参考:新たな地域医療構想を通じて目指すべき医療について|厚生労働省

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業の補助対象経費

本事業の補助対象となるのは、単なる設備購入ではなく、「業務効率化」や「職場環境改善」につながる取り組みです。病院がICT機器やデジタル技術を活用し、生産性向上を図ることが前提とされます。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業の補助対象経費を詳しく見ていきましょう。

1.ICT機器・デジタルツールの導入費用

本事業の中心となるのが、業務効率化に資するICT機器やシステムの導入です。医師だけでなく、看護・コメディカル・バックヤード部門など、院内すべての部門の効率化が対象となります。

対象となるICT機器・デジタルツールの主な事例は、以下のとおりです。

【コミュニケーション・情報共有の効率化】

職員間の連絡用スマートフォン、業務用インカムなど

【診療・看護支援】

患者の見守り支援機器、生成AIを活用した業務支援サービス
(AI問診、文書自動作成支援等)

【バックヤード・物流の省力化】

薬剤・検体の搬送ロボット、薬剤自動分包機、汚物処理設備(マセレーター)など

2.機器導入に附随する費用

本事業では、「機器を買ったが、Wi-Fiが弱くて動かない」「電子カルテと繋がらない」という事態を防ぐため、以下の関連工事や調整費用も対象になります。

【関連設備の改修費用】

院内Wi-Fi環境の整備・増強費用、サイバーセキュリティを意識したネットワーク整備

【システム連携費用・設置費用】

・導入する機器やソフトを、既存の電子カルテや部門システムと連動させるための改修費
・機器の搬入、組み立て、初期設定費用

3.運用・定着にかかる費用

システムを形骸化させず現場に定着させるため、「人」にかかるコストも一部対象に含まれます。

【訓練費用(研修費)】

システムや機器の導入にあたり、職員向けに実施する操作説明会やトレーニングの費用

【効果測定費用】

導入前後の労働時間削減やインシデント件数の変化など、計画の成果をデータ化・検証するための費用

ソフトウェアやサービスのサブスクリプション(利用料・月額費用)も補助対象経費に含まれますが、「その支払いがなければ、そもそもそのICT機器やサービスが運用できない」ことが前提です。

また対象期間についても厳密に定められており、期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日まで、最大12か月分となります。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援経費の申請要件

本事業は単なる機器導入の支援ではなく、経営層が主導して真摯に業務改善に取り組む病院を支援するという強い趣旨があります。申請にあたっては、さまざまな要件をクリアしなければなりません。

ここからは、本事業の申請要件について、「病院の基本要件」「計画・体制の要件」「報告・成果の要件」に分けて解説します。

1.病院の基本要件

本事業では、申請できる医療機関の枠組みが「病院」のみに定められています。以下の要件を満たさない施設・機関は、本事業の対象外です。

保険医療機関コードが発行されている「病院」であること
(令和8年4月1日から申請時までに診療報酬の請求実績が必要)

令和8年4月1日時点で、「ベースアップ評価料」(外来・在宅、歯科、入院、訪問看護のいずれか)を届け出ていること

地域医療への貢献として、以下のいずれかが都道府県によって確認されること

・地域医療計画の「5疾病6事業」や在宅医療を提供している
・地域医療構想の推進(病床機能の分化・連携等)に協力しており、今回の取り組みがその構想に沿っている

2.計画・体制の要件

本事業では形だけの申請ではなく、具体的かつ実効性のある体制構築が求められます。院内の体制構築と、緻密な計画書の作成が必須です。

最大3年間の「業務効率化計画」を策定し、年ごとの具体的な取り組み内容を盛り込んだ計画を作成する

「業務効率化推進委員会」を設置し、院長や副院長等の管理者が委員長となって主導する

客観的に測定・評価できる数値目標を設定する

業務手順をどう見直すか、職種間での業務分担をどう行うかを具体的に計画に含める

補助金終了後の運用・保守費用を、業務効率化によって生み出された原資などでどう賄うかを具体的に記載する

3.報告・成果の要件

本事業では、補助金を受けて事業を開始した後も、継続的な報告と成果が求められます。採択された病院は、以下の決まりを果たさなければなりません。

厚生労働大臣への進捗報告義務として、定期的に報告書を提出し評価を受ける

ICT機器等の導入前後で、「業務に要する時間」「総労働時間・超過勤務時間」などのデータを提出する

さらに本事業では、補助金の返還義務も定められています。

厚生労働省による評価の結果、成果が認められなかった場合には、補助金の返還を求められる可能性があります。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業の申請スケジュール

令和8年度は、6月頃に申請受付が開始される予定です。現時点で想定されている具体的なスケジュールは以下のとおりとなります。

6月頃

各都道府県において、病院からの申請受付が開始される

7月下旬頃

【各都道府県における申請受付の期限】
都道府県は、申請のあった病院の「業務効率化計画」などを取りまとめて厚生労働省へ提出する

8月上旬以降

厚生労働省が補助対象となる病院を選定・伝達し、各病院で事業が開始される

厚生労働省は、申請書が到達した日から原則として1か月以内に交付の決定を行うものとしています。

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業を申請する流れ

病院が本事業で補助金を申請する際の流れは、大きく分けて6ステップあります。

公募が始まってからでは準備が間に合わない可能性があるため、早期の着手が重要です。

1.院内体制の構築と前提条件の確認

まずは、自院が先述した以下の必須条件を満たしているか確認します。

・保険医療機関コードがあり、令和8年4月1日から申請時までに診療報酬の請求実績がある
・令和8年4月1日時点で、指定の「ベースアップ評価料」を届け出ているか
・都道府県医療計画の「5疾病6事業」への貢献や、地域医療構想の推進への協力が確認できるか

2.院内体制の整備

本事業では、院長や副院長などの管理者が中心となり、「業務効率化推進委員会」を設置することが求められています。

看護部門・医師部門・薬剤部門・事務部門などが連携し、院内全体で業務改善を進める体制を整備します。単なるシステム導入ではなく、継続的なPDCA運用が前提です。

・委員会の設置
・医師部門、看護部門、事務部門など、どの部門を効率化の対象とするか決定

3.現状の課題の洗い出し

院内でどの業務に負担が集中しているのかを整理します。

具体的には、以下のような課題を洗い出してください。

・看護師間の情報共有に時間がかかる
・記録作成業務が長時間化している
・物品搬送が現場負担になっている
・院内連絡が電話中心で非効率

本事業は「何を買うか」ではなく、「どの課題をどう改善するか」が重視されるため、現状分析は非常に重要です。

4.改善したい業務とICT候補を選定

課題整理後は、その解決策となる設備やシステムを検討します。

見守り機器、AI文書作成、インカム、搬送ロボットなど

この段階でベンダーへ相談し、概算見積や導入効果の試算を進めておくと申請準備がスムーズになります。

5.業務効率化計画(3年間)を作成

申請において、最も手間と時間がかかるフェーズです。定量的に測定・評価できる目標を含めて計画を策定しましょう。

例えば「医師の超過勤務時間の削減」をテーマとするなら、「対前年同月比で〇%削減」などの記載が必要です。

このほか機器導入に合わせて、業務手順をどう見直すか・職種間での業務分担をどう変更するかを具体的に設定することや、ランニングコストの確保方針も盛り込んでおかなければなりません。

また数値の根拠となる証拠を提示できるよう、導入前の「ベースラインデータ」の収集も行ってください。

6.申請書類を作成し提出

作成した「業務効率化計画」と申請書を都道府県に提出します。申請方法の詳細は、厚生労働省のページや各都道府県のHPで確認しましょう。

なお事業開始後も、1年目終了時や計画の節目で報告書を提出し、厚生労働省の評価を受ける義務があります。

まとめ

医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業は、病院のDXと働き方改革を推進する上で非常に実効性の高い補助金です。

ICT機器の導入や業務改善に必要な費用を大きくカバーでき、
病院全体の働き方改革を一気に進めるチャンスになります。

一方で、申請に必要な書類が多い・業務効率化計画の作成が難しい・院内調整に時間がかかるなどの一面もあり、申請の手間は決して軽くありません。

特に、採択の可否を左右する計画書は、自院の課題分析や導入効果を具体的に示す必要があるため、作成に時間と専門知識を要します。

申請準備をスムーズに進めたい病院関係者の方・採択率を高めたい経営層・管理者の方は、ぜひStaywayにご相談ください。

当社は、経済産業省・中小企業庁に認定されている経営革新等支援機関です。フォームからご登録いただければ、最短で翌営業日の対応も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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