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製造業は製品の研究開発を行う原料・試作コスト、生産のための設備投資など、高額な費用が発生する業種です。
そのため、国や各自治体は、製造業が行う取り組みを支援する補助金を設けています。そこでこの記事では、愛知県に焦点を当てて、愛知県の製造業がつかえる補助金を紹介します。
愛知県の製造業がつかえる補助金(令和5年度補正予算にて実施予定)
まず、令和5年度補正予算にて実施予定の補助金のうち、愛知県の製造業者が活用できる補助金を紹介します。なお、令和5年12月25日時点ではいずれも詳細未公開ですので、申請検討の際は必ず最新情報をご確認ください。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中堅・中小企業が、持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行うものです。
最大50億円が補助される大型補助金であることから、拠点新設や大規模設備投資を行う予定の企業から注目を集めています。
ただし、投資下限額は10億円と定められていて、一定規模以上の投資を行う中堅・中小企業がいる場合に限り、コンソーシアム形式により参加企業の投資額の合計が10億円以上となる場合も対象となります。
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
中小企業省力化投資補助事業
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援するものです。
「省力化」とは、業務を見直して効率化を図り、生産性向上・労働時間の削減を行うことです。このことから「省力化投資」は、省力化を目的としたIoTやロボットといった設備への投資を指します。
IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進します。
製造業で想定される省力化投資の例として、工場、生産現場における組み立て用ロボットアームや生産状況の監視カメラ、温度・湿度センサー、振動センサーなどが挙げられます。
本事業で予定されている補助率・補助上限額は、以下のとおりです。なお、別途示される「賃上げ要件」を達成した場合、括弧内の値まで補助上限額が引き上げられます。
補助率:1/2
補助上限額:従業員規模に応じて、補助上限額が異なります。
・従業員数 5名以下: 200万円 (300万円)
・従業員数 6~20名: 500万円 (750万円)
・従業員数 21名以上:1,000万円(1,500万円)
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
先端半導体の国内生産拠点の確保
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
令和5年度補正予算額として6,322億円が計上されている事業で、データセンターやAI等の最先端技術に必要な先
端半導体の国内生産拠点を整備するとともに、その拠点での継続生産等を進めることで、国内での先端半導体の安定供給を実現するために設けられたものです。
特定高度情報通信技術活用システムの開発供給および導入の促進に関する法律(5G促進法)に基づいて認定を受けた先端半導体の生産施設整備及び生産に関する計画について、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に設置した基金を積み増し、計画の実施に必要な資金の助成等を行います。
産業基盤の強靱化や戦略的自律性・不可欠性の向上の観点で、不可欠な先端半導体について、国内の生産拠点整備への支援を行うことで、事業者による投資判断を後押しし、安定供給の確保を目指します。
補助率:1/2
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から民間企業等への助成
参照:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
愛知県の製造業がつかえる補助金(国主管)
ここでは、国が主管する補助金のうち、愛知県の製造業がつかえる補助金を紹介します。既に公募終了しているものもありますが、今後、令和5年度補正予算にて実施予定ですので申請検討の際は最新情報をご確認ください。
省エネ補助金
令和5年度における「省エネ補助金」とは、以下2つの補助金の総称です。
・省エネルギー投資促進支援事業
・省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
いずれも令和5年度分の公募は終了していますが、令和5年度補正予算分にて、今後も継続して実施予定です。
省エネルギー投資促進支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、省エネルギー性能の高いユーティリティ設備・生産設備等への更新、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入することにより、省エネルギー効果の要件を満たす事業に要する経費の一部を補助する事業です。
省エネ補助金全体には、以下のとおり、A~Dの大きく4つの事業区分があります。
- A. 先進事業
- B. オーダーメイド型事業
- C. 指定設備導入事業
- D. エネルギー需要最適化対策事業
本事業はこのうち、「C. 指定設備導入事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「C. 指定設備導入事業」では、SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録及び公表したものが補助対象となり、それらへの更新を要件として最大1億円の補助を受けられます。
指定設備一覧:https://sii.or.jp/shitei04r/search/
「D. エネルギー需要最適化対策事業」では、SIIが定める 「EMSのシステム要件」を満たし、エネマネ事業者が提供するエネルギー管理支援サービス等の実施のために必要不可欠なシステム・機器で、あらかじめSIIの確認を受け、補助対象システム・機器として登録されているものを補助対象とし、最大1億円を補助します。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進支援事業
公開されている採択結果のうち、直近となる令和4年度補正予算 2次公募の結果は、以下のとおりです。
申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択金額合計 | 計画省エネ量 | |
(C)指定設備導入事業 | 1,622 件 | 1,515 件 | 93.4% | 95.6 億円 | 13,040.3 kl |
(C)指定設備導入事業 + (D)エネルギー需要最適化対策事業 |
3件 | 3件 | 100.0% | 0.2 億円 | 130.9 kl |
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業交付決定 新規採択事業について
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、導入ポテンシャルの拡大等を見込める先進的な設備・システムの導入、機械設計が伴うオーダーメイド型設備への更新やプロセス改修、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入を支援するものです。
本事業は、「A. 先進事業」「B. オーダーメイド型事業」「D. エネルギー需要最適化対策事業」で構成されています。
「A. 先進事業」は、SIIが公表した補助対象設備へ更新等することにより、原油換算量ベースで指定の要件を満たす事業です。最大15億円が補助されます。補助対象設備は、以下のページで公開されています。
対象設備一覧:https://sii.or.jp/senshin04r/system/search
また、「B. オーダーメイド型事業」は、既存設備を機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等へ更新等することにより 、原油換算量ベースで指定要件を満たす事業です。最大15億円の補助を受けられます。(非化石転換設備の場合は20億円)
「D. エネルギー需要最適化対策事業」の内容は、省エネルギー投資促進支援事業と同様です。
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業
公開されている採択結果のうち、直近となる令和4年度補正予算 4次公募の結果は、以下のとおりです。
申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択金額合計 | 計画省エネ量 | ||
(A)先進事業 (B)オーダーメイド型事業 (D)エネルギー需要最適化対策事業 |
単年度事業 | 3件 | 1件 | 33.3% | 0.2億円 | * |
複数年度事業 | 31件 | 24件 | 77.4% | 47.5億円 | 3,828.6 kl |
*「計画省エネ量」は、採択事業の合計値
*単年度事業は採択件数が1件であるため非公開
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業交付決定 新規採択事業(単年度事業)について
出典:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業交付決定 新規採択事業(複数年度事業)について
工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
参照:環境省 令和5年度補正予算(案)の概要(令和5年11月) 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組の推進
本事業は、年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満の工場・事業場を保有する中小企業等に対し、認定外部支援機関によるCO2排出量削減余地診断(以下「削減余地診断」という。)及び診断結果に基づくCO2削減計画を策定する事業(「CO2削減計画策定支援」、以下「計画策定支援」という。)と、基準年度CO2排出量が50トン以上の工場又は事業場において、意欲的なCO2削減目標を盛り込んだCO2削減計画に基づく高効率設備導入や電化・燃料転換を行う事業(「省CO2型設備更新支援」、以下「設備更新支援」という。)から構成されます。
令和3年度補正予算にて行われた「グリーンリカバリーの実現に向けた中小企業等のCO2削減比例型設備導入支援事業」を統合し、令和5年度から新たな支援メニュー(企業間連携先進モデル支援)が追加になりました。
令和5年11月2日(木)まで2次公募が行われ、令和5年度補正予算においても継続して実施される予定です。(上図参照)
参照:環境省 令和5年SHIFT事業企業間連携先進モデル支援の概要
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
出典:環境省 令和5年度補正予算(案)の概要(令和5年11月) 令和5年度補正予算(案)施策集
本事業は「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」のうちのひとつで、ストレージパリティの達成に向けてオンサイト PPA* モデル等による自家消費型太陽光発電や蓄電池などの導入を行う事業に要する経費の一部を補助するものです。* PPA: power purchase agreement / 電力購入契約
「ストレージパリティ / storage parity: SP」とは、太陽光発電設備の導入に際して、蓄電池(ストレージ / storage)を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態を指す言葉です。
補助事業を行うために直接必要で、エネルギー起源CO₂の排出削減に直接資する工事費や設備費、業務費、事務費などが補助対象となります。交付額は基準額・算定方法によって異なります。
令和5年度当初予算にて公募が実施されましたが、令和5年度補正予算においても継続実施予定です。(上図参照)なお、過去実施された公募の採択率等は非公開とされています。
まとめ
本記事では、愛知県の製造業がつかえる補助金を紹介しました。
詳細未公表の補助金が多くありますが、製造業の脱炭素・設備投資に役立つものですので、ぜひ、今後の最新情報をご確認のうえ活用をご検討ください。
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