※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
スタートアップ企業によるイノベーション創出は、今後の日本の産業競争力強化に向けて重要な役割を担っています。しかし、スタートアップ企業の事業推進・拡大には、多額の資金が必要です。
こうした背景から、国や外郭団体、地方公共団体はスタートアップ支援のための補助金・助成金を設けています。
そこでこの記事では、スタートアップが活用できる補助金・助成金を紹介し、令和5年度補正予算・令和6年度予算事業の概要とあわせて解説します。
スタートアップがつかえる補助金(国主管)
スタートアップが活用できる補助金・助成金のうち、国(各省庁)が主管している主な補助金を紹介します。
ものづくり補助金
枠・類型 | 補助上限額 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合 |
補助率 | |
省力化 (オーダーメイド)枠 |
5人以下 750万円(1,000万円) 6~20人 1,500万円(2,000万円) 21~50人 3,000万円(4,000万円) 51~99人 5,000万円(6,500万円) 100人以上 8,000万円(1億円) |
1/2※ 小規模・再生 2/3 ※補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円 を超える部分は1/3 |
|
製品・サービス 高付加価値化枠 |
通常類型 | 5人以下 750万円(850万円) 6~20人 1,000万円(1,250万円) 21人以上 1,250万円(2,250万円) |
1/2 小規模・再生 2/3 新型コロナ回復加速化特例 2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 5人以下 1,000万円(1,100万円) 6~20人 1,500万円(1,750万円) 21人以上 2,500万円(3,500万円) |
2/3 | |
グローバル枠 | 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | 1/2 小規模 2/3 |
➡大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例:補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者(給与支給総額 年平均成長率+6%以上等)に対して、補助上限額を100万円~2,000万円上乗せ (申請枠・類型、従業員規模によって異なる。新型コロナ回復加速化特例適用事業者を除く。)
出典:ものづくり補助金補助金 公式HP 公募要領(18次締切分)概要版
雇用の多くを占める中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援するものです。
※令和5年度補正予算に基づくものづくり補助金の公募は、すでに終了しております。次回の実施は未定ですが、実施の場合も補助率・補助金額等変更となる可能性がございます。
対象経費
主な対象経費は、以下のとおりです。
・機械装置・システム構築費
※必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要
・運搬費
・技術導入費
・知的財産権等・関連経費
・外注費
・専門家経費
・クラウドサービス利用費
・原材料費 など
要件
申請には、以下の基本要件をすべて満たす3~5年の事業計画策定が求められます。なお、全枠共通であるこれらの申請要件のほか、各枠固有の要件もあるためご留意ください。
1. 事業者全体の付加価値額を年平均成長率(CAGR)3%以上増加
2. 給与支給総額を年平均成長率(CAGR)1.5%以上増加
3. 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
参照:ものづくり補助金補助金 公式HP 公募要領(18次締切分)概要版
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小規模事業者持続化補助金
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 | |
通常枠 | 50万円 | 2/3 (※賃金引上げ枠において、赤字事業者は3/4) |
|
特別枠 | 賃金引上げ枠 | 200万円 | |
卒業枠 | 200万円 | ||
後継者支援枠 | 200万円 | ||
創業枠 | 200万円 |
出典:小規模事業者持続化補助金 公式HP <第15回>ガイドブック
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取組を支援するものです。令和6年5月27日まで第16回公募が行われました。
インボイス特例の要件を満たす場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せされるため、最大250万円が補助されます。(申請枠による)
※次回の実施は未定ですが、実施の場合も補助率・補助金額等変更となる可能性がございます。
対象経費
①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦資料購入費、⑧借料、⑨設備処分費、⑩委託・外注費 が対象経費となります。
IT導入補助金
枠/ 類型 |
通常枠 | インボイス枠 | 複数社連携IT導入枠 | セキュリティ 対策推進枠 |
||||||
電子取引類型 | インボイス対応類型 | |||||||||
補助 事業者 |
中小企業・ 小規模事業者等 |
大企業等 | 中小企業・ 小規模事業者等 |
|||||||
補助額 | 5万円 ~ 150万円 未満 |
150万円 |
インボイス制度に 対応した 受発注ソフト |
インボイス制度に 対応した会計・受 発注・決済ソフト |
PC・ タブレッ ト等 |
レジ・ 券売機 等 |
(1)インボイス枠インボイス対応 類型の対象経費(左記同様) (2)消費動向等分析経費(※1) (上記(1)以外の経費) 50万円×参画事業者数 補助上限: (1)+(2)で3,000万円 (3)事務費・専門家費 補助上限:200万円 |
5万円 ~ 100万円 |
||
~350万円 | 50万円 以下 |
50万円 超 ~ 350万 円 |
~10 万円 |
~20 万円 |
||||||
補助率 | 1/2 | 2/3 | 1/2 | 4/5 、3/4 (※2) |
2/3 (※3) |
1/2 | (1)インボイス枠インボイス対応 類型と同様 (2)・(3) 2/3 |
1/2 | ||
補助 対象 経費 |
ソフトウェア 購入費、 クラウド利用料 (最大2年分)、 導入関連費 |
クラウド利用料 (最大2年分) |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費、 ハードウェア購入費 |
サイバーセキュリ ティサービス利 用料(最大 2年分) (※4) |
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
対象経費
事前に事務局の審査を受け、補助金ホームページに公開(登録)されたITツール(ソフトウェア、サービス等)のほか、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれます。
なお、インボイス枠(インボイス対応類型)では、インボイス制度に対応したソフトウェアの使用に資するものである場合に限り、パソコンやタブレット端末、プリンター、スキャナーなどのハードウェアも補助対象となります。
事業再構築補助金
補助金額 | 補助率 | |
1. 成長分野進出枠(通常類型) | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円) 【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円) 【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円) 【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円) ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合 |
中小企業者等 1/2(2/3) 中堅企業等 1/3(1/2) ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合 |
2. 成長分野進出枠(GX進出類型) | 中小企業者等【従業員数20人以下】100万円~3,000万円(4,000万円) 【従業員数21~50人】100万円~5,000万円(6,000万円) 【従業員数51~100人】100万円~7,000万円(8,000万円) 【従業員数101人以上】100万円~8,000万円(1億円) 中堅企業等 100万円~1億円(1.5億円) ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合 |
中小企業者等 1/2(2/3) 中堅企業等 1/3(1/2) ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合 |
3. コロナ回復加速化枠(通常類型) | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員5人以下】100万円~1,000万円 【従業員6~20人】100万円~1,500万円 【従業員21~50人】100万円~2,000万円 【従業員 51 人以上】100 万円~3,000 万円 |
中小企業者等 2/3 (従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場 合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4) 中堅企業等 1/2 (従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場 合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3) |
4. コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】100万円~500万円 【従業員数6~20人】100万円~1,000万円 【従業員数21人以上】100万円~1,500万円 |
中小企業者等 3/4(2/3) 中堅企業等 2/3(1/2) ※()内はコロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合 |
5. 卒業促進上乗せ措置 | 各事業類型の補助金額上限に準じる | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
6. 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 | 100万円~3,000万円 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
7. サプライチェーン強靱化枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 1,000万円~5億円 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
従来の公募では「売上高等減少要件」が設けられており、前年比での売上高等の減少を示すことが要件のひとつとなっていました。
そのため、創業間もないスタートアップ企業は申請が難しい状況にありました。
しかし、第10回公募からこの要件を廃止した「成長枠」が新設されたことで、スタートアップ企業も申請しやすくなりました。
※次回の実施は未定ですが、実施の場合も補助率・補助金額等変更となる可能性がございます。
補助対象経費
主な対象経費の例として、以下が挙げられます。
建物費(建物の建築・改修等)、機械装置・システム構築費、技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、外注費(加工、設計等)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)、研修費(教育訓練費等)等
【注】 補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費、不動産、汎用品の購入費は補助対象外です。
いずれの経費も、事業転換や事業展開を前提としたもののみが対象です。既存事業に活用する経費は対象になりません。
スタートアップがつかえる補助金(外郭団体主管)
次に、スタートアップが活用できる補助金・助成金のうち、外角団体が主管している補助事業を紹介します。
主な外郭団体にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、JETRO(日本貿易振興機構)、AMED( 国立研究開発法人日本医療研究開発機構)などが挙げられますが、ここではNEDOの補助金を採り上げます。
新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業
本事業は「新エネ中小・スタートアップ支援制度」と「未来型新エネ実証制度」の2つの支援制度からなり、ここでは「新エネ中小・スタートアップ支援制度」について解説します。
「新エネ中小・スタートアップ支援制度」は、再生可能エネルギーや低炭素・脱炭素化技術の開発に取り組むスタートアップ企業を含む中小企業等によるイノベーションの創出に資する提案を公募し、研究開発や事業化計画の進捗状況等に応じて、以下のとおり、5つのフェーズで研究開発に対して助成します。
-
<社会課題解決枠 フェーズA>:フィージビリティ・スタディ
技術シーズを有している中小企業等が、事業化に向けて必要となる基盤研究のためのフィージビリティ・スタディ(FS)を、産学官連携の体制で実施します。社会的ニーズに合致するものの、ナショナルプロジェクト等の制度では、必ずしも、十分対応できない技術開発を支援するため、NEDOが、予め、設定する課題に合致する事業の提案を公募します。
- 事業期間:1年以内
- 助成金額:原則として、1テーマあたり1,250万円以内
- 助成率:8/10以内(NEDO負担額:1,000万円以内)
- 事業期間:1年以内
- 助成金額:原則として、1テーマあたり1,500万円以内
- 助成率:2/3以内(NEDO負担額:1,000万円以内)
- 事業期間:原則として、2年以内
- 助成金額:原則として、1テーマあたり6,250万円以内
- 助成率:8/10以内(NEDO負担額:5,000万円以内)
- 事業期間:原則として、2年以内
- 助成金額:原則として、1テーマあたり7,500万円以内
- 助成率:2/3以内(NEDO負担額:5,000万円以内)
- 事業期間:原則として、2年以内
- 助成金額:原則として、1テーマあたり2.25億円以内
- 助成率:2/3以内(NEDO負担額:1.5億円以内)
<新市場開拓枠 フェーズα>:フィージビリティ・スタディ
技術シーズを有している中小企業等が、事業化に向けて必要となる基盤研究のためのフィージビリティ・スタディ(FS)を、国内のベンチャー・キャピタルやシード・アクセラレーター等(以下、「VC等」という。)からの支援を得て、実施します。
<社会課題解決枠 フェーズB>:基盤研究
技術シーズを有している中小企業等が、要素技術の信頼性や品質の向上、システムの最適設計及び運用等に資する研究開発、プロトタイプの試作及びデータ計測等、事業化に向けて必要となる基盤技術の研究を、産学官連携の体制で実施します。社会的ニーズに合致するものの、ナショナルプロジェクト等の制度では、必ずしも、十分対応できない技術開発を支援するため、NEDOが、予め、設定する課題に合致する事業の提案を公募します。
<新市場開拓枠 フェーズβ>:基盤研究
技術シーズを有している中小企業等が、要素技術の信頼性や品質の向上、システムの最適設計及び運用等に資する研究開発、プロトタイプの試作及びデータ計測等、事業化に向けて必要となる基盤技術の研究を、VC等からの支援を得て、実施します。
<フェーズC>:実用化研究開発
事業化の可能性が高い基盤技術要素を有している中小企業等が、事業化に向けて必要となる実用化技術の研究開発、実証研究等を実施します。
参照:NEDO(新エネルギー等のシーズ発掘・事業家に向けた研究開発事業)
ディープテック・スタートアップ支援事業
技術の確立や事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの国や世界全体で対処すべき経済社会課題の解決にも資すると考えられる革新的な技術の研究開発に取り組んでいる「ディープテック・スタートアップ」を対象に、実用化研究開発や量産化実証、海外技術実証などへの支援を行うものです。
令和5年度分の公募は既に終了していますが、今後、令和6年度分として公募が行われる可能性があります。
以下、3つのフェーズから構成され、経済産業省所管の鉱工業技術(例えば、ロボティクス、AI、エレクトロニクス、IoT、クリーンテクノロジー、素材、医療機器、ライフサイエンス、バイオテクノロジー技術、航空宇宙等。但し、原子力技術に係るものは除く。)を対象技術としています。
〔1〕STSフェーズ(実用化研究開発(前期))
要素技術の研究開発や試作品の開発等に加え、事業化に向けた技術開発の方向性を決めるための事業化可能性調査の実施等を支援する。
- 助成金の額:3億円以内または5億円以内/事業期間
- 事業期間:本支援事業への応募に際してVC等、CVC、事業会社から出資を得てから、次にVC等、CVC、事業会社から出資を得る(新たな資金調達)予定の時期までの期間を基準として設定※1.5~2年程度を目安とする(ただし同一フェーズ内で最長4年)
- 助成率:2/3以下
〔2〕PCAフェーズ(実用化研究開発(後期))
試作品の開発や初期の生産技術開発等に加え、主要市場獲得に向けた事業化可能性調査の実施等を支援する。
- 助成金の額:5億円以内または10億円以内/事業期間
- 事業期間:本支援事業への応募に際してVC等、CVC、事業会社から出資を得てから、次にVC等、CVC、事業会社から出資を得る(新たな資金調達)予定の時期までの期間を基準として設定※1.5~2年程度を目安とする(ただし同一フェーズ内で最長4年)
- 助成率:2/3以下
〔3〕DMPフェーズ(量産化実証)
量産技術の確立・実証に係る研究開発やそのために必要な生産設備・検査設備等の設計・製作・購入・導入・運用等を通じ、商用化に至るために必要な量産化実証の実施を支援する。
- 助成金の額:25億円以内/事業期間
- 事業期間:本支援事業への応募に際してVC等、CVC、事業会社から出資を得てから、次にVC等、CVC、事業会社から出資を得る(新たな資金調達)予定の時期までの期間を基準として設定※1.5~2年程度を目安とする(ただし同一フェーズ内で最長4年)
- 助成率:2/3以下
参照:NEDO ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業
スタートアップがつかえる補助金(自治体主管)
さらに、自治体が主管しているスタートアップ向け補助金を紹介します。
スタートアップを含む企業の立地を誘致する主旨の補助金は多くありますが、ここではこうした主旨以外の補助金のうち、補助金額最大500万円以上のものを紹介します。
東京都:臨海副都心DX推進事業
臨海副都心の開発を推進するに当たり、デジタルテクノロジーを活用し、臨海副都心全体のブランド価値を高めるため、臨海副都心において「デジタルテクノロジーの実装」、「スタートアップの集積」に資する事業を行う民間事業者を支援する制度です。
対象者
臨海副都心区域内で臨海副都心におけるデジタルテクノロジーの実装、または臨海副都心におけるスタートアップの集積に関する事業を行う民間事業者を対象としています。
対象経費
(1)新商品・サービス創出のための研究・開発に係る経費
(2)法人登記など間接的な企業活動に係る経費
補助金額
予算2億円で、1事業5千万円を上限として補助を行います。
採択事例
令和5年度補助対象事業として、スタートアップ企業が臨海副都心 台場地区へオフィス移転した事例があります。
出典:「東京都臨海副都心DX推進事業」令和5年度補助対象事業についての報告
参照:東京都港湾局 東京都臨海副都心DX推進事業(補助制度)
福岡県福岡市:スタートアップ海外展開支援補助金
世界で通用しうる技術やサービス、プロダクト等を有する福岡市内のスタートアップに対し、海外展開に要する経費を助成するものです。
対象者
下記のすべての要件を満たす方が対象となります。
・創業からおおむね10年以内の企業であること。
・本社を福岡市内に置き、将来にわたって市内で事業を継続する意思を有すること。
・市税に係る徴収金を滞納していないこと。
・暴力団または暴力団員と密接な関係を有する者でないこと。
対象経費
1. 高度人材雇用にかかる経費
海外展開を強力に推進可能とする英語等の言語力、ビジネス経験等を有する人材の雇用に要する経費(直接人件費、人材紹介手数料 等)
2. 海外拠点開設にかかる経費
海外展開の拠点となる事務所・店舗等の開設に要する経費(賃料、初期費用 等)
3. 海外イベント出展にかかる経費
外での販路開拓、資金調達、連携パートナー獲得等を目指すイベント出展に要する経費(ブース出展料、設備リース費用、参加パス、交通費、宿泊費 等)
補助金額
補助区分 | 補助金の額 | 上限額 |
高度人材雇用 | 補助対象経費に2分の1を乗じて得た額 | 500万円 |
海外拠点開設 | 補助対象経費に2分の1を乗じて得た額 | 120万円 |
海外イベント出展 | 補助対象経費に2分の1を乗じて得た額 | 40万円 |
出典:福岡県福岡市 福岡市スタートアップ海外展開支援補助金の募集について
スタートアップがつかえる助成金4選
続いて、厚生労働省が主管している、スタートアップが活用できる助成金を紹介します。
キャリアアップ助成金
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。
以下、7つのコースからなり、目的によって大きく正社員化支援・処遇改善支援に分けられます。スタートアップ企業の場合、いずれのコースも申請可能ですが、コースごとに助成対象や支給額が定められています。
正社員化 支援 |
正社員化コース | 有期雇用労働者等を正社員化 |
---|---|---|
障害者正社員化コース | 障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換 詳細はこちら |
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処遇改善 支援 |
賃金規定等改定コース | 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額 |
賃金規定等共通化コース | 有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を 新たに規定・適用 |
|
賞与・退職金制度導入コース | 有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給 または積立てを実施 |
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短時間労働者労働時間延長コース | 有期雇用労働者等の週所定労働時間を延長し、社会保険を適用 | |
社会保険適用時処遇改善コース (新設) |
有期雇用労働者等に新たに社会保険を適用させるとともに、 労働者の収入を増加させる |
人材開発支援助成金
事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
以下、以下、7つのコースからなり、コースごとに助成対象や支給額が定められています。
・人材育成支援コース
・教育訓練休暇等付与コース
・建設労働者認定訓練コース
・建設労働者技能実習コース
・障害者職業能力開発コース
・人への投資促進コース
・事業展開等リスキリング支援コース
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
中途採用者の雇用管理制度を整備した上で、中途採用の拡大を図る事業主に対して助成するものです。
参照:厚生労働省 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
業務改善助成金
生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。
要件を満たす中小企業・小規模事業者を対象としていて、スタートアップ企業も活用できる制度です。
令和5年度補正予算・令和6年度予算におけるスタートアップ支援策
ここでは、令和5年度補正予算・令和6年度予算による補助事業のうち、スタートアップ企業を支援する主な事業を紹介します。
次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業
ヘルステック分野において、研究機関や民間企業等に所属する起業人材に対して、以下の支援を行うものです。
①伴走支援機関を通じて、起業する上で必要不可欠な専門的知識の習得に向けた教育プログラムの提供や個別メンタリング等のハンズオン支援
②革新的な製品・サービスのシーズ開発に対する支援を行うことにより、ヘルステック・スタートアップ創出に向けた起業人材の育成
令和6年4月~令和10年3月の間、期間を区切って公募が行われます。
参照:AMED 次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業
未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業
我が国が今後も経済成長を実現していくためには、社会課題の解決に果敢に挑戦するスタートアップが、イノベーションの担い手の中心になっていくことが不可欠です。
優れたアイディア、技術を持つ若い人材を発掘・育成することがスタートアップ育成として有意義であることから、産業界や学界などにおいて現役で活躍するプロジェクトマネージャー等による、審査(発掘)から育成までの一貫したプロセスを有し、採択者の自主性を尊重しつつ、プロジェクトマネージャー等による伴走的な育成がなされる、地域独自のトップIT・起業家人材等の発掘・育成プログラムの立ち上げ等を支援するものです。
参照:経済産業省 令和5年度補正予算案「未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金」に係る補助事業者(事務局)の公募について
地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
出典:環境省 令和6年度概算要求 及び 令和5年度補正予算 脱炭素化事業一覧
地方公共団体等との連携による技術開発・実証を推し進め、各地域がその特性を活かした脱炭素社会モデルを構築し、地域の活性化と脱炭素社会の同時達成を後押しし、脱炭素ドミノを誘引するために行う取り組みの一環として、「スタートアップ企業に対する事業促進支援(スタートアップ枠)」が設けられています。
本枠では、創造的・革新的な技術を有する事業者を支援することで、2030年度目標等の達成に資する新規産業の創出・成長を図ります。
参照:環境省 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
まとめ
この記事では、スタートアップが活用できる補助金・助成金を紹介しました。今後の事業推進・拡大に向けて、ぜひ、補助金・助成金の活用をご検討ください。
なお、来る令和6年9月18日にスタートアップ企業様向けにデット・エクイティ・補助金/助成金の賢い活用法を紹介するセミナーを開催いたします。
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