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最新公募要領リリース!事業承継・引継ぎ補助金(廃業・再チャレンジ枠)を徹底解説!

公開日 2022/07/15
更新日 2024/04/01
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※記事内容は記事更新日時点の情報になります。最新の情報は必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和6年4月1日に、事業承継・引継ぎ補助金/9次公募の申請受付が開始されました。

そこでこの記事では、事業承継・引継ぎ補助金 9次公募について解説します。

事業承継・引継ぎ補助金とは?

事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しすることを目的とした補助事業です。以下、3つの枠で構成されています。

  1. 経営革新枠
  2. 専門家活用枠
  3. 廃業・再チャレンジ枠

なお、本記事で紹介する「廃業・再チャレンジ枠」は、廃業・再チャレンジを行う中小企業者等への支援を目的としています。

◆「経営革新枠」「専門家活用枠」の詳細については、別記事で解説しております。あわせてご参照ください。

最新公募要領リリース!事業承継・引継ぎ補助金(経営革新枠)を徹底解説
令和6年4月1日に、事業承継・引継ぎ補助金/9次公募の申請受付が開始となりました。 そこでこの記事では、事業承継・引継ぎ補助金/9次公募について解説します。これから公募への申請を検討されている方は、ぜひこちらの記事をご参照ください!
最新公募要領リリース!事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠)を徹底解説
令和6年3月18日に、事業承継・引継ぎ補助金/9次公募の公募要領が公表されました。4月1日には同補助金の申請受付開始が予定されています。 そこでこの記事では、事業承継・引継ぎ補助金 9次公募(専門家活用枠)について解説します。

事業承継・引継ぎ補助金(廃業・再チャレンジ枠)9次公募の変更点

9次公募では、前回公募から以下のとおり、複数の変更点があります。

賃上げ加点未達の場合に関する文言の追記

8次公募において令和6年1月26日付で削除された以下の文言が、9次公募要領に再度掲載されました。

交付申請時点から過去18ヵ月の間において、中小企業庁が所管する補助金※に申請した内容について、賃上げ加点の要件等が未達成の場合、正当な理由が認められない限り大幅に減点されることを了承した上で申請すること。

※令和6年3月時点では、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第17次公募以降)、サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金2024公募以降)、小規模事業者持続化補助金(第15回公募以降)、事業承継・引継ぎ補助金(第8次公募以降)、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)(令和6年度公募以降)、事業再構築補助金(第12回公募以降)、(中小企業省力化投資補助事業(第1回公募以降)を含む)

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 公募要領

事業承継対象期間

9次公募では、事業承継対象期間は令和6年11月22日までとなります。

jGrantsについて

交付申請手段である「jGrants(jグランツ)」について、以下の文言が追記されました。改めましてご注意ください。

なお、本補助金を含む国の補助金の電子申請システムである jGrants では代理申請を行うための委任関係を管理する機能は提供していない。同一パソコンから大量に申請がある場合などは、個別に事情を伺う可能性がある。正当な事由なく、申請者自身による申請と認められない場合には、当該申請は不採択又は交付決定の取り消しとなる。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 9次公募 公募要領

加点事由について

加点対象となる項目のひとつである賃上げに関し、以下、変更となりました。(太字部分が変更箇所)

以下を満たす賃上げを実施予定であり、従業員に表明していること。
事業化状況報告時に、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上となる賃上げ
(上記を既に達成している事業者は、事業化状況報告時に、事業場内最低賃金+30円以上となる賃上げ)

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 9次公募 公募要領

8次公募では補助事業期間終了時での賃上げと記載されていましたが、事業化状況報告時に変更となりました。

事業化状況報告が未提出の場合の措置

事業化状況報告が未提出である場合の措置として、以下の文言が追記されました。

当該加点事由を申請して交付決定をされたにも関わらず、事業化状況報告が未提出である
場合は、加点要件は未達とみなして以下の措置を講ずるので注意すること。
賃上げ加点に係る申請内容未達成時の対応加点を受けたうえで、本補助金で採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった場合は、事業化状況報告において未達が報告されてから18ヶ月の間、中小企業庁が所管する補助金※1への申請にあたっては、正当な理由が認められない限り大幅に減点する。
※1・・・令和6年3月時点では、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補
助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金(中
小企業省力化投資補助事業を含む)災害を受け、事業において著しい損失を受けたと認められる場合等※2により、やむを得ず加点要件を達成できなかった場合には、その限りではない。その場合には、事業化状況報告の提出時にその理由を説明すること。やむを得ない理由と認められた場合に限り、減点を免除する。
※2・・・震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかったこと等に
より、事業において著しい損失を受けたと認められる場合(国税通則法第46条)その他
これに準ずるものとして中小企業庁が認めた場合

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 9次公募 公募要領

事業承継・引継ぎ補助金(廃業・再チャレンジ枠)の詳細

ここからは、廃業・再チャレンジ枠の詳細を紹介します。

廃業・再チャレンジ枠の類型

廃業・再チャレンジ枠には、以下2つの類型があります。

  1. 経営革新枠・専門家活用枠との「併用申請」
  2. 廃業・再チャレンジ枠のみの「単独申請」(再チャレンジ申請)

併用申請の場合は、経営革新事業・専門家活用事業として申請してください。

対象となる廃業・再チャレンジ

各類型では、以下の行動を伴う廃業を対象としています。

併用申請

(1)事業承継またはM&Aで事業を譲り受けた後の廃業
事業承継(事業再生を伴うものを含む)によって事業を譲り受けた中小企業者等が、新たな取り組みを実施するにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。 ※経営革新事業との併用

(2)M&Aで事業を譲り受けた際の廃業
M&Aによって事業を譲り受ける中小企業者等(他者の経営資源を引き継いで創業した者も対象)が、事業を譲り受けるにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。 ※専門家活用事業との併用

(3)M&Aで事業を譲り渡した際の廃業
M&Aによって事業を譲り渡す中小企業者等が、M&A後も手元に残った事業を廃業する場合。 ※ 専門家活用事業との併用

 

再チャレンジ申請

(4)M&Aで事業を譲り渡せなかった廃業・再チャレンジ
M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主、または個人事業主が、地域の新たな需要の創造または雇用の創出にも資する新たなチャレンジをするために既存事業を廃業する場合。

廃業・再チャレンジの要件

<併用申請の場合>
・補助事業期間終了日までにM&Aまたは廃業が完了していること。
・廃業に伴って以下の(1)~(3)を行った、または行う予定であること。
(1) 事業承継後M&A後の新たな取り組み
(2) M&Aによって他者から事業を譲り受ける。(全部譲渡・一部譲渡含む。)
(3) M&Aによって他者に事業を譲り渡す。(全部譲渡・一部譲渡含む)
※(1)の内容は経営革新事業の補助対象事業に、(2)(3)の内容は専門家活用の補助対象事業に該当し、経営革新事業または専門家活用事業で採択されていることが必要です。

<再チャレンジ申請の場合>
・補助事業期間終了日までに廃業が完了していること。
・廃業に伴って以下の(4)を行った、または行う予定であること。
(4) 2020年以降に売り手としてM&Aに着手し、6か月以上取り組んでいることおよび廃業後に再チャレンジ。

補助対象経費

補助対象となる経費は、以下の通りです。

廃業支援費(注1)

・廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費
・解散事業年度・清算事業年度・残余財産確定事業年度(いずれも法人の場合)における会計処理や税務申告に係る専門家活用費用
・精算業務に関与する従業員の人件費
在庫廃棄費(注2)

・既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費

解体費

・既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費

原状回復費

・借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用

リースの解約費

・リースの解約に伴う解約金・違約金

移転・移設費用
(併用申請のみ計上可)

・効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費

(注1)廃業支援費についての補助上限額は50万円とする
(注2)商品在庫等を売却して対価を得る場合の処分費は、補助対象経費とならないため注意すること。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公募ページ

補助上限額、補助率等

補助上限額、補助率等は類型に関わらず、以下の通りです。
上限額:150万円
・下限額:50万円
・補助率:1/2~2/3以内

手続きの流れ

【事前準備】
・補助対象事業の確認
・認定経営革新等支援機関へ相談
・gBizIDプライムの取得

【交付申請】
・交付申請
・審査の後、交付決定通知

【事業実施】
・補助対象事業実施
補助事業期間は、交付決定日から最長で2024年9月16日(月)でです。


【事業完了】
・事業完了後に実績報告

【補助金交付】
・確定検査、補助金交付

【補助金交付後】
・事業化状況の報告等

交付申請に必要な書類

補助金交付申請書(jGrants 上の申請フォーム)を jGrants にて提出してください。なお、交付申請は jGrants での提出となるため、以下に示す必要書類は原則 PDF 形式での提出が必要です。

申請スケジュール

申請受付期間 令和6年4月1日(月)~令和6年4月30日(火)17:00まで
交付決定日 6月上旬(予定)
事業実施期間 交付決定~令和6年11月22日
実績報告期間 令和6年12月2日まで
補助金交付手続き 未定

採択状況

公表された採択結果のうち、直近回の結果は以下のとおりです。

■8次締切

・交付申請期間:2024年1月9日~2024年2月16日
・採択結果:
 ・経営革新枠:申請 334件、採択 201件、採択率 約60.2%
 ・専門家活用枠:申請 374件、採択 229件、採択率 約61.2%
 ・廃業・再チャレンジ枠:単独申請 1件、併用申請 21件、採択 12件、採択率 約54.5%

中小企業庁ページ:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2024/240401shoukei_saitaku.html
事業承継・引継ぎ補助金 公式HP:https://jsh.go.jp/r5h/adoption-result/

問い合わせ先

事業承継・引継ぎ補助金 Web サイト
https://jsh.go.jp/r5h/

事業承継・引継ぎ補助金事務局(廃業・再チャレンジ)
050 – 3000 – 3551
受付時間:10:00~12:00、13:00~17:00 (土・日・祝日を除く)

全国:中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金/10次締切
【10次公募について】  ・対象枠:専門家活用枠 ※経営革新枠、廃業・再チャレンジ枠(単独申請)は当公募回では設けません ・公募期間:2024年7月1日(月)~ 2024年7月31日(水)17:00まで ※事業期間が大変短くなってお...

まとめ

事業承継・引継ぎ補助金/9次公募の概要を解説しました。事業承継をお考えの方は、本補助金をぜひご活用ください。

 

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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