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【2023年度】美容室が活用できる補助金とは?おすすめ9選

公開日 2023/02/24
更新日 2023/07/08
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

長引くコロナ禍・エネルギー価格高騰などによって、厳しい業況に置かれる美容室は多いのではないでしょうか。

こうした状況下、国や自治体が事業者を支援する補助金制度があります。この記事では、その中から主な支援策を9つ紹介します。美容室に限らず、小売店や飲食店が活用できる制度もあるので、ぜひ、ご参照ください。

美容室が活用できる補助金(国による支援)

美容室が活用できる補助金のうち、まずは国が実施している支援施策を4つ紹介します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。

なお、本事業は以下の申請類型で構成されます。

・成長枠
・グリーン成長枠
・卒業促進枠
大規模賃金引上促進枠
物価高騰対策・回復再生応援枠
最低賃金枠
・サプライチェーン強靱化枠

補助対象者

本事業の補助対象者は、日本国内に本社を有する中小・中堅企業です。ただし、申請には、以下の要件を満たす必要があります。

【事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること】

事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。

補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。)

【付加価値額を向上させること】

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

そのほか、申請類型ごとに設けられた要件もあるので、申請の際は必ず公募要領をご確認ください。

 

補助上限額・補助率

出典:事業再構築補助金 電子申請資料 事業再構築補助金の概要

申請類型ごとの補助上限額・補助率は、上記のとおりです。

補助対象経費

事業再構築補助金の補助対象となる経費項目は、次のとおりです。

  • ・建物費
  • ・機械装置・システム構築費
  • ・技術導入費
  • ・専門家経費
  • ・運搬費
  • ・クラウドサービス利用費
  • ・外注費
  • ・知的財産権等関連経費
  • ・広告宣伝・販売促進費
  • ・研修費

項目により、要件が設けられていたり、注意事項があったりするため、申請の際は必ず公募要領をご確認ください。

全国:事業再構築補助金
2024/04/23追記:第12回公募が開始されました。 ----- 2024/02/13追記:第11回公募の採択結果が公表されました。 ----- 2023/08/10追記:第11回公募が開始されました。 ----- 2023...

ものづくり補助金

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援することを目的とする支援制度です。

補助対象者

本事業の補助対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業者が中心となります。

名称に「ものづくり」とあるため、製造業のみが対象であると思われがちですが、美容室をはじめサービス業も対象となります。本事業の事業類型には、次に挙げる5つがあります。

  • ・通常枠
  • ・回復型賃上げ・雇用拡大枠
  • ・デジタル枠
  • ・グリーン枠
  • ・グローバル市場開拓枠

補助上限額・補助率

参照:ものづくり補助金 公式HP

各枠の補助上限額・補助率は、上図のとおりです。

補助対象経費

補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものであり、その経費の必要性及び金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できるものとなります。

なお、対象経費は、交付決定を受けた日付以降に発注を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限って承認されます。

ものづくり補助金で補助対象となる経費項目は次の9つとなります。

  • ・機械装置費
  • ・技術導入費
  • ・専門家経費
  • ・運搬費
  • ・原材料費
  • ・外注加工費(上限額=委託費と合わせて補助対象経費総額(税抜き)の2分の1)
  • ・委託費(上限額=外注加工費と合わせて補助対象経費総額(税抜き)の2分の1)
  • ・知的財産権等関連経費(上限額=補助対象経費総額(税抜き)の3分の1)
  • ・クラウド利用費

参照:ものづくり補助金 公式HP

全国:中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金)
2024/03/21追記: 事業実施場所を新潟県・富山県・石川県・福井県の4県とする計画に限定して、2024年5月9日(木)までの間、延長受付を行います。 ただし条件として、令和 6年能登半島地震による被害を受けたことの「被災証明書・罹...

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に活用できる補助金です。以下のとおり、大きく3つの申請類型で構成されます。

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、事業者の業務効率化・売上アップをサポートするものです。

自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることを目的としています。

セキュリティ対策推進枠

中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

補助対象者

IT導入補助金における補助対象事業者は、中小企業・小規模事業者等で、飲食業や宿泊業、卸・小売業のほか、美容室も対象に含まれます。

補助上限額・補助率

参照:IT補助金 公式HP

IT補助金における補助上限額、補助率は上図のとおりです。デジタル化基盤導入類型は、パソコンやレジの購入にもつかえるため、ぜひご活用ください!

補助対象経費 

本事業の補助対象経費項目は上図に記載されていますが、ITに関連するソフト・ハードいずれも対象となり得ます。

  • ・ソフトウェア購入費
  • ・クラウド利用料
  • ・導入関連費
    ・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)のみ:ハードウェア購入費

参照:IT導入補助金 公式HP

全国:中小企業生産性革命推進事業(IT導入補助金2024)
本補助金詳細は、補助金クラウド上で通年表示されるよう、便宜上、公募締切を2025/03/31としています。 IT導入補助金2024における追加公募が以下の通り、行われています。 追加公募開始日:9月20日(金) 追加公募対象枠:通常枠...

小規模事業者持続化補助金 

小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人(以下「小規模事業者等」)が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助するものです。

補助対象者

本補助金の補助対象者は、指定された要件を満たす日本国内に所在する小規模事業者等(個人または日本国内に本店を有する法人:単独または複数)です。

補助上限額・補助率

参照:小規模事業者持続化補助金 公式HP

小規模事業者持続化補助金の補助上限額・補助率は上図のとおりです。

補助対象経費 

補助対象となる経費項目は、次のとおりです。美容室の場合、販路開拓のために行うウェブサイト作成や展示会出展が補助対象となる可能性があります。

  • ・機械装置等費
  • ・広報費
  • ・ウェブサイト関連費
  • ・展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • ・旅費
  • ・開発費
  • ・資料購入費
  • ・雑役務費
  • ・借料
  • ・設備処分費
  • ・委託・外注費

参照:小規模事業者持続化補助金 公募要領

全国:小規模事業者持続化補助金
令和5年度補正予算の内容は、以下に掲載されています。 ○商工会地区分 URL: ○商工会議所地区分 URL: 2024年8月19日 5次申請受付分の公募要領(暫定版)を公開しました。 申請受付開始日までに改訂版を公...

美容室が活用できる補助金(自治体による支援) 

続いて、各自治体による主な補助金を紹介します。

島根県:飲食・商業・サービス業等エネルギーコスト削減対策緊急支援事業 

本補助金は、エネルギー価格高騰の影響を受けている飲食・商業・サービス業等を営む中小企業に対して、エネルギーコスト削減を図るための取組の経費の一部を補助することにより、中小企業の経営を支援することを目的としています。

高効率空調設備やLED照明機器など、省エネルギー・省電力が期待できる設備更新費、機器導入費が対象となります。島根県の店舗で導入を検討している場合は、ぜひ本補助金をご活用ください。

補助金額:下限額200千円~上限額2,000千円
補助率:1/2(新型コロナウイルス感染症関連融資を利用している場合は2/3)

参照:飲食・商業・サービス業等エネルギーコスト削減対策緊急支援事業

島根県:エネルギーコスト削減対策緊急支援事業(飲食・商業・サービス業等エネルギーコスト削減対策緊急支援事業補助金)
島根県ではエネルギー価格高騰の影響を受けている飲食・商業・サービス業等を営む中小企業に対して、エネルギーコスト削減を図るための取組の経費の一部を補助することにより、中小企業の経営を支援することを目的としています。 補助対象経費の1/2...

熊本県:令和5年度(2023年度)熊本県ユニバーサルデザイン建築物整備促進事業(UD補助事業)

個人や事業主の方が店舗などの建物を誰もが利用しやすいようユニバーサルデザイン(以下、「UⅮ」という。)に配慮した改修工事をされる際に、市町村とともに建築費の一部を助成する制度です。

美容室でのスロープや手すり、多機能トイレの設置などが対象となります。

補助上限金額:200万円 ※実施事業、要件による
補助率:10/10 ※実施事業、要件による

参照:令和5年度(2023年度)熊本県ユニバーサルデザイン建築物整備促進事業(UD補助事業)

熊本県:令和6年度 ユニバーサルデザイン建築物整備促進事業(UD補助事業)
県では、個人や事業主の方が店舗などの建物を誰もが利用しやすいようユニバーサルデザイン(以下、「UⅮ」という。)に配慮した改修工事をされる際に、市町村とともに建築費の一部を助成する制度を設けています。令和5年度から、新型コロナウイルス感染症の...

北海道札幌市:民間公共的施設バリアフリー補助事業

障がいのある方や高齢の方などが、安全で快適に利用できるバリアフリー整備のためのバリアフリー改修費用の一部を補助するものです。

美容室店内等の段差解消、出入口や通路幅の拡幅、車いす使用者用トイレの設置等が補助対象となります。

補助上限額:150万円

補助率:3/4

参照:札幌市民間公共的施設バリアフリー補助事業

北海道札幌市:民間公共的施設バリアフリー補助事業
札幌市では、障がいのある方や高齢の方などが、安全で快適に利用できるバリアフリー整備のためのバリアフリー改修費用の一部を補助します。 ※事業の申請をご検討されている方は、申請の準備に時間を要するため、お早めに「建築士による窓口相談(事前予約...

山形県山形市:令和5年度 中心市街地新規出店者サポート事業費補助金 

中心市街地の活性化を図るため、中心市街地の空き店舗を活用し、新たに飲食店等を出店する場合に、その初期投資費用の一部を補助するものです。

美容室の場合、内外装工事や給排水設備工事に活用することができます。

補助金額:

  • 200万円(中心市街地グランドデザインにおけるゾーニング計画の「観光情報発信ゾーン」「商業強化・居住推進ゾーン」「オフィス誘致・商業強化ゾーン」「リノベーション強化ゾーン」に出店する事業者)
  • 100万円(法人格を持つ商店会組織のエリアに出店する事業者)
  • 50万円(その他の出店者)

補助率:1/2

参照:令和5年度 山形市中心市街地新規出店者サポート事業費補助金

山形県山形市:令和6年度 中心市街地新規出店者サポート事業費補助金
山形市中心市街地の活性化を図るため、中心市街地の空き店舗を活用し、新たに飲食店等を出店する場合に、その初期投資費用の一部を補助するものです。 ・対象物件 中心市街地(山形市中心市街地活性化基本計画で定められた区域)にある物件のうち、入居...

岩手県宮古市:商業振興対策事業費補助金

消費者に魅力のある商店街づくりのために行う研修や、情報提供、経営相談事業等に対し、その事業に係る経費の一部を補助します。また、新規創業者や、事業拡大等を行う事業者を支援します。

補助限度額:150万円
補助率:1/2

参照:宮古市商業振興対策事業費補助金

https://biz.stayway.jp/hojyo_detail/3631/

まとめ

全国の美容室が活用できる補助金のうち、国と各自治体による主な支援策を紹介しました。

多くは美容室に限らず、飲食店・小売店でも活用できる補助金・助成金です。自社に合う補助金を活用し、今後の事業再生や維持・拡大にお役立てください。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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