2021年7月30日から、「事業再構築補助金」の3回目の公募が開始されました。しかし、事業再構築補助金は採択率が低く、狭き門となっています。
そこでこの記事では、採択結果が公表された第1回公募の結果を例に、採択率が低い理由や採択されるためのポイントを解説します。
【事業再構築補助金】第1回公募の採択結果
ここでは、事業再構築補助金 第1回公募の採択結果について解説します。
概要(採択率など)
事業再構築補助金の第1回公募による採択率は、36.06%にとどまりました。 ※緊急事態宣言特別枠、通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠合算
採択率60%を超える補助金があることからも、第1回公募の採択率が低いことがわかります。これまで複数回の公募が実施された補助金では、第1回の採択率が高く、公募を重ねるごとに採択率が下がる傾向にあります。
そのため、3回目の公募が迫るなか、採択率の低下が懸念されます。そこで、第1回公募の結果を踏まえて事業計画の見直しをおこない、採択を目指しましょう。
【事業再構築補助金】業種別の応募件数・採択件数
2021年6月に発表された第1回公募結果を業種別に分析してみると、幅広い業種から応募がある中、製造業、宿泊業・飲食サービス業、卸売・小売業からの応募が著しく多く、全体の約6割にのぼることがわかります。同時に、採択率においても上記の3業種の採択率が高くなっています。
なお、応募総数は22,231件。このうち、申請要件を満たしたものは19,239件にのぼりました。 厳正な審査の結果、採択件数は8,016件となっています。
(出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果について)
【事業再構築補助金】応募金額・採択金額
応募金額に対する採択結果を見ると、100~1,500万円が最も多く、全体の46%を占めています。補助金額の上限は1億円ですが、4,500万~1億円も28%が採択されています。
(出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果について)
認定支援機関別採択件数
さらに、認定支援機関別に採択状況をみると、地方銀行、信用金庫をはじめとした金融機関が3,000社を超え、もっとも多くなっています。次に税理士、税理士法人、公認会計士を合わせて約1,760社、商工会・商工会議所が1,250社となっています。
また、各認定支援機関ごとの採択率を見ると、地方銀行は約41%、中小企業診断士は43%、民間コンサルティング会社は42%となっており、高い採択率となっています。
地方銀行の場合、銀行員が指導したわけではなく、コンサル会社に外注し、事業計画の認定だけ行うのが通常です。
そのため、一般的には中小企業診断士を含む、コンサル会社が採択率が高いといえます。
(出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果について)
事業再構築補助金(通常枠)の採択率が30%台の要因
①申請件数の多さ
応募総数は22,231件と非常に多かったです。予算規模も大きく、話題性も高いことから多くの事業者が申請しました。
②要件を満たさない申請の多さ
応募総数は22,231件。このうち、申請要件を満たしたものは19,239件と、 13.1%が不備でした
優秀な認定支援機関の手厚いサポートをうける場合、このような事態は通常ないことから、自分で申請書類の作成を行い、実質的なレビューなしの認定が行われていることが予想されます
③採択件数が絞られた
総予算1兆1,485億円という巨額の予算を消化する観点から、多くの採択が期待されましたが、一定レベル以上の計画が採択される結果になりました。
この巨額の予算を消化するのは税の無駄使いとなることから、一定レベル以上の計画のみ採択する姿勢は評価するべきといえるでしょう。
不採択な事業計画例
例1:個人事業主の不動産投資家による申請
事業再構築をする意義を見出しにくい例です。なぜこの事業主が事業再構築をすることが、国にとって大事なのか語れない場合、採択されずらいでしょう。
例2:投資規模が小規模
事業再構築といえないような小規模な投資の場合、採択されにくいといえます。例えば、既存のコワーキングスペースの改修を行うために、200万円の投資をするなど。
別の補助金でもカバーできますし、200万円の投資をすることにより、現状からどのような飛躍があるか見出しにくいです。
事業再構築補助金で採択されるためのポイントは?
①申請要件を満たす事
当たり前ですが、申請要件を満たしましょう。コンサルを依頼するなど、第3者に確認してもらえると安心です。
②ストーリー性
・事業再構築をする理由
・その事業が地域や国とってどれだけ有意義な事業なのか
を書くようにしましょう
③根拠
なぜその事業がうまくいくのか、定量的・定性的に記載しましょう。
・市場規模
・競合関係
・数値計画及びKPI
など
採択事業から考える第3次申請のヒント
①申請要件を満たす事、②ストーリー性、③根拠をしっかり記載しましょう。
たまに、何か裏技を期待される方がいますが、実は計画書作成に裏技などなく、1次、2次、3次もすべて共通の要素です。
以下にヒントになる記事を紹介しますので、ぜひお役立てください
・事業再構築補助金申請の際にどの認定支援機関に依頼すべき? 正しく実績を確認し、失敗しない方法を解説!
・[無料]事業再構築補助金の申請事業者必見!採択率別 認定経営革新等支援機関の選び方ガイド
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