躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、東京都と東京都中小企業振興公社が実施している、中小企業向けの助成制度です。
助成限度額は100万円~2億円程度に設定されており、都内設備投資補助金の中でも大型の制度といえます。キャッシュ負担を抑えつつ生産性向上を目指したい中小企業は、ぜひ利用を検討したい制度です。
本記事では、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の概要や申請要件・補助対象経費について詳しく解説します。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
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助成対象者 |
東京都内に本店または支店があり、都内で2年以上継続して事業を営んでいる中小企業者等 |
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事業区分 |
Ⅰ 競争力強化 Ⅱ 後継者チャレンジ Ⅲ アップグレード促進 |
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助成限度額 |
100万円 〜 最大2億円 (事業区分により異なる) |
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助成率 |
1/2以内 〜 4/5以内 (区分やコース、小規模企業者判定により変動) |
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助成対象経費 |
1基50万円(税抜)以上の機械装置、器具備品。および1基300万円(税抜)以上のソフトウェア |
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募集期間 |
第13回(令和8年度第2回) 申請受付: 令和8年7月14日 ~ 7月23日 |
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執行団体 |
出典:第12回(令和8年度第1回)躍進的な事業推進のための設備投資支援事業~設備投資の助成金~募集要項
出典:全ての業種を対象に中小企業における設備(機械設備、ソフトウェア)の導入を支援します!
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、東京都が定める長期基本計画「東京2050」を推進する施策の一つです。
都内の中小企業事業者が利用できる、本事業の概要や公募期間・スケジュールについて紹介します。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の目的
本事業の目的は、都内中小企業の競争力強化と生産性向上を支援することです。
都内中小企業は東京経済を支える重要な存在ですが、大企業と比べて労働生産性や設備投資余力に課題を抱えるケースも少なくありません。生産性向上には設備投資が有効である一方、多額の初期費用が導入のハードルとなり、十分な投資が進みにくい状況があります。
そこで東京都は、設備導入費用の一部を助成することで中小企業の財務負担を軽減し、「設備投資 → 生産性向上 → 収益力強化」の好循環を促進することを目指しています。
また現在、東京都の成長戦略の柱は「DX化」「ゼロエミッション」「賃上げ」の3つです。本事業では、高額な設備投資の負担を抑えることで、DX・省力化・脱炭素化・賃上げなどの取り組みを後押しし、中小企業の持続的な成長と競争力向上を実現する狙いもあります。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象者
本事業の対象者は、都内の中小企業です。申請を希望する場合は、以下の条件を事業の終了まで全て満たさなければなりません。
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また、ここで言う「中小企業」とは、中小企業基本法上の定義に基づいて判断されます。業種ごとに、資本金または従業員数のいずれかが以下の基準を満たすことが必要です。
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業種 |
資本金 |
従業員数 |
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製造業・建設業・運輸業等 |
3億円以下 |
300人以下 |
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卸売業 |
1億円以下 |
100人以下 |
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サービス業 |
5,000万円以下 |
100人以下 |
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小売業(飲食業含む) |
5,000万円以下 |
50人以下 |
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ソフトウェア業・情報処理等 |
3億円以下 |
300人以下 |
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旅館業 |
5,000万円以下 |
200人以下 |
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の特徴
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本事業は、助成限度額が最大2億円(事業区分Ⅲの場合)に設定されており、都内の設備投資支援制度の中でも最大級の支援規模を誇ります。高額な設備投資にも対応できるため、中小企業単独では負担が大きい成長投資に踏み出しやすい点が特徴です。
また、本事業では3つの事業区分が設けられており、自社の経営課題や成長ステージに応じて最適な区分を選択できます。自社に最適な区分を戦略的に選択することで、より高い資金効率を実現することが可能です。
さらに本事業では、環境対策や従業員待遇の改善に取り組む企業ほど助成率が優遇される点も見逃せません。「省エネ設備の導入による光熱費削減」や「賃上げによる人材確保・定着率向上」など、将来的な経営基盤の強化につながる取り組みを優遇された助成率のもとで進めることができます。
公募期間・申請スケジュール
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は第13回(令和8年度第2回)が7月に募集される予定です。
募集スケジュールは以下のとおりとなります。
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申請受付期間(第13回) |
令和8年7月14日(火)〜 7月23日(木) |
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1次審査(書類)・2次審査(面接) |
8月中旬 〜 10月末 |
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助成対象者の決定 |
11月中旬 |
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助成事業の開始 |
12月1日 〜 |
※具体的な要項や詳細は、令和8年6月中旬以降に東京都中小企業振興公社のホームページで公開される予定です。
受付期間は10日間程度と非常に短いため、詳細が公開された段階で速やかに準備を開始する必要があります。
また、申請は電子申請システム「Jグランツ」で行わなければなりません。アカウントの発行には約2週間を要するため、公募開始前に取得しておきましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請要件まとめ
本事業の申請要件は、以下で確認してください。
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躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の事業区分と助成額
本事業は、投資の目的や企業の状況に応じて、3つの事業区分が用意されています。どの「事業区分(コース)」を選ぶか、そして「賃上げ」や「脱炭素(ゼロエミッション)」など、どの取り組みをセットにするかによって、助成金額や補助率が大きく変わる仕組みです。
本事業の事業区分ごとの対象経費と助成額を解説します。
Ⅰ 競争力強化
さらなる発展に向けて競争力を強化し、生産性を向上させるために機械設備等を新たに導入する事業が対象です。助成額は100万円~1億円と幅広く、大規模な設備投資にも活用できます。
助成率は申請者の規模やコースにより異なり、中小企業者は1/2 ~ 3/4以内、小規模企業者は2/3 ~ 4/5以内となります。
Ⅱ 後継者チャレンジ
事業承継(M&A含む)を契機として、後継者が中心となって取り組む事業多角化や、新たな経営課題解決のための設備投資が対象です。助成額は100万円~1億円、助成率は2/3 ~ 3/4以内となっています。
この事業区分で申請するためには、基準日の3年前から助成対象期間の起点の前日までに承継を行った、または行う予定であることが必須です。
Ⅲ アップグレード促進
地域経済の核となる成長を目指し、サプライチェーン全体の付加価値向上や賃上げにも貢献する大規模な事業が対象です。
助成額は1 ~ 2億円、助成率は 3/4以内となります。
この事業区分で申請するためには、「ゼロエミッション」と「賃上げ」という2つの優遇コースの要件を満たさなければなりません。
助成率を高められる優遇コース
本事業では、賃上げや高い環境目標を組み合わせることで、より高い助成率が適用されます。選択できるコースは「ゼロエミ(ゼロエミッション)コース」「賃上げコース」です。
ゼロエミッションコース
二酸化炭素(CO2)の排出量削減や、大幅な省エネにつながる設備投資を行う場合に申請できるコースです。
提出する「ゼロエミッション概要書」により、省エネ効果が高いと見込まれる場合に助成率が引き上げられます。
賃上げコース
設備投資によって会社の生産性を高め、それに応じて従業員の給料をアップさせる計画を表明・実施する場合に申請できるコースです。
「賃金引上げ計画」を策定し、給与支給総額を2%以上増加させ、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にすることが求められます。計画が達成できなかった場合、優遇分の助成金は受け取れません。
コース別助成率一覧表
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事業区分 |
申請者区分 |
通常コース |
ゼロエミコース |
賃上げコース |
助成限度額 |
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Ⅰ 競争力強化 |
中小企業者 |
1/2以内 |
3/4以内 |
3/4以内 |
1億円 |
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小規模企業者 |
2/3以内 |
3/4以内 |
4/5以内 |
1億円 |
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Ⅱ 後継者チャレンジ |
━ |
2/3以内 |
3/4以内 |
3/4以内 |
1億円 |
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Ⅲ アップグレード促進 |
━ |
━ |
必須 |
必須 (3/4以内) |
2億円 |
なおソフトウェアの経費については、どの区分でも1基300万円以上、総額2,000万円までという制限があります。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象経費
本事業の補助対象経費は、製品の製造や役務(サービス)の提供のために直接使用される機械設備等の導入経費です。
本事業の対象経費について詳しく解説します。
機械装置
機械装置とは、主に製品の製造やサービスの提供のために直接使用される主要な設備を指します。
業種によって形状や用途は大きく異なりますが、主に以下のようなものが「機械装置」の代表例です。
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機械装置本体の購入費以外に、搬入・据付費、操作訓練費、一体運用のソフトの購入費も対象経費に含まれます。
器具備品
器具備品は、主に事業遂行のために必要な測定機器や検査用具などです。税法上の固定資産のうち、「器具備品」に該当するものであることが必須となります。
国税庁の分類では、主に以下のようなものが「器具備品」になります。
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器具備品についても、搬入・据付費、操作訓練費、一体運用のソフトの購入費が対象経費に含まれます。
ソフトウェア
本事業におけるソフトウェアは、会社の生産性を高める(DXを推進する)ための専門的なシステム・ソフトが対象となります。
対象経費として認められるためには、税法上の固定資産のうち「ソフトウェア」に該当し、自社で資産登録することが必須です。
以下のものは、ソフトウェアとして申請できます。
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パッケージ製品、アドオン、プラグイン製品、機械・器具と一体運用のソフトウェア |
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の審査についてよくある質問
ここからは、本事業についてのよくある質問と解答を紹介します。
助成対象外となるのはどのような経費ですか?
本事業では、製品の製造や役務の提供に直接使用されないもの・税法上の資産区分が異なるものなどが助成対象外として定められています。
主な対象外経費は以下のとおりです。
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資産区分や設備の状態による対象外項目 |
不動産・構築物・車両等 中古品 工具・金型・消耗品・目的外使用が可能な汎用品 |
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ソフトウェアの対象外項目 |
スクラッチ開発 サブスクリプション・クラウド利用料 保守・運用費用 目的外使用が可能な汎用性の高いソフトウェア |
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既存設備の扱いに関する対象外項目 |
改良・修繕費、内製にかかる費用 |
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設置工事および運用にかかる経費 |
設置場所の整備にかかる工事費、年間保守費用、バージョンアップ費用など |
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取引先や支払方法による対象外項目 |
関連会社との取引にかかる経費、振込以外の支払、交付決定前の契約 |
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その他事務的・間接的な経費 |
公租公課・諸手数料: 消費税、関税、振込手数、事務的経費、内訳が判別不能な経費など |
このほか、一般的な市場価格に対して著しく高額なものや、公的資金の用途として不適切と判断される経費も対象外となります。
採択率を高めるには、どのような事業計画書が必要ですか?
審査員は、特定の視点(目的との適合性、優秀性、実現性、成長・発展性、妥当性)で計画を評価します。事業計画書を作成するときは、以下のポイントを意識しましょう。
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ただしどれだけ素晴らしい事業計画書を作成しても、事務的・形式的なミスがあると対象外になる恐れがあります。
相見積もりのルールを守る・GビズIDプライムの早期取得を行うなどの対応は必須です。
まとめ
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、都内中小企業の設備投資負担を軽減し、生産性向上や競争力強化を後押しする助成事業です。「手作業が多くて現場が回らない」「新しい分野に挑戦したいが、資金リスクが高くて踏み切れない」などの経営課題を抱える企業は、本助成金を利用することにより労働生産性の向上や利益率の大幅な拡大を期待できます。
一方で、本事業は審査を伴う助成制度であり、申請すれば必ず交付を受けられるわけではありません。事業計画では、具体的な数値を収支計画と整合させながら記載する必要があります。採択を受けるには、設備導入の必要性や選定理由・導入効果などを論理的に示し、計画の妥当性を提示できるかが重要です。
「どのようなテーマや投資内容が採択されやすいか知りたい」「加点項目を踏まえて申請準備を進めたい」という事業者の方は、ぜひStaywayにご相談ください。
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