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課題解決型技術開発促進事業|申請要件・補助対象経費を解説

公開日 2026/06/03
更新日 2026/06/03
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※本記事は令和8年5月時点の情報をもとに作成しています。最新情報は必ず公式サイト・募集要項でご確認ください。

東京都では、都市課題の解決につながる製品・サービスの開発を支援する「課題解決型技術開発促進事業」を実施しています。都市課題に関する4つの分野を対象に、試作品の開発・改良に対して最大2,000万円(助成率2/3以内)の助成を受けられる事業です。

本記事では、課題解決型技術開発促進事業の申請要件や助成対象経費をはじめ、完了後に活用できる関連制度「課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成」についても解説します。

課題解決型技術開発促進事業とは

出典:東京都中小企業振興公社 課題解決型技術開発促進事業

 

課題解決型技術開発促進事業は、東京都および公益財団法人 東京都中小企業振興公社が共同で実施する助成制度です。

東京都が策定した長期ビジョン「2050東京戦略」の実現に向けて、都内の中小企業が取り組む都市課題解決に資する製品・サービスの試作品開発・改良の支援が主な目的です。

さらに関連事業として、開発した試作品の販路開拓を支援する「販路拡大助成」も用意されており、製品開発から市場投入まで一貫して助成を受けられる仕組みになっています。

4つの支援テーマ(助成対象分野)

本事業への申請にあたっては、次の4つの支援テーマのうち最も該当するものを1つ選択します。自社の開発内容がどのテーマに合うか検討しておきましょう。

 

安全・安心な東京の実現

具体的には、以下の支援領域が該当します。

  • 防災・減災
  • 事業リスク対策
  • 感染症対策
  • セキュリティ
  • 子供の安全対策 など

また、「フェーズフリー」(日常時・災害時いずれでも役立つモノやサービスの考え方)を意識した製品・サービスの開発も対象です。

 

高齢者・障害者・介護

以下に関連する製品やサービスの開発が対象となります。

  • 福祉・アクセシビリティ
  • 次世代介護機器
  • アクティブシニア
  • パラスポーツ など

なお次世代介護機器とは、日常生活支援における以下の各場面で使用され、介護従事者の負担軽減効果をもつ介護機器を指します。

1.移乗支援

2.移動支援

3.排泄支援

4.見守り・コミュニケーション

5.入浴支援

6.介護業務支援

7.機能訓練支援

8.食事・栄養管理支援

9.認知症生活支援・認知症ケア支援

 

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

DXの推進では以下の支援領域が対象です。

  • 業務効率化
  • 営業・マーケティング強化
  • 業務自動化・データ活用
  • 業界特化型ソリューション など

特定の業種・業務課題に対応したシステムやツールの試作開発も幅広く対象に含まれます。

 

暑さ対策

暑さ対策としては、以下の領域に関連する製品やサービスが対象になります。

  • 気候変動対応
  • 設備・インフラ
  • 管理・モニタリング など

深刻化する都市部のヒートアイランド現象や、熱中症リスクへの対応策として注目されているテーマです。

助成内容の概要

 

項目

内容

助成限度額

2,000万円

助成率

対象経費の2/3以内

助成対象期間

1年9か月以内

(第1回:令和8年12月1日〜令和10年8月31日

 第2回:令和9年4月1日~令和10年12月31日)

申請方法

Jグランツによる電子申請

本助成金は、後払い・実費精算型の助成制度です。事業者がまず費用を立て替えて支払い、事業完了後に審査を経て助成金が振り込まれる仕組みなので、助成金が支給されるまでの資金繰りには注意が必要です。

また、助成対象期間内に申請書に記載した「達成目標」を満たす試作品(成果物)を完成させることが助成を受ける条件となります。達成目標のうち一部でも未達成だった場合は、それまでにかかった全ての経費が助成対象外になる可能性がある点に注意しましょう。

さらに、助成対象期間内に開発・改良の完了が見込めない事業は助成対象外です。

4つの申請要件

申請にあたっては、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。申請前に自社の状況と照らし合わせて確認しましょう。

①対象となる事業者の種別

本事業に申請できるのは、次のいずれかに該当する事業者です。

対象者

概要

主な条件

中小企業者(法人・個人事業者)

会社法上の法人(株式会社、合同会社など)および個人事業者が対象

業種ごとの資本金・従業員数要件を満たすこと(例:製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下)。加えて、大企業が実質的に経営へ参画していないこと

中小企業団体等

事業協同組合などの組合・団体が対象

構成員の半数以上が、都内に実質的な事業所を有する中小企業であること

創業予定者

都内で創業を予定している個人が対象

交付決定後に速やかに開業し、都内所在を確認できる書類を提出できること

なお、以下の法人形態は対象外となります。

  • 社会福祉法人
  • 医療法人
  • 特定非営利活動法人(NPO)
  • 一般社団
  • 財団法人
  • 学校法人
  • 有限責任事業組合(LLP)

②都内での事業実績・所在地要件

法人の場合、基準日(令和8年6月1日)時点で東京都内に登記簿上の本店または支店があることが必要です。また、同基準日時点で都内事業所において実質的に1年以上事業を行っていること(都内創業から1年未満の「未決算法人」も申請可)も求められます。

「実質的に事業を行っている」とは、単に都内に住所登録があるだけでは不十分です。以下のような観点から総合的に判断されます。

  • 申請書の内容
  • 納税状況
  • ホームページ
  • 看板・表札
  • 電話対応の状況
  • 雇用実態 など

登記のみを都内に置いているだけでは認められないケースがあります。

助成事業の実施場所は原則として東京都内であることが必要です。ただし、自社の事業所や工場であれば、首都圏(神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県・群馬県・茨城県・栃木県)に所在する実施場所であっても要件を満たすことができます(※購入物品の設置や成果物の保管がそこで確認できることが条件)。

③助成対象とならない事業の例

以下に該当する事業は助成対象外となります。自社の開発内容を申請前にチェックしてみてください。

  • 製品・サービスの具体的な販売予定がなく、研究開発のみが目的の事業
  • 開発・改良の主要な部分が自社開発ではない事業
  • 開発・改良の全部または大部分を外注・委託している事業
  • 量産化段階にある技術や、すでに事業化されて収益を上げている事業
  • 生産・量産用の機械装置・金型の導入など、設備投資が目的の事業
  • 申請時点でほぼ開発が完了している事業
  • 開発が特定の顧客向けで汎用性のない事業
  • 既製品の模倣に過ぎない事業

本事業はあくまで「試作品の開発・改良」段階への支援が目的です。

「うちはほとんど外注に任せている」「すでに販売している技術をブラッシュアップしたい」といったケースでは、対象外となる可能性が高いでしょう。

④その他の要件(重複申請・滞納等)

その他、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 同一のテーマ・経費内容で、国・都・区市町村等から重複して助成を受けていないこと(過去受給含む)
  • 事業税等の滞納(分納を含む)がないこと
  • 東京都および公社に対する賃料・使用料等の支払いが滞っていないこと
  • 申請日から過去5年間に、公社・国・都道府県等が実施する助成事業で不正等の事故を起こしていないこと

特に税金の滞納や分納は要件上、認可が下りない典型的なケースです。申請前に税務状況を確認しておきましょう。

助成対象経費の詳細

助成対象となる経費は、以下の7つの区分に分類されています。

項目

内容

注意点・条件

①原材料・副資材費

試作品の構成部分となる原材料や、製造工程で消費する副資材(消耗品)が対象

助成対象期間内に実際に使用した数量のみ対象。

在庫分や量産目的のまとめ買いは対象外

②機械装置・工具器具費

試作品の開発・改良に直接使用する機械設備、測定装置、治工具などが対象。

ソフトウェアライセンス費やクラウド利用料も含む

100万円以上の購入は、2者以上からの見積取得が必要。

※ただし、運用・保守に係る費用は対象外

③委託・外注費

加工・試験・ユーザーテストなど、自社で対応困難な業務を外部委託する費用が対象

開発・改良の全部または大部分の外注は不可。

重要な部分は自社対応が前提

④産業財産権出願・導入費

特許・実用新案・意匠・商標などの出願費用や、他社特許等のライセンス導入費用が対象

開発と並行して知財戦略を進めることで、助成制度を有効活用しやすい

⑤直接人件費

試作品の開発・改良に直接従事する役員・従業員の人件費が対象

助成金上限1,000万円。

開発に直接従事した時間のみ対象(タイムシート・日報等で管理)。

※従事時間の上限は1人につき1日8時間、年間1,800時間まで

⑥専門家指導費

外部専門家から技術的指導を受ける際の謝礼・指導費用が対象

経営相談やマーケティング支援など、技術開発と直接関係のない指導は対象外

⑦規格認証・登録費

各種認証・規格登録に必要な手数料や指導費用が対象

製品の安全性・性能を担保するための認証取得費用も助成対象となる

補助対象外となる経費の代表例

以下の経費は助成対象外となります。申請書の経費計画を作成する際の参考にしてください。

  • 消費税、振込手数料、通信費、光熱費などの間接経費
  • パソコン、タブレット、スマートフォンなど汎用性の高い備品・機器
  • 生産・量産を目的とした機械装置
  • 親会社・子会社など関連会社との取引に係る費用
  • 試作品の開発・改良に直接関係しない費用全般

事業の流れ

事業全体の流れは以下の通りです。

申請後の審査に受かったら助成金の交付が決定しますが、助成事業が終了後、実績報告と完了検査を受けたあとに交付という流れになります。

 

令和8年度 申請スケジュール(第1回)

申請受付

令和8年6月4日(木)〜7月3日(金)17:00

一次審査(書類審査)

〜令和8年8月下旬

二次審査(面接審査)

〜令和8年10月上旬

交付決定

令和8年11月末

助成対象期間

令和8年12月1日〜令和10年8月31日(1年9か月以内)

なお、第2回の申請受付は令和8年10月9日(金)〜11月13日(金)17:00を予定しています。第1回の採択に間に合わなかった場合、第2回への申請が可能です。

申請は電子申請(Jグランツ)のみ

本事業の申請は、Jグランツで行います。提出書類の持参や郵送、メールによる提出は一切受け付けられていません。なお、申請フォームは2026年6月4日(木)から公開予定です。

Jグランツで電子申請を行うには、デジタル庁が提供する「GビズIDプライム」アカウントが必要です。アカウント発行には国の審査を経るため、1週間以上かかるケースもあります。申請受付期間の直前に慌てて手続きをすると間に合わない可能性があるため、できるだけ早めに準備を進めてください。

GビズIDプライムアカウントの取得はJグランツのWebサイトからできるほか、GビズID公式サイトからも行えます。

主な提出書類

申請者が法人の場合の提出書類は、以下の図の通りです。

出典:東京都中小企業振興公社 課題解決型技術開発促進事業 募集要項

提出書類はPDF形式(推奨)で指定のファイル名を付け、1ファイルあたり16MB以内に収めてください。なお、任意提出の「補足説明資料」はA4用紙30ページ以内の制限があります。

なお、申請者が法人以外にも個人事業者・未決算法人又は未決算個人事業者・創業予定の個人かによって、提出する書類が変わります。申請書に不備や不足があった場合はJグランツ上で差し戻しとなるため、申請前に募集要項と電子申請マニュアルをよく確認しておきましょう。

関連制度|課題解決型販路拡大助成も活用しよう

出典:東京都中小企業振興公社 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成【課題解決販路】

本事業で試作品開発が完了したら、次に「課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成」の活用が選択肢に入ってきます。

課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成とは

販路拡大助成は、都市課題の解決に資する既存の製品・サービスについて、展示会出展などの販売促進活動にかかる費用を助成する制度です。

助成限度額

350万円

※一般枠は150万円だが、本事業を完了した方は優遇された「開発枠」での申請が可能

助成率

2/3以内

対象分野は本事業と同じ4つの支援テーマ(安全・安心、介護、高齢者・障害者、DX、暑さなど)で統一されています。

販路拡大助成の対象経費

助成対象になる経費は以下の通りです。

  • 展示会等参加費(出展小間料・装飾資材費・輸送費など)
  • ECサイトへの出店初期登録料
  • 自社サイトの制作・改修費
  • 販売促進費(印刷物・動画制作・広告掲載費など)

展示会出展から広告配信まで、市場投入後の販路開拓に幅広く活用できる助成内容となっています。

2つの助成をセットで活用するメリット

本事業の後に販路拡大助成を受けるメリットは以下の通りです。

  • 一般枠よりも助成額が多い(最大350万円)
  • 審査が簡略化される(資格審査のみ)

本事業と販路拡大助成を組み合わせると、試作品の開発から市場投入・販路開拓まで一貫した支援を受けられます。

申請の詳細は、本事業完了後に事務局から個別に案内が届く仕組みです。

まとめ

課題解決型技術開発促進事業のポイントは以下の3つです。

1.都市課題の解決に向けた試作品開発・改良を最大2,000万円(助成率2/3以内)支援する助成制度

「2050東京戦略」に基づき、「持続可能で安全・安心な東京の実現」「高齢者・障害者ニーズ・介護負担軽減」「DX推進」「暑さ対策」の4つの支援テーマが対象です。

 

2.主要部分の自社開発が前提

量産化段階の設備投資や、開発の大部分・全てを外注する事業は対象外となります(自社が主体となる開発における、部分的な委託・外注の活用は可能です)。

 

3.開発完了後は「販路拡大助成」まで一貫して活用可能

本事業の完了後は、展示会出展等に使える「販路拡大助成(開発枠・上限350万円)」の申請が資格審査のみで可能になります。

 

制度の詳細や最新情報は、必ず東京都中小企業振興公社の公式サイトおよび募集要項でご確認ください。

 

第1回目の申請受付は令和8年6月4日(木)~7月3日(金)17:00、第2回目は令和8年10月9日(金)~11月13日(金)17:00です。

 

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監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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