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農業の設備投資に!ものづくり補助金の採択事例・採択のポイント解説

公開日 2023/10/12
更新日 2023/10/30
この記事は約7分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

農業を営むうえで、耕うん機やトラクタなどの農業機械をはじめとした設備投資が欠かせません。また昨今、農業では人手不足、後継者不足といった問題が深刻化していて、その対策として設備購入を検討する場合も多いでしょう。

しかし、設備投資には多額の費用が必要となります。そこでこの記事では、農業の設備投資に活用できる補助金のうち、ものづくり補助金について概要や採択事例、採択のポイントなどを解説します。

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事業再構築補助金

農業で活用可能な「ものづくり補助金」とは

出典:ものづくり補助金 公募要領(16次締切分)概要版

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。

計5つの枠に分かれ、最大5,000万円を補助します。 ※要件、申請類型による

なお、この補助金は要件を満たす場合に限り、農業でも活用可能です。

補助対象者

出典:ものづくり補助金16次締切分 公募要領

ものづくり補助金の補助対象者は、中小企業者や特定事業者の一部とされています。農業の場合、上図のとおり、資本金 3億円、常勤従業員数 300人以内の会社又は個人であることが要件となっています。

※資本金は、資本の額又は出資の総額をいいます
※常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第20条の規定に基づく「解雇
の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される
者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含まれません。

申請要件

主な申請要件として、「補助事業実施期間内に、発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きが完了する事業であること」が指定されています。

ただし、16次締切分では補助事業実施期間の期限が従前の扱いとは異なり、以下のとおり令和6年12月10日までとなります。

同様に、17次締切分および18次締切分においても、補助事業実施の期限は最遅で令和6年12月10日までとなるのでご注意ください。原則、補助事業実施期間の延長はありません。

・通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠:
 交付決定日から10ヶ月以内。ただし令和6年12月10日まで

・グローバル市場開拓枠:令和6年12月10日まで

このほか基本要件として、指定の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定すること、事業計画を策定・実行することが指定されています。

また、同一法人・事業者の応募は、1申請に限られています。さらに、応募申請時点で補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有していることが必須要件となっています。

以上は全申請類型共通の要件ですが、申請類型ごとに指定の要件もあるため、申請の際は必ず事前に公募要領をご確認ください。

補助対象経費

デジタル枠の場合はDX(デジタルトランスフォーメーション)に資する取り組みであること、グリーン枠の場合は温室効果ガスの排出削減に資する取組であることなど、申請類型ごとに指定された要件を満たす経費が補助対象となります。

ただし、いずれも革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等であることが前提条件です。

例として、農業のノウハウを活かした新商品の開発・販売やICT技術の導入をはじめとした生産プロセスの改善などが挙げられます。

生産性向上につながる収穫機や農薬散布のドローンなどの導入といった機械装置・システム構築費の場合は、単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須条件です。

リース・レンタルであっても、交付決定後に契約したことが確認できるもので、補助事業期間中に要する経費であれば対象となります。機械・装置購入時の運搬料については、機械装置費に含まれます。

また、試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費、専門家経費等も対象となります。

参照:ものづくり補助金16次締切分 公募要領(P.20~)

農業の「ものづくり補助金」採択状況

令和5年10月時点で発表されている最新のものづくり補助金採択結果は、次のとおりです。

■15次締切分 採択結果
公募期間:令和5年4月19日~令和5年7月28日
申請者:5,694件、採択者:2,861件、採択率:約50.2%

内訳は、下表のとおりです。

総計 通常枠 回復型賃上げ・雇用拡大枠 デジタル枠 グリーン枠 グローバル市場開拓枠
申請者数 5,694 3,872 236 1,211 155 220
採択者数 2,861 1,936 117 672 62 74

採択結果の傾向については、こちらの記事をご参照ください。

参照:【ものづくり補助金】過去締切分の採択率の傾向とは?

農業の「ものづくり補助金」採択事例

中小企業庁が運営している中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポ plus(プラス)」では、ものづくり補助金の採択事例を公開しています。ここではそのうち、農業に関する2例を紹介します。

地域資源「紫蘇」(しそ)を活用し、差別化・ブランド化を図る(熊本県)

熊本県で、同地の地域資源である「紫蘇(しそ)」の生産から加工品開発・販売・輸出まで行う企業では、ものづくり補助金で、ICT活用による圃場(ほじょう)管理や収穫後の品質管理工程における自動選別システム等を導入しました。その結果、作業負担は86%削減、作業効率は6.7倍に向上。

また、紫蘇の収穫(摘み)・製造(束ね)・出荷・経理(給与等)といったバックオフィス業務において、独自に開発したシステムを導入して業務効率化を進め、人力に頼っていた煩雑な各種入力等業務を見直し、専用ソフトウェアによるタッチパネル式に変更しました。

これによって作業時間を65%短縮、人的ミス削減の100%削減するなど、さらなる改善も行っています。

参照:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus 事例から学ぶ「ものづくり補助金」

特殊技術によりオリジナルブランドを開発し国内全域で販売(茨城県)

茨城県でさつまいもの卸・販売をしている企業では、品質向上と人手不足への対応のため、ものづくり補助金を活用してAI技術でさつまいもの生産ラインの自動化を図るとともに、独自技術で糖度を高めたさつまいもをオリジナルブランドとして全国展開し、直営販売事業の拡大を行なっています。

また、さつまいもの加工品については自社生産体制強化を積極的に進めて、外注による製品製造から内製化への移行に取り組んでいます。

参照:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus 事例から学ぶ「ものづくり補助金」

農業の「ものづくり補助金」採択に向けた事業計画書作成のポイント

ものづくり補助金の申請には、事業計画書の作成が必須です。事業計画書作成における重要なポイントとして、次の項目が挙げられます。

・他社のお手本になるような革新性を明記すること
・他社と差別化する事業計画を示すこと
・自社の課題や解決方法を具体的に明記すること
・各種数値は表・グラフを活用しながら根拠を示して客観的な数値を示すこと

審査項目は年度によって多少異なりますが、大筋は変わりません。事業計画の内容が審査員にしっかりと伝わるよう、ポイントを抑えた事業再構築補助金計画書を作成しましょう。

参照:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus ものづくり補助金の書き方

参照:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus 補助金の申請事例・ものづくり補助金①

農業の「ものづくり補助金」採択を有利にする「加点項目」

「加点項目」の要件を満たす場合、補助金の採択の可能性を高める要因となります。

ものづくり補助金では、主に事業計画書の記載内容が審査項目を満たしているかという観点で判断されますが、加点項目を取得している場合は審査時の評価がプラスとなり、採択の可能性が高まります。

このため、ものづくり補助金への申請を検討している場合は、一つでも多くの加点項目を満たすよう準備を進めてください。ものづくり補助金の加点項目には、次の項目があります。

1.成長性加点
2.政策加点
3.災害等加点
4.賃上げ加点等
5.ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点 

各加点項目の詳細や加点項目取得に関するポイントは、以下の記事で解説しています。ぜひ、ご参照ください。

参照:採択に有利?ものづくり補助金の5つの加点項目とは

全国:中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金)
※本補助金は、補助金クラウド上で通年表示されるよう、公募期間欄にて2024/03/31終了と設定しています。  各公募回の実際の公募終了日は、以下の詳細および公募要領にてご確認ください。 2024/02/01追記:18次締切分の公募要領...

まとめ

農業の設備投資に活用できる「ものづくり補助金」の概要や採択事例、採択のポイントなどを解説しました。

農業における生産性向上や人手不足解消に対応するため、設備投資の重要性は高まっています。設備投資を検討している場合は、ぜひ、補助金の活用もあわせてご検討ください。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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