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【ものづくり補助金】過去締切分の採択率の傾向とは?

公開日 2021/09/14
更新日 2023/10/09
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和5年9月29日(金)に、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)15次締切分の採択結果が公表されました。また、令和5年11月7日(火)まで、同補助金16次公募が行われています。

そこでこの記事では、ものづくり補助金における過去締切分の採択率の傾向、採択事例を紹介します。

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ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、中小企業等が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助事業です。

15次公募実施時点では、大きく5つの申請類型に分かれていて、類型ごとに補助上限額や補助率が異なります。

補助上限額、補助率

種類 補助上限額 補助率
通常枠 750万円~1,250万円(※1) 1/2 ※2
回復型賃上げ・雇用拡大枠 750万円~1,250万円(※1) 2/3
デジタル枠 750万円~1,250万円(※1) 2/3
グリーン枠 750万円~4,000万円(※1) 2/3
グローバル市場開拓枠 3,000万円 1/2 ※2

※1 従業員規模により補助上限の金額が異なります。
※2 小規模事業者の場合は、補助率は2/3になります。

2.共通/補助要件

 以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

出典元:ものづくり補助金16次公募要領

1次~15次締切分の採択結果

1次締切から15次締切までの採択結果(全体)は、下記のとおりになります。

締切回 採択発表日 応募者数 採択者数 採択率
1次 令和2年4月28日 2,287 1,429 約62.5%
2次 令和2年6月30日 5,721 3,267 約57.1%
3次 令和2年9月25日 6,923 2,637 約38.1%
4次 〔一般型〕 令和3年2月18日 10,041 3,132 約31.2%
〔グローバル展開型〕 271 46 約17.0%
5次 〔一般型〕 令和3年3月31日 5,139 2,291 約44.6%
〔グローバル展開型〕 160 46 約28.8%
6次 〔一般型〕 令和3年6月29日 4,875 2,326 約47.7%
〔グローバル展開型〕 105 36 約34.3%
7次 〔一般型〕 令和3年9月27日 5,414

2,729

約50.4%
〔グローバル展開型〕 93 39 約41.9%
8次 〔一般型〕 令和4年1月12日 4,584 2,753 約60.0%
〔グローバル展開型〕 69 27 約39.1%
9次 〔一般型〕 令和4年3月25日 3,552 2,223 約62.6%
〔グローバル展開型〕 61 24 約39.3%
10次 〔一般型〕 令和4年7月15日
4,224 2,584 約61.2%
〔グローバル展開型〕 70 28 約40.0%
11次 〔一般型〕 令和4年10月20日
4,688 2,786 約59.4%
〔グローバル展開型〕 76 31 約40.8%
12次 〔一般型〕 令和4年12月16日 3,200 1,885 約58.9%
〔グローバル展開型〕 56 22 約39.3%
13次 〔一般型〕 令和5年2月20日 3,261 1,903 約58.4%
〔グローバル展開型〕 61 24 約39.3%
14次 令和5年6月23日 4,865 2,470 約50.8%
15次 令和5年9月29日 5,694 2,861 約50.2%

応募者数は1次締切から4次締切まで増え続け、ピークでは1万件を超えました。その後、約5,000件前後で推移しています。

採択率は1次締切では62.5%と高かったものの、応募者数の増加に従って低下し、4次締切分31.5%となりました。その後徐々に採択率を伸ばし、60%を超えることが増えて高い採択率を維持しています。

しかし、14次締切で採択率は約50.8%まで急落することとなり、15次締切でも同様の結果となりました。

出典元:ものづくり補助金総合サイト

15次締切分 採択内訳

15次締切分のみにフォーカスし、内訳をまとめました。

応募者数 採択者数 採択率
15次 通常枠 3,872 1,936 50.0%
回復型賃上げ・雇用拡大枠 236 117 約49.6%
デジタル枠 1,211 672 約55.5%
グリーン枠 155 62 40.0%
グローバル市場開拓枠 220 74 約33.6%

計5つの枠のうち、3類型は50%前後となりましたが、グローバル市場開拓枠のみ、他を引き離して30%台と低採択率であるため、申請を検討している場合は慎重に準備を進めるべきと考えられます。

採択事例

・株式会社K社
 DXと連動する先端設備を導入して生産性を向上させる鉄工所事業

・株式会社A社
 アライメント検査設備導入による次世代型車検サービスの確立

・株式会社D社
 デジタル技術を駆使した高精度自動測定体制の構築と自動化による生産性向上計画

・株式会社O社
 特注品Webオーダーシステムと営業DX・生産管理DXへの取組み

・H株式会社
 LINE連携で利便性向上、IT複業人材マッチングプラットフォーム開発

出典元:ものづくり補助金総合サイト採択結果

全国:中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金)
※本補助金は、補助金クラウド上で通年表示されるよう、公募期間欄にて2025/03/31終了と設定しています。  各公募回の実際の公募終了日は、以下の詳細および公募要領にてご確認ください。 2024/03/21追記: 事業実施場所を新潟...

まとめ

今回は、ものづくり補助金における過去締切分の採択率の傾向、採択事例を紹介しました。

過去の公募と比較すると採択率が緩やかに低下している状況ですので、申請を検討されている場合は入念に事前準備を進め、採択を目指しましょう!

 

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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