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採択に有利?ものづくり補助金の5つの加点項目とは

公開日 2023/08/01
更新日 2023/10/05
この記事は約13分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

事業再構築補助金やものづくり補助金には「加点項目」があります。

要件を満たした場合、審査上の評価に加点され、採択の可能性が高まります。そのため、補助金に申請する場合は、事前に1点でも多く加点を受けておくとよいでしょう。

そこでこの記事では、ものづくり補助金で定められている5つの加点項目について解説します。

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補助金クラウド 事業再構築補助金
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事業再構築補助金

ものづくり補助金 概要

出典:ものづくり補助金16次締切分 公募要領概要版

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するために革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。

上図のとおり、5つの申請類型を設け、最大4,000万円を補助します。

参照:ものづくり補助金 公式HP

ものづくり補助金 加点項目

ここから、ものづくり補助金の加点項目について解説します。

ものづくり補助金には、5つの加点項目があります。5つの加点項目のなかには、あまり時間を要さず条件を満たせるものと、時間を要し条件を満たしづらいものがあります。

そこで、項目ごとに、要件を満たしやすい、または満たしにくいといったポイントもあわせてお伝えします。

成長性加点

成長性加点は、事業者の事業成長を見込める場合に付与されます。公募要領に記載されている内容は、次のとおりです。

成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

事業者がものづくり補助金に申請し、加点を希望する場合、経営革新計画を作成し、都道府県(または国)の承認を得る必要があります。

経営革新計画は、事業者が新事業活動に取り組む際の経営目標です。

策定によって経営の方向性が見えるメリットがあり、ものづくり補助金では成長性加点を受けられるほか、保証・融資の優遇措置や海外展開に伴う資金調達の支援措置を受けられる可能性もあるため、事前に策定しておきましょう。

通常5年と設定して計画することが多く、策定まで2か月ほど要します。

参照:2022年版 経営革新計画進め方ガイドブック

政策加点  

政策加点は、国の政策に沿う取組を行う事業者に対する審査上の加点です。ものづくり補助金には、計9つの政策加点項目があります。
1. 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)

会社成立の年月日(個人事業主の場合は開業日)または代表取締役の就任日が、公募開始日より5年前の日から応募締切日までである場合に加点対象となります。

なお、個人事業主や組合にあっては「第二創業」の加点はありません。個人事業主の営む事業を承継する場合は、承継者の「創業」として申請してください。

2. パートナーシップ構築宣言を行っている事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

「パートナーシップ構築宣言」とは、「発注者」側である企業が、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めることで新たなパートナーシップを構築することを宣言するものです。

企業の代表者の名前で宣言するもので、業種・規模を問わずに宣言できます。加点を希望する場合、応募締切日前日時点で宣言文がポータルサイトに公開されている必要があります。

宣言までの手順は、ダウンロードしたひな形をもとに「パートナーシップ構築宣言」を作成し、登録・公開するのみです。登録内容に修正がなければ、登録後3~4日で宣言文がポータルサイトにアップロードされます。

そのため、ほかの加点項目と比較すると加点を得やすい項目といえます。

参照:パートナーシップ構築宣言ポータルサイト

3. 再生事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

ものづくり補助金における「再生事業者」の定義は、次のとおりです。該当する場合、加点対象となります。

中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。
(1) 再生計画等を「策定中」の者(注2)
(2) 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和2年7月29日以降)に再生計画等が成立等した者

参照:ものづくり補助金 別紙4 「再生事業者」の定義について

4. デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指標)」の 11~13 行目)を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」※を利用しているか。
※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービス https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/otasuketai/#list

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

デジタル枠では、本項目に該当する場合、加点対象となります。

全申請類型共通の最大6項目に上記デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況にある計6項目(A-a、A-b、B~E)を加えた計12項目の加点を得ることができます。

このうち、項目D(「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」)は比較的取得しやすい項目です。

5. 令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

出典:経済産業省 「健康経営優良法人2023」認定法人が決定しました!

「健康経営優良法人認定制度」は、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取組(=健康経営)を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」する制度です。

この制度に基づき認定された法人を「健康経営優良法人」として表彰することで、優れた健康経営を行なっていることが第三者から見てもわかるよう「見える化」しています。

参照:経済産業省 「健康経営優良法人2023」認定法人が決定しました!

6. 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

技術情報管理認証制度概要

出典:技術情報管理認証制度

技術情報管理認証制度は、国の認定を受けた機関が基準に基づいて、企業の情報セキュリティ対策を審査・認証する制度です。ものづくり補助金で加点を受けるには、この制度の認定を取得している必要があります。

なお、申請から認証までに、おおむね数か月、数十万円程度が必要となります。
※事業者の規模、情報セキュリティの取組状況、認証機関による

7. J-Startup、J-Startup 地域版に認定された事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

J-Startup制度は、トップベンチャーキャピタリスト、アクセラレーター、大企業のイノベーション担当などが、日本のスタートアップ企業 約10,000社の中から一押し企業を推薦し、厳正な審査でJ-Startup企業を選定する制度です。

J-Startup企業に選定されると、サポーターや政府機関との連携強化、海外展開支援などを受けられるメリットがあり、ものづくり補助金においては加点対象となります。

参照:J-Startup 事務局ポータルサイト
   J-Startup 地域版

8. 「新規輸出 1 万者支援プログラム」に登録した事業者(グローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ)

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

グローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、「新規輸出1万者支援プログラム」に登録した事業者が加点対象です。

「新規輸出1万者支援プログラム」は、2023年現在も続き長引く円安を契機に輸出を始める事業者に対して、その準備や具体的な商談・輸出を速やかに進められるよう支援するプログラムです。

参照:新規輸出1万者支援プログラムを開始します

9. 取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

グリーン枠では、取引先の事業者が「グリーンに係るパートナーシップ構築宣言」を行っている事業者である場合、加点対象となります。

宣言の意図は政策加点の2と同様ですが、「グリーン化への取り組み」に関する内容を含んでいる点が異なります。

参照:(グリーンに係る)パートナーシップ構築宣言

加点項目引用:ものづくり補助金16次締切分 公募要領

災害等加点

災害等加点は、有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者に付与されます。公募要領に記載されている文言は、次のとおりです。

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

事業継続力強化計画とは、主に中小企業・小規模企業向けの防災・減災の事前対策計画のことを指します。 巨大地震や集中豪雨などの自然災害に限らず、新型コロナウイルスをはじめ感染症にも対応した計画策定ができます。

事前に用意されたひな形をもとに登録する場合、所要時間3時間ほどで策定可能です。そのため、他の加点項目と比較すると時間を要さず、取得しやすい項目です。

参照:中小企業庁 事業継続力強化計画

参照:事業継続力強化計画とは

賃上げ加点等  

賃上げ加点等は、申請要件以上の賃金引上げを実施した場合に加点対象になります。賃上げ加点の内容は、以下の2つです。

1. 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者に対して加点を行ないます。

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

(ア)
給与支給総額:年率平均2%以上増加・あるいは年率平均3%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月、地域別最低賃金より+60円以上の水準・あるいは毎年3月地域別最低賃金より+90円以上の水準

(イ)
給与支給総額:年率平均6%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月地域別最低賃金より+30円以上の水準かつ、毎年+45円以上ずつ増加(初回は応募時を起点)

2. 被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

出典:厚生労働省 被用者保険の適用拡大

被用者保険」は、会社員等の被雇用者が加入する健康保険のことを指します。

短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲に関し、従業員規模を基準に拡大することで、労働者にとっては130万円の被扶養者基準を気にせず働けるようになります。

一方、雇い主である企業にとっては人材を確保しやすくなるメリットがあると考えられます。

賃上げの可否は社内の判断によるものなので、状況が許せば実施可能であり、加点申請しやすい項目と言えます。

ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点 

出典:厚生労働省 女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」

①女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者又は従業員数100人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者

参照:厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」

②次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者又は従業員数 100 人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者

参照:厚生労働省「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

「えるぼし認定」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づいて一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良である企業を認定する制度です。

えるぼし認定を受けた企業のうち、より高い水準の要件を満たした企業は「プラチナえるぼし認定」として認められます。

出典:厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

またくるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法に基づいて一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」と認定する制度です。

厚生労働大臣に「子育てサポート企業」として認定された企業には、「くるみんマーク」が付与されます。

一般事業主行動計画を立てて計画書を作成・公表するのみで条件を満たせる点で、比較的、条件を満たしやすい項目といえますが、えるぼし・くるみんの両認定を取得しても、加点対象としては1つ分とカウントされます。

ものづくり補助金の申請に加点項目はどのくらい有利?  

参照:ものづくり補助金総合サイト データポータル(加点項目の数)

ものづくり補助金の公式サイトでは、過去公募回における加点項目の取得数と採択率の関係をまとめたデータが公表されています。

横軸に加点項目の取得数が書かれていて、折れ線グラフでグラフ作成時の最新回(15次締切分)の加点項目取得数別採択率が書かれています。

グラフを見ると、加点項目4個で15次締切分における最高採択率 68.3%を記録しています。つまり、採択をより確実なものとするには、加点項目を4つ取得しておくことが必要と考えられます。

ただしこの結果は、公募回ごとの申請状況や自社の申請内容等によるため、あくまで参考としてください。

ものづくり補助金 申請方法 

ものづくり補助金の公募スケジュール、申請方法は次のとおりです。

公募スケジュール
公募開始:令和5年7月28日(金)17時~
申請受付:同8月18日(金)17時~
応募締切:同11月7日(火)17時

申請方法
申請は電子申請システムのみで受け付けています。入力は申請者自身が電子申請システム操作マニュアルに従って作業します。なお、入力情報については、必ず申請者自身がその内容を理解・確認する必要があります。

また、本事業の申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要となります。未取得の場合は、必ず事前に利用登録が必要です。取得したアカウントは、補助金交付候補者の採択後の手続きでも使用します。

減点項目に注意!

ものづくり補助金では、加点項目だけではなく、減点項目も定められているので注意しましょう。
減点項目の概要は次のとおりです。

① 応募締切日から過去3年間に、類似の補助金*の交付決定を1回受けている場合
(過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は申請対象外となります。)
* ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業

② 回復型賃上げ・雇用拡大枠において、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで申請要件を満たしている場合

引用:ものづくり補助金 16次締切分公募要領

直近3年間でものづくり補助金と類似の補助金の交付決定を受けている場合等は減点対象となり、審査上、不利になることがあります。申請前に、自社が該当しないかご確認ください。

まとめ

今回は、ものづくり補助金における5つの加点項目について解説しました。

加点項目のなかには比較的取得しやすい項目もあるため、申請を予定している場合は加点項目の取得も見据えて早期に準備を始め、採択を目指しましょう!

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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