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地球温暖化や森林破壊などの環境課題解決に向けて、さまざまな対策が世界的規模で実施されています。この背景には、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の達成予定時期である2030年が迫っていることもあります。
こうした状況下、東京都では、温室効果ガス排出量削減を支援する助成金事業を実施しています。省エネ型ノンフロン機器導入時に最大3,000万円を助成する内容で、都が実施する他の助成事業と比較して高額であることが特徴です。
そこでこの記事では、省エネ型ノンフロン機器普及促進事業について解説します。
省エネ型ノンフロン機器普及促進事業とは
出典:クールネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業(動画)
この事業は東京都が実施している支援施策で、都内の温室効果ガス排出量の約1割を占めるフロン排出量の削減に向けて、脱炭素化を更に推し進めるために冷媒にフロンを使用しない「省エネ型ノンフロン機器」の導入に要する費用の一部を助成するものです。
ここでは、本事業の助成対象者や助成金額等に触れます。
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
助成対象者
本事業の助成対象者は、都内に事業所を所有している、または都内の事業所を使用する中小企業者及び個人の事業主(リースを行う場合も含む。)です。
ただし、国または地方公共団体が出資する法人・団体、または冷凍冷蔵倉庫・食品製造工場は対象外となります。
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
助成対象機器
省エネ型ノンフロン機器のうち、次に掲げるものが対象機器です。また、その導入が対象事業となります。
① 冷凍冷蔵ショーケース(内蔵型・別置型)
② 冷凍冷蔵用又は空調用チリングユニット
③ 冷凍冷蔵ユニット(車載用 、 船舶用 又は 輸送用を除く。)
※②・③は、圧縮機に用いられる原動機の定格出力が7.5kW以上のもの
ただし、要件として以下の項目が挙げられています。
・蒸気圧縮冷凍サイクル方式を採用した、次に掲げる省エネ型ノンフロン機器であり、令和4年10月7日以降に導入されたものであること。
ア 内蔵型ショーケース
イ 別置型ショーケース
ウ 冷凍冷蔵用又は空調用チリングユニット
エ 冷凍冷蔵ユニット(車載用、船舶用又は輸送用を除く。)
なお、ウ及びエに掲げる機器は、圧縮機に用いられる原動機の定格出力が7.5kW以上のものに限る。
・都内の事業所に導入されること。
・新品であること。
・フロンを含む機器を撤去する場合には、法に基づき適切に処理すること。
・機器の導入後、東京都が行う調査等に協力できること。
・助成金交付対象の決定(交付決定)の前に購入・契約しているものは、原則助成の対象外。
省エネ型ノンフロン機器の導入に伴い、既存の冷凍冷蔵機器等で冷媒としてフロン類を含むものを撤去する場合は、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成13年法律第64号)」に基づき、都道府県知事の登録を受けた第一種フロン類充填回収業者に、フロン類を適切に引き渡す(回収させる)ことが定められています。
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
助成対象経費
対象経費は、助成対象事業に要する経費のうち、次に掲げる経費です。
(消費税及び地方消費税に相当する額等の別に定める経費を除きます)
1. 設備費:設備および機器の購入に要する費用
2. 運搬据付費:購入物の運搬据付けに要する費用
3. 工事費:工事に係る材料費、労務費、直接経費、共通仮設費、現場管理費および一般管理費
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
助成率・助成上限額
助成率と助成上限額は、次のとおりです。
ただし、助成対象経費に国その他の団体からの助成金や補助等経費の支援を受ける場合は、本助成金の交付額から当該助成金等の額を控除した額となります。
助成率:助成対象経費の2分の1
助成上限額:機器1台当たり:1,600万円、助成対象事業者 1事業者当たり:3,000万円
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
省エネ型ノンフロン機器普及促進事業 申請方法
申請方法は、電子申請又は郵送のみとなります。
電子申請の場合、交付申請を行う前にメールアドレスの登録が必要になります。また、郵送の場合は、申請書類一式を簡易書留等の記録が残る方法で郵送してください。
メールアドレス登録フォーム
https://cnt-tokyo-co2down.form.kintoneapp.com/public/1f893c27cc1ee4d8b01c04112cd81862654fe41c25307571309c224ae0975ba8
郵送申請の場合の書類提出先
〒163-0810
東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル10F
東京都地球温暖化防止活動推進センター 事業支援チーム
交付申請後は審査を経て交付決定され、完了報告まで終えてから助成金請求をして助成金を受け取ります。
その他、詳細は公募ページにてご確認ください。
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
省エネ型ノンフロン機器普及促進事業 申請スケジュール
事業実施年度
令和4年度から令和6年度まで
受付期間
受付開始:令和4年12月16日
受付締切:令和6年3月29日(17:00)
予算限度額に達した時点で受付は終了します。
また、助成金交付対象の決定前に購入・契約しているものは助成の対象外です。ただし、令和5年2月28日までに交付申請を行った場合、令和4年10月7日から令和5年1月31日までに購入・契約したものは助成対象となります。
参照:クール・ネット東京 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
省エネ型ノンフロン機器普及促進事業 採択率
令和5年10月時点で、これまでの採択状況は公表されていません。
ただ、本事業の実施期間は令和4年度~令和6年度であるため、令和6年度の最終締切後に採択状況が公表される可能性があります。 ※公募期間内であっても、予算上限に達した時点で公募が打ち切られる可能性があります。
本事業のヘルプデスクは、「本事業は『助成金』であるため、補助金とは異なり不備なく申請完了すれば、原則、不採択となることはありません。また万が一、不備があった場合も事務局から通知し、解消に至るまで修正ができるため、80~90%といった高採択率となる可能性が高いと考えられます。」としています。

まとめ
この記事では、東京都が主管する「省エネ型ノンフロン機器普及促進事業」の概要や助成対象者、助成対象事業要件、助成対象機器、助成率・助成上限額、申請方法、申請スケジュール、採択率について解説しました。
政府はSDGs達成および持続可能な社会の実現を目指しており、SDGs達成のために設定された期限も迫っています。しかしその一方で、社会全体としての認識や理解、対応はまだ不十分な状態です。
カーボンニュートラル、脱炭素に関する取り組みは、今後、事業を進めるうえでも欠かせないものとなります。本事業はこうした環境への取り組みを支援するものです。
設備更新を検討されている場合はぜひ、本事業の活用もあわせてご検討ください。
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