デジタル化・AI導入補助金の対象経費とは?
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デジタル化・AI導入補助金の対象経費とは?申請要件とあわせて解説

公開日 2026/11/04
更新日 2026/11/04
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。


こんにちは!補助金クラウド編集部です。

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者などの業務効率化や生産性向上を支援するため、ITツールの導入費用などの一部を補助する制度です。

本補助金を活用することで、事業者はITツールの導入にかかる費用負担を軽減し、業務のデジタル化やAIの導入を進められます。

ただし、補助対象となる経費は申請枠によって異なり、自社が導入したいソフトウェアやハードウェアが対象になるとは限りません。申請前に、対象経費や補助率、申請要件を正しく把握しておくことが大切です。

本記事では、「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」の対象経費について、2026年度の公募要領にもとづき、通常枠・インボイス枠などの枠ごとの違い、対象外となる経費、申請要件、公募スケジュールまで解説します。

デジタル化・AI導入補助金の全体像と仕組み

デジタル化・AI導入補助金で補助されるのは、IT導入支援事業者が提供し、事務局にあらかじめ登録されたITツールの導入費用です。対象経費・補助率・補助額は申請枠によって異なります。

ここからはデジタル化・AI導入補助金の対象となる経費、対象外となる経費、申請要件、公募スケジュールなど、全体像を紹介します。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

補助対象は「事務局に登録されたITツール」の導入費用

デジタル化・AI導入補助金における補助対象経費は、原則として、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用に限られます。

事業者が独自に選定・購入した一般的な市販製品や自由な契約によるソフトウェア購入費は補助対象になりません。

本制度を利用するにあたり、事業者が押さえておくべきポイントは以下の3点です。

・IT導入支援事業者と共同で申請する: 申請する中小企業・小規模事業者等は、登録済みのIT導入支援事業者と連携して申請します。ただし、複数者連携デジタル化・AI導入枠は申請の仕組みが異なります。

・登録済みのITツールを確認する: 事務局サイトの「ITツール検索」から、導入を検討しているソフトウェアやサービスを検索できます。業務プロセスの適合性やAI機能の有無なども検索機能での絞り込みが可能です。

・補助金は補助事業者に直接交付される: 補助金は、交付決定後に所定の手続きを経て、事務局から補助事業者(申請する中小企業・小規模事業者等)の指定口座へ直接支払われます。

なお、ITツールを販売・支援する登録事業者である「IT導入支援事業者」と、補助金の交付を受けてツールを導入する「補助事業者」は明確に区分されており、同一の事業者が両者を兼ねる(重複する)ことは禁止されています。

デジタル化・AI導入補助金のより詳しい全体像や申請の流れは、以下の記事で確認してください。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは?令和8年の変更点や制度概要を解説
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず補助金公式ホームページ(以下、HP)をご確認ください。 デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、中小企業・小規模事業者等によるデジタル化や業務効率化の取り組みを支援する補...

申請枠ごとの補助額・補助率・対象経費の早見表

枠・類型

補助額

補助率

対象経費

通常枠






5万円〜150万円未満(1プロセス以上)

150万円〜450万円以下(4プロセス以上)


【プロセスはITツールが対応する業務の区分】

1/2以内、2/3以内(※1)

ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費(オプション・役務)

インボイス枠(インボイス対応類型)

【ITツール】会計・受発注・決済のうち1機能:〜50万円/2機能以上:〜350万円


【PC・タブレット等】〜10万円

【レジ・券売機】〜20万円

【50万円以下】3/4以内(小規模事業者は4/5以内)

【50万円超〜350万円】2/3以内

【ハードウェア】1/2以内

ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、ハードウェア関連費、導入関連費

インボイス枠(電子取引類型)

〜350万円以下

中小企業・小規模事業者等:2/3以内

その他の事業者等:1/2以内

クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)(※2)

セキュリティ対策推進枠

5万円〜150万円

中小企業:1/2以内

小規模事業者:2/3以内

サービス利用料(最大2年分)

複数者連携デジタル化・AI導入枠

連携体の規模・取り組みに応じた額

(連携体の合計は上限3,000万円)

(1)インボイス対応類型の対象経費:50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)

50万円超の部分は2/3以内

上記(1)以外の経費および事務費・専門家費:2/3以内

基盤導入経費、消費動向等分析経費、その他経費(事務費・専門家費等)

※詳細は公募要領を参照

※1
【第6回公募まで】令和6年10月から令和7年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3カ月以上ある場合は、2/3以内。 

【第7回公募以降】令和7年10月から令和8年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3カ月以上ある場合は、2/3以内。

※2 契約する受注側のアカウント総数のうち、取引先である中小企業・小規模事業者等に供与するアカウント数の割合を乗じた額を補助対象経費とする


出典:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

出典:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

出典:インボイス枠(インボイス対応類型) | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:インボイス枠(電子取引類型) | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:セキュリティ対策推進枠 | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:複数者連携デジタル化・AI導入枠 | デジタル化・AI導入補助金2026


申請枠によってハードウェア購入の可否やクラウド利用料の算出条件が大きく異なるため、導入目的と導入システムに適合する枠を正確に選択することが重要です。

なお、補助金として受け取れる上限額である「補助額」と、補助金の計算対象となる費用ベースである「補助対象経費」は異なる点に注意しましょう。実際の交付額は「補助対象経費×補助率」で算出され、1円未満の端数は切り捨て処理されます。

【申請枠別】補助対象となる経費

デジタル化・AI導入補助金の対象経費は、申請枠によって異なります。導入したいITツールや機器に合わせて申請枠を選び、対象となる経費の範囲を確認しましょう。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

【通常枠】ソフトウェア費・クラウド利用料・導入関連費

通常枠における補助対象経費は、自社の業務効率化や労働生産性向上を目的として導入する「ソフトウェア費」「クラウド利用料」「導入関連費(役務)」で構成されます。

具体的な対象経費の分類は以下の通りです。

分類

対象経費

大分類Ⅰ:ソフトウェア(必須)

ソフトウェア購入費・クラウド利用料:業務プロセス(顧客対応・販売支援、決済・債権債務、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与等、業種固有プロセス)を効率化するソフトウェア本体の購入費用。

※クラウド製品(サブスクリプション形態等)の場合は、最大2年分のクラウド利用料が補助対象となります。

大分類Ⅱ:オプション

機能拡張・データ連携・セキュリティ:ソフトウェアの機能を拡張する追加機能、他システムとのデータ連携ツール、セキュリティソフトの導入費用(最大1年分等)。

大分類Ⅲ:役務

導入コンサルティング・導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポート:ITツールのスムーズな導入や運用定着を支援するための業務サポート費用。5万円〜150万円未満(1プ保守サポートについては最大2年分までが対象となります。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


大分類Ⅲ「役務」の費用については、1交付申請あたり補助対象経費の上限が200万円と定められています。どれほど高額な導入サポートであっても、補助額の計算ベースとなる対象経費は200万円が上限となるため注意が必要です。

また、パソコン・タブレット・POSレジなどのハードウェア購入費用は通常枠では対象外となります。ハードウェアの導入も目指す場合は、後述するインボイス枠(インボイス対応類型)などの利用を検討する必要があります。

【インボイス枠(インボイス対応類型)】パソコン・タブレット・POSレジ等のハードウェア

インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度への対応を目的とした枠であり、ソフトウェアに加えて機器本体(ハードウェア)の購入費も補助対象として認められています。

補助対象となる経費は以下の通りです。

ソフトウェア購入費、導入関連費、ハードウェア購入費

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領インボイス枠(インボイス対応類型)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


ITツールの補助額・補助率は、導入するソフトウェアの機能数・事業規模に応じて細かく分類されています。


出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領インボイス枠(インボイス対応類型)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


また、ハードウェアを申請するにあたっては、「インボイス制度に対応したソフトウェア(会計・受発注・決済のいずれかの機能を有するもの)の使用に資するハードウェアであること」が必須条件です。

ハードウェア単体での申請は不可能であり、必ず該当するソフトウェアとセットで申請しなければなりません。

【その他の枠】電子取引・セキュリティ対策・複数者連携枠の対象経費

インボイス枠(電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠も、それぞれの目的に応じた専用の対象経費が設定されています。

インボイス枠(電子取引類型)

受発注機能を有するクラウド型ソフトウェアの利用料(最大2年分)。

セキュリティ対策推進枠

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、事務局に登録されたセキュリティサービスの利用料(最大2年分)。

複数者連携デジタル化・AI導入枠

基盤導入経費(インボイス対応類型と同様のソフトウェア・ハードウェア)、消費動向等分析経費(人流分析や需要予測システム等)、その他経費(参画事業者の取りまとめ事務費・専門家謝金等)。

出典:インボイス枠(電子取引類型) | デジタル化・AI導入補助金2026
出典:セキュリティ対策推進枠 | デジタル化・AI導入補助金2026
出典:複数者連携デジタル化・AI導入枠 | デジタル化・AI導入補助金2026


3つの申請類型の対象経費をおおまかにまとめると、以下のようになります。

 

インボイス枠(電子取引類型)

取引先との電子取引を効率化するためのクラウドサービスなどが対象

セキュリティ対策推進枠

所定のセキュリティ対策サービスの利用料が対象

複数者連携デジタル化・AI導入枠

複数の事業者が連携して行うデジタル化の取り組みに対し、基盤導入経費や消費動向等分析経費、事務費・専門家費などが対象

同じIT関連の支出でも、申請枠によって対象となる経費や補助条件が異なります。申請前に公募要領と登録済みITツールの情報を照合し、導入予定の費用がどの枠で対象となるかを確認することが大切です。

デジタル化・AI導入補助金で対象外になる経費

事業に活用するシステムや機器であっても、公募要領上の規定により補助対象外(不採択や交付取り消しの対象)とされる経費があります。

公募要領で規定されている代表的な補助対象外経費と、特に事故が起きやすい「交付決定前の発注・購入」に関するルールを詳しく解説します。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

公募要領・ITツール登録要領で補助対象外とされている経費

公募要領(2026年8月28日更新版)において、補助対象外として指定されている主な経費は以下の通りです。

・公租公課(消費税・地方消費税)
・汎用性の高いハードウェア(通常枠におけるパソコン、タブレット、プリンター、複合機、POSレジ等 ※インボイス枠・インボイス対応類型等を除く)
・ゼロからのスクラッチ開発費用(既存の登録ITツールを伴わない独自の完全特注システム開発)
・交付申請時に利用金額が確定していない経費(従量課金制の利用料など)
・対外的に無償で提供されているソフトウェアやサービス
・中古品・リース・レンタル契約による導入費(※セキュリティ対策推進枠の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」等を除く)
・補助金申請や実績報告等に係る申請代行手数料
・交通費・宿泊費※
・補助事業者の顧客が実質負担する費用(売上原価に相当するもの)

※なお、IT導入支援事業者が負担した振込手数料は、負担することが請求書に明示され、1件ごとの金額が明確な場合に限り、補助対象経費として認められます

 

上記の経費は、どれほど業務効率化や生産性向上に寄与するものであっても補助対象として申請することはできません。

 

特に消費税(公租公課)は全額自己負担となるため、資金計画を立てる際は「税抜き金額」をベースに補助額を試算する必要があります。

 

また、通常枠においてはパソコンやレジなどのハードウェア単体・セット購入費用はすべて対象外です。ハードウェアを含めて申請したい場合は、必ずインボイス枠(インボイス対応類型)などの該当する枠を選択してください。

 

参照:事業実施・実績報告マニュアル

交付決定前に契約・購入したITツールは対象外

デジタル化・AI導入補助金では、原則として「交付決定通知を受ける前」に契約・発注・納品・支払いを行ったITツールはすべて補助対象外となります。

補助事業の手続きは、以下の順番で進めなければなりません。

1.交付申請の提出
2.事務局による審査・交付決定
3.ITツールの契約・発注・納品・代金支払い(事業実施)

交付決定が下りる前にITベンダーへ発注を行ったり、契約書を交わしたりした場合は、補助金の交付を受ける権利を失います。

IT導入支援事業者との事前の商談や見積もりの取得は可能ですが、正式な契約手続きは必ず交付決定通知を確認してから行ってください。

なお、2026年9月15日以降に行うスマートレジの導入やPOSレジの改修については、事前着手制度により、交付決定前に着手して事後に申請できる予定です(申請受付は2027年1月頃の予定。詳細は事務局が後日公開する公募要領で確認してください)。

デジタル化・AI導入補助金の申請要件

デジタル化・AI導入補助金を申請するには、中小企業・小規模事業者等の対象範囲に該当することに加え、所定の要件を満たすことが必要となります。自社が対象となるか、申請枠ごとの条件を確認しましょう。

ここでは、申請可能な事業者の範囲、全枠共通の必須要件、通常枠で求められる数値計画、および申請が認められない対象外事業者について詳しく解説します。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

申請できる中小企業・小規模事業者の範囲

本補助金の対象となるのは、日本国内で事業を営む中小企業および小規模事業者(法人および個人事業主)です。

業種ごとに資本金や常時使用する従業員数の上限が定められています。主な業種分類における、中小企業および小規模事業者の定義は以下の通りです。

業種分類

中小企業の定義(いずれかを満たすこと)

小規模事業者の定義

製造業、建設業、運輸業

資本金3億円以下 または 従業員300人以下

従業員20人以下

卸売業

資本金1億円以下 または 従業員100人以下

従業員5人以下

サービス業(※1)

資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下

従業員5人以下(※2)

小売業

資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下

従業員5人以下

ソフトウェア業・情報処理サービス業

資本金3億円以下 または 従業員300人以下

従業員20人以下

医療法人・社会福祉法人・学校法人等

常時使用する従業員300人以下(※3)

該当なし(小規模事業者の適用外)

※1 旅館業(資本金5,000万円以下または従業員200人以下)等、一部の例外業種を除く。
※2 サービス業のうち宿泊業・娯楽業の小規模事業者は従業員20人以下となる。 
※3 医療法人、社会福祉法人、学校法人等の組織形態は中小企業枠としての申請となり、小規模事業者には該当しない

出典:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


「常時使用する従業員」とは、労働基準法第20条に基づき予め解雇の予告を必要とする労働者を指し、会社役員や個人事業主本人は含まれません。

なお、賃上げ要件で使う「1人当たり給与支給総額」を算出する際は、パートタイム従業員は正社員の就業時間に換算して人数を算出します。

自身の事業規模が「中小企業」または「小規模事業者」のどちらに分類されるかによって、インボイス対応類型やセキュリティ対策推進枠における補助率の優遇(小規模事業者は補助率引き上げ)が適用されるかどうかが決まります。

全枠共通の申請要件

デジタル化・AI導入補助金を申請する事業者は、申請枠にかかわらず以下の基本要件をすべて満たしている必要があります。

・日本国内での事業実施:交付申請時点で日本国内に法人登記(法人番号が公表されていること)され事業を営む法人、または国内に事業実施場所を有する個人事業主であること。

・事業場内最低賃金の遵守:交付申請の直近月において、自社の事業場内最低賃金(事業場で最も低い賃金)が法令上の地域別最低賃金以上であること。

・GビズIDプライムアカウントの取得:法人・個人事業主問わず、行政認証システム「GビズIDプライム」を取得していること(発行までに約2週間を要するため事前手配が必要)。

・SECURITY ACTIONの自己宣言:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」において、「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の自己宣言を行っていること。

・申請マイページの開設と連絡体制:支援事業者からの招待を受けて申請マイページを開設し、申請者自身が所有・管理する携帯電話番号(SMS認証用)およびメールアドレスを登録して手続きを行うこと。

上記の要件は1つでも欠けていると申請手続きを進めることができません。特にGビズIDプライムやSECURITY ACTIONは、申請マイページ上でID連携・認証を行うことが必須です。公募締切日に遅れないよう、早めの準備をおすすめします。

さらに、交付申請時や事業実施後には、自社の経営情報や賃金状況を事務局へ報告・開示することへの同意が求められます。

通常枠は労働生産性・賃上げの事業計画が必要

通常枠で申請する場合、交付申請時点の翌事業年度以降3年間における「労働生産性の向上」に関する事業計画の策定と実行が必須要件となります。

さらに、申請する補助額や申請回・過去の採択歴に応じて、『賃上げ目標(給与支給総額および事業場内最低賃金の引き上げ)』の策定が必須要件または加点項目となります。

通常枠における事業計画(労働生産性・賃上げ目標)の要件は以下で確認してください。

補助金申請額

労働生産性向上目標(※1)

賃上げ目標:給与支給総額

賃上げ目標:事業場内最低賃金

150万円未満

【必須要件】

・1年後に3%以上向上

・3年間の年平均成長率3%以上

【加点項目】(※2)

・1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上増

【第7回〜過去採択者追加】

・1年後に3.5%以上向上

【加点項目】

・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

150万円以上450万円以下

【必須要件】

・1年後に3%以上向上

・3年間の年平均成長率3%以上

【必須要件】

・1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上増(※3)

【第7回〜追加要件】

・1年後に3%以上向上

【必須要件】

・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

※1 過去(IT導入補助金2023〜2025等)に通常枠等で交付決定を受けた事業者が再申請する場合は、労働生産性の目標値が「1年後および年平均成長率4%以上向上」に引き上がる。 
※2 初めて申請する事業者は「加点項目(任意設定)」。ただし、過去(IT導入補助金2022〜2025)に交付決定を受けた事業者の場合は、150万円未満での申請であっても給与支給総額の目標設定(第6回までは年平均3.5%以上増、第7回以降は左記に加え1年後3.5%以上向上)および従業員への表明が必須要件となる。
※3 過去(IT導入補助金2022〜2025)に交付決定を受けた事業者が150万円以上で申請する場合、給与支給総額の目標値は「年平均成長率3.5%以上増」かつ「第7回以降は1年後3.5%以上向上」に引き上がる

出典:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


なお労働生産性は以下の式で計算できます。

(営業利益 + 人件費 + 減価償却費)÷ 年間の事業者当たり総労働時間

事業計画期間終了時に賃上げ目標が達成できなかった場合、天災や大幅な赤字など正当な理由がある場合を除き、交付された補助金の全部または一部の返還を求められるケースがあります。

数値計画の策定においては、実現可能性や合理性を勘案し妥当な計画を策定することが重要です。

対象外となる事業者

中小企業の規模基準を満たしている場合であっても、公募要領「2-1-2 申請の対象外となる事業者」の規定に基づき、以下の事業者は申請対象外と判定されます。

・みなし大企業(大企業のグループ会社):発行済株式の1/2以上を同一の大企業に、または2/3以上を大企業に所有されている中小企業、あるいは大企業の役員・職員が役員総数の1/2以上を占める事業者。直近3年間の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者。

・みなし同一法人:親会社が議決権の50%超を有する子会社がある場合(親会社と子会社)や、同一の個人が複数の会社の議決権を50%超保有する場合、代表者・住所が同じ法人など(1社のみ申請可能)。

・IT導入支援事業者との重複:本事業で登録されている「IT導入支援事業者(構成員含む)」と「補助事業者(申請企業)」を兼ねること(同一人物・グループによる双方の重複申請は禁止)。

・特定の事業形態・不適格事業者:風俗営業等の規制対象事業者(旅館業許可を受けた事業者を除く)、宗教法人、人格のない任意団体(サークル、PTA等)、暴力団等の反社会的勢力、過去1年以内に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者。

・行政処分を受けた事業者:経済産業省や中小機構から補助金交付停止措置や指名停止措置を受けている事業者、過去の補助金等で不正行為を行った事業者。

特に親会社・子会社関係がある企業や、複数のグループ会社を運営している事業者の場合、「みなし同一法人」と判定されて申請対象外とみなされる事例が見られます。

自社の資本構成やグループ構成を確認のうえ、交付申請を行ってください。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

公募スケジュール

デジタル化・AI導入補助金2026の申請締切は、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠が第6次2026年10月30日(金)17:00、第7次2026年12月1日(火)17:00です。

複数者連携デジタル化・AI導入枠は第3次が2026年10月30日(金)17:00です。

デジタル化・AI導入補助金2026における第6次・および第7次の公募スケジュールは以下の通りです。

公募回

枠・類型

申請締切

交付決定日(予定)

事業実施期間・実績報告期限
(予定)

第6次

・通常枠

・インボイス枠

(2類型)

・セキュリティ対策推進枠

2026年10月30日(金)17:00

2026年12月10日(木)

交付決定~2027年5月31日(月)17:00

第7次

・通常枠

・インボイス枠

(2類型)

・セキュリティ対策推進枠

2026年12月1日(火)17:00

2027年1月19日(火)

交付決定~2027年7月30日(金)17:00

第3次

複数者連携デジタル化・AI導入枠

2026年10月30日(金)17:00

2026年12月10日(木)

交付決定 ~ 2027年5月31日(月)17:00

出典:事業スケジュール | デジタル化・AI導入補助金2026


申請締切は、いずれも締切日の17:00です。締切直前は申請システムへのアクセスが集中する可能性もあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

また、交付決定日や事業実施期間は、予定として公表されている日程です。申請後は、必ず事務局の公式サイトで最新情報を確認してください。

全国:中小企業生産性革命推進事業(デジタル化・AI導入補助金)
2026/10/15追記)第7次公募回より以下の制度変更が行われます。対象申請枠:通常枠・令和8年度地域別最低賃金の改定に伴う、補助率引き上げに係る要件の変更対象申請枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型、電子取引類型)、...

デジタル化・AI導入補助金についてよくある質問

デジタル化・AI導入補助金2026(第6回公募回)の申請にあたって、事業者から寄せられることの多い代表的な疑問とその回答をまとめました。

対象者の条件、複数枠の同時申請ルール、過年度受給者の再申請条件など、申請前に確認しておくべき重要ポイントを解説します。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは?令和8年の変更点や制度概要を解説
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採択率アップ?デジタル化・AI導入補助金の加点項目とは
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。 デジタル化・AI導入補助金の採択率を高めるには、加点項目の理解と対策が重要です。 本補助金では、一定の条件を満たすことで審査時に加点され、採択の可...

個人事業主でも申請できますか?

はい、個人事業主であっても要件を満たしていれば申請可能です。

デジタル化・AI導入補助金は中小企業だけでなく、日本国内で事業を営む個人事業主も交付申請の対象として認められています。

なお、申請にあたっては法人の履歴事項全部証明書や法人税納税証明書に代わり、個人事業主特有の本人確認書類や確定申告書類の提出が必要となります。

個人事業主が申請時に提出する主な必要書類は以下のとおりです。

・本人確認書類:運転免許証(有効期限内)、運転経歴証明書、または住民票(発行から3か月以内)のいずれか
・事業実態の確認書類:税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その1」または「その2」)
・確定申告の控え:税務署の受領印または電子申告の受信通知が確認できる直近分(原則として令和7年/2025年分)の確定申告書第一表の控え
・財務状況の確認書類:所得税の青色申告決算書または収支内訳書

参照:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


個人事業主であっても「常時使用する従業員数」の判定においては、代表者本人は従業員数に含まれません。

また、事前準備として必要な「GビズIDプライム」を取得する際には、個人事業主本人の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)が必要となります。

通常枠とインボイス枠は同時に申請できますか?

はい、通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型および電子取引類型)は同時に申請し、双方で交付決定を受けることが可能です。

デジタル化・AI導入補助金2026では、同一の公募期間中でも、「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」は重複して申請できます。それぞれで交付決定を受け、補助金の交付を受けることも認められています。

ただし、同時申請を行う場合は以下の点に注意が必要です。

・補助対象経費の二重計上の禁止:同一のシステム、ソフトウェア、または役務・オプション費用を複数の枠で重複して申請することは固く禁止されています。

・不正・不適切行為への処罰:二重計上や不適切な申請が発覚した場合は、交付決定の取り消しおよび補助金全額の返還が求められます。

・同一機能ツールの減点:すでにインボイス枠で申請・交付決定を受けている事業者が通常枠を申請する際、同一機能(会計・受発注・決済)を有するITツールを導入する場合は審査で減点措置が行われます。

業務効率化のための基幹システム(通常枠)と、インボイス対応のレジやハードウェア(インボイス対応類型)を組み合わせて導入したい場合は、対象経費が重複しないようにしましょう。

不明な点はIT導入支援事業者に相談し、それぞれ手続きを行ってください。

過去にIT導入補助金を受けた会社でも申請できますか?

はい、過去にIT導入補助金(2022年〜2025年等)で交付決定を受けた事業者であっても再申請は可能です。

ただし、過去に交付決定を受けた事業者がデジタル化・AI導入補助金2026で再申請を行う場合は、初めて申請する事業者と比較して「再申請の制限期間」「審査上の減点措置」「事業計画目標の引き上げ」といった厳格な条件が適用されます。

過去に受給歴がある事業者に適用される主なルールは以下のとおりです。

・12カ月以内の再申請制限:IT導入補助金2025の通常枠または複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月間はデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠に申請できません。

・審査での減点措置:過去(2022〜2025年)に交付決定を受けている事業者は、審査において減点措置が講じられます。特に過去に導入したソフトウェアと同一プロセス・同一機能のツールを導入する場合は更なる減点(完全一致の場合は不採択)となります。

・労働生産性目標の引き上げ:通常枠で再申請する場合、労働生産性の向上目標が「1年後および3年間の年平均成長率4%以上(通常は3%以上)」へ引き上がります。

・賃上げ目標の必須化:通常枠で申請する場合、補助額150万円未満であっても「給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増」および「従業員への計画表明」が必須要件となります。

過去に補助金を受けて導入したITツールと目的や機能が重ならないか、直近の交付決定から12か月以上が経過しているかを事前に確認したうえで、実現可能な事業計画を策定して申請に臨むことが重要です。

なおデジタル化・AI導入補助金で対象外となる「ゼロからのスクラッチ開発」や「単体でのハードウェア導入」などを実施する場合は、設備投資・システム開発向け補助金や税制優遇措置の活用をご検討ください。

設備投資・システム開発で活用できる補助金・税制優遇まとめ
多くの企業が人材不足や非効率的な業務プロセスを課題としている今、国は業務の省人化・生産性向上・DXを強く後押ししています。設備の導入やシステム開発に使える補助金や税制優遇は多くあり、企業が稼ぐ力を上げるための支援はかなり手厚くなっています。...

まとめ

デジタル化・AI導入補助金を活用して社内の業務効率化やデジタル化を進める際は、自社が導入したいITツールや機器がどの申請枠の対象経費に該当するかを正確に把握し、公募要領に定められたルールとスケジュールに沿って準備を進めることが成功の鍵となります。

GビズIDプライムの発行にはおおむね2週間かかります。第6次(2026年10月30日(金)17:00締切)に間に合わない場合は、第7次(2026年12月1日(火)17:00締切)での申請を検討しましょう。

ただし第7回公募以降は賃上げ関連の要件が変更されているため、最新の公募要領で確認してください。

本記事の重要ポイントは以下の3点です。

・申請枠によって補助対象経費が異なる :通常枠はソフトウェア・クラウド利用料・役務、インボイス枠(インボイス対応類型)はPC・タブレット・レジ等のハードウェアも対象です。電子取引類型・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠には、それぞれ専用の対象経費があります。

・交付決定前の契約・発注は対象外:原則として事務局からの「交付決定通知」を受ける前に契約・発注・納品・支払いを行った費用は補助対象外となります。ただし、スマートレジの事前着手制度など例外もあるため、契約前に必ず事務局の最新情報を確認してください。

・申請要件とスケジュールの事前準備が不可欠:全枠共通の「GビズIDプライム」取得や「SECURITY ACTION」宣言に加え、通常枠での労働生産性向上・賃上げ目標の策定など、必須要件の確認と証明書類の手配を10月30日の第6次申請締切に向けて余裕を持って進める必要があります。

自社の導入目的に適した申請枠を選択し、登録されたIT導入支援事業者と連携しながら計画的な交付申請を進めていきましょう。

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監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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