パートナーシップ構築宣言
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補助金の加点項目にもある「パートナーシップ構築宣言」とは?制度概要と登録方法を解説

公開日 2026/10/20
更新日 2026/10/20
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。


こんにちは!補助金クラウド編集部です。

「パートナーシップ構築宣言」は、企業が発注者の立場で取引先との公正な取引や共存共栄を目指すことを、代表者名で公式に表明する制度です。

登録に関して費用が発生することはなく、ポータルサイトから手続きを完了できます。

企業が宣言を行うことで、国の主要な補助金の加点措置をはじめ、全企業・中堅企業向け賃上げ促進税制の適用要件や日本政策金融公庫の関連融資制度の利用など、さまざまなメリットを受けられる点が特徴です。

本記事では、パートナーシップ構築宣言の詳しい概要や、補助金での加点要件・具体的な登録ステップを詳しく解説します。補助金の活用や取引環境の改善を検討している事業者は、申請前に必要なポイントを確認しておきましょう。

パートナーシップ構築宣言とは?

ここでは、パートナーシップ構築宣言の基礎知識や創設の背景を詳しく解説します。

参考:パートナーシップ構築宣言 – 取引先と共存共栄関係を築きませんか?|日本商工会議所

参考:「月刊石垣」別冊「パートナーシップ構築宣言」特集号|日本商工会議所

参考:パートナーシップ構築宣言について|経済産業省

発注者側の企業が公正な取引と共存共栄を約束する制度

パートナーシップ構築宣言とは、企業や個人事業主が「発注者」の立場で、サプライチェーンの取引先との連携や共存共栄関係を構築することを代表者名で宣言(コミット)する制度です。

大企業だけでなく、中小企業や小規模事業者、個人事業主まで、あらゆる規模・業種の事業者を対象としています。

宣言を行う際は、決められたひな形に沿って宣言文を作成し、全国中小企業振興機関協会が運営する公式ポータルサイトへ申請して公表する決まりです。

経営トップ自らが署名して公表を行うため、社内の購買部門や現場に対するコンプライアンス意識の徹底につながる、自社が公平・公正な取引を目指す「ホワイト企業」であることを対外的にアピールできるといった効果も期待できます。

パートナーシップ構築宣言が導入された背景

パートナーシップ構築宣言が導入された背景には、中小企業や小規模事業者に対して不利な取引条件のしわ寄せが生じやすいという、企業間取引の構造的な課題があります。

特に、2020年のコロナ禍では、発注側企業から受注側企業へコスト負担や取引条件の不利益が集中しやすいという課題が顕在化し、下請取引の適正化やサプライチェーン全体の付加価値向上を進める必要性が高まりました。

2020年5月に開催された「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において、パートナーシップ構築宣言の導入が提唱され、サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携、ならびに望ましい取引慣行の遵守に取り組むことを自主的に宣言・公表するための仕組みが整ったのです。

パートナーシップ構築宣言を行う5つのメリット

パートナーシップ構築宣言は、取引先との共存共栄を目指すだけでなく、企業経営にもさまざまなメリットをもたらします。特に、補助金の採択を目指す中小企業にとっては、一部の補助金で加点措置を受けられる点が注目されています。

ここでは、パートナーシップ構築宣言を行う5つのメリットを詳しく解説します。

参考:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト|公益財団法人 全国中小企業振興機関協会

参考:パートナーシップ構築宣言 – 取引先と共存共栄関係を築きませんか?|日本商工会議所

参考:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金公募要領(第1回)

参考:中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領

1. 一部の補助金で加点措置が受けられる

パートナーシップ構築宣言を行うことで、補助金によっては「政策加点」を受けられるケースや、「審査内容・評価項目の一つ」として考慮されるケースがあります。

該当する主な補助金は以下の通りです。

補助金名(所管省庁)

宣言の位置づけ

補助金の概要

公募状況
(2026年9月時点)

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
(中小企業庁)

加点項目
(政策加点)

中小企業が新製品・新サービスの開発や新市場への進出、海外展開に取り組む際に必要な設備投資などを支援する

2026年9月29日~10月30日18時まで

中小企業成長加速化補助金
(中小企業庁)

審査項目
(考慮要素)

将来の売上高100億円を目指す中小企業の成長投資を支援

2026年9月29日~11月12日15時まで

Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業
(環境省)

審査項目
(評価対象)

代表企業と取引先企業が連携して行う省CO2効果の高い設備導入を支援

2026年7月30日~11月13日17時まで

なお、判定のタイミングは、応募締切日時点・締切日前日時点・申請時点・事業計画書提出時点など、補助金によって異なります。

詳細については各補助金の公募要領で確認してください。

また、ポータルサイトへの申請から公開までは、通常10日程度かかります。締切間際に慌てないよう、早めに登録手続きを済ませておくのがおすすめです。

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2. 税における優遇措置や融資制度を活用できる

パートナーシップ構築宣言を行うことで、以下のような税制上の優遇措置や公的な融資制度を活用できます。

制度名

制度の概要

パートナーシップ構築宣言との関連

中堅企業向け賃上げ促進税制

企業が賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人税等から税額控除できる

中堅企業(※)のうち資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の法人が適用を受ける際、本宣言をポータルサイトに公表していることが必要

地域未来投資促進税制

地域経済への波及効果が高い事業のために設備投資を行う場合、特別償却(最大50%)や税額控除(最大6%)が受けられる

特定中堅企業が最大6%の税額控除等の優遇措置を受けるための要件の一つとして、本宣言の実施が含まれる

中堅・中小グループ化税制

M&Aを実施した企業が、株式取得価額の一部を準備金として損金算入できる

中堅企業者が本税制の適用対象となるための要件の一つとして、本宣言の実施が含まれる

日本政策金融公庫の関連融資制度

事業資金の円滑な調達を支援する公的な融資制度

本宣言を完了している事業者を対象とした、専用の融資制度が利用可能

(※)中小企業者を除く、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社および個人。税制の適用には、別途、青色申告書の提出などの要件がある。

ただし、これらの優遇措置は、宣言すれば自動的に適用されるわけではありません。税制ごとに給与の引き上げなどの要件を満たす必要があります。補助金と同様、詳細については必ず公式サイトで確認してください。

3. 企業の信頼性向上・広報に役立つ

パートナーシップ構築宣言を行った企業に対しては、以下のことが行われます。

・宣言文は、公益財団法人 全国中小企業振興機関協会が運営するポータルサイトの「登録企業リスト」に企業名や代表者名とともに掲載される
・公式の「ロゴマーク」を利用できる

パートナーシップ構築宣言をすることにより、「取引先との共存共栄を目指す公平公正なホワイト企業」であることを強くアピールできます。

取引先や顧客・金融機関からの信頼が高まるのはもちろん、求職者にも好印象を与えやすくなるでしょう。

4. 取引先との信頼関係を強化できる

パートナーシップ構築宣言では、取引先との共存共栄や適正な取引条件の実現に向けた方針を表明します。

価格交渉や取引条件について見直すことで、発注側と受注側の相互理解を深められる点も大きなメリットです。特に、原材料費や人件費などの上昇分を適切に価格へ反映する姿勢を示すことは、取引先との長期的な関係構築にもつながります。

また、受注側の立場にある中小企業にとっても、「当社もパートナーシップ構築宣言を行いました」と提示するメリットは小さくありません。親事業者に対して、適正な価格交渉を切り出すきっかけとして活用できます。

5. 地方自治体による独自の優遇措置を活用できる

パートナーシップ構築宣言の普及に向けて、地方自治体でも独自の優遇措置を設ける動きが広がっています。

具体的には、パートナーシップ構築宣言を行った企業に対する、補助金での加点や、補助率・補助上限額の引き上げなどです。さらに制度融資では、信用保証料の割引や利子補給を受けられる場合もあります。

このほか自治体のなかには、公共工事や物品購入などの入札でも、パートナーシップ構築宣言を公表している企業を評価するところもあります。入札参加資格の審査や総合評価方式で加点されるケースもあり、公共調達の機会を広げるうえでも有益です。

優遇措置の内容や対象となる企業・適用条件は自治体によって異なるため、所在地の自治体で確認してみましょう。

パートナーシップ構築宣言の作成方法

パートナーシップ構築宣言の作成手続きを進める際は、公式ポータルサイトからダウンロードできる「ひな形」を使用します。

宣言文は以下の2つの柱で構成されており、自社の取引方針や具体的な取り組み内容を記載していく決まりです。

1.サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
2.「振興基準」の遵守

ここでは、各項目の内容と作成時に押さえておきたいポイントを解説します。

参考:登録方法:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト|公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
参考:パートナーシップ構築宣言のひな形を改正します(令和8年1月1日改正)(METI/経済産業省)

1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携

自社を中心としたサプライチェーン全体での付加価値向上や、企業規模や系列を超えたオープンイノベーションなどの新たな連携を目指す項目です。

直接の取引先だけでなく、その先の取引先へ働きかけることで、サプライチェーン全体での共存共栄を図ります。

本項目の中には「個別項目」として以下の6つのテーマが用意されているのがポイントです。作成時には、自社の取り組み状況に応じて1つ以上を必ず選択し、具体的な取り組み内容を記述しましょう。

a

企業間の連携:オープンイノベーションやM&A等の事業承継支援などに取り組む。

b

IT実装支援:共通EDIの構築やデータの相互利用、IT人材の育成支援、サイバーセキュリティ対策の助言などを行う。

c

専門人材マッチング:必要な専門知識を有する人材の共有や活用を進める。

d

グリーン化の取組:脱・低炭素化技術の共同開発や生産工程のCO2削減、グリーン調達などを推進する。

e

健康経営に関する取組:ノウハウの提供や健康増進施策の共同実施などに取り組む。

f

BCP/事業継続:取引先の災害時等の事業継続計画策定の助言などを行う。

なお、申請する補助金の種類によっては、特定の個別項目の宣言が必須条件となる場合があります。

例えば、国土交通省の「モーダルシフト等推進事業」や環境省の「Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業」などの補助金では、「d. グリーン化の取組」について宣言していることが加点措置の条件です。

パートナーシップ構築宣言を補助金の加点として利用したい場合は、指定項目まで細かくチェックしておきましょう。

2. 「振興基準」の遵守

2つ目の柱は、受託中小企業振興法に基づく「振興基準」を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組むことを宣言します。

ひな形の改定により、振興基準の一部抜粋ではなく「振興基準全体を遵守する」旨が明確化されました。

宣言文末尾では「受託中小企業振興法に基づく『振興基準』の内容を理解した上で宣言します。」という文言の記載が求められるため、内容を十分に理解した上で作成を進めてください。

また、「その他」は、自社の先進的な取り組みや独自の取引方針をアピールできる任意記載の項目です。

必須ではありませんが、以下のような内容を記載することで、自社の姿勢を対外的に分かりやすく提示できます。

価格転嫁の波及

直接の取引先およびその先の取引先まで価格転嫁が可能となるような価格決定を行い、サプライチェーン全体へ周知する方針を明記する。

宣言の普及促進

サプライチェーン全体の共存共栄を目指し、取引先に対して本宣言の普及を図る旨を記す。

手形などの支払条件

下請代金の支払いは可能な限り現金で行う。

自主的な取り組み

ホワイト物流に関する自主行動宣言の表明、取引先満足度調査の実施、利益やコスト削減成果の配分(50/50など)をアピールする。

支払い手段の改善

約束手形の利用廃止に向けた現金払いや電子記録債権への移行推進を明記する。

パートナーシップ構築宣言の登録方法

パートナーシップ構築宣言は、専用のポータルサイトから登録できます。登録料はかからず、所定のひな形を使って宣言文を作成し、オンラインで申請する流れです。

ここでは、事前準備からポータルサイトで公開されるまでの手順を紹介します。

参考:登録方法:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト|公益財団法人 全国中小企業振興機関協会

【事前準備】振興基準の確認と社内体制の整備

申請前に、自社の取引慣行が受託中小企業振興法に基づく「振興基準」に沿っているか確認します。

振興基準とは、発注者と受注者が望ましい取引関係を築くために、価格決定や支払条件などについて定めた基準です。2026年1月から新しい基準とひな形が適用されているため、必ず最新の内容を確認してください。

また、パートナーシップ構築宣言は、代表権を持つ者の名前で行います。登録後は企業名や代表者名を含む宣言文が公開されるため、社内の関係部署と内容を確認し、代表者の承認を得ておきましょう。

【STEP 1】ひな形のダウンロード・宣言文作成

次に、パートナーシップ構築宣言のポータルサイトから、最新のひな形と記載要領をダウンロードします。ひな形に沿って、自社の取り組みや方針を記載してください。

作成時は、ひな形にある説明文や記入例などを削除し、自社の内容に整えることが大切です。宣言文が完成したら、社内手続きを経てPDF形式に変換します。

なお、個人事業主の場合も、屋号や代表者としての役職名などを記載する必要があります。

【STEP 2】登録フォームから申請

宣言文を作成したら、ポータルサイトの「宣言の登録」から登録フォームに進みます。企業名や業種、担当者の連絡先などの必要事項を入力し、PDF化した宣言文をアップロードしてください。

入力内容と添付ファイルに間違いがないか確認したうえで、登録を完了します。申請後、登録した担当者のメールアドレスに受領通知が届きます。

【STEP 3】ポータルサイトで公開

申請後、登録内容に不備がなければ、通常は登録日から約10日後にポータルサイトの「登録企業リスト」で宣言文が公開されます。

公表が完了すると、登録担当者のメールアドレス宛にロゴマークダウンロード用の専用URLやID、パスワードが記載された案内メールが送信される流れです。

ただし、修正が必要な場合や補助金の申請時期などで登録が集中する場合は、公開までにより長い日数がかかることもあります。

補助金での利用を前提として宣言を行う場合は、申請締切日までに公開が間に合うよう、余裕を持って手続きを進めましょう。

パートナーシップ構築宣言に関するよくある質問

ここでは、パートナーシップ構築宣言の登録について、よくある質問に回答します。

参考:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト|公益財団法人 全国中小企業振興機関協会

Q1. 受注(下請)メインの中小企業・個人事業主でも宣言する意味はある?

はい。受注側が中心の中小企業や個人事業主でも、宣言する意味はあります。

一般的な企業や個人事業主は、資材や備品の購入、外部サービスの発注などを行っており、「発注者」としての側面を備えているためです。

発注者の立場で自社の取引方針を明示することは、社内における取引適正化やコンプライアンス意識の向上につながります。

このほか、これまでに整理してきた、以下のようなメリットを享受できるのも魅力です。

・親事業者や取引先に対して適正価格での協議を切り出すきっかけにできる
・各種補助金の加点措置や日本政策金融公庫の融資制度を利用できる
・公式ロゴマークによる広報効果を期待できる

Q2. 宣言内容を守れなかった場合の罰則はある?

パートナーシップ構築宣言は自発的な取り組みであるため、宣言内容を守れなかったこと自体に対する法的な罰則や過料などはありません。

ただし、本宣言が履行されていないと認められる場合には、ポータルサイトでの宣言の掲載が取りやめになる措置が講じられます。具体的には、主務大臣によって受託中小企業振興法に基づく「振興基準」に関する指導や助言が行われた場合などです。

掲載が取りやめになると、補助金の加点要件を満たさなくなるなどの不利益が生じるおそれがあります。宣言した取引方針はしっかりと遵守しましょう。

Q3. 公式「ロゴマーク」はどのように取得して使えばよい?

ポータルサイトでの宣言文公開後、登録担当者のメールアドレス宛に「専用のURL、ID、パスワード」が記載された通知メールが送信されます。

そのURLにアクセスしてログインすることで、印刷物用のイラストレーター形式やWeb掲載用のPNG形式のロゴファイルをダウンロードすることが可能です。

取得したロゴマークは、自社の名刺や公式Webサイト、会社案内パンフレット、IR資料などに掲載して使用できます。

ぜひ積極的に、宣言への取り組みを社外に発信していきましょう。

まとめ

パートナーシップ構築宣言は、発注者の立場から取引先との共存共栄や適正な取引を目指すことを公表する制度です。一部の補助金では加点要件に設定されているほか、取引先との信頼関係の強化や、自治体独自の優遇措置につながる場合もあります。

補助金の申請を検討している企業は、宣言の登録方法や公募要領を確認し、自社に活用できる制度がないかチェックしてみましょう。

「パートナーシップ構築宣言で補助金の加点を受けたい」「宣言が加点対象となる補助金について詳しく知りたい」という事業者の方は、ぜひStaywayにご相談ください。

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監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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