「IT導入支援事業者」とは?
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デジタル化・AI導入補助金の「IT導入支援事業者」とは?登録要件と申請の流れを解説

公開日 2026/11/02
更新日 2026/11/02
この記事は約24分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。


こんにちは!補助金クラウド編集部です。

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、業務効率化や生産性向上・改善を目指す中小企業・小規模事業者等のデジタル化を支援する制度です。

ITツールの販売等を行っているITベンダーやサービス事業者は、「IT導入支援事業者」として登録することで新規の営業機会や顧客獲得の増加を期待できます。 

ただし、登録には所定の要件を満たし、必要書類をそろえて申請することが必要です。要件や手続きは登録形態(法人(単独)・コンソーシアム)によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

本記事では、「IT導入支援事業者」について、役割や登録要件から申請の流れ、登録後の注意点まで解説します。

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)でITツールを提供したいITベンダー・サービス事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

IT導入支援事業者とは?デジタル化・AI導入補助金での役割

IT導入支援事業者は、補助事業者(中小企業・小規模事業者等)のITツール導入と補助事業を支援する事業者です。

本制度は、2026年度より「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」に変更されましたが、「IT導入支援事業者」および「ITツール」は、公式資料でも継続して使用されています。

ここからは、IT導入支援事業者の定義や補助事業者・事務局との関係について解説します。

IT導入支援事業者の定義

本制度におけるIT導入支援事業者の定義は、以下の通りです。

生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者等にITツールを導入し、補助事業を円滑に遂行するための支援を行う事業者

IT導入支援事業者は、事業計画の策定支援や申請内容の入力支援から、導入後のアフターサポートまでを伴走して担う役割を持ちます。なお、交付申請の提出は申請者自身が行います。

IT導入支援事業者として登録できるのは、ITツールの販売等を行っているITベンダーやサービス事業者です。

ただし登録申請をすれば、必ず自動的にIT導入支援事業者になれるというわけではありません。登録を受けるには、事務局および外部審査委員会による審査を経て、採択される必要があります。

なお本事業における「ITツール」は、事務局に事前登録されたソフトウェア(AI機能を搭載したものを含む)、オプション、役務、ハードウェアです。

単なるソフトウェア単体を指すのではなく、導入コンサルティングや初期設定、保守サポートなどの役務や、一部のハードウェア(POSレジ等)も含まれます。

IT導入支援事業者が担う5つの役割

登録要領では、IT導入支援事業者が果たすべき役割として以下の5点を定めています。

1.中小企業・小規模事業者等の生産性向上に資するITツールを事務局に登録する
2.申請者または補助事業者に対し、適切なITツールの提案・導入・アフターサポートを行う
3.補助事業に係る問合せ対応や、事務局からの指示・指導の仲介を行う
4.補助事業者による補助金不正受給等の不正行為を防止し、補助事業の管理・監督を行う
5.ITツールの効果を最大限引き出すよう補助事業をサポートする

参照:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


IT導入支援事業者
は、ITツールの販売や導入といった営業・作業面だけでなく、不正受給の防止や適正な事業遂行に対する責任も負います。具体的な不適正行為や罰則については、後述の見出しをご確認ください。

なお、手続き上の重要な留意点として、最終的な交付申請の「提出」は申請者(補助事業者)自身が申請マイページから行わなければなりません。同様に、事業実施後の実績報告や効果報告の提出主体も補助事業者自身です。

IT導入支援事業者が行えるのは、ポータル上での申請内容の入力や作成支援までであり、提出の代行は認められていません。

補助事業者・事務局との関係

補助事業の実施にあたっては、IT導入支援事業者と中小企業・小規模事業者(申請者)が共同事業体を形成し、事務局(独立行政法人中小企業基盤整備機構のもと、TOPPAN株式会社が運営)へ交付申請を行います。

事業における資金の流れは以下の通りです。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


本補助金の主体は中小企業・小規模企業等であり、IT導入支援事業者はサポートを提供する立場です。

申請が採択された場合でも、IT導入支援事業者に補助金が直接振り込まれるわけではありません。IT導入支援事業者の売上となるのは、補助事業者から支払われるITツールの対価です。

【注意】補助事業者との兼任(自社ツール導入)は不可

IT導入支援事業者として登録されている事業者、または登録申請を行おうとしている事業者は、2026年度のデジタル化・AI導入補助金において、補助事業者として交付申請を行うことはできません。

この制限は、事業者単位だけでなく、代表者や役員個人にも及びます。

IT導入支援事業者の代表者や役員が、別の事業者の代表者や役員として交付申請を行うことも認められていません。

反対に、補助事業者の代表者や役員が他の事業者でIT導入支援事業者の登録申請を行うことも不可能です。

同一の事業者かどうかは「みなし同一法人」の考え方で判定します。親会社が議決権の50%超を持つ子会社がある場合や、同じ個人が複数の会社の議決権をそれぞれ50%超持つ場合などが該当し、同一の事業者として扱われます。

自社でITツールを導入する際に補助金を利用したい場合は、自社以外の登録済みのIT導入支援事業者からITツールを購入して申請する必要があります。

なお、兼任の制限は同一年度内の申請に適用されます。2025年度以前にIT導入支援事業者として登録されていた実績がある場合でも、今年度にIT導入支援事業者としての登録(または登録申請)を行わないのであれば、補助事業者として自社のデジタル化のために交付申請を行うことは可能です。

ベンダーが押さえたい顧客向けの補助内容|2026年度の枠・類型

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)には5つの申請枠・類型があります。

2026年度時点で顧客が申請できるのは、「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数者連携デジタル化・AI導入枠」です。

出典:デジタル化・AI導入補助金制度概要 | デジタル化・AI導入補助金2026


枠・類型によって交付申請できるITツールの要件や種類が異なるため、自社が提供するITツールがどの枠・類型に該当するかを把握しておきましょう。

 

枠・類型

補助額

補助率

交付申請できるITツールの要件

通常枠

5万円〜150万円未満(1プロセス以上)

150万円〜450万円以下(4プロセス以上)

1/2以内、2/3以内※

大分類Ⅰ「ソフトウェア」が必須。

大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」を組み合わせて申請。

共P-01〜各業種P-06の業務プロセスを1種類以上含むことが必須(汎P-07のみは不可)。

補助額150万円以上は、共P-01〜汎P-07のうち4種類以上

インボイス枠(インボイス対応類型)

【ITツール】会計・受発注・決済の機能が1つのみ:〜50万円/2機能以上:〜350万円

【PC・タブレット等】〜10万円

【レジ・券売機】〜20万円

【50万円以下の部分】3/4以内(小規模事業者は4/5以内)

【50万円超〜350万円の部分】2/3以内

【ハードウェア】1/2以内

会計・受発注・決済のうち1機能以上(補助額が50万円を超える場合は2機能以上)を持つインボイス対応ソフトウェア、オプション、役務、ハードウェア(POSレジ等)

インボイス枠(電子取引類型)

〜350万円以下

中小企業・小規模事業者等:2/3以内

その他の事業者等:1/2以内

発注側が導入し、受注側(取引先)に無償で利用させる受発注機能を持つクラウドソフトウェア・役務等

セキュリティ対策推進枠

5万円〜150万円

中小企業:1/2以内

小規模事業者:2/3以内

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービス

複数者連携デジタル化・AI導入枠

連携体の規模・取り組みに応じた額

(連携体の合計は上限3,000万円)

(1)インボイス対応類型の対象経費:50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)

50万円超の部分は2/3以内

上記(1)以外の経費および事務費・専門家費:2/3以内

地域商店街やサプライチェーン等の複数事業者が連携して導入するITツール、基盤導入経費および分析経費等

※令和7年10月から令和8年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3カ月以上ある場合は、2/3以内

出典:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

出典:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

出典:インボイス枠(インボイス対応類型) | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:インボイス枠(電子取引類型) | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:セキュリティ対策推進枠 | デジタル化・AI導入補助金2026

出典:複数者連携デジタル化・AI導入枠 | デジタル化・AI導入補助金2026


IT導入支援事業者が顧客にツール等の導入を提案する場合は、以下のポイントに注意してください。

 

①顧客の経営課題に合ったITツールの提案と導入効果の共有

顧客となる中小企業・小規模事業者の経営課題を把握し、その解決につながるITツールを提案する。また、導入するITツールの機能や導入によって期待できる効果について、顧客と事前に認識を共有する。

②交付決定前の契約・発注などを防ぎ、制度のルールを守る

交付決定前に契約・発注・納品・支払いを行うと、補助対象外となる。顧客が誤って手続きを進めないよう、正しい手順や制度上のルールを事前に説明し、遵守を徹底する。

③自己負担額の実質的な減額や誤解を招く営業表現を禁止する

キャッシュバックやポイント還元などによって顧客の自己負担額を実質的に減額・無償化する販売方法は禁止されている。また、「実質無料」など、顧客に誤解を与える宣伝も避ける。制度の規程に従い、適切な価格設定と案内を行う。

各枠の制度内容や全体像についてより詳しく知りたい方は、以下の記事で確認してください。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは?令和8年の変更点や制度概要を解説
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず補助金公式ホームページ(以下、HP)をご確認ください。 デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、中小企業・小規模事業者等によるデジタル化や業務効率化の取り組みを支援する補...


なお、顧客側の加点項目や賃上げ要件の達成によって採択率や要件が変わる点については、以下の記事で詳しく紹介しています。

採択率アップ?デジタル化・AI導入補助金の加点項目とは
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。 デジタル化・AI導入補助金の採択率を高めるには、加点項目の理解と対策が重要です。 本補助金では、一定の条件を満たすことで審査時に加点され、採択の可...

IT導入支援事業者の登録形態|法人(単独)とコンソーシアム

IT導入支援事業者として登録を行う際には、自社の組織形態や事業体制に応じて適切な登録形態を選択する必要があります。

登録形態には「法人(単独)」と「コンソーシアム」の2種類があり、それぞれの形態ごとに定められた登録要件を満たすことが求められます。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

「法人(単独)」と「コンソーシアム」の違い

IT導入支援事業者の登録形態である法人(単独)とコンソーシアムの主な違いは、以下の通りです。

法人(単独)

1つの法人が単独ですべての登録要件を満たしている場合に申請できる形態。

ITツールの登録から補助事業者の導入支援、事業実施効果報告に至るまで、すべての業務を1社で完結して行う。

コンソーシアム

幹事社1社と1者以上の構成員で共同体を形成して申請する形態。単独では要件を満たせない事業者や個人事業主などが構成員として参画し、複数者で包括的に業務を行う。

幹事社として登録できるのは法人に限られ、個人事業主は構成員としてのみ登録が可能。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


単独申請の場合は、他社との調整が発生しません。ITツールの登録から導入支援、実績報告・効果報告の作成支援までを自社だけで完結できるため、社内外の連絡や責任分担の調整が少なく済みます。

単独での登録要件を満たせる法人であれば、「法人(単独)」が第一選択となるでしょう。

コンソーシアムの形成が必要なケース

以下のようなケースに該当する場合は、法人(単独)での登録はできません。コンソーシアムを形成して、登録申請を行う必要があります。

個人事業主がIT導入支援事業者として活動する場合

個人事業主は単独登録および幹事社登録ができない。構成員としてコンソーシアムに参画する必要がある。

単独で登録要件を満たせない場合

自社単独ではITツールの取扱い実績や販売実績がない場合は、実績のある事業者を構成員に加えたコンソーシアムを形成することで、登録申請が可能となる(実績は、コンソーシアム内の1者以上が満たしていればよい)。

料金収納代行事業者を介して決済する場合

ITツール代金をクレジットカード決済以外の料金収納代行事業者を介して受領する場合は、当該事業者を構成員として登録する必要がある。

複数の事業者が契約や請求に関与する場合

補助対象となるITツールの契約、導入、代金の請求・受領に複数の事業者が関与する構造の場合はコンソーシアムの形成が必要となる。

セキュリティ対策推進枠でサービスを取り扱う場合

「サイバーセキュリティお助け隊サービス」をコンソーシアムで取り扱う際は、幹事社または構成員がIPA公表のサービスリスト掲載事業者または再販協力会社であることが必要となる。

形態ごとの主な登録要件一覧

登録要領では、法人(単独)の登録要件が21項目定められています。

そのうえで、「自社単独で販売実績が必要か」「個人事業主が登録できるか」「コンソーシアム全体を管理・監督する責任を負うか」といった適用ルールや役割は、登録形態によって異なります。

以下は、実務上重要と想定される登録要件の一部と、登録形態ごとの比較表です。

・事業体・所在地要件:日本国内で事業を営み、日本国内に本社または事業場所を有する事業者であること。
・財務・事業基盤要件:直近の決算書や納税証明書等を提出でき、安定的な事業基盤を有していること。
・ITツールの取扱・サポート体制:生産性向上に資するITツールの取扱実績や、導入後の運用・メンテナンス体制を整えていること。
・コンプライアンス・欠格要件:過去に補助金の不正等による停止処分を受けておらず、反社会的勢力との関係がないこと。
・管理・監督責任(コンソーシアム向け):幹事社と構成員の間でコンソーシアム協定書を締結し、幹事社が事務局との窓口として全体を監督・管理すること。

また、登録形態およびコンソーシアム内での役割による実質的な要件と条件の違いは、以下の通りです。

比較項目

法人(単独)

コンソーシアム(幹事社)

コンソーシアム(構成員)

対象となる事業者

法人のみ

法人のみ

法人・個人事業主

ITツールの取扱・販売実績

自社単独で取扱・販売実績が必要

コンソーシアム全体で1者以上が満たせば可(幹事社自体は実績なしでも可)

コンソーシアム全体で1者以上が満たしていれば可

業務範囲と窓口責任

単独ですべての業務を行い、窓口も自社で完結

事務局との統一窓口となり、コンソーシアム全体の業務を監督・管理する

幹事社と連携し、自社の担当業務を履行する

主要な添付書類

履歴事項全部証明書、法人税納税証明書、財務諸表、販売実績一覧

【単独の書類】+コンソーシアム協定書

【法人】単独と同じ【個人】本人確認書類、所得税納税証明書、確定申告書控え

欠格・反社・不利益処分

該当がないこと(必須)

該当がないこと(必須)

該当がないこと(必須)

どの立場であっても、反社会的勢力との関係がないことや、過去に補助金不正交付などのペナルティを受けていないことが絶対条件となります。

特に個人事業主がIT導入支援事業者として事業に参画する場合はコンソーシアムの構成員としての登録が必須となるため、自社の組織形態や実績の有無に合わせた適切な登録形態の選択が必要です。

IT導入支援事業者・ITツールの登録申請手順

IT導入支援事業者およびITツールの登録手続きは、事務局が運営するWebポータルサイトを通じた電子申請にて行います。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026IT導入支援事業者登録要領|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局


ここからは、申請の具体的な流れ、必要書類、そして採択を目指すための審査のポイントを解説します。


参照:IT導入支援事業者登録マニュアル|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

登録申請の流れ

IT導入支援事業者およびITツールの登録は、以下のステップで進められます。

1.仮登録の実施:事務局のホームページからメールアドレス等を登録し、仮登録を行う。

2.ポータルアカウントの発行:仮登録後に届く案内メールのURLからログインIDとパスワードを設定し、「IT事業者ポータル」のアカウントを開設する。コンソーシアム構成員の場合は、幹事社が「構成員ポータル」のアカウント発行手続きを行う。

3.事業者情報の入力:ポータルにログインし、要件の確認チェック、事業者基本情報、財務情報、本事業への取り組み姿勢などを入力する。

4.構成員情報の入力(コンソーシアムの場合):構成員本人が構成員ポータルから必要な情報を入力し、幹事社が内容を確認したうえで承認を行う。

5.1つ目のITツールの先行登録:登録申請時には、自社で取り扱う代表的な1つ目のITツール情報を同時に入力・申請する。事務局による登録審査は事業者情報とITツール情報の両方に対して行われ、登録完了後に2つ目以降のITツール登録が可能となる。

6.宣誓および事務局への提出:入力内容と添付書類に誤りがないか最終確認を行い、宣誓事項に同意したうえで登録申請を提出する

必要書類と提出時の注意点

登録申請時には、指定された添付書類を原本から電子データ(PDF形式等)で準備し、ポータル上から提出します。代替書類は認められず、不備がある場合は再提出が必要です。

法人(単独)・コンソーシアム幹事社・コンソーシアム構成員(法人)共通の必要書類

・履歴事項全部証明書の写し:登録申請日から遡って3カ月以内に発行されたもの

・法人税の納税証明書(その1またはその2):直近1期分のもので、1期の決算を迎えたうえで提出する。税務署発行のものに限られ、電子納税証明書の場合はPDF形式のフォーマットのみ有効(XML形式は不可)

・直近事業年度分の財務諸表(損益計算書および貸借対照表):対象年度、売上高、経常利益、貸借対照表の資本金や借入金が確認できるものを添付する

・販売実績一覧:事務局ホームページで公開されている指定Excel様式を使用し、取り扱うITツールおよびその取引先実績を記載して提出する

・コンソーシアム協定書(幹事社のみ):幹事社と構成員の間で締結した本事業に関する協定書を作成し添付する

 

コンソーシアム構成員(個人事業主)の必要書類

・本人確認書類:運転免許証(有効期限内、裏面変更履歴含む)、運転経歴証明書、または住民票の写し(発行から3カ月以内、原則マイナンバー記載なし)のいずれか1点

・所得税の納税証明書(その1またはその2):税務署発行の直近分のものを提出する(PDF形式のみ有効)

・確定申告書の控え:令和7年(2025年)分の確定申告書で、税務署の受領印または電子申告の受付日時・番号が確認できるものが必要

・所得税の青色申告決算書または収支内訳書:直近分の決算書類を添付する

・販売実績一覧:指定様式を用いて実績情報を記載する

公的証明書(履歴事項全部証明書や納税証明書など)は「発行から3カ月以内」など有効期限が定められているため、取得時期を確認しましょう。

また、ポータルサイトに入力した事業者名称・所在地と、提出書類に記載された名称・所在地は完全に一致している必要があります。 

審査のポイントと不採択時の注意点

・事務局から差し戻された場合は速やかな対応が必要
・登録申請が不採択となった場合、登録形態にかかわらず同一年度内の再申請は不可

審査では、提出された事業者情報や添付書類、ITツールの要件適合性に加え、過去の補助金事業における活動状況や遵守状況も重要な判断要素です。

申請内容に確認事項や書類の不備がある場合、事務局からポータルを通じて差し戻し(要訂正通知)が行われます。不備通知を受け取った場合は内容を確認し、速やかに修正・再提出を行わなければなりません。

事務局が定める不備訂正期日までに不備が解消されない場合、申請は不採択となります。

また、審査の結果不採択となった場合は、たとえ登録形態を変更したとしても同一年度内での再申請は認められません。

初回申請時に正確な情報と正しく整えられた書類を提出することが極めて重要です。

なお、審査完了後に申請を取下げたい場合や登録を辞退したい場合は、IT事業者ポータルから取下げまたは登録解除の手続きを行うことが可能です。

登録完了後の業務・運用ルールと禁止事項

IT導入支援事業者として登録が完了した後は、補助事業者の申請手続きやITツールの導入、導入後の効果報告などを継続して支援します。

また、国の補助金を取り扱う事業者として、IT導入支援事業者は厳格なコンプライアンスや運用ルールを遵守しなければなりません。違反した場合は登録取消やペナルティの対象となるため、登録後の業務内容と守るべきルール、禁止されている行為を確認しておきましょう。


参照:
デジタル化・AI導入補助金2026公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

参照:不正行為にご注意ください | デジタル化・AI導入補助金2026

登録後の主な業務

IT導入支援事業者が採択後に担う主な実務フローは、以下の通りとなります。

・交付申請作成の支援:申請マイページへの招待を行い、導入するITツールの情報入力や事業計画作成をサポートする。なお、事務局への実際の提出手続きは申請者自身が行う。

・契約・導入・支払いの管理:交付決定の通知を受けた後、ITツールの契約、納品、請求および受領を行う。交付決定前に契約や発注を行うと補助対象外となるため、手順の順守を徹底する。

・実績報告の作成支援:ITツールの導入・支払いが完了した後、補助事業者が提出する実績報告書の作成を支援する。

・アフターサポートの実施:導入後も継続的な運用フォローや問合せ対応を行う。解約や廃業が生じた場合は、速やかに辞退手続きを行うよう補助事業者を指導する。

・事業実施効果報告の支援:事業完了後、補助事業者が行う生産性向上や賃金引上げ等の効果報告について、必要書類の取りまとめや作成支援を行う。

交付申請は、IT導入支援事業者と申請者が共同で内容を作成しますが、事務局への提出は申請者が行います。IT導入支援事業者が申請者に代わって申請手続きを行うことは認められていないため、役割分担を理解しておくことが大切です。

また、交付決定前に契約・発注・納品・支払いを行うと補助対象外となります。申請者に手続きの順序を説明し、誤って事前着手しないよう注意を促しましょう。

登録後に守るべきルール

事業者として活動するにあたり、以下の運用ルールを徹底して厳守する必要があります。

・広報・宣伝のルール:「デジタル化・AI導入補助金2026」のロゴマークは無断で使用できません。また、登録完了前に自社Webサイト等でIT導入支援事業者であると宣伝することや、登録後でも顧客に誤解を与える表現は認められません。

・5年間の書類保管義務:事務局、独立行政法人中小企業基盤整備機構、および会計検査院による検査に備え、補助事業に係る全ての書類・証憑(交付決定通知書、契約書、注文書、納品書、請求書、振込受領書、領収書、役務の実施実態資料など)を、補助事業完了の日の属する年度終了後5年間保管しなければならない。


・立入調査への協力
:事業期間中およびその前後において、事務局等による事前予告なしの立入調査が行われる場合がある。検査・調査に対応し、必要な資料の閲覧・提出等に協力する。

書類の保管期間は、単純に導入日から5年間という意味ではありません。

補助事業の完了日が属する年度の終了後から5年間となります。対象となる書類には、交付決定通知、契約書、注文書、納品書、請求書、振込受領書、領収書などが含まれます。検査などに備え、必要な書類を整理して保管しておきましょう。

また、IT導入支援事業者やITツールの登録情報に変更があった場合は、所定の手続きが必要です。登録時の情報をそのままにせず、変更が生じた際は速やかに対応してください。


参照:
IT導入支援事業者登録マニュアル|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

登録取消・ペナルティの対象となる行為

補助金の不正利用や不適切な営業活動を防止するため、以下のような行為は明確に禁止されています。

禁止・注意すべき行為

具体例

自己負担額の実質的な減額・無償化

ITツールの購入後にキャッシュバックを行う、第三者を介して購入費用を返金するなど

補助金を利用した不適切な価格設定

補助金の利用を前提にITツールの価格を不当に引き上げるなど、補助金の交付目的に反する取引

申請手続きの不適切な代行

申請者のIDや認証情報を使い、申請者本人が行うべき手続きを代わりに行う

実態のない導入やサービス提供

ITツールを実際には導入していない、契約した導入研修やコンサルティングを実施していない

虚偽申告や不正への関与

申請内容を偽る、不正受給の疑いを把握していながら適切に対応しない

不正行為が確認された場合は、IT導入支援事業者の登録取消しやITツール登録の取消しのほか、関係する交付決定の取消し、補助金の返還請求などの措置が講じられる可能性があります。制度の規程を確認し、適切な販売・導入支援を行いましょう。

IT導入支援事業者に関するよくある質問

IT導入支援事業者の登録申請や運用にあたって、ITベンダー・サービス事業者から寄せられる代表的な質問とその回答を紹介します。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

Q. 昨年度までの登録は2026年度に引き継がれますか?

A. 自動で引き継がれることはありません。2026年度の事業に参画するには、2026年度の登録申請を行い、事務局および外部審査委員会の審査を経て登録される必要があります。

前年度までにIT導入支援事業者やITツールとして登録されていた場合でも、2026年度は改めて登録申請が必要です。過年度に提出した書類も、2026年度の申請では再提出が求められます。


参照:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局

Q. 補助金の申請代行費用もITツール代金に含められますか?

A. 含めることはできません。補助金の申請や報告に係る申請代行費用は補助対象外経費と定められています。

IT導入支援事業者が顧客の交付申請をサポートする際にかかる費用・外部の行政書士・コンサルタントへ支払う申請代行手数料・成功報酬などは、補助金の対象経費として認められていません。

有償でコンサルティング費用等を徴収する場合などでも、補助対象となるITツールの見積書・請求書とは明確に切り離し、補助金申請の対象外(自己負担)として処理する必要があります。

まとめ

IT導入支援事業者は、事務局および外部審査委員会による審査を経て登録される「申請を補助事業者と共同で組み立てる側」です。

登録形態(単独/コンソーシアム)の選択、要件・書類の準備、ITツールの登録、そして登録後の不正防止・コンプライアンス順守まで責任を負う重要な立場です。

本記事の要点は以下の4点です。

・補助事業者の支援と「兼任不可」ルールの徹底:生産性向上をともに目指すパートナーとして5つの役割を担いますが、自社ツール導入など補助事業者との兼任(代表者・役員の重複含む)は固く禁止されています。

・自社に適した登録形態(単独/コンソーシアム)の選択:個人事業主が参画する場合や単独で実績・決済要件を満たせない場合はコンソーシアムを選択するなど、自社の体制に応じた形態と要件の確認が必要です。

・正確な申請手順と不採択時の再申請不可リスク:仮登録から1つ目のITツール先行登録までを正しく進める必要があり、書類不備等で不採択となった場合は同一年度内での再申請ができません。

・登録後のルール順守と不正行為(登録取消)の排除:5年間の証憑保管や広報規程を守るとともに、実質無料化などの不当な営業や価格引き上げといったペナルティ対象行為を徹底排除しなければなりません。

IT導入支援事業者の登録を進める際は、まず「デジタル化・AI導入補助金2026 IT導入支援事業者登録要領」と「IT導入支援事業者登録マニュアル」で要件と必要書類を確認し、そのうえで事務局サイトの「登録申請・手続きフロー」から仮登録を行いましょう。

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監修Stayway / メディア事業部
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