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令和7年12月19日に成立した令和7年度補正予算は、「『強い経済』を実現する総合経済対策」で示された方針を踏まえ、賃上げ環境の整備や生産性向上、先端技術の活用を具体的に支援する内容となっています。
同補正予算には、中小企業・小規模事業者による設備投資やDX、省力化、新事業展開など、企業の成長戦略を後押しするための予算も計上されています。
そこでこの記事では、令和7年度補正予算のうち、経済産業省が所管する中小企業・小規模事業者向けの主な補助金について、制度概要やポイントを解説します。
予算編成の基本方針

掲載ページ:内閣府 経済対策等
令和7年11月21日に閣議決定した「『強い経済』を実現する総合経済対策」では、次の3つの柱を掲げています。
第1の柱:生活の安全保障・物価高への対応
第2の柱:危機管理投資・成長投資による強い経済の実現
第3の柱:防衛力と外交力の強化
これらの柱を軸に、政府は賃上げ環境の整備やGXの推進、成長投資拡大に向けた環境整備などの内容を盛り込んでいます。
令和7年度補正予算では、こうした方針を踏まえて、今後、中小企業・小規模事業者を対象とした補助金の公募を順次行う見込みです。
令和7年度補正予算の概要

掲載ページ:財務省 令和7年度補正予算
財務省が公表している令和7年度補正予算の概要資料によると、同補正予算では、中小企業・小規模事業者をはじめとする賃上げ環境の整備に向けて、9,804億円の予算を計上しています。
その主な内容として、政府は「賃上げに向けた中小企業等の稼ぐ力の強化等」に8,410億円、「業務改善助成金による最低賃金引上げ対応支援」に352億円を充てています。

政府は、エネルギー・資源安全保障の強化や外交・安全保障環境の変化への対応に向けた予算を計上しており、特に外交・安全保障分野には16,560億円を配分しています。
【令和7年度補正予算】経産省所管の注目補助金とそのポイント
ここでは、経済産業省が所管する主な補助金の概要とそのポイントを解説します。解説する補助金名と補助対象となる事業は、次のとおりです。
| 補助金名 | 補助対象事業 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 中小企業等が行う、技術的革新性のある製品・サービスの開発や既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化に係る設備投資等 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 人手不足に悩む中小企業等が行う省力化投資 |
| 中小企業生産性革命推進事業 (デジタル化・AI導入補助金) |
中小企業等が行うIT導入やDXによる生産性向上 |
| 中小企業生産性革命推進事業 (事業承継・M&A補助金) |
中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、事業承継に際しての設備投資やM&A・PMIの専門家活用 |
| 中小企業生産性革命推進事業 (小規模事業者持続化補助金(通常枠)) |
小規模事業者等が自ら策定した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等 |
| 中小企業生産性革命推進事業 (中小企業成長加速化補助金) |
売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業が行う大胆な設備投資 |
| 中堅等大規模成長投資補助金 | 省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資 |
| 省エネ・非化石転換補助金(省エネ補助金) | エネルギーコスト高対応とカーボンニュートラルに向けた企業の投資 |
新事業進出・ものづくり補助金

出典:中小企業庁 ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業
掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算
「新事業進出・ものづくり補助金」は、中小企業等が行う、技術的革新性のある製品・サービスの開発や既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化に係る設備投資等を支援する制度です。
これまでの「中小企業新事業進出補助金」「ものづくり補助金」を統合し、ひとつの補助金として公募を行う予定です。
既存の「中小企業新事業進出補助金」は、令和8年2月17日から同年3月26日まで第3回公募の申請を受け付けます。
その後、第4回公募を行い、令和8年度以降は「新事業進出・ものづくり補助金」として公募を行う予定です。
一方、「ものづくり補助金」は、令和7年12月26日から令和8年1月30日まで22次締切分の申請を受け付けます。
その後、23次公募を実施したうえで、令和8年度以降は「新事業進出・ものづくり補助金」として公募を行う予定です。



中小企業省力化投資補助金


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「中小企業省力化投資補助金」は、人手不足に悩む中小企業等が行う省力化投資を支援する制度です。この補助金には、次の2つの申請類型があります。
1. カタログ注文型:年間を通じて随時申請可能
2. 一般型:令和8年2月上旬に第5回公募の申請受付を開始予定
第5回公募では、補助率や賃上げ要件などが変更されます。
主な変更後の内容は、次のとおりです。
・補助率:中小企業対象は一律1/2(要件を満たす場合のみ2/3)
・賃上げ対象となる従業員:基準年度および各事業年度で全月分の給与を支給された従業員
・給与算定方法:「給与支給総額」は廃止され、「1人あたり給与支給総額」のみを対象
・賃上げ率の基準:「事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上」から、一律3.5%に変更
・特例:アメリカの追加関税の影響を強く受ける事業者は考慮される可能性あり

中小企業生産性革命推進事業(デジタル化・AI導入補助金)


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「デジタル化・AI導入補助金」は、これまで実施してきた「IT導入補助金」の内容を踏襲し、IT導入やDXによる生産性向上を支援する制度です。
同補助金では、ソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費に加えて、一部の申請類型では要件を満たす場合に限りハードウェアの購入費用も補助対象になります。
「IT導入補助金」としての公募は、令和8年1月7日に終了しましたが、今後は準備が整い次第、「デジタル化・AI導入補助金」として新たに公募を開始する予定です。
制度内容は変更となる可能性があるため、申請を検討する際は最新情報をご確認ください。

中小企業生産性革命推進事業(事業承継・M&A補助金)


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「事業承継・M&A補助金」は、中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、事業承継に際しての設備投資やM&A・PMIの専門家活用費用等を支援する制度です。
令和7年11月28日に13次公募が終了しており、令和8年1月13日時点では、次回の公募スケジュールは未定です。
本補助金には、次の4つの申請枠があります。
1. 事業承継促進枠
2. 専門家活用枠
3. PMI推進枠
4. 廃業・再チャレンジ枠
このうち「専門家活用枠」では、今後、小規模事業者向けに「小規模売り手支援類型」を創設し、最大450万円を補助する予定です。

中小企業生産性革命推進事業(小規模事業者持続化補助金(通常枠))


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「小規模事業者持続化補助金(通常枠)」は、小規模事業者等が自ら策定した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等を支援する制度です。
令和7年11月28日に第18次公募が終了しており、令和8年5月から6月頃に第19次公募の申請受付を開始する予定です。
令和8年1月14日時点では大きな制度変更は公表されていませんが、申請を検討する際は必ず最新情報をご確認ください。

中小企業生産性革命推進事業(中小企業成長加速化補助金)


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「中小企業成長加速化補助金」は、売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業が行う大胆な設備投資を支援する制度です。
この補助金は工場・物流拠点の新設や増築など建物費にも活用できます。ただし、既存の老朽設備の入れ替えなど、生産能力の向上につながらない更新投資は対象外です。
令和7年6月9日に1次公募が終了し、今後、令和8年2月24日から同年3月26日まで2次公募の申請受付を行います。さらに、夏頃を目途に3次公募を実施予定です。
なお、申請要件のひとつとして、申請時までに「100億宣言」を公表する必要があります。
「100億宣言」とは、中小企業が自ら「売上高100億円」という目標を掲げ、その実現に向けた取り組みを行う意思を対外的に示す制度です。
補助金の申請を予定している場合は、事前に「100億宣言」の申請を済ませておきましょう。
「100億宣言」については、こちらの記事で解説しています。あわせてご一読ください。
▶「100億宣言」とは?実施のメリットや申請の流れを徹底解説
このほか、賃上げ要件として、補助事業の終了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が4.5%以上であることを満たした場合、審査の際に加点対象となります。

中堅等大規模成長投資補助金


掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
「中堅等大規模成長投資補助金」は、省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資を支援する制度です。
この補助金は「中小企業成長加速化補助金」と同様に、工場・物流拠点の新設や増築など建物費にも活用でき、補助上限額が最大50億円と非常に高額であることから、注目を集めています。
令和7年8月8日に4次公募が終了しており、次回の公募は令和8年春頃の予定です。
申請要件のひとつとして、これまで投資下限額は10億円としていましたが、新規公募分からは20億円となるためご注意ください。
なお、100億宣言企業に該当する場合は、投資下限額が15億円となります。
このほか、賃上げ要件として、補助事業終了後3年間における対象事業に関わる従業員等1人当たりの給与支給総額の年平均上昇率が5.0%以上の場合、審査時に加点対象となります(100億宣言企業に該当する場合は年平均上昇率4.5%以上)。

省エネ・非化石転換補助金(省エネ補助金)

掲載ページ:資源エネルギー庁 省エネ支援策パッケージについて
「省エネ・非化石転換補助金」は、エネルギーコスト高対応とカーボンニュートラルに向けた対応を同時に進めていくため、企業の投資を後押しする制度です。
令和8年1月13日にすべての公募が終了しており、令和8年1月13日時点では、次回の公募スケジュールは未定です。
この補助金には、次の4つの申請類型があります。
(Ⅰ)工場・事業場型
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型
(Ⅲ)設備単位型
(Ⅳ)EMS型

掲載ページ:資源エネルギー庁 省エネ支援策パッケージについて
今後の公募における変更点として、まず、(Ⅲ)設備単位型に「GXⅢ類型」を創設します。
「GXⅢ類型」に設ける「トップ性能枠」「メーカー強化枠」のうち「トップ性能枠」では、これまでの設備更新に加えて新設も補助対象とします。

掲載ページ:資源エネルギー庁 省エネ支援策パッケージについて
また、(Ⅰ)工場・事業場型では、「サプライチェーン(SC)連携枠」を創設します。

掲載ページ:資源エネルギー庁 省エネ支援策パッケージについて
このほか、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型では、水素対応設備への改造等を補助対象に追加し、水素対応設備の新設や併用を認めます。
ただし、詳細については変更の可能性がありますので、申請検討の際は最新情報をご確認ください。

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まとめ
この記事では、令和7年度補正予算のうち、経済産業省が所管する中小企業・小規模事業者向けの主な補助金について、制度概要やポイントを解説しました。
補助金の申請を検討する際は、必ず最新の公募情報や要件を確認したうえで、事業の維持・拡大にお役立てください。








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