※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
資材高騰や人手不足など、深刻な課題を抱える建設事業者は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした業況において、事業維持・拡大を支援するため、国や自治体は建設業の取り組みを支援する補助金を設けています。そこでこの記事では、大阪府の建設業でつかえる補助金を紹介いたします。
事業再構築補助金
類型 | 最低賃金枠 | 物価高騰対策 ・回復再生応援枠 |
産業構造 転換枠 |
成長枠 | グリーン成長枠 | サプライチェーン 強靱化枠 |
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エントリー | スタンダード | ||||||
対象 | 最低賃金引上げ の影響を受け、その原資の確保が困難な事業者 |
業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者、 原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者 |
国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者 | 成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーン の強靱化及び地域産業の活性化に資する 取組を行う事業者 |
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補助 上限 |
最大 1,500万円 |
最大 3,000万円 |
最大 7,000万円 |
最大 7,000万円 |
最大 8,000万円 (中堅1億円) |
1億円 (中堅1.5億円) |
最大 5億円 |
補助率 | 3/4 | 2/3 (一部3/4) | 2/3 | 1/2(大規模な賃上げ達成で2/3へ引上げ) | 1/2 |
参照:事業再構築補助金の概要 (中小企業等事業再構築促進事業)
事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援するものです。
新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築が補助対象となります。
出典:事業再構築補助金の概要 (中小企業等事業再構築促進事業)
建設事業者が申請できる事例として、上図のように土木造成・造園業を営む企業が自社所有の土地を活かしてオートキャンプ場を整備し、観光事業に新規参入することで新分野展開を行う例が挙げられます。
令和6年度以降、申請枠の再編等をはじめ内容変更の可能性があります。そのため、申請検討の際は、必ず事前に最新情報をご確認ください。
ものづくり補助金
枠・類型 | 補助上限額 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合 |
補助率 | |
省力化 (オーダーメイド)枠 |
5人以下 750万円(1,000万円) 6~20人 1,500万円(2,000万円) 21~50人 3,000万円(4,000万円) 51~99人 5,000万円(6,500万円) 100人以上 8,000万円(1億円) |
1/2※ 小規模・再生 2/3 ※補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円 を超える部分は1/3 |
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製品・サービス 高付加価値化枠 |
通常類型 | 5人以下 750万円(850万円) 6~20人 1,000万円(1,250万円) 21人以上 1,250万円(2,250万円) |
1/2 小規模・再生 2/3 新型コロナ回復加速化特例 2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 5人以下 1,000万円(1,100万円) 6~20人 1,500万円(1,750万円) 21人以上 2,500万円(3,500万円) |
2/3 | |
グローバル枠 | 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | 1/2 小規模 2/3 |
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するために取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。
➡大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例:補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者(給与支給総額 年平均成長率+6%以上等)に対して、補助上限額を100万円~2,000万円上乗せ (申請枠・類型、従業員規模によって異なる。新型コロナ回復加速化特例適用事業者を除く。)
ものづくり補助金は、令和5年度予算による直近公募回 16次公募が終了し、17次公募からは令和5年度補正予算による実施となります。これに伴い、申請枠・内容を新たにして上図の申請枠・補助上限額・補助率となりました。
なお、17次公募は省力化(オーダーメイド)枠のみの募集となります。
建設業においては、機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入費や試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費などが補助対象となります。
ただし、令和5年度補正予算実施分より、申請枠の新設等行われる予定です。申請検討の際は、必ず事前に最新情報をご確認ください。
採択事例
過去の採択事例から、大阪府における建設業の事例を紹介します。
所在地 | 大阪府大阪市 |
従業員数 | 約110名 |
事業計画概要 | 破砕機の導入による破壊業務の効率化と廃材の再資源化によるCO2削減 |
補助金の早期受け取りサービス”前ほじょくん(ものづくり補助金限定)
前ほじょくんは、「補助金申請したいが補助事業を自己資金で行うことが難しい」「採択されたが資金調達先を探している」といった課題を抱える事業様向けの補助金早期受け取りサービスです。
交付決定後に、補助金を受け取れる権利を債権化し、弊社と提携している大手金融機関の関連会社がその債権を“買い取る”というスキーム(=ファクタリング)で、補助事業実施前に事業者様に買い取り額をお支払いします。
なお、2024年9月現在ものづくり補助金に限定したサービスです。
サービスの詳細は下記記事をご覧ください。
IT導入補助金
申請類型 | 補助対象経費 |
補助上限額 |
補助率 |
通常枠 |
ITツール |
150〜450万円 |
1/2 |
複数社連携IT導⼊枠 |
①インボイス枠の対象経費と同様 |
①+②+③ |
1/2 〜 4/5 |
インボイス枠 |
ITツール (会計ソフト、受発注システム (※1)、決済ソフト) |
下限無し 50万円 |
3/4 4/5 |
350万円 | 2/3 | ||
PC・レジ・券売機 等 | 10〜20万円 | 1/2 | |
セキュリティ対策推進枠 |
サイバーセキュリティお助け |
100万円 |
1/2 |
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する支援制度です。
建設事業者が要件を満たすITツールを導入する場合、サービス利用料やPC・タブレット端末等の購入費用などが補助対象となります。
インボイス制度に対応した受発注システムやサイバーセキュリティ強化のためのシステムも対象となるため、自社の体制強化・生産性向上にご活用いただけます。
ただし、令和5年度補正予算実施分より、申請枠の名称変更・一部補助率の拡充が行われる予定です。申請検討の際は、必ず事前に最新情報をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金
類型 | 通常例 | 賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 |
補助率 | 2/3 | 2/3 (赤字事業者については3/4) |
2/3 | ||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | |||
インボイス特例 | 50万円 ※インボイス特例の要件を満たす場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せ |
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するものです。
建設業の場合、補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費用やパンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費などが補助対象となります。
免税事業者が適格請求書発行事業者への転換を行う場合、要件を満たしていれば補助上限額に50万円の上乗せが行われます。
本補助金は令和5年度補正予算においても実施される予定です。令和5年度12月現在、内容変更の発表はありませんが、申請検討の際は必ず最新情報をご確認ください。
採択事例
過去の採択事例から、大阪府における建設業の事例を紹介します。
【事例1】
所在地 | 大阪府寝屋川市 |
従業員数 | 約65名 |
事業計画概要 | 住宅リフォーム事業への進出と足場資材の初期設備投資 |
【事例2】
所在地 | 大阪府大阪市 |
従業員数 | 約40名 |
事業計画概要 | コンテナ導入で業務効率向上、売上UP新規顧客開拓をする事業 |
【事例3】
所在地 | 大阪府和泉市 |
従業員数 | 約40名 |
事業計画概要 |
多様なニーズの対応に対応する建設機械の導入事業 |
MICE誘致・開催に関する支援制度
大阪観光局がMICE誘致・開催の成功に向けてさまざまな支援を提供するものです。建設事業者が国際会議を誘致・開催する場合に活用可能な制度です。以下のとおり、本制度には主に、以下3つの助成金があります。
国際会議誘致開催助成金
大阪が開催地候補で競合都市のある国際会議を対象に開催経費の一部を助成します。助成を受けるには、会期3日以上・総参加者数300名以上といった要件を満たす必要があります。
助成の諾否、助成限度額については大阪観光局内での協議により決定されるため、申請の際は事前に公募ページに掲載されているお問合せフォームからお問合せください。
ハイブリッド開催支援助成金
大阪府内でMICEをハイブリッドで開催する主催者に対し、大阪府内の施設で開催するハイブリッドMICEに要する経費のうち、オンライン配信にかかる経費(機材使用料、設置工事費、オペレーター人件費、WEB環境構築費、映像編集費、配信専用会場使用料の助成を行います。
ただし、会期2日以上・会場参加者数が50人以上かつオンライン参加者数が200人以上等の要件を満たす必要があります。
助成率:助成対象経費の1/2
助成限度額:1開催当たり50万円または、MICE開催に係る支出が本助成金を除いた収入を上回る場合の差額のいずれか低い額
万博を契機としたOSAKA国際会議助成金
万博開催に向けて、万博のインパクトを活かし、大阪が強みを有する分野などにおいてイノベーションの創出や産業競争力の強化などにつながる国際会議を大阪府内で数多く開催できるよう、助成対象事業の要件を満たす国際会議を誘致し開催しようとする団体に対し、国際会議の開催支援助成および有地支援助成を行います。
助成率:助成対象経費の1/2
助成限度額:一開催につき、以下の別表に掲げる総参加者数ごとの上限額又は国際会議開催に係る支出から本助成金を除いた収入を差し引いた後の差額のいずれか低い額を限度額とします。
出典:公益財団法人 大阪観光局 MICE推進部 万博を契機としたOSAKA国際会議助成金の対象事業を募集します!
MICE誘致・開催に関する支援制度では、紹介した助成金のほか、誘致に向けた戦略策定や誘致活動をサポートする誘致支援、広報活動やガイドブック・ガイドマップの提供・ボランティア手配サポートといった運営サポートを行う開催準備・運営支援の体制が整えられています。
参照:公益財団法人 大阪観光局 MICE推進部 主催者へのご支援
資格取得等人材育成支援事業補助金(NEXTステージ総合支援事業)
本補助金は、コロナ禍等の影響を受け、離職(求職)期間が長引いている方や非正規雇用で長期間働いている方等を対象に、府内人材不足企業への正規雇用につなげるとともに、求職者を雇用した事業主に対して、資格取得等を目的とした研修など、人材育成に資する取組みに必要な費用の一部を補助することで、新規雇用者の職場定着を支援するものです。
人材不足に悩む中小企業を支援する目的で、令和5年4月1日から令和6年2月20日までの間に開始・完了し、就業に必要な資格取得等をめざす社内研修又は社外研修が補助対象となります。
建設業も対象となり、上記に該当する研修を実施する場合、補助を受けることができます。
補助率・補助額:
・研修の実施に係る費用:
ア)補助対象経費の合計額×1/2以内
イ)研修日数×8,000円
上記ア、イのうち低いほうを採択
研修日数は20日が上限のため、補助金の上限は160,000円
・研修を受けた被雇用者に係る賃金相当額:
1時間当たり1,100円×研修時間数(1時間未満の端数は切り捨て)
補助対象となる研修時間数は1日あたり8時間、20日が上限となるので、補助金の上限は176,000円
参照:大阪府 大阪府資格取得等人材育成支援事業補助金(NEXTステージ総合支援事業)
まとめ
大阪府の建設業で活用いただける補助金を紹介しました。
長引く物価高騰や今後さらに課題となる人材確保・育成などの一助として、ぜひ、補助金の活用をご検討ください!
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