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最新公募要領リリース!事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠)を徹底解説

公開日 2021/09/24
更新日 2024/09/06
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※記事内容は記事更新日時点の情報になります。最新の情報は必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和6年7月1日に、事業承継・引継ぎ補助金 10次公募の申請受付が開始となりました。

 

これまでの公募では3つの申請枠で公募が行われましたが、10次公募は「専門家活用枠」のみ実施されます。

 

そこでこの記事では、事業承継・引継ぎ補助金 10次公募(専門家活用枠)について解説します。 ※令和6年8月29日更新:10次公募採択結果が公表されましたので後述します。

事業承継・引継ぎ補助金とは?

事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しすることを目的とした補助事業です。従来は以下、3つの事業で構成されています。

  1. 経営革新枠
  2. 専門家活用枠
  3. 廃業・再チャレンジ枠

ただし、10次公募においては「専門家活用枠」のみの公募となります。「専門家活用枠」では、M&Aによる経営資源の引継ぎを支援するため、M&Aに係る専門家等の活用費用を補助します。

◆「経営革新事業」「廃業・再チャレンジ枠」の詳細については、別記事で解説しております。あわせてご参照ください。

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事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)10次公募の変更点

10次公募は専門家活用枠のみの実施であることから、公募要領において、他申請枠との「併用申請」に関する記述が削除されています。

そのほか、9次公募からの主な変更点は以下の通りです。

交付決定事業者の公表に関する文言変更

10次公募の公募要領では、交付決定となった事業者の公表について、以下のように変更されています。

交付決定された事業者においては、補助対象事業の特性に鑑みて事業者の特定に繋がらな
いよう配慮しながら、交付決定金額等が外部に公表される。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 10次公募 公募要領

変更前は「中小企業庁や事務局の設置する事業承継・引継ぎ補助金Webサイト等での個別の交付決定となった補助対象者の公表を行わない。」とされていました。

 

上記の変更によって、一部の情報が公表されることとなります。

「遂行状況の報告」の削除

9次公募の公募要領に「交付決定後の注意」として記載されていた、「遂行状況の報告」に関する以下の文章が削除されました。

(5) 遂行状況の報告
補助事業期間において、事務局より補助事業の遂行状況について確認する場合がある。事務局から指示があった場合は、jGrants を通じて「様式第 4 状況報告書」による報告を実施すること。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 9次公募 公募要領

補助対象経費について

補助対象経費の支払いについて、(補助対象者ではなく)補助事業者名義による「補助事業者の事業用口座からの銀行振込」または「クレジットカード 1 回払い」のみ対象である旨が明記されました。

これまで「事業用」の記載はありませんでしたが、9次公募から明記されています。なお、あわせて以下の文言が追記されています。

必ず補助事業者名義の口座から支払を実施してください。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 9次公募 公募要領

事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠) 概要

続いて、専門家活用枠の概要をお伝えします。

専門家活用事業の類型

専門家活用事業の類型は、次の2つに分類されます。

■買い手支援型(Ⅰ型)
事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り受ける予定の中小企業等を支援する類型。

■売り手支援型(Ⅱ型)
事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り渡す予定の中小企業等を支援する類型。

どんな人が支援の対象になるの?

補助対象者の主な要件は以下の通りです。

(1)日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
(2)反社会的勢力との関わりがないこと。
(3)法令遵守上の問題を抱えていないこと。
(4)事務局から質問及び追加資料等の依頼があった場合は適切に対応すること。
(5)事務局が必要と認めるときは、事務局が補助金の交付申請ほか各種事務局による承認及び結果通知に係る事項につき修正を加えて再度通知することに同意すること。
(6)申請その他本補助金の交付にあたり負担した各種費用について、いかなる事由においても事務局が負担しないことについて同意すること。
(7)経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていないこと。
(8)補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること。
(9)事務局が求める補助対象事業に係る調査やアンケート等に協力できること。
(10) ファイナンシャルアドバイザー(以下、「FA」という)・M&A 仲介費用を補助対象経費とする場合は、事務局から M&A 支援機関登録制度事務局に対し情報提供すること及び登録 FA・仲介業者により、M&A 支援機関登録制度事務局に対し実績報告がなされることに同意すること。

補助対象事業

補助対象事業となる経営資源引継ぎは、被承継者と承継者の間で事業再編・事業統合が着手もしくは実施される予定、または廃業を伴う事業再編・事業統合が行われる予定であることとし、下図「経営資源引継ぎ形態に係る区分整理」で定める形態が対象です。

なお、「補助対象者」と「経営資源引継ぎの形態」によって、「交付申請類型番号」と「実績報告類型番号」が振り分けられています。申請の際は、ご自身の該当する類型番号をご確認ください。

(注 1)被承継者が法人又は個人事業主であること
(注 2)共同申請の場合
(注 3)個人事業主を含む

出典:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 10次公募 公募要領

補助対象経費

補助対象となる経費は、以下の通りです。

タイプ 補助対象経費の区分

買い手支援型(Ⅰ型)

謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料、廃業費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用

売り手支援型
(Ⅱ型)

出典:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 10次公募 公募要領

補助上限額、補助率等

補助金上限額に関して、「売り手支援型」には廃業費用が上乗せされます。

類型 補助率 補助上限額 上乗せ額(廃業費)
買い手支援型(Ⅰ型) 2/3以内 600万円以内
売り手支援型(Ⅱ型) 1/2⼜は2/3以内 +150万円以内

参照:事業承継・引継ぎ補助金 公式HP 10次公募 公募要領

手続きの流れ

【事前準備】
・補助対象事業の確認
・認定経営革新等支援機関へ相談
・gBizIDプライムの取得

【交付申請】
・交付申請
・審査の後、交付決定通知

【事業実施】
・補助対象事業実施
補助事業期間は、令和6年11月22日でです。

【事業完了】
・事業完了後に実績報告

【補助金交付】
・確定検査、補助金交付

【補助金交付後】
・事業化状況の報告等

交付申請に必要書類

補助金交付申請書(jGrants 上の申請フォーム)を jGrants にて提出してください。
交付申請類型番号毎に必要な書類が異なるため、詳細は、公募要領にてご確認ください。

なお、交付申請は jGrants での提出となるため、以下に示す必要書類は原則 PDF 形式での提出が必要です。

事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)10次公募 スケジュール

申請受付期間 令和6年7月1日(月)~ 令和6年7月31日(水)17:00まで
交付決定日 令和6年8月末~9月初頭(予定) → 令和6年8月29日(木)に公表されました。
事業実施期間 交付決定日~令和6年11月22日(金)
実績報告期間 令和6年8月29日(木)~令和6年11月25日(月)※原則
補助金交付手続き 令和6年12月中旬以降(予定)

問い合わせ先

事業承継・引継ぎ補助金 Web サイト(専門家活用枠)
https://jsh.go.jp/r5h/experts/

事業承継・引継ぎ補助金事務局(専門家活用)
050 – 3000 – 3551
受付時間:10:00~12:00、13:00~17:00 (土・日・祝日を除く)

採択率

令和6年8月29日に10次公募の採択結果が公表されました。結果は以下のとおりです。
※10次公募は専門家活用枠のみでの実施

専門家活用枠:2024年7月1日~2024年7月31日

申請 518件、採択 321件 (うち、専門家活用枠 318件、廃業・再チャレンジ枠(併用)3件)、採択率 約62.0%

公式HP:https://jsh.go.jp/r5h/adoption-result/
中小企業庁HP:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2024/240829shoukei_saitaku.html

採択事例

これまでに採択された事例の一部を紹介します。

専門家活用×買い手支援型

①卸売業・小売業:弊社は薬局の経営を行っている会社であり、昨今の新型コロナウイルスに影響で一時よりは持ち直しているものの、当初の計画より売上2割減くらいの状況が続いている。既存の薬局に関しては、新型コロナの影響が大きい耳鼻科クリニックに通院する患者をメインターゲットにしているが、引継予定である薬局は新型コロナの影響が少ない整形外科病院の患者さんがメインターゲットとなっている。引継予定となる店舗は、人口減の過疎地域に立地しており、後継者となる薬剤師がいないことから、廃業も視野に入れて別の会社で引き継いでくれる先を探していたところ、弊社と秘密保持契約を締結している仲介業者が情報を入手し、交渉を引き続き進めている。交渉中の店舗を引き継ぐことで、地域経済の活性化に貢献するのみならず、今まで店舗を利用していた患者さんが、遠くに足を運ばなくてはならないということを防ぐ点から今回の引継ぎは非常に大きな必要性を感じる。
対象会社の経営資源を引き継ぐことで、対象会社は経営課題であった薬剤師の雇用や取引先との取引を維持することができ、高い水準での売り上げの安定化を図ることができると考える。弊社についても定期的に病院患者さんからの売上が見込めることによって、既存の薬局の事業展開が可能になると考える。従来は既存の薬局は近隣のクリニックに通院している患者さんをターゲットにして、収益の安定化を図っていたが、高い水準で収益の安定が見込める店舗を引き継ぐことで、既存の店舗は近隣のクリニックのみならず、介護施設やサービス付き高齢者向け住宅への在宅訪問の事業展開を行うことができる。外来よりも在宅訪問のほうがよりお客様単価が見込めるため、利益の質の向上につながり、地域密着型の高水準のサービスを提供する薬局として拡大していく。

専門家活用×売り手支援型

②建設業:当社は戸建住宅の解体工事業を行っており、上場系企業との厚い取引を背景に安定した収益を上げている。現在設立より4期目を迎え、業容も順調に伸張しているものの中長期的な目線に立ち、当社の人員構成や事業環境等に鑑みる中で、大手他企業と提携しているみるのも一案ではないかと考え、取引行に相談をおこなった。その後、取引行より当社から車で20分程度の位置に本社を構える会社の紹介を受け、買い手候補先の社長とも面談を実施した。面談を通じ、相手先は注文住宅の建築から公共工事、高齢者向け施設の建築等を行う総合建築業者であり、当社事業との親和性も高く、相乗効果も大いに得られるのではないかと考えた。自身も仮に本事業が成就した後も社内に残り、取引先や外注先との関係性維持を図っていく予定である。

引用:事業承継・引継ぎ補助金 事例集(令和3年度当初予算 事業承継・引継ぎ補助金)

全国:中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金/10次締切
【10次公募について】  ・対象枠:専門家活用枠 ※経営革新枠、廃業・再チャレンジ枠(単独申請)は当公募回では設けません ・公募期間:2024年7月1日(月)~ 2024年7月31日(水)17:00まで ※事業期間が大変短くなってお...

まとめ

事業承継・引継ぎ補助金 10次公募の変更点と概要を解説しました。

事業承継をお考えの方は、本補助金をぜひご活用ください。

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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