外食産業向け・業態転換等補助金の概要と要件、補助率などを解説!!

公開日 2022/07/11
更新日 2022/07/11
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新型コロナウイルス感染拡大は第7波が懸念され、エネルギー資源不足に伴う物価高の影響など、まだまだ予断を許さない社会・経済状況が続き、多くの飲食店はなお厳しい経営環境にあります。

このたび、政府(主管:農林水産省、事務局:㈱日本能率協会コンサルティング〔JCMA〕)では、令和4年度における外食産業向け・業態転換等補助金の公募を行っています。

これについて詳しく解説します。

参照:農林水産省(業態転換等支援事業)

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事業再構築補助金

公募概要

この補助金は、新型コロナウイルスの影響により経営環境が悪化した飲食店が、今後の事業継続および需要喚起のために行う業態転換(新メニュー開発、感染防止策の強化を前提とした提供方法の見直し、テイクアウト・デリバリーなど)に対する取り組みを支援するものです。

このうち、外食産業への普及推奨モデルになると判断される取り組みについては、優先的に採択・公表を行います。

補助対象事業

この支援事業で補助対象となる事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の防止を図りつつ、感染状況が厳しい中でも事業継続が可能となる業態転換に関する計画となります。

具体的な事例として、以下の例が挙げられます。

現在扱っている商品・サービスの内容を変える

(例)

  • 感染症対策に留意して、お一人様向け業態に変える
  • テイクアウト・デリバリー用のメニューを開発する
  • 店舗内食材の在庫を有効活用するため、通販向け商品を開発する など  

商品・サービスの提供方法を変える

(例)

  • イートインからテイクアウトに商品の提供方法を変えるため、受渡窓口を設置する
  • 自動販売機(冷蔵・冷凍)を導入し、従来の営業時間外にも商品を販売する
  • 店舗での人気商品をECサイトで全国に販売する など  

応募事業者の要件

本事業に応募できる事業者は、業態転換等事業実施者(飲食店事業者)となりす。
なお、応募にあたっては、1団体以上の共同事業者との申請が必要となります。

業態転換等事業実施者

以下の①~④すべての要件を満たすものとします。

①各都道府県における第三者認証制度の認証を取得している飲食店(食品衛生法(昭和22年法律第233号)第55条第1項に基づく「飲食店営業」または「喫茶店営業」の許可を得ている飲食店を営む者)であること。

※第三者認証制度の認証取得については、申請中であれば可とします。
※風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第4項の「接待飲食等営業」を営む飲食店は対象外とします。
※また、以下は対象外とします。

ア 法人格のない任意団体(ただし、申請時に法人であり、任意団体として確定申告をしている場合は申請可能)
イ 収益事業を行っていない法人
ウ 運営費の大半を公的機関から得ている法人
エ 政治団体
オ 宗教法人

② 新型コロナウイルス感染症拡大以前(令和元年12月31日)から現在(申請時点)まで飲食店としての事業活動を営んでおり、飲食店事業における令和元年度と令和3年度の売上高を比較したときに、5%以上売上高が減少していること。

※飲食店事業以外の事業も営んでいる場合、飲食店事業を区分経理していることが要件です。

③以下のいずれかの要件を満たすこと。

ア 資本金5千万円以下、または従業員数が50人以下であること。
イ 資本金の額または出資の総額が10億円未満(資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数が2,000人以下)の法人(アに該当する者を除く)であること。

④同じ応募内容で本事業以外の他の国庫又は公費による補助等※の交付対象者又は交付候補者となっていないこと。
(他の補助等への応募段階である場合には、本事業に応募することは差支えありません。)

※農林水産省だけでなく、他省庁、地方公共団体等の補助金、委託費、交付金等を含みます。

共同事業者

コンサルタント、金融機関、中小企業診断士、機械・機器・システムの製造・販売業者、施設・設備の建設・施工業者、飲食関連サービス提供者及び資本関係にない他の飲食店等であって、業態転換等による経営成果をより高めるために、業態転換等事業実施者と共同して事業の計画及び実施内容の検討、実施・報告支援を行う事業者であることが要件です。

補助対象経費

補助対象となる経費は下記のとおりです。

  • 建物費:補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫など建物の建設・改修に要する経費  
  • 機械装置・システム構築費:専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費  
  • 技術導入費:本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費  
  • 専門家派遣費:本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費  
  • 運搬費:運搬料、宅配・郵送料等に要する経費  
  • 外注費:本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注する場合の経費  
  • 広告宣伝・販売促進費:本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費  
  • 研修費:本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費  
  • その他の経費:本事業を行うために必要と認められる、上記に含まれない経費
  • 委託費:本事業を遂行する上で、特殊な知識・技術等を必要とする場合に、事業の一部を、能力を有する第三者に委託する経費

補助率、補助金下限・上限の金額

本事業における補助率と補助金額は次のとおりです。

 補助率: 1/2以内

 補助金: 上限1,000万円以下
      下限100万円以上
      総事業費200万円以上のものを対象とします。

※応募内容を審査し、補助事業者を採択するため、全ての応募事業者が補助対象になるわけではありません。
※採択数、事業計画内容等によって補助金額が確定するので、1事業者あたりの上限金額を約束するものではありません。

公募受付期間

2022年6月15日(水)~8月1日(月) 17時必着

※持ち込みでの提出は受け付けません。
※宅配便や書留など、発送履歴が追えるもので書類を送付する必要があります。

問合せ先、応募送付先

 〒105-0011 東京都港区芝公園三丁目1番22号 日本能率協会ビル7F
株式会社日本能率協会コンサルティング R4 外食業態転換事業 事務局 
   mail : eat_jmac@jmac.co.jp
  電話:業態転換等支援事業専用ナビダイヤル:0570-067766(平日および土曜日 9:00~17:00)

公募要領、記入様式

詳細は下記を参照ください。

参照:㈱日本能率協会コンサルティング〔JCMA〕

全国:令和4年度 外食産業事業継続緊急支援事業のうち業態転換等支援事業/2次公募
新型コロナウイルスの影響により経営環境が悪化した飲食店が、今後の事業継続及び需要の喚起のために行う業態転換等(新メニュー開発、感染防止策の強化を前提とした提供方法の見直し、テイクアウト・デリバリー等)の取組を支援します。また、外食産業への普...

気になる採択率は?

本事業における採択件数や採択率が気になるところですが、今回の支援施策は初回のため、過去の採択率等に関するデータはありません。公募締め切り後に別途公開される予定ですが、現在公募中のため、採択率を確定させるのは困難です。

そこで、過去における類似の補助金事例から類推してみます。

類似の補助金における採択率

まず、飲食店の業態転換を支援する目的にも合致している、事業再構築補助金(第5回)の採択率(本年6月9日確定)をみると、飲食店を含む「宿泊業・飲食サービス業」での採択率は約52.1%となっています。

参照:事業再構築補助金サイト

また、これも飲食店を含む、小規模事業者持続化補助金(一般型・第7回)における全業種での採択率(本年4月27日確定)は69.8%でした。

参照:小規模事業者持続化補助金サイト

一般的に、補助金における採択率の平均は40%~50%といわれているので、今回の採択率もその前後を想定しておくと大きな乖離はないものとみられます。

東京都における類似の支援助成金

東京都(主管:公益財団法人・東京都中小企業振興公社)が令和2年4月以降、継続的に実施している、同様の趣旨の支援があります。こちらは現在、24回目の公募が行われており、採択事業者数が公表されています(10,100事業者)。

ただし、これは補助金ではなく助成金のため、申請に瑕疵(かし)がなく、正当に審査されれば採択される性質のものなので、単純な比較はできません。

参照:東京都中小企業振興公社

https://biz.stayway.jp/hojyo_detail/2090/

最後に

外食産業向け・業態転換等補助金の概要と採択状況などについて詳しく解説しました。
厳しい経営状況が続く飲食店ですが、この支援策を活用し、事業の継続・拡大を目指していただきたいものです。

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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