※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
医療機器や医療設備等の導入には高額な費用が発生しますが、補助金や助成金の活用によって、この費用を抑えることができます。
そこでこの記事では、医療機器・医療設備等の導入に使える補助金・助成金を紹介いたします。
IT導入補助金2025
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
医療法人の場合は、常時使用する従業員が300人以下であれば申請可能です。
補助対象経費・補助上限額・補助率
出典:IT導入補助金2025 チラシ
掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧
主な補助対象経費は、事前に事務局の審査を受け、公募ページに登録・公開されているITツールのハードウェア購入費やソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)などです。また、相談対応等のサポート費用等も補助対象に含まれます。
補助上限額、補助率は申請枠によって異なり、最大450万円/者、補助率は1/2から4/5です。

電子処方箋管理サービス等関係補助金
オンライン資格確認等システムを導入した上で、電子処方箋管理サービスを導入することを前提に、電子処方箋管理サービスの導入に必要となるHPKIカード等のICカードリーダー等の購入、電子処方箋管理サービスの導入に必要となるレセプトコンピューター及び電子カルテシステム等の既存システムの改修、電子処方箋管理サービス等の導入に附随する保険医療機関等職員への実地指導等を支援する制度です。
補助対象経費・補助額・補助率
補助対象経費:以下の実施にかかる費用
・HPKIカード等のICカードリーダー等の購入、導入
・医療機関の電子カルテシステム等の主な改修
・薬局の薬局システムの主な改修
・ネットワーク環境の整備
・事業者から医療機関・薬局職員への電子処方箋管理サービス等の導入に関する指導に係る経費
補助額・補助率:以下のとおり、導入したサービス等により異なります。
<通常の電子処方箋管理サービスのみを導入した場合>
<通常の電子処方箋管理サービス+新機能を導入した場合>
<新機能のみを導入した場合>
出典:社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会 電子処方箋管理サービス等関係補助金の申請について

電子カルテ情報共有サービスの導入に係る補助金
オンライン資格確認等システム及び電子処方箋管理サービスの運用を開始した上で、電子カルテ情報標準規格準拠対応機能の導入を行うことを支援する制度です。
既にオンライン資格確認等システム及び電子処方箋管理サービスを導入した病院において、 電子カルテ情報共有サービスに接続することを前提に、電子カルテ情報・文書を FHIR に 基づいた形式に変換し、電子的に送受信するために必要な改修等を支援します。
※FHIRは「Fast healthcare Interoperability Resources」の略で、一般的なWeb技術を用いて医療情報をやり取りできる医療情報交換のための実装しやすい新しい標準規格です。
補助対象経費・補助額・補助率
補助対象経費:電子カルテ情報共有サービスに接続することを前提とし、
1. 6情報および各文書を、FHIRに基づいた形式に変換し、医療機関システムと電子カルテ情報共有サービス間で電子的に送受信する機能を、電子カルテシステム等に導入する際にかかる費用
2. (健診部門システム導入済の医療機関の場合)健康部門システムと電子カルテシステムの連携費用
補助額・補助率:病院(20床以上)において、以下の補助率及び上限額で補助を行います。
出典:社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会 電子カルテ情報共有サービスの導入に係る補助金

医療施設等経営強化緊急支援事業(地域連携周産期支援事業(産科施設))
医療施設等経営強化緊急支援事業のうち地域連携周産期支援事業(産科施設)では、妊婦健診を含む外来診療等に必要なスペースの設置または改修や診察台・超音波診断装置等の整備などに対して助成を行います。
補助対象者は、要件を満たす病院及び診療所等です。要件の詳細につきましては、公募要領にてご確認ください。
なお、本事業は令和7年度に予算繰り越しを行う予定ではあるものの、令和7年度事業とするかは未定となっておりますので、申請検討の際は必ず最新情報をご確認ください。
助成対象経費・助成額・助成率
妊婦健診を含む外来診療等に必要な診察台、超音波診断装置等の整備に関する助成対象経費は、妊婦健診を行う産科医療施設として必要な医療機器購入費です。
交付額は、次のアからイによって算出された額となります。
ア. 基準額 1施設当たり727.9万円と対象経費の実支出額とを施設ごとに比較して少ない方の額を選定する。
イ. 上記(ア)によって選定された額の合計額と総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に2分の1を乗じて得た額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額の合計額を交付額とする。

業務改善助成金
医療機器など生産性向上に資する設備投資などを実施して業務改善を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、その業務改善に要した経費の一部を助成する制度です。
医療機関の場合、以下AまたはBを満たし、その他要件を満たす場合に申請可能です。なお、医療法人も申請することができます。
要件の詳細につきましては、公募要領にてご確認ください。
A. 資本金または出資額:5,000万円以下
B. 常時使用する労働者:100人以下
助成対象経費・助成額・助成率
掲載ページ:厚生労働省 令和7年度厚生労働省所管予算概算要求関係
本助成金では、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、医療機器をはじめ設備投資などを行った場合にかかった費用の一部を助成します。
・助成率:設備投資等に要した費用の3/4~4/5
・上限額:引き上げる賃金額および引き上げる労働者数に応じて30万円~600万円

働き方改革推進助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
働き方改革推進助成金のうち労働時間短縮・年休促進支援コースは、生産性を向上させ、労働時間の削減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備を支援する制度です。
「成果目標」の達成状況に応じて、「助成対象となる取組」の実施に要した経費の一部を助成します。「成果目標」として、以下の項目から1つ以上を選択のうえ、達成を目指して取組を実施する必要があります。
<成果目標>
1. 月60時間を超える36協定の時間外・休日労働時間数の縮減
2. 年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入
3. 時間単位の年次有給休暇制度と、交付要綱で規定する特別休暇を1つ以上新規導入
上記1から3の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上5%以上または7%以上引き上げることを成果目標に加えることができます。
<助成対象となる取組>
次のいずれか1つ以上を実施することが必要です。
1. 労務管理担当者に対する研修
2. 労働者に対する研修、周知・啓発
3. 外部専門家によるコンサルティング
4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
5. 人材確保に向けた取組
6. 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・ 更新
7. 労働能率の増進に資する設備・機器などの 導入・更新
医療機関も申請可能で、医業に従事する医師が勤務する病院、診療所については常時使用する労働者数が300人以下の場合、かつ、その他要件を満たす場合は申請できます。
助成対象経費・助成額・助成率
出典:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
助成対象経費は、助成対象となる取組にかかる費用です。
助成上限額は、以下のいずれか低い方の額となります。
(1)成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×助成率3/4
常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から7を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の助成率は4/5となります。
※5:成果目標1から3の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上5%以上または7%以上引き上げることを成果目標に加えることができます。
※7:常時使用する労働者数が30人以下の場合は、達成した成果目標の助成上限額に、成果目標1の上限額の表の2倍の上限額が加算されます。
※8:賃上げ額そのものを助成するものではありません。
参照:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

まとめ
この記事では、医療機器・医療設備等の導入に使える補助金・助成金について紹介いたしました。
生産性向上・人手不足対策の一環として医療機器等の導入に際して補助金や助成金を活用することで初期費用を抑えることができます。
医療機器・設備等の導入時はぜひ、これらの活用もあわせてご検討ください!
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