新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの中小企業が厳しい経営環境に直面していますが、こうした事業者を支援する目的で運営されているのが事業再構築補助金です。
申請に当たって頼りとなるのが「認定支援機間」の存在ですが、各地域別の採択率に着眼してランキングを作成しました。
今回は富山県を取り上げて解説します。
事業再構築補助金の概要
事業再構築補助金は、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて苦境に立っている企業を支援する目的で、政府(主管:経済産業省・中小企業庁)が運営する補助金です。
補助金額も大きく、事業継続・拡大へ向けて事業を再構築する企業は、条件によって100万円~1億円の補助金を受け取ることが可能です。
参照:中小企業庁
認定支援機関とは
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上あり、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関など)のことを指します。
認定支援機関の役割
事業再構築補助金は、国が、再構築する事業の未来に投資する趣旨の補助金なので、厳しい審査があり、中でもポイントとなるのが事業計画書の作成です。
事業計画書では、幅広い視点で論理的に再構築する事業が成功する旨を説明する必要がありますが、こうした書類の作成などにあたってサポート・アドバイスを実施するのが認定支援機関です。
優良な認定支援機関を選定することで、補助金申請から事業成功までの可能性が高まります。
認定支援機関を選ぶ際のポイント
優良な認定支援機関を選定する際の主なポイントは下記のとおりです。
- 補助金を申請する事業者が上質な事業計画書を完成させるようサポートできること
- 外部機関として、幅広い視点から的確なアドバイスを実施できる知識と実績があること
- 申請が採択されるための最新情報・トレンドを事業計画書に反映させる力量があること
- 不採択例なども研究し、対策を講じていること
- 申請者と信頼関係を築き、長期間に渡って事業が成功するまでサポートする気概をもっていること
認定支援機関の見分け方4選!
採択率の状況
事業者が事業再構築補助金を申請する際、認定支援機関を選択するための基準があります。
認定支援機間ごとに採択実績などを公開しており、採択件数などを誇示する事業者もありますが、中でも最も重要なのが「採択率」です。
採択率が高ければ、認定支援機関の実力として正しく評価されます。
ちなみに、事業再構築補助金における過去4回の全体の採択状況は次のとおりです。
- 1次公募(2021年6月16日発表):応募5,181件・採択2,866件 採択率55.3%
- 2次公募(2021年9月2日発表):応募20,800件・採択9,336件 採択率44.9%
- 3次公募(2021年11月30日発表):応募20,307件・採択9,021件 採択率44.4%
- 4次公募(2022年3月3日発表):応募19,673件・採択8,810件 採択率44.8%
全体としてみると、2次公募以降の採択率は概ね44%強という状況です。
富山県の認定支援機関ランキング
次に、富山県における認定支援機関について、一定の採択実績を有した上で「採択率」に注目してランキング上位を挙げてみます。
ランキング対象:採択事業者数が10以上で、採択率の高い順に5機関を選定
出典:認定支援機関検索システム(中小企業庁)
富山県における認定支援機関の実績状況
富山県における、認定支援機関別の事業再構築補助金支援実績をみると、1次~4次公募までの合計で実績を有する機関は91、うち10件以上の支援実績(採択数)を有する機関は65ありますが、同一機関で複数支店(富山県商工会連合会の31、高岡信用金庫の22など)登録があるため、実質的な支援実績機関は12となります。
採択数をみると、富山県でも他地域と同様、株式会社商工組合中央金庫が342件(支援した数は742件)となっています。同機関は全地域で同様の公表を行っており、データも同一のため、地域性からは以後除外します。
このため、富山県における採択数の実質トップは株式会社北陸銀行の153件(支援数312、採択率49.0%)という状況です。
※:2022/4/17現在の状況
富山県の上位5機関ランキング
通算の支援実績(採択数)と採択率を組み合わせた、富山県でのランキング上位5機関は次のとおりです。
株式会社Stayway(代表取締役佐藤淳)
- 所在地:全国対応
- 属性:公認会計士
- PRセールスポイント:自身も事業会社を経営しており、補助金や融資の獲得を行っているため、経営者の目線でのサービス提供が可能
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、経営改善、事業承継、M&A、事業再生、情報化戦略、マッチング、金融・財務
- 支援可能業種:製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、建設業、学術研究、専門・技術サービス業
- 支援実績数:20 (外部認定5含む)
- 採択数:15 (外部認定4含む)
内訳は、通常枠14、緊急事態宣言枠1 - 採択率:75%
▼株式会社Stayway(代表取締役佐藤淳)に問い合わせをする
5位:株式会社富山銀行
- 所在地:高岡市下関町
- 属性:地銀
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、事業承継、販路開拓・マーケティング、海外展開等
- 支援実績数:65
- 採択数:32
- 採択率:49.2%
4位:富山県商工会連合会
- 所在地:高岡市他多数登録
- 属性:商工会
- PRセールスポイント:単会との連携を強力に進めるため、経営支援課に4名の中小企業診断士、総合支援室に2名がそれぞれ在籍し、経営課題の解決に迅速に対応しています。
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、経営改善、事業承継、情報化戦略、販路開拓・マーケティング、海外展開等
- 支援実績数:28
- 採択数:14
- 採択率:50%
3位:富山信用金庫
- 所在地:富山市室町通
- 属性:信用金庫
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、経営改善、事業承継、M&A、事業再生、販路開拓・マーケティング、マッチング、産学官等連携
- 支援実績数:34
- 採択数:21
- 採択率:61.8%
2位:バンカーズアンドアソシエイツ株式会社
- 所在地:富山市高田
- 属性:民間コンサル
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、事業承継、販路開拓・マーケティング
- 支援実績数:61
- 採択数:38
- 採択率:62.3%
1位:氷見伏木信用金庫
- 所在地:氷見市比美町
- 属性:信用金庫
- 相談可能内容:創業等支援、事業計画作成支援、事業承継、M&A、販路開拓・マーケティング、マッチング、産学官等連携
- 支援実績数:17
- 採択数:15
- 採択率:88.2%
[無料]事業再構築補助金の申請事業者必見!全国版採択率別 認定経営革新等支援機関の選び方ガイド(事業再構築補助金1次結果)
株式会社Staywayについて
Deloitte出身の公認会計士により構成され、テクノロジーに強みを持ったプロフェッショナルファームです。
M&Aアドバイザリー業務、財務DD、バリュエーション、IPO支援などを大手ファームで経験したメンバーが中心となり、サービス提供しております。
課題が多い補助金・助成金領域に対しては、全国の地域金融機関/事業会社と連携しながら、テクノロジーを用いて効率化を進める補助金テックを推進しており、金融庁や日経新聞の選ぶFinte企業に選抜されております
▼株式会社Staywayの支援先の事業再構築補助金採択事例(一部抜粋)
事業類型 | 公募 | 業種 | 事業内容 | 採択金額(万) |
通常枠 | 1次 | 情報通信業 | 対東南アジア諸国の越境ECプラットフォームの構築 | 4001~6000 |
通常枠 | 1次 | 観光業 | 補助金・助成金AIを通じた地域金融機関向けのシステム提供事業 | 4001~6000 |
通常枠 | 2次 | 情報通信業 | 「警備員のスキマ時間をお金に変える」警備DXサービス | 2001~4000 |
通常枠 | 2次 | 観光業 | 京都観光のマイクロツーリズム&スポーツツーリズム融合の新市場創造戦略 | 2001~4000 |
通常枠 | 3次 | 飲食業 | 生産者とともに食品ロスを解決するSDGs型商品のECサイト開設 | 2001~4000 |
緊急事態宣言枠 | 4次 | 製造業 | 外国人向け事業継承の受け皿となる自動車整備工場 | ~2000 |
通常枠 | 4次 | 不動産業 | 九十九里地域の人口減少を解決する、現地の食や体験を味わえる貸切型サウナ事業 | ~2000 |
通常枠 | 4次 | 生活サービス業 | オンライン葬儀事業 | 2001~4000 |
通常枠 | 4次 | 建設業 | 「”好きな時、好きなモノ、好きなだけ”が可能な非接触型フィットネスジムの展開」 | 2001~4000 |
6000万以上の採択事例も複数あり
▼株式会社Staywayの支援先の事業再構築補助金採択事例(記事)を見る(画像をクリック)
▼株式会社Stayway(代表取締役佐藤淳)に問い合わせをする
最後に
富山県の支援実績機関12の合計をみると、採択率は47.2%となっており、上位の機関では信用金庫、地銀、商工会など、地元に密着して企業を支援する金融機関や地元組織への信頼度が高いことがうかがえます。
こうした多くの機関の中から、採択率上位の事業者を中心に、最適な機関を選択することが重要です。
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