※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
昨今、政府は2050年カーボンニュートラル達成に向けた革新的なイノベーションの推進やエネルギー政策の推進等、グリーン社会の実現を目指す取り組みを行っています。
こうした背景をもとに、国や自治体では脱炭素に関する取り組みを後押しする補助金・助成金制度を設けています。そこでこの記事では、大阪府でつかえる脱炭素関連の補助金を紹介します。
大阪府でつかえる脱炭素関連補助金(国主管)
ここでは、大阪府でつかえる脱炭素関連補助金のうち、国が主管している補助金を紹介します。
事業再構築補助金(グリーン成長枠)
事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。
計7つある申請類型のうち「グリーン成長枠」では、研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援します。
グリーン成長戦略「実行計画」14分野は、2050年に向けて成長が期待される14の重点分野を政府が選定したもので、洋上風力・ 太陽光・地熱、水素・ 燃料アンモニアなどが挙げられています。
グリーン成長枠の申請類型はスタンダード・要件を緩和したエントリーに分けられ、上図のとおり、それぞれ申請要件や補助上限額が異なります。
またグリーン成長枠は、事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)、または、継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)のいずれかに同時応募することが可能です。
ものづくり補助金(グリーン成長枠)
ものづくり補助金補助金は中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助金ですが、計5つの申請類型のうち、グリーン枠が脱炭素に関連する内容です。
温室効果ガス削減の取り組みに応じて、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発、または炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援します。
補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者には特例が適用され、補助上限額の上乗せが行われます。このため、グリーン枠では5,000万円が補助上限額となります。※要件による
補助金の早期受け取りサービス”前ほじょくん(ものづくり補助金限定)
前ほじょくんは、「補助金申請したいが補助事業を自己資金で行うことが難しい」「採択されたが資金調達先を探している」といった課題を抱える事業様向けの補助金早期受け取りサービスです。
交付決定後に、補助金を受け取れる権利を債権化し、弊社と提携している大手金融機関の関連会社がその債権を“買い取る”というスキーム(=ファクタリング)で、補助事業実施前に事業者様に買い取り額をお支払いします。
なお、2024年9月現在ものづくり補助金に限定したサービスです。
サービスの詳細は下記記事をご覧ください。
省エネ補助金
令和4年度補正予算において、以下2つの補助金は総称して「省エネ補助金」と呼ばれます。
①令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業
②令和4年度補正予算 省エネルギー設備への更新を促進するための補助金(省エネルギー投資促進支援事業費補助金、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金)
事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、導入ポテンシャルの拡大等を見込める先進的な設備・システムの導入、機械設計が伴うオーダーメイド型設備への更新やプロセス改修、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入を支援するものです。
指定の要件を満たす設備への更新等を行う場合にその設備費や設計費等が補助されます。
参照:令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業 公募情報(3次公募)
令和5年11月2日をもって、令和4年度補正予算の公募はいずれも終了しています。
※令和5年度当初予算での実施はありませんでした。
ただし、閣議決定された令和5年度補正予算において計上されていることから、今後も同様の内容で公募実施される見込みです。
参照:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
令和4年度補正予算 クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)
クリーンエネルギー自動車(CEV)並びに外部給電器及びV2H充放電設備の導入に要する経費の一部を助成するものです。
クリーンエネルギー自動車とは、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車及びクリーンディーゼル自動車のことを指します。具体的には、以下の車両が挙げられます。
・電気自動車
・プラグインハイブリッド自動車
・燃料電池自動車
・超小型モビリティ
・クリーンディーゼル自動車
・ミニカー
・原付(側車付を含む)
車両の種類によって補助率・補助金交付額が異なるほか、新車新規登録日によって申請受付期間が異なります。
令和5年度 商用車の電動化促進事業(トラック・タクシー)
2050年カーボンニュートラル実現に向け、我が国の二酸化炭素排出量の約2割を占める運輸部門の脱炭素化が急務となっていることから、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車といった非化石エネルギー自動車の商用車(トラック・タクシー)の導入費を支援するものです。
<トラック>
補助率:記載なし
補助額:令和5年3月31日「商用車の電動化促進事業」補助金に係る車両の事前登録 により登録のあった車両を基に「商用車の電動化促進事業(トラック)実施要領」(令和5年5月 16日、環水大自発第2305161号)により算出し、確認され公表された基準額
<タクシー>
補助率:以下のとおりです。
・電気自動車(BEV) 1/4
・プラグインハイブリッド自動車(PHEV) 1/5
・燃料電池自動車(FCV) 1/3
補助上限額:車両本体価格に補助率を乗じた額。ただし、電気タクシー及びプラグインハイブリッドタクシーの車両本体価格の上限は600万円、燃料電池タクシーの車両本体価格の上限は1,000万円。
参照:環境省 令和5年度商用車の電動化促進事業の公募について
大阪府でつかえる脱炭素関連補助金(自治体主管)
続いて、大阪府および大阪府下の自治体が主管する脱炭素関連の補助金を紹介します。
大阪府:中小事業者LED照明導入促進補助金
大企業を中心としたサプライチェーン全体での脱炭素化が進む中、一層のCO2削減の取組みが求められている中小事業者を対象として、脱炭素化及び電気料金の削減による経営力強化の取組みを促進する目的の補助事業です。
中小事業者が大阪府内で運営する工場・事業場において、既設の照明設備をLED照明へ更新する取組みを対象に、その設備費・工事関連費を補助します。
令和5年11月14日時点で予算額(合計21億円)に対する補助金交付申請額の総額の割合が91.4%に達しているため、申請検討の際は事前に最新情報をご確認ください。
補助率:1/2
補助上限額:1,500万円
大阪府:令和5年度 電気自動車用充電設備導入支援補助金
電気自動車の普及を促進し、自動車から排出される二酸化炭素等の削減を図ることを目的として、大阪府民が利用する駐車場における電気自動車の充電設備の設置を支援するものです。
ただし、経済産業省「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」に基づくものの内、「商業施設及び宿泊施設等への充電設備設置事業(目的地充電)」を利用して充電設備を購入・設置する事業が対象となります。
※経済産業省「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」に基づくものの内、「商業施設及び宿泊施設等への充電設備設置事業(目的地充電)」は公募終了
補助率・補助上限額:国補助金の額の2分の1
参照:大阪府 令和5年度電気自動車用充電設備導入支援補助金の公募について
堺市:グリーンイノベーション投資促進補助金
脱炭素社会の実現に貢献する革新的な技術等の企業投資を誘導することにより、脱炭素化の取組が産業の持続的な成長につながる「環境と経済の好循環」を図り、本市における雇用機会及び事業機会の拡大に資することを目的としたものです。
建物の新築・増築及び建替え、償却資産(機械及び装置、建物附属設備並びに構築物に限る。)の取得が補助対象となります。
補助率:以下のとおりです。
・建物の新築、増築及び建替えに要する費用×5%
・償却資産(機械及び装置、建物附属設備並びに構築物に限る。)の取得に要する費用×2%
補助上限額:以下のとおりです。
・建物:2億円
・償却資産:1億円
堺市:スマートハウス化等支援事業(電気自動車等導入支援事業補助金)
環境性能に特に優れた自動車(ゼロエミッション車)を導入した場合及び電気自動車等の充電設備を導入した場合において、導入に要した費用の一部を補助するものです。
補助率・補助上限額:以下のとおりです。
・電気自動車 一律5万円
・燃料電池自動車 一律20万円
・V2H充放電設備 一律4万円
・充電設備(既設の集合住宅への導入に限る) 20万円又は設備に係る合計額の2分の1の低い方の額。
まとめ
本記事では、大阪府でつかえる脱炭素関連の補助金を紹介しました。
脱炭素社会の実現に向けた社会全体の取り組みは、今後ますます加速すると想定されます。脱炭素に関する取り組みを行う事業者の皆様は、ぜひ、補助金の活用もあわせてご検討ください。
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