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最大7,000万円!事業再構築補助金 成長枠に申請可能な冷凍調理食品製造業の定義や採択事例を解説

公開日 2023/11/15
更新日 2023/11/17
この記事は約7分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

事業再構築補助金において、第10回公募から通常枠に代わって「成長枠」が設けられました。成長枠には成長分野として指定された対象業種・業態があり、申請者の行う事業が該当する場合のみ申請可能です。

第11回公募からは、成長枠の指定対象業種・業態に冷凍調理食品製造業が追加されました。冷凍調理食品製造業は食材の冷凍設備、食品の製造設備など、高額な設備投資の多い業種であるため、補助金の活用がおすすめです。

そこでこの記事では、事業再構築補助金 成長枠に申請可能な冷凍調理食品製造業について、その定義や採択事例を解説します。

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事業再構築補助金

事業再構築補助金 成長枠で補助対象となる「冷凍調理食品製造業」の定義

日本標準産業分類による冷凍調理食品製造業の定義は、次のとおりです。

主として野菜,水産物及び食肉を原料として調理食品(味付け,又はころもかけなどのように他の食品を付加したものをいう)を製造し,かつ,凍結設備を使用して急速凍結を行って凍結状態のまま包装した冷凍調理食品を製造する事業所をいう。
主な製品は,魚類フライ,スティック,コロッケ,しゅうまい,ぎょうざなどの冷凍調理食品である。

引用:e-Stat 日本標準産業分類(平成25年[2013年]10月改定)

事業再構築補助金 成長枠とは?冷凍調理食品製造業が申請する際の要件

従業員数 補助上限額 補助率
20人以下 2,000万円

【中小企業】
1/2 
(大規模な賃上げを行う場合 2/3)

【中堅企業】
1/3 
(大規模な賃上げを行う場合 1/2)

事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。

21~50人 4,000万円
51~100人 5,000万円
101人以上 7,000万円

参照:事業再構築補助金 公式HP 必須要件 成長枠

事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です

本補助金の「成長枠」は、過去実施されていた通常枠に代わる枠として第10回公募から新設されました。本枠では成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を対象に、最大7,000万円まで支援します。

申請にあたり、全枠共通の必須要件に加えて成長枠独自の要件も満たす必要があります。特に留意すべき点として、取り組む事業が、指定業種・業態に属していることが求められます。

なお、事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠である「卒業促進枠」、または、継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠「大規模賃金引上促進枠」に同時に応募もすることができます。

参照:事業再構築補助金 公式HP 必須要件 成長枠

全枠共通の必須要件

成長枠への申請には、以下の全枠共通必須要件・成長枠独自の要件それぞれを満たす必要があります。

A:事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
・事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること
・補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません)。

B:付加価値額を向上させること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

引用:事業再構築補助金 公式HP 必須要件 成長枠

成長枠の場合、Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上の増加が求められます。

成長枠独自の要件

①取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
対象となる業種・業態は、事務局で指定します。
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得ます(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します)。

②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

引用:事業再構築補助金 公式HP 必須要件 成長枠

指定対象業種 

成長枠独自の要件①に記載のとおり、申請には、取り組む事業が成長分野として指定された業種・業態に該当することが求められます。指定業種・業態は、以下のリストにてご確認ください。
※掲載情報は、令和5年11月時点の情報です。

リストは適宜更新されますので、最新情報は掲載元ページからご確認ください。

参照:成長枠の対象となる業種・業態の一覧(リスト)

掲載元ページ:事業再構築補助金 公式HP 必須要件 成長枠

事業再構築補助金 成長枠で冷凍調理食品製造業が取得しておきたい加点項目 

事業再構築補助金の審査項目には、一定の要件を満たすことで審査上の加点を得られる「加点項目」があります。この加点項目の取得によって採択の可能性を高めることができます。

ただし、項目によっては準備に時間を要するものもあります。また、事業再構築補助金の加点項目のなかには、成長枠およびグリーン成長枠のみが対象となる項目があります。

こうした加点項目については、以下の記事で解説していますので、ぜひ、あわせてご一読ください。

参照:事業再構築補助金の加点項目とは?減点項目は要注意

事業再構築補助金 成長枠で冷凍調理食品製造業が不採択となった場合 

事業再構築補助金に申請後、不採択となった場合について、第11回公募要領に以下の記載があります。

過去の公募回で補助金交付候補者として不採択となった事業者は、事業計画の見直しを行った上で、再度申請することもできます。

ただし、前公募回における補助金交付候補者の採択結果が公表されるまでの間は、システム上で申請を受け付けることはできませんので、ご注意ください。

また、一度交付決定を受けた事業者は、原則再度申請することはできません。

ただし、「グリーン成長枠」、「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靱化枠」については、一定の条件を満たす場合に限り、既に補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている事業者においても申請が可能です。

引用:事業再構築補助金 第11回公募要領

以上により、不採択となった場合でも、事業計画を見直したうえで改めて申請可能であると言えます。過去に採択されている場合、成長枠においては再申請できません。

事業再構築補助金 成長枠における冷凍調理食品製造業の採択事例 

冷凍調理食品製造業は、事業再構築補助金 第11回公募から成長枠の指定業種に追加されました。令和5年11月15日現在、第11回公募の採択結果は未公表となっています。

そのため、第10回公募の採択結果から、冷凍調理食品製造業の採択事例を紹介します。

【事例1】

事業計画名 液体急速冷凍技術の導入による高品質冷凍食品市場への新市場進出
事業計画概要 調理の時短や簡便性のニーズ及び食品ロス削減を機会と捉え、一貫生産体制による柔軟な対応と手作業による高品質な商品力を活用し、最新液体冷凍技術の導入により高品質冷凍食品市場へ進出し、売り上げの拡大を図る。

【事例2】

事業計画名 ひとに地球にやさしい、冷凍弁当・冷凍食品販売事業
事業計画概要 栄養士が考えた安心・安全・ヘルシーな手作り弁当を、急速冷凍の設備や真空包装の設備を導入し新たに冷凍食品や真空パック食品として製造販売する。

【事例3】

事業計画名 冷凍能力を増強、京都らしい冷凍洋菓子を開発し小売業から製造業へ再構築
事業計画概要 急速冷凍機や大容量冷凍庫の新規導入により冷凍製品(冷凍保存できる生菓子および冷菓、氷菓)の生産能力を増強し、また京都ならではの冷凍製品の積極的な新規開発を行います。これにより長期保存が可能な冷凍製品の売上比率を上げ、生産ロスを減らしかつ需要変動に強い収益性の高い製造(卸売)業へ再構築を行います。

出典:事業再構築補助金 公式HP 第10回公募 補助金交付候補者の採択結果(製造業)

全国:事業再構築補助金
2024/04/23追記:第12回公募が開始されました。 ----- 2024/02/13追記:第11回公募の採択結果が公表されました。 ----- 2023/08/10追記:第11回公募が開始されました。 ----- 2023...

まとめ

今回は、事業再構築補助金 成長枠に申請可能な冷凍調理食品製造業について、その定義や採択事例を解説しました。今後冷凍調理食品製造業への事業展開や事業転換を予定している場合は、ぜひ、事業再構築補助金の活用もあわせてご検討ください。

既述のとおり、万が一、不採択となった場合でも、一定期間を経た後に改めて申請することが可能です。また、加点項目取得により、採択の可能性を高めることも可能です。申請の際はしっかりと準備を進めて、採択を目指しましょう!

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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