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展示会を大きなビジネスチャンスととらえて、既に出展を予定している企業や検討している企業は多いのではないでしょうか。また、展示会を主催する企業もいらっしゃると思います。
そこで今回は、展示会への出展であるか展示会を主催するかは問わず「展示会につかえる補助金・助成金」を、国が実施しているもの、自治体が実施しているものに分けて紹介します。
なお本記事では、募集終了日が2024年1月1日以降であるもの、補助・助成額が250万円以上のものを厳選しています。
展示会につかえる補助金・助成金(国が実施しているもの)
まず、国が実施している補助金のうち、展示会に関して活用できるものを紹介します。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
上図のとおり、複数の申請類型に分かれていて、それぞれ補助上限額や補助率が異なります。いずれの申請枠も、対象経費に海外展示会を含む展示会出展費用を含んでいます。
なお、事業再構築補助金への申請要件として、補助事業に新分野展開や事業転換、業種転換、業態転換等を伴うことが定められています。その要件を満たし、本事業で開発または提供する製品・サービスに係る広告宣伝・販売促進費が補助対象となります。
広告宣伝・販売促進費には、既出の展示会出展のほか、パンフレットや動画、写真等の作成及び媒体掲載、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費が含まれています。
ものづくり補助金
出展:ものづくり補助金 公式HP 公募要領(16次締切分)概要版
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
上図のとおり、大きく5つの申請類型に分けられます。展示会に活用できるのは、グローバル市場開拓枠のうち②海外市場開拓(JAPAN ブランド)類型のみです。採択された場合、補助対象経費総額(税抜)の2分の1が補助されます。
出展:ものづくり補助金 公式HP 公募要領(16次締切分)概要版
ただし、ものづくり補助金は革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を対象事業としているため、この事業において開発又は提供する製品・サービスの海外展開に必要な展示会出展等であることが要件となります。
このほか、広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、ブランディング・プロモーションに係る経費も補助対象です。補助事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に関する経費は対象外ですのでご注意ください。
参照:ものづくり補助金補助金 公式HP 公募要領 P. 23
小規模事業者持続化補助金
出典:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金 公式HP ガイドブック
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が行う販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するものです。上図のとおり、計5つの申請類型で構成されています。
対象経費には、オンラインによる展示会・商談会等を含む展示会等出展費が挙げられています。展示会出展の出展料等に加えて、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)・通訳料・翻訳料も補助対象となります。
また、展示会への出展や新商品生産のために必要な原材料調達の調査等に係る、宿泊施設への宿泊代も補助対象です。
展示会につかえる補助金・助成金(自治体が実施しているもの)
続いて、自治体が実施する補助金のうち、出展・展示会開催に活用できるものを紹介します。
東京都:ユニークベニュー会場設営支援
本事業は、MICEの東京開催を拡大させるため、ユニークベニュー施設を会場として利用する主催者を支援するものです。 ※ユニークベニュー:会議やイベント、レセプション等を特別感を演出しながら開催できる会場(歴史的建造物や美術館等)
MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、これらのビジネスイベントの総称です。
引用:日本政府観光局(JNTO) MICEとは
会議やイベント、レセプションなどの主催者が都内の施設をユニークベニューとして利用する場合の会場設営経費が対象経費となります。例として、イスやテーブルなどの会場備品リース料、音響・照明・映像機材のリース費用をはじめとした機材費等が挙げられます。
助成上限額:1件につき、上記の経費合計金額の2分の1 または 1,000万円のいずれか低い額を上限とする
東京都:ハイブリッド型会議等開催資金助成
東京での国際的なMICE開催を予定している主催者に対して、ハイブリッド型会議等の開催を支援するものです。主に以下の項目を満たす主催者を助成対象者として、ハイブリッド型会議運営経費等の一部を助成しています。
・東京にてMICE開催を予定しており、資金管理ができる企業または団体であること。
・令和5年度内に同じ主催者への本助成事業の交付が一度も決定されていない、または、その予定がないこと。
その他、展示会・見本市(Ex)の場合は、出展者数及び来場者数が10,000名以上であることやUFI認証またはJECC認証を受けている、または主催者が海外参加者数を公開する予定があることなどが要件に挙げられています。
助成上限額:上限額600万円または対象経費合計額の10分の10のいずれか低い金額
東京都:展示会国際化支援助成
東京都内で開催される展示会への海外からの参加者を増やすための取り組みに係る経費の一部を助成することで、海外からの誘客を促進し、展示会の国際化につなげることで、東京の産業振興及び発展に寄与することを目的として実施するものです。
・助成率:対象とする展示会1件当たりの助成対象経費の2分の1以内
・助成上限額:対象とする展示会1件当たり、4,000千円
島根県:しまね海外展開支援助成金
海外販路開拓活動や現地進出に向けた取り組みを支援するものです。計6つの事業のうち、以下の2事業が展示会出展に活用できます。
島根県実施海外向け展示会等参加事業
島根県が実施する海外向け展示会、現地フェアや現地商談会等に参加する場合の費用を助成します。(ただし、島根県が指定する展示会等に限ります。)
・助成率:1/2以内
・助成上限額:100万円以内/年度(助成限度額内であれば複数回申請できます。)
海外販路開拓事業
商談会・展示会への参加、販売促進活動、輸出向け商品の開発、海外向け情報発信ツールの製作など、海外販路開拓を行う事業
・助成率:1/2以内
・助成上限額:100万円
参照:公益財団法人 しまね産業振興財団 令和5年度「しまね海外展開支援助成金」募集のご案内
島根県:商社等を活用したものづくり産業販路拡大支援事業助成金
製品、部品、技術など県内製造業者が有する強みを活かした、商社等による販路拡大を図る取組を促進し、事業者の競争力強化を図るために交付するものです。
製造業者が製造する製品等の販路拡大を図るために行う、以下の事業が補助対象となります。
(1)複数の製造業者が製造する製品の販売促進のために行う展示会出展、情報発信等の事業。
(2)複数の製造業者への受託加工や請負の受注交渉並びに複数工程の一括受注のコーディネートを行う事業。
(3)その他、複数の製造業者の取引獲得に繋がる紹介、斡旋等の事業
出展に関しては、展示会・商談会の出展料だけでなく、出展に係る装飾費や会場費も補助対象に含まれます。
・助成率:対象経費の1/2以内
・助成上限額:300万円
参照:公益財団法人 しまね産業振興財団 令和5年度「商社等を活用したものづくり産業販路拡大支援事業助成金」募集のご案内
沖縄県:展示会等誘致開催促進事業 主催者支援金
この支援金は、沖縄県内において展示会等を開催する主催者に対して、開催に要する経費の一部を支援することにより、開催の規模拡大及び課題解決を図り、展示会等の新規・継続開催を促進することを目的としています。
会場使用に係る費用や会場施工に係る費用、広報に係る費用等の対象経費のうち、2つまで併用が可能です。(上限額または支援率のいずれか低い額とする。)
ただし、原則、沖縄県内事業者を活用することが定められています。
まとめ
今回は、展示会につかえる補助金・助成金について、国が実施しているものと自治体が実施しているものに分けて紹介しました。
近年、多くの展示会がオンラインでの開催となっていましたが、ようやくオフラインでの展示会開催も増えています。出展や開催を検討している場合は、ぜひ、補助金のご活用もあわせてご検討ください。
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