#補助金クラウド

令和7年度予算はいつ決まる?決定までの流れも徹底解説

公開日 2024/09/09
更新日 2024/09/09
この記事は約7分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和7年度の政府予算について、令和6年8月末に各省庁からの概算要求の提出が締め切られました。今後、来年3月末までに令和7年度の本予算が成立する予定です。

 

補助金・助成金等の公募はこうして成立した予算をもとに実施されます。そのため、補助金・助成金等の活用を検討する方にとって、予算決定までの流れや具体的なスケジュールは重要な情報のひとつとなるでしょう。

 

そこでこの記事では、令和7年度予算成立までの流れやスケジュール、予算の方針について解説します。

予算成立までの全体像

国の予算には、本予算と補正予算があります。

本予算は当初予算とも言われ、一会計年度(4月1日〜翌年3月31日)の財政計画に基づいて算出される1年間の予算です。

 

補正予算は、大きな災害が発生したり経済状況が変化したりして予算に変更の必要が生じた場合に、年度の途中で作成される予算です。

 

ここでは本予算と補正予算が成立するまでの流れについて説明します。

本予算

本予算は、以下のような流れで決定されます。経済財政諮問会議の年間サイクル

出典:内閣府 経済財政諮問会議の取りまとめ資料

 

予算が決定するまでの流れを6つのステップに分けて解説します。

 

1. 骨太方針の原案公表、閣議決定

骨太方針は正式には「経済財政運営と改革の基本方針」と言い、政府の経済財政政策に関する基本的な方針を示すとともに、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すものです。

 

内閣総理大臣が経済財政諮問会議に諮問し、同会議における審議・答申を経て、閣議決定します。閣議決定の時期は例年6月頃で、令和6年は6月21日となりました。

参照:内閣府 経済財政運営と改革の基本方針

 

2. 概算要求

骨太方針をもとに、財務省は「概算要求基準」を作成します。概算要求基準は予算の基本的な方針を示し、各省庁が財務省に提出する概算要求の基準となるものです。

 

令和7年度の概算要求基準は、令和6年7月29日に閣議決定されました。

 

その後、各省庁がこの概算要求基準に沿って、取り組みたい事業と必要な予算を盛り込んだ要求書を財務省に提出して概算要求を行います。

 

例年8月末までに概算要求が行われます。令和7年度の概算要求も、令和8月30日に終了しました。

参照:中小企業庁 令和7年度 中小企業・小規模事業者・地域経済関係 概算要求等ポイント

掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算

 

3. 予算編成

各省庁からの概算要求の妥当性を財務省が査定します。このため、財務省は各省庁にヒアリングを行い、概算要求に関する説明を聞いて内容を調整します。

 

この内容を踏まえて、さらに財務省原案を策定して各府省庁に内示します。

 

4. 政府案 閣議決定

政府内で財務省原案をもとに予算案の最終調整を行い、12月下旬ごろに政府案が閣議決定されます。

 

5. 本予算成立

国会審議を経て政府案が衆参両院で過半数により可決されれば、本予算成立となります。

 

一方、参議院が衆議院と異なった議決をした場合は、両院協議会で協議した成案を両院で可決することとなります。

 

6. 本予算執行

成立した本予算は、翌年4月から執行されます。

参照:経済法令研究会 国の予算と補助金等

補正予算

補正予算は、11月から12月の間に予算編成が行われ、翌年1月頃の国会審議を経て成立し、4月以降に執行されます。

令和6年度の補正予算に関しても同様に進行する見込みで、成立した場合、令和7年4月以降の執行となります。

 

法律では、本予算作成後に経済対策や災害対応などで緊急を要する費用の支出を目的に補正予算を組むことが認められていますが、実際には過去20年以上にわたり補正予算が組まれています。

参照:経済法令研究会 国の予算と補助金等

令和7年度予算成立までのスケジュール

令和7年度の本予算成立までの大まかなスケジュールは、以下のとおりです。

時期

内容

令和6年

6月11日

骨太方針 原案公表

6月21日

骨太方針 閣議決定

7月29日

概算要求基準 閣議了解

〜8月30日

概算要求

9月~12月下旬

予算編成作業

12月中旬頃

財務省原案の策定

12月下旬頃

政府の予算案を閣議決定

9月~12月下旬

政府が国会に予算案を提出

令和7年

1月〜3月

予算案の国会審議

3月頃

国会で本予算成立

4月〜

本予算の執行

参照:経済法令研究会 国の予算と補助金等

令和7年度本予算の方針

内閣府は、公表している「令和7年度予算の全体像」において、乗数効果が高く、社会変革という投資のリターンが得られるような資源配分へと財政の質を変化させていく必要があるという考え方のもと、以下の点に留意して予算編成を行い、政策実行するとしています。

▼メリハリある予算編成に向けた重点課題

・人への投資、DX、GX、フロンティアの開拓、科学技術・イノベーション等について、官民連携の下で、民間の予見可能性を高める中長期の計画的な投資を推進し、積極果敢な民間投資を喚起する。必要な財源の確保・検討も進め、歳出と歳入を多年度でバランスさせる。

 

・2025年度PB黒字化に向けて、これまでの歳出改革努力を継続する。年末に向けて、経済・ 財政新生計画に盛り込まれた主要分野の基本方針について今後3年間(2025〜2027年度) の工程化を図り 、着実に制度改革を進めるとともに、その成果を来年度予算に反映させる。  

 

物価上昇率について、今年度の見通しが高まるとともに、来年度も引き続き高い伸びが見込まれている。政府が掲げる来年以降の物価上昇を上回る賃上げの定着に向けて、各種の物 価高騰対策の動向等を含め経済・物価動向等に配慮し、骨太方針2024に盛り込まれた賃上げや処遇改善の取組が実行できるよう、ワイズスペンディングを徹底の上、予算編成を行う。

 

▼政策の実効性の向上

・上記のメリハリある予算編成を通じて、新たなステージへの移行を必ず実現させるため、経済財政諮問会議は、骨太方針2024の政策の進捗を確認の上、省庁間・政策間の横断的な連携、政策対象のニーズに最適な手法の実践等について審議し、PDCAによるプロセス管理を徹底する。

 

国民意識の変革も重要であり、骨太方針2024で示された「豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会」に向けた考え方や政策アプローチについて、関係省庁と連携しながら積極的に発信し、国民、民間企業、自治体等の具体的な行動へとつながる効果的な展開を図る。 

 

・政府の推進体制を強化するため、重要政策分野における人員配置は中期的な計画の下で 重点化するなど、メリハリある機構・定員管理に取り組む。

 

▼EBPMの強化によるワイズスペンディングの徹底

・経済財政諮問会議は、別紙の多年度にわたる重要政策及び計画について、エビデンスに基 づくロジックモデルの検証やKPIの進捗確認等により必要となる政策対応等に結び付けられ るよう、来年度の概算要求と合わせて、担当省庁からエビデンス整備方針の提出を求める。 

 

・また、EBPMの実効性を高めるため、DXにより生成されるデータを蓄積し、研究機関・大学における先進的な分析手法を活用しつつ、関係府省庁と連携して分析・評価体制を構築する。また、成果連動型契約によるワイズスペンディングを含め、EBPMの取組や定量的に把握された政策効果等の成果について、翌年度以降の予算編成で反映する方策を検討する。 

・さらに、重要政策・計画ごとに収集データや検証方法、実効性あるEBPMの体制等を定める 「EBPMアクションプラン」を本年末に策定する。策定後は、同プランに沿って、重要政策・計画等の推進、そしてアジャイルな見直しを行い、効果的・効率的に政策を実行する。 

 

引用:内閣府 令和7年度予算の全体像

掲載ページ:内閣府 予算の全体像

EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすることです。

また、ワイズスペンディングは「賢い支出」とも言われ、ここでは政策効果が乏しい歳出を徹底して削減し、政策効果の高い歳出に転換することを指します。

 

参照:内閣府 内閣府におけるEBPMへの取組

参照:内閣府 ワイズスペンディングの徹底に向けたEBPMの強化

まとめ

この記事では、令和7年度予算成立までの流れやスケジュール、予算の方針を解説しました。

令和7年度予算における具体的な補助金・助成金等の公募は、本予算成立後に詳細が決まったものから実施されます。

 

情報が公開されましたら、ぜひ、活用をご検討ください!

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

運営からのお知らせ