キッチンカーの開業につかえる補助金・助成金8選

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

新しい生活様式の定着をきっかけに、私たちのライフスタイルやワークスタイルは大きく変化し、食事をテイクアウトする機会も増えました。

飲食業においては、消費者のこうしたニーズの変化への対応を検討する事業者も多いのではないでしょうか。消費者の新たな需要に応えるための取り組みの一つには、食事の移動販売を行う「キッチンカー」が挙げられます。

そこでこの記事では、移動販売の開始を検討する事業者に向けて、キッチンカーの開業に活用できる補助金・助成金を紹介します。

キッチンカーの開業時におさえるべき補助金・助成金活用のポイント　
キッチンカーの開業につかえる補助金（国主管）　
キッチンカーの開業につかえる補助金・助成金（自治体主管）
まとめ

キッチンカーの開業時におさえるべき補助金・助成金活用のポイント　

キッチンカーでの開業に補助金・助成金を活用する際、おさえておきたいポイントは、「車両購入が対象となるかどうか」です。補助金・助成金によっては、車両の購入費用が対象とならないものがあります。

そのため、申請検討時には、対象経費をしっかりとご確認ください。補助金・助成金によっては、車両購入費が対象にならない場合でも、キッチンカーの内装工事費、厨房設備の購入費、広告宣伝費等が対象になる場合があります。

また、補助金・助成金を探す際、キッチンカー導入につかえるものだけでなく、業態転換や新規事業立ち上げに活用できるものを探すことも大きなポイントとなります。補助金や助成金を活用することで、開業に必要な初期費用の節約が可能になります。

キッチンカーの開業につかえる補助金（国主管）　

まず、国が主管している、キッチンカーの開業に活用できる補助金を3つ紹介します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスで影響を受けた事業者向けに設けられた補助事業です。中小企業等が行う新市場進出（新分野展開、業態転換）、事業・業種転換等を支援するものです。

本補助金に申請する際の主な注意点は、次のとおりです。

「車両及び運搬具」に係る経費は対象になりません。（参照：公募要領 33ページ）
厨房設備購入、内装改修、広告宣伝費等には活用可能です。（参照：公募要領 32～35ページ）
事業計画書には、補助金を車両購入に使用しないこと、テイクアウト専用メニューの販売を開始することなどを明記しましょう。

参照：事業再構築補助金公募要領

補助率、補助上限額

出典：事業再構築補助金の概要（中小企業等事業再構築促進事業）

事業再構築補助金には大きく6つの申請枠があり、上図のとおり、申請枠ごとに補助率・補助上限額が定められています。

採択事例

ここでは、事業再構築補助金の採択事例のうち、キッチンカー開業に関する事例を紹介します。

①株式会社ライズエム（北海道札幌市西区）

事業計画名	キッチンカーを活用した飲食サービス業への新分野展開
事業計画の概要	コロナによる外出自粛の影響で不動産仲介の件数が減少。不動産事業の繁忙期が「３月～４月」と「９月～１０月」である事から、閑散期における新たな収益源を確保する為に、キッチンカーを活用した飲食サービス業への新分野展開を図る。

不動産仲介業を営む企業による、キッチンカーを活用した飲食サービス業への新分野展開の事例です。

②株式会社クロスイノベーション（東京都台東区）

事業計画名	オリジナルキャラクターを活用し、味や食感にこだわったお菓子の移動販売事業への挑戦
事業計画の概要	オリジナルキャラクターを活用したベビーカステラなどお菓子販売をキッチンカーを通じて販売する。インバウンドを含めた観光客をターゲットとし、既存のコンサル事業で培ったSNSブランディング形成の強みを活用し新たな取組に挑戦する。

中小企業の営業支援を行う企業による、新市場進出の事例です。

参照：採択事例（第8回事業計画の概要）　

ものづくり補助金　　

ものづくり補助金（正式名称：「ものづくり・商業・サービス革新補助金」）は、中小企業等が革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助事業です。

キッチンカー開業にあたり、本補助金に申請する際の主な注意点は、次のとおりです。

自動車等車両の購入費は対象となりません。（参照：公募要領 24ページ）
厨房設備購入、広告宣伝費等には活用可能です。（参照：公募要領 20・23ページ）

参照：ものづくり補助金総合サイト（公募要領含む）

補助率、補助上限額

参照：ものづくり・商業・サービス補助金公募要領概要版 15次締切分

ものづくり補助金には、大きく5つの申請枠があります。補助率・補助上限額は申請枠により異なりますが、大幅賃上げに関する要件を満たす場合、補助上限額が引き上げられます。

本事業への申請の必須事項として、設備投資が必要です。設備投資は、必ず単価50万円（税抜き）以上の機械装置
等を取得して納品・検収等を行い、適切に管理を行ってください。

採用事例

ここでは、ものづくり補助金の採択事例のうち、キッチンカー開業に関する事例を2件紹介します。

①株式会社ＳＲＫ（千葉県）

事業計画名

地元人気のぱん屋による製造効率化・地産地消キッチンカーの開始

②株式会社オハナイナグループ（神奈川県）

事業計画名

茅ヶ崎オーガニックラボ及びキッチンカー導入計画

参照：ものづくり補助金総合サイト採択結果（13次一般型）

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、事業再構築補助金と同様、新型コロナウイルスによって影響を受けた事業主を対象とした、日本商工会議所主管の補助金です。

キッチンカー開業にあたり、本補助金を活用する際の主な注意点は下記のとおりです。

キッチンカーの車両購入費は、対象となりません。（参照：公募要領 13ページ）
※過去に実施されていた「第6回小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠」では対象でしたが、申請枠の廃止に伴い、現在は対象外です。
車両改装の外注、広報費、新メニューの開発費等には活用可能です。（参照：公募要領 14・18ページ）

参照：小規模事業者持続化補助金公募要領