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0.リード文
観光庁における令和7年度補正予算と令和8年度当初予算は、補正予算で当面の対策を打ち、当初予算でそれを継続的な制度にしていく、という考え方で組まれています
1.予算編成の基本方針
令和7年度補正予算では、日本の観光立国としての復活に向けた予算措置が取られており、特にオーバーツーリズム対策と地方誘客、高付加価値化へ注力する姿勢が示されています。
そこで本記事では、令和8年度当初予算でも引き続き注目すべき補助金を厳選して解説します。
観光庁の所轄である国土交通省の令和8年当初予算は、7兆812億円です。これは令和7年度の7兆330億円とほぼ同じ水準になります。
昨年度の補助金施策と同様、地方の暮らしの安定と活力向上や、インバウンドの地方誘客を促進する施策が継続します。
参照:国土交通省 予算概算要求概要
2.観光庁 予算の概要

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
観光庁の令和7年度補正予算は約225億円です。観光庁の予算は、観光立国の復活と持続可能な観光地づくりを目的に編成されています。
令和7年度補正予算では喫緊の課題への対応が図られ、令和8年度当初予算では、その取り組みを継続・発展させる施策が盛り込まれています。
特に、オーバーツーリズム対策やユニバーサルツーリズム、高付加価値旅行といった点に重点が置かれているのが特徴です。また、観光地や観光産業における省力化・省人化のための設備導入を支援する取り組みも盛り込まれています。
3.【観光庁】注目補助金とそのポイント
ここでは、観光庁が所轄する補助金の概要とそのポイントを紹介します。解説する補助金の名称と、補助対象になる事業については次のとおりです。比較的予算が大きいかつ対象となる事業者の数を考慮しピックアップしております。
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補助金名 |
補助対象事業 |
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オーバーツーリズム対策等観光交通確保事業 |
観光客の集中による混雑緩和を目的とした、二次交通の確保・増便、交通手段の改善、混雑対策の実証事業など |
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地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業 |
外国人観光客が安心して地方を訪問できる環境整備(多言語対応、災害・医療対応、案内表示整備など) |
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観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業 |
地域資源を活用した体験型・滞在型観光コンテンツの造成、磨き上げ、販売に向けた取り組み |
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地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり |
高単価・高満足度のインバウンド向け観光地形成(宿泊・体験・食・文化資源の高度化、面的整備など) |
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ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備 |
高齢者・障害者・子育て世代など、多様な旅行者が利用しやすい観光施設・動線・情報提供の整備 |
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観光地・観光産業における省力化・省人化等推進事業 |
観光施設・事業者における業務効率化、省人化を目的とした設備導入や業務改善の取り組み |
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観光地・観光産業における人材不足対策事業 |
観光産業における人材確保・育成、働き方改善、業務環境整備など人材不足解消に向けた取り組み |
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全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業 |
デジタル技術を活用した観光地・観光事業者の高度化(予約管理、データ活用、業務DX、情報発信強化など) |
オーバーツーリズム対策等観光交通確保事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「オーバーツーリズム対策観光交通確保事業」は、観光地における観光客の集中による混雑を緩和するため、二次交通の確保や交通手段の改善を支援する事業です。
既存の公共交通機関等について、地域住民や観光客の利便性を向上させるため、キャッシュレス決済の普及や大きな荷物を持った乗客の対応に関する取り組みなどを支援します。
また、インバウンドに対応したタクシーや公共ライドシェアなどを導入するなど、目的地エリアに到着した後、観光地や宿泊施設まで移動するための交通手段を充実させる取り組みの支援も行います。
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」は、訪日外国人旅行者が日本各地を安全かつ安心に旅行できる環境を整備するための事業です。
観光地や観光施設における安全対策の強化として、非常用電源の設置や災害用トイレ・備蓄の整備などを支援します。
また、医療機関におけるキャッシュレス決済導入や多言語に対応できる環境整備なども対象です。
ただし、現時点では所定の予算額に達したため公募を停止していますが、まもなく公募が始まる見込みです。(令和8年1月時点)。
観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」は、地域の魅力を体験型の観光プログラムとして形にする取り組みを支援するとともに、観光客にその魅力を分かりやすく伝えられるガイド人材の育成を目的としています。
この事業では、地域の観光コンテンツづくりを目的に、3つの取り組みを支援しています。
①新創出型は、地域の自然や文化などの資源を活かし、新たな観光コンテンツをつくる取り組みや、情報発信・販路開拓を支援します。
②品質向上型は、既存の観光商品を磨き上げ、インバウンド向けの高単価なオプショナルツアーなどへと高付加価値化する取り組みを支援します。
③分野特化型(ガストロノミー)は、地域の食資源を活用し、食文化を体感できる質の高い観光コンテンツの造成や販路開拓を支援します。
内部リンク提案:https://biz.stayway.jp/hojyo_detail/67928/
地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり」は、日本の観光立国化を推進するために、旅行先での体験や質を重視し、1人あたりの消費額が高い旅行者を地方へ誘客するための取り組みです。
この事業では、観光コンテンツを継続的に販売するための販路形成や強化を進め、海外メディアでの発信や旅行会社との連携を通じて、高付加価値旅行市場での認知向上を目指します。
また、地域の事業計画に基づき、宿泊施設や人材、移動手段など受入環境の整備を進めます。あわせて、海外旅行会社の招請によるモデルプランの磨き上げや、観光地経営体制の強化を行い、将来的な自走化に向けた準備を促進します。
ただ、現時点では一般向けの新規応募募集(公募)は出ていません。今後の動向に注目する必要があります。
ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
国内旅行市場は、人口減少の影響を受け、コロナ前の約10年間にわたり旅行者数・消費額ともに横ばいで推移してきました。このため、国内外における新たな交流市場の開拓が求められています。近年は、高齢者や障害者、家族連れなど旅行者の多様化が進んでおり、誰もが安心して旅行できる環境整備が重要となっています。
この「ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備」の目的は、バリアフリー化や人材対応などハード・ソフト両面の支援を通じてユニバーサルツーリズムを推進し、需要の平準化や新たな観光需要の創出を図ることです。
具体的には、高齢者や障がいがある人が移動しやすいように段差を解消するように客室をリフォームすることなどがあてはまります。
時点は新規の一般公募は行われていません。ただし、観光庁では引き続き、高付加価値なインバウンド観光地づくりの重要性を掲げており、今後の関連施策や新たな支援制度が打ち出される可能性があります。
観光地・観光産業における省力化・省人化等推進事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「観光地・観光産業における省力化・省人化等推進事業」は、観光需要の回復に伴い深刻化する人手不足に対応するため、観光地・観光産業における省力化・省人化を推進し、インバウンドによる経済効果を最大限に高めることを目的としています。あわせて、外国人材の確保・定着や従業員の待遇改善などにも取り組み、観光産業の持続的な基盤強化を図ります。
この事業では、観光地・観光産業における人手不足の解消と生産性向上を目的に、二つの取り組みを進めます。
①省力化・省人化に向けた設備投資では、セントラルキッチンや従業員寮など地域で共同利用する設備の導入・改修や、自動チェックイン機など省力化設備の導入を支援します。あわせて、観光地経営人材の育成を通じ、経営の高度化を図ります。
②観光産業の基盤強化に向けた調査等では、人材確保・定着に向けたPRやマッチング支援、待遇改善や経営力強化に関する調査・ガイドラインの検討を行い、持続可能な観光産業の基盤づくりを目指します。
本事業は、2026年1月時点では新規公募を行っていません。最新の公募状況については、観光庁の公式情報をご確認ください。
観光地・観光産業における人材不足対策事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「観光地・観光産業における人材不足対策事業」は、観光需要の回復・拡大に対応するため、宿泊業における深刻な人手不足を解消し、インバウンドによる経済効果を最大限に高めることを目的としています。そのため、外国人材の活用や経営の高度化など、人手不足対策を推進します。
本補助金は、観光関連事業者が直面する人手不足の課題解消を目的としています。特定技能人材の採用に向けたPRやマッチング支援、外国語対応が可能な人材の確保、従業員の育成や研修による経営力の向上などが補助対象です。
また、地域内の複数事業者が連携し、人材を共有・有効活用する取り組みも支援されます。人材確保から育成、運営体制の強化まで、事業の安定運営につながる幅広い取り組みに活用できます。
こちらも「観光地・観光産業における省力化・省人化等推進事業」と同様、令和8年1月時点は新規公募は行っていません。最新の公募状況をご確認ください。
全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業

出典:観光庁 令和7年度観光庁関係補正予算
「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」は、DXの推進を通じて観光コンテンツの販路拡大や業務の効率化を進め、観光産業の収益性・生産性を高めることを目的としています。あわせて、データを活用した観光地経営の高度化により、地域全体の消費拡大や誘客、再来訪の促進を図ります。
本事業は、観光関連事業者がDXを活用して売上や生産性を高めることを目的としています。観光コンテンツの販路拡大やマーケティング強化、予約・在庫管理、レベニューマネジメントなどに役立つデジタルツールの導入を支援します。
また、専門人材が計画づくりから導入後の活用まで伴走支援を行うため、DXに不慣れな事業者でも取り組みやすい点が特長です。あわせて、データ活用を通じて地域全体の集客力向上や消費拡大につなげる取り組みも進めます。
4.まとめ
今回は、観光庁所轄の中でも注目されている補助金のポイントを解説しました。
補助金の申請を検討する際は、最新の公募情報を確認したうえで活用してください。


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