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中小企業成長加速化補助金の加点ポイントは?不採択を避けるコツ

公開日 2025/04/25
更新日 2025/04/25
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

中小企業成長加速化補助金の採択を得るためには、加点ポイントを理解した適切な準備が必要です。​​

 

この記事では、加点ポイントの詳細と加点を得るための条件、審査の評価基準をまとめました。不採択リスクを回避し、補助金の活用を実現するためにも参考にしてください。

中小企業成長加速化補助金 概要

令和6年度補正予算で新設された中小企業成長加速化補助金(以下、成長加速化補助金)は、売上高100億円超を目指す成長志向の中小企業が行う大胆な設備投資を支援します。

成長加速化補助金の補助率・補助上限額・補助対象経費は以下の表のとおりです。

補助率 1/2
補助上限額 5億円
補助対象経費 建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費

成長加速化補助金では、中小企業全体の稼ぐ力を底上げすることを重要視しています。

資産性の高い設備への投資を対象に、5億円という高水準な上限額を設けることで、中小企業の大きな成長や経済への波及効果を期待した制度です。

参照:中小企業長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金(1次公募)公募要領
掲載ページ:100億企業成長ポータル

 

なお、以下の記事では成長加速化補助金の制度について詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご一読ください。

中小企業成長加速化補助金とは?最大5億円を補助する新設の補助金を徹底解説
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。 中小企業成長加速化補助金(以下、成長加速化補助金)は、令和6年度補正予算における新設の補助金です。 設備投資に活用できることや最大5...

成長加速化補助金 加点ポイント

成長加速化補助金における加点ポイントは、主に2つあります。

金融機関による書類発行・プレゼン審査への同席

成長加速化補助金の審査における加点については、公募要領内「3.実現可能性」に次の記述があります。

(ウ)金融機関のコミットメントが得られているか(確認書を発行した金融機関の担当者等がプレゼンテーション審査に同席する場合の加点等)。

引用:中小企業長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金(1次公募)公募要領
掲載ページ:100億企業成長ポータル

確認書とは、提出書類のひとつである「金融機関による確認書 (様式4_PDF) 」を指します。

金融機関から投資計画の確認を受けた場合に、金融機関が必要事項を記入した確認書をPDF 形式で提出するものです。​

 

この確認書を提出した申請者については、当該金融機関の担当者等の同席が可能で、同席した場合は加点対象となります。

信頼性をアピールする認定の取得や宣言

成長加速化補助金の「よくあるご質問」に、以下のQ&Aが掲載されています。

Q17. 「パートナーシップ構築宣言」を取得していることや、「地域未来牽引企業」であることが必須なのでしょうか。

A17. 波及効果は、様々な観点から総合的な評価を行います。その中で、例えば、「パートナーシップ構築宣言」については、下請取引先等に対して適切な取引姿勢で対応しているか、「地域未来牽引企業」については、地域資源の積極的な活用などを通じ地域の経済成長を力強く牽引する事業であるか、といった点を評価するにあたっての一つの参考材料(加点要素)となります。したがって、必須とはなりません。それ以外にも審査基準の「波及効果」にお示しする様々な観点から、総合的な評価をさせて頂きます。

 

引用:中小企業成長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金 よくあるご質問

掲載ページ:100億企業宣言ポータル

成長加速化補助金の審査項目のひとつである「波及効果」において、パートナーシップ構築宣言や地域未来牽引企業の認定が、加点要素になり得ると示唆されています。

このほか、公募要領にはえるぼし認定、くるみん認定の取得等も職場環境整備を評価する要素として挙げられており、獲得によって評価を高めることが期待できるでしょう。

成長加速化補助金 審査の評価基準

成長加速化補助金の審査では、主に次の3つの基準を定量的・定性的に審査し、採択事業者が決まります。

 1. 経営力

 2. 波及効果

 3. 実現可能性

 

加点に関する明示は少ないものの、上記の基準を多く満たすほど、良い評価を得る可能性が高まります。ここでは各基準の内容を解説します。

経営力

成長加速化補助金では、審査項目のひとつに「経営力」があります。主に以下の内容が審査対象です。

・売上高100億円に向けたビジョン、戦略、投資を含んだ計画であるか

・内的、外的環境を十分に調査分析しているか

・適切かつ効率的な管理体制はあるか

・コンソーシアムの場合は連携の意義や目的が明白か

 

​評価されるためには、経営ビジョンやシナリオを明確に示すことが重要です。​補助事業が企業の成長戦略においてどのような位置づけにあるのかを明らかにし、飛躍的な成長につながる事業計画を作る必要があります。​

 

また、外部・内部環境の認識が適切であることを示すために、市場や顧客動向、自社の強み・弱み、経営資源等の状況を踏まえた事業戦略を策定しなくてはなりません。​

 

さらに、売上高成長率、付加価値増加率、売上高投資比率等の数値目標を明確に設定し、成長性が見込まれることを示すのも重要です。

 

​補助事業の実施に必要な経営基盤や資金管理能力があると示すことも評価されます。

波及効果

「波及効果」の評価項目では、次のような内容が審査されます。

・投資の利益が従業員に還元され、賃上げ要件の水準を上回る賃上げ計画であるか

・地域経済に広く好影響を与える事業であるか

・下請けとの公正な取り引き、BCPの整備、女性活躍や子育てへの支援など、地域のモデル企業となる取り組みを進めているか

 

​評価において、賃上げ計画は単に法定要件を満たすだけでなく、地域相場を上回る水準を目指すことが重要です。

 

​例えば、従業員の平均給与を3年間で10%以上引き上げる具体案を提示すれば、企業の成長意欲と従業員への還元姿勢を明確に示せます。​

 

地域経済への貢献を強調するためには、地元企業との連携や地域資源の活用を計画に組み込むことが有効です。

 

​例えば、地域の農産物を原材料とする新製品の開発などが挙げられます。

実現可能性

成長加速化補助金では、次のような「実現可能性」も評価の対象です。

・計画を実施できる体制が整い、早期に投資が行われ、成果が期待できるか

・補助事業の遂行に必要な財務基盤があるか

・金融機関からの明確な支援姿勢があるか

 

実現可能性の項目で評価されるためには、投資計画の実行力を示すためのプロジェクトチームの構成や責任体制、スケジュールの明確化が重要です。​

 

例えば、各工程の担当者や進捗管理の方法を具体的に記載し、早期に投資が実行される体制が整っていることを示すと評価が高まります。​

 

財務基盤に関しては、過去3期分の決算書を基にしたローカルベンチマークのスコアリングを活用し、財務の健全性を客観的に提示可能です。​

 

また、自己資金割合やキャッシュフローの見通しを記載し、事業を適切に遂行できる財務基盤をアピールしましょう。

 

参照:中小企業長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金(1次公募)公募要領
掲載ページ:100億企業成長ポータル

成長加速化補助金 不採択を回避するには?

成長加速化補助金を申請するにあたって、不採択になるリスクを回避するための主なポイントを見ていきましょう。

「100億宣言」を意識して準備する

事業計画書を作成する際は「100億宣言」の趣旨に沿った具体的な成長戦略や投資計画とすることが重要です。100億宣言の提出は、成長加速化補助金の必須要件となっています。

この宣言は、売上高100億円を目指す中小企業が目標達成に向けた取組を公に示すもので、企業の成長意欲やビジョンを示す重要な指標です。​

 

100億円達成に向けた実現可能性を示すことで計画の信頼性を高め、審査において高い評価を得やすくなり、不採択の回避につながるでしょう。

金融機関と連携する

金融機関との連携で加点評価を獲得することも、不採択リスクを下げるポイントです。

審査では金融機関からの確認書の提出と、金融機関の担当者がプレゼンテーション審査に同席することで、実現可能性の評価に加点されます。

 

また、金融機関の支援は、補助事業の資金計画や経営体制の信頼性を高めるうえでも重要です。金融機関との連携により、補助金の申請要件を満たすための体制整備や資金調達が円滑に進みやすくなります。

 

さらに、金融機関との連携は中長期的な経営計画や財務基盤の構築にも欠かせないことから、直接的な加点以外においても審査にプラスとなるでしょう。

プレゼンテーションを作りこむ

成長加速化補助金の審査は、書面審査(1次)とプレゼンテーション審査(2次)の2段階で行われます。

補助金の趣旨に沿った内容を具体的に盛り込むことで、審査にプラスとなるでしょう。​プレゼンには経営者自身が出席し、説明と質疑応答を行うよう求められます。

 

事業計画の実現可能性や熱意を直接伝える重要な機会となるので、具体的な戦略や賃上げ計画、地域経済への波及効果などを詳細に説明しましょう。

 

プレゼンの効果を上げるためには、伝わりやすい資料の作成や事前のリハーサルの積み重ねなどの「作り込み」が大切です。​

 

社内で模擬プレゼンを行い、内容をブラッシュアップすることで、本番での説得力を高められます。

 

参照:中小企業長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金(1次公募)公募要領
掲載ページ:100億企業成長ポータル

成長加速化補助金 申請方法

成長加速化補助金の申請は、電子申請システム「jGrants」を通じて行います。申請プロセスは次のとおりです。

 ・GビズIDプライムアカウントを取得する

 ・jGrantsから申請する

 ・審査を受ける

 

電子申請に必須なのが「GビズIDプライムアカウント」です。アカウントの発行に2週間程度かかるため、早めに手続きしなければなりません。

 

アカウントを取得したら、政府の補助金申請システム「jGrants」にログインし、申請に必要な書類をすべて提出します。

 

 

申請書類はPDFやXLSXなど、それぞれ指定のファイル形式でアップロードしましょう。

1次の書類審査、2次のプレゼンテーション審査を受け、一定期間後に結果が通知されます。

 

参照:中小企業長加速化補助金事務局 中小企業成長加速化補助金(1次公募)公募要領
掲載ページ:100億企業成長ポータル

まとめ

成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の設備投資を支援する制度で、最大5億円の補助が受けられます。

採択に向けて審査上の加点を得るポイントは、主に以下の2つです。

 1. 金融機関による確認書の発行と、金融機関の担当者等がプレゼン審査に同席すること

 2. 「パートナーシップ構築宣言」「地域未来牽引企業」など、企業の信頼性等を高める認定の取得、宣言をしていること

 

加点ポイントを踏まえたうえで、100億宣言の実施や審査項目の把握など、採択に向けた準備を整えておきましょう。

全国:中小企業成長加速化補助金/1次公募
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監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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