#補助金クラウド

【徹底解説】IT導入補助金2025の変更点は?

公開日 2022/02/14
更新日 2025/01/16
この記事は約6分で読めます。

※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和6年12月17日の令和6年度補正予算成立により、IT導入補助金の継続が決まりました。

 

その後、同補助金の概要が明らかとなり、補助対象経費や補助率、補助上限額の一部拡充がわかっています。

 

そこでこの記事では、IT導入補助金 2025の概要について、今後の変更予定も交えて解説します。

IT導入補助金2025とは

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。

補助対象となるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金公式ホームページにて公開されているもののみとなります。※1

 

申請の際は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。※1

※1:複数社連携IT導入枠を除きます。

 

参照:IT導入補助金 公式HP

IT導入補助金 概要

枠/
類型
通常枠 複数社連携IT導入枠 インボイス枠 セキュリティ
対策推進枠
インボイス対応類型 電子取引類型
活用イメージ ITツールを導入し、業務効率化やDXを推進 商店街など、複数の中小企業・小規模事業者で連携してITツール等を導入 ITツール等を導入してインボイス制度に対応 発注者主導で取引先のインボイス対応を促す サイバーセキュリティ対策を進める
補助対象経費

・ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(保守サポートやマニュアル作成の費用)に加えて、IT活用の定着を促す導入後の”活用支援”も対象化
・ハードウェア購入費

クラウド利用料(最大2年分) サイバーセキュリティお助け隊サービス利用料(最大2年分)
(※1)
補助額 ・ITツールの業務プロセスが1~3つまで:5万~150万円
・4つ以上:150万~450万円
(a)インボイス枠対象経費:同右
(b)消費動向等分析経費:50万円×グループ構成員数
(a)+(b)合わせて3,000万円まで
(c)事務費・専門家経費:200万円
ITツール:1機能:~50万円
2機能以上:~350万円
PC・タブレット等:~10万円
レジ・券売機等:~20万円
~350万円 5万円

150万円
補助率 中小企業:1/2
最低賃金近傍の事業者(※2):2/3

(a)インボイス枠対象経費:同右
(b)・(c):2/3
~50万円以下:3/4
(小規模事業者:4/5)
50万円~350万円:2/3
ハードウェア費:1/2
大企業:1/2
中小企業:2/3
中小企業:1/2
小規模事業者:2/3

赤字は令和6年度補正予算での拡充点
(※1)(独)情報処理推進機構(IPA)「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービス
(※2)3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員数の30%以上であることを示した事業者

出典:中小企業庁 IT導入補助金 リーフレット

掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算

 

IT導入補助金 2025において、申請枠・申請類型の変更予定はありません。

ただし、その内容について、以下4つの変更を予定しています。

 

1. 通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)における補助対象経費の拡充

2. 通常枠における最低賃金近傍の事業者の補助率引上げ

3. セキュリティ対策推進枠の補助上限額を引き上げ

4. セキュリティ対策推進枠における小規模事業者の補助率の拡充

IT導入補助金2025 の変更点

ここでは、今後、変更となる4つの内容について解説します。

通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)における補助対象経費の拡充

通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)の補助対象経費に関し、これまでのソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)、保守サポートやマニュアル作成の費用に加えて、導入後のIT活用定着を促す支援にかかる費用が対象となりました

2. 通常枠における最低賃金近傍の事業者の補助率引上げ

最低賃金近傍の事業者とは、3か月以上の間、地域別最低賃金と比較してプラス50円以内で雇用している従業員数が、全従業員数の30%以上であることを示した事業者を指します。

該当する場合、通常枠において補助率を1/2から2/3に引き上げます。
該当しない場合の補助率は、1/2となります。

3. セキュリティ対策推進枠の補助上限額を引き上げ

セキュリティ対策推進枠において、これまで補助上限額は100万円でした。今後、この上限額を150万円に引き上げます。

4. セキュリティ対策推進枠における小規模事業者の補助率の拡充

セキュリティ対策推進枠において、これまで補助率は1/2以内でした。

今後、小規模事業者に該当する場合は補助率を2/3に引き上げます。該当しない場合は、1/2となります。

 

出典:中小企業庁 IT導入補助金 リーフレット

掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算

IT導入補助金2025 活用例

IT導入補助金2025の具体的な活用例として、ここでは公式資料に掲載されている事例を紹介します。

事例① 通常枠

タイムカードによる勤怠管理のため、社外での打ち合わせの日でも、打刻するために1度本社に出勤してから現場に移動する必要があった。

さらに終業時も1度帰社してからの帰宅が必要であったところ、「勤怠・労務管理ツール」の導入により出先からの打刻が可能に。

 

これにより、残業時間が3割削減、人事担当の作業効率も大幅アップ!

事例② インボイス枠

インボイス発行の手間を効率化するため、「会計ツール」を導入。

経理担当が手作業で行っていた出納管理が自動化され、バックオフィスの効率が全体的に向上した。

 

出典:中小企業庁 IT導入補助金 リーフレット

掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算

IT導入補助金2025 公募スケジュール

IT導入補助金2025の公募は、2025年3月下旬頃に交付申請の受付開始予定です。

具体的な日程が公表されましたら、本記事等でお伝えしてまいります。

IT導入補助金 過去の交付決定状況

IT導入補助金2024における直近の交付決定状況は、次のとおりです。

公募期間:令和6年10月15日(火)まで

申請数:17,338者、採択数:2,729者、採択率:約15.7%

以下、内訳

—–
通常枠 7次締切
 申請数:  5,573者、採択数:1,454者、採択率:約15.7%
セキュリティ対策推進枠 7次締切
 申請数:    49者、採択数:   29者、採択率:約59.2%
インボイス枠(インボイス対応類型) 12次締切
 申請数:11,714者、採択数:1,245者、採択率:約10.6%
インボイス枠(電子取引類型) 12次締切
 申請数:    0者、採択数:  0者、採択率:   0.0%
複数社連携IT導入枠 4次締切
 申請数:    2者、採択数:  1者、採択率: 50.0%

 

交付申請件数及び交付決定件数
https://it-shien.smrj.go.jp/news/20272
申請数及び交付決定数
https://it-shien.smrj.go.jp/download/grantdecision_list/
中小企業庁HP
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/2024/241122it_saitaku.html

    404 NOT FOUND

    最後に

    この記事では、IT導入補助金 2025の概要について、今後の変更予定も交えて解説しました。ITツール導入をご検討中の方は、ぜひ、本補助金の活用をご検討ください。

    監修佐藤淳 / 公認会計士
    中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

    運営からのお知らせ