※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
令和6年12月17日の令和6年度補正予算成立により、IT導入補助金の継続が決まりました。
その後、同補助金の概要が明らかとなり、補助対象経費や補助率、補助上限額の一部拡充がわかっています。
そこでこの記事では、IT導入補助金 2025の概要について、今後の変更予定も交えて解説します。
IT導入補助金2025とは
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
補助対象となるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金公式ホームページにて公開されているもののみとなります。※1
申請の際は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。※1
※1:複数社連携IT導入枠を除きます。
参照:IT導入補助金 公式HP
IT導入補助金 概要
枠/ 類型 |
通常枠 | 複数社連携IT導入枠 | インボイス枠 | セキュリティ 対策推進枠 |
|
インボイス対応類型 | 電子取引類型 | ||||
活用イメージ | ITツールを導入し、業務効率化やDXを推進 | 商店街など、複数の中小企業・小規模事業者で連携してITツール等を導入 | ITツール等を導入してインボイス制度に対応 | 発注者主導で取引先のインボイス対応を促す | サイバーセキュリティ対策を進める |
補助対象経費 |
・ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(保守サポートやマニュアル作成の費用)に加えて、IT活用の定着を促す導入後の”活用支援”も対象化 |
クラウド利用料(最大2年分) | サイバーセキュリティお助け隊サービス利用料(最大2年分) (※1) |
||
補助額 | ・ITツールの業務プロセスが1~3つまで:5万~150万円 ・4つ以上:150万~450万円 |
(a)インボイス枠対象経費:同右 (b)消費動向等分析経費:50万円×グループ構成員数 (a)+(b)合わせて3,000万円まで (c)事務費・専門家経費:200万円 |
ITツール:1機能:~50万円 2機能以上:~350万円 PC・タブレット等:~10万円 レジ・券売機等:~20万円 |
~350万円 | 5万円 ~ 150万円 |
補助率 | 中小企業:1/2 最低賃金近傍の事業者(※2):2/3 |
(a)インボイス枠対象経費:同右 (b)・(c):2/3 |
~50万円以下:3/4 (小規模事業者:4/5) 50万円~350万円:2/3 ハードウェア費:1/2 |
大企業:1/2 中小企業:2/3 |
中小企業:1/2 小規模事業者:2/3 |
※赤字は令和6年度補正予算での拡充点
(※1)(独)情報処理推進機構(IPA)「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービス
(※2)3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員数の30%以上であることを示した事業者
掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算
IT導入補助金 2025において、申請枠・申請類型の変更予定はありません。
ただし、その内容について、以下4つの変更を予定しています。
1. 通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)における補助対象経費の拡充
2. 通常枠における最低賃金近傍の事業者の補助率引上げ
3. セキュリティ対策推進枠の補助上限額を引き上げ
4. セキュリティ対策推進枠における小規模事業者の補助率の拡充
IT導入補助金2025 の変更点
ここでは、今後、変更となる4つの内容について解説します。
通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)における補助対象経費の拡充
通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)の補助対象経費に関し、これまでのソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)、保守サポートやマニュアル作成の費用に加えて、導入後のIT活用定着を促す支援にかかる費用が対象となりました。
2. 通常枠における最低賃金近傍の事業者の補助率引上げ
最低賃金近傍の事業者とは、3か月以上の間、地域別最低賃金と比較してプラス50円以内で雇用している従業員数が、全従業員数の30%以上であることを示した事業者を指します。
該当する場合、通常枠において補助率を1/2から2/3に引き上げます。
該当しない場合の補助率は、1/2となります。
3. セキュリティ対策推進枠の補助上限額を引き上げ
セキュリティ対策推進枠において、これまで補助上限額は100万円でした。今後、この上限額を150万円に引き上げます。
4. セキュリティ対策推進枠における小規模事業者の補助率の拡充
セキュリティ対策推進枠において、これまで補助率は1/2以内でした。
今後、小規模事業者に該当する場合は補助率を2/3に引き上げます。該当しない場合は、1/2となります。
掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算
IT導入補助金2025 活用例
IT導入補助金2025の具体的な活用例として、ここでは公式資料に掲載されている事例を紹介します。
事例① 通常枠
タイムカードによる勤怠管理のため、社外での打ち合わせの日でも、打刻するために1度本社に出勤してから現場に移動する必要があった。
さらに終業時も1度帰社してからの帰宅が必要であったところ、「勤怠・労務管理ツール」の導入により出先からの打刻が可能に。
これにより、残業時間が3割削減、人事担当の作業効率も大幅アップ!
事例② インボイス枠
インボイス発行の手間を効率化するため、「会計ツール」を導入。
経理担当が手作業で行っていた出納管理が自動化され、バックオフィスの効率が全体的に向上した。
掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算
IT導入補助金2025 公募スケジュール
IT導入補助金2025の公募は、2025年3月下旬頃に交付申請の受付開始予定です。
具体的な日程が公表されましたら、本記事等でお伝えしてまいります。
IT導入補助金 過去の交付決定状況
IT導入補助金2024における直近の交付決定状況は、次のとおりです。
公募期間:令和6年10月15日(火)まで
申請数:17,338者、採択数:2,729者、採択率:約15.7%
以下、内訳
—–
通常枠 7次締切
申請数: 5,573者、採択数:1,454者、採択率:約15.7%
セキュリティ対策推進枠 7次締切
申請数: 49者、採択数: 29者、採択率:約59.2%
インボイス枠(インボイス対応類型) 12次締切
申請数:11,714者、採択数:1,245者、採択率:約10.6%
インボイス枠(電子取引類型) 12次締切
申請数: 0者、採択数: 0者、採択率: 0.0%
複数社連携IT導入枠 4次締切
申請数: 2者、採択数: 1者、採択率: 50.0%
交付申請件数及び交付決定件数
https://it-shien.smrj.go.jp/news/20272
申請数及び交付決定数
https://it-shien.smrj.go.jp/download/grantdecision_list/
中小企業庁HP
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/2024/241122it_saitaku.html
最後に
この記事では、IT導入補助金 2025の概要について、今後の変更予定も交えて解説しました。ITツール導入をご検討中の方は、ぜひ、本補助金の活用をご検討ください。
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