※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
製造業は製品の研究開発を行う原料・試作コスト、生産のための設備投資など、高額な費用が発生する業種です。
そのため、国や各自治体は、製造業が行う取り組みを支援する補助金を設けています。そこでこの記事では、群馬県に焦点を当てて、群馬県の製造業がつかえる補助金を紹介します。
群馬県の製造業がつかえる補助金(自治体主管)
まずは群馬県の製造業が使える補助金のうち、県内の自治体が主管する主な補助金を紹介します。
群馬県前橋市:令和5年度 事業者用ゼロカーボン推進補助事業
ゼロカーボンシティの実現に向けて、前橋市内事業者の脱炭素化へ向けた取り組みを促進するため、対象設備の導入に要する経費を補助するものです。
対象設備、補助額および補助上限額は、以下のとおりです。
(1) 太陽光発電設備:発電出力1kW当たり20,000円(上限200,000円)
(2) -1 定置用蓄電池設備(夜間営業等なし:蓄電容量1kWh当たり10,000円(上限100,000円)
(2) -2 定置用蓄電池設備(夜間営業等あり):蓄電容量1kWh当たり20,000円(上限200,000円)
(3) 外部給電機能付電動車:50,000円
(4) V2H(電気自動車充給電設備):50,000円
脱炭素化の取組を対象としているため、給電設便については原則として再生可能エネルギーからの充電に限るなどの要件があります。申請の際は要件を満たすか必ずご確認ください。
また、対象設備の購入又は設置工事の相手方は、市内事業者(市内に本店・支店等を有する者)に限ります。
参照:群馬県前橋市 令和5年度事業者用ゼロカーボン推進補助事業
群馬県前橋市:令和5年度 新製品・新技術開発費補助金
前橋市内の中小企業等による、新製品・新技術開発経費の一部を補助するもので、企業内の開発意欲の増進と地域産業及び地域経済の活性化を促し、前橋市産業の発展に資することを目的としています。
「製品・技術開発枠」「新商品・特産品チャレンジ枠」の2種類の申請枠で構成されていて、新製品・新技術の開発に係る以下の経費が、主な補助対象経費となります。
・原材料
・構築物
・機械装置
・産業財産権導入
・外注加工
・技術指導等 など
(注)交付決定後に契約を行い、令和6年2月29日までに支払いが完了したものが対象となります。
「製品・技術開発枠」「新商品・特産品チャレンジ枠」それぞれの補助率・補助上限額は、次のとおりです。
製品・技術開発枠
補助率:2/3
補助上限額:50万円
新商品・特産品チャレンジ枠
補助率:1/2
補助上限額:50万円
群馬県桐生市:販路拡大支援事業(展示会出展補助金)
桐生市に事業所を有する製造事業者に対し、群馬県外で開催される展示会や見本市への出展する際の出展小間料等の一部を支援するものです。
対象となる展示会や見本市には海外で行われるものも含むほか、オンラインで行われるものも含みます。なお本補助金は、1事業者につき年度内2回まで申請可能です。
ただし、海外展示会出展支援については1事業者につき年度内1回までとし、もう1回は国内・オンライン展示会のみ対象とします。
申請の際は、3種類の対象事業のうち、該当するものを選択いただきます。また、それぞれの対象経費、補助率・補助上限額は次のとおりです。
対象事業 | 対象経費 | 補助率 | 補助上限額 |
1. 海外展示会出展支援 | 海外の展示会に出展する際の出展小間料、輸送費 注:輸送費は、海外の出展小間にかかるもので、外部の専門業者に委託したものに限ります。 |
1/2 | 30万円 |
2. 国内展示会出展支援 |
国内(群馬県内を除く)の展示会に出展する際の出展小間料 | 1/2 |
・小規模企業者(従業員20人以下):上限20万円 |
3. オンライン展示会出展支援 |
国内外に関わらず、オンライン展示会に出展する際の登録料 | 1/2 | ・小規模企業者(従業員20人以下):上限20万円 ・中小企業者:上限15万円 |
群馬県の製造業がつかえる補助金(令和5年度補正予算にて実施予定)
ここからは、令和5年11月29日に成立した令和5年度補正予算のうち、群馬県の製造業でつかえると想定される主な補助金を紹介します。
ただし、令和5年12月18日時点で詳細未公開の情報です。今後、詳細が公表された際に、対象外となる可能性もございますのでご注意ください。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中堅・中小企業が、持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行うものです。
最大50億円が補助される大型補助金であることから、拠点新設や大規模設備投資を行う予定の企業から注目を集めています。
ただし、投資下限額は10億円と定められていて、一定規模以上の投資を行う中堅・中小企業がいる場合に限り、コンソーシアム形式により参加企業の投資額の合計が10億円以上となる場合も対象となります。
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
中小企業省力化投資補助事業
出典:経済産業省 令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
資料掲載ページ:経済産業省 令和5年度補正予算の概要
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援するものです。
「省力化」とは、業務を見直して効率化を図り、生産性向上・労働時間の削減を行うことです。このことから「省力化投資」は、省力化を目的としたIoTやロボットといった設備への投資を指します。
IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進します。
製造業で想定される省力化投資の例として、工場、生産現場における組み立て用ロボットアームや生産状況の監視カメラ、温度・湿度センサー、振動センサーなどが挙げられます。
本事業で予定されている補助率・補助上限額は、以下のとおりです。なお、別途示される「賃上げ要件」を達成した場合、括弧内の値まで補助上限額が引き上げられます。
補助率:1/2
補助上限額:従業員規模に応じて、補助上限額が異なります。
・従業員数 5名以下: 200万円 (300万円)
・従業員数 6~20名: 500万円 (750万円)
・従業員数 21名以上:1,000万円(1,500万円)
本補助金については、以下の記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。
食品事業者における原材料の調達安定化対策
「食品事業者における原材料の調達安定化対策」は農林水産省が主管し、「食品原材料調達リスク軽減対策事業」「農林水産業と食品産業の連携強化・拡大支援事業」から成ります。
このうち、「食品原材料調達リスク軽減対策事業」は、食品製造事業者等が原材料の調達に関するリスクに対応するために行う産地との連携強化及び調達先の多角化の取組を推進し、国民への食料の安定供給を確保するものです。
価格が2割以上高騰している輸入食品原材料を使用していること又は令和4年2月以降の地政学リスク等により輸入に支障が生じたことがあることを証明できる食品製造事業者等を対象に、資材・機械・設備導入費、新商品開発費(試作品の原材料費等)等を補助します。
補助率・補助上限額は以下のとおりです。
補助率・補助上限:1/2等
採択1件当たりの補助上限は5億円
ただし、新商品の市販段階における原材料費の1件当たりの補助上限は上記とは別に1億円となります。
参照:農林水産省 令和5年度補正予算「食品原材料調達リスク軽減対策事業」について
米粉の利用拡大支援対策事業
出典:農林水産省 米粉の利用拡大支援対策事業
資料掲載ページ:農林水産省 令和5年度農林水産関係補正予算の概要
国産米粉の特徴を活かした新商品の開発、米・米粉製品の利用拡大に向けた情報発信、需要の拡大に対応するための製造能力強化に向けた取り組みを集中的に支援するものです。
以下、3つの支援事業のうち、「米粉商品開発等に対する支援」は製粉企業・食品製造事業者に対して国産の米粉や米粉を原材料とする商品開発とその製造・販売に係る取組等を支援します。
1. 米粉商品開発等に対する支援
2. 米・米粉消費拡大に向けた支援
3. 米粉製品製造能力強化等に対する支援
具体的には、米粉の特徴をいかした商品開発・製造、製粉企業・食品製造事業者の施設・機器の導入、米・米粉製品や米粉の利用拡大に向けた情報発信等が支援対象となります。
公募詳細や補助率・補助上限額等については、令和5年12月18日時点未公表です。ただし、本事業は令和4年度にも実施されたため、参考として令和4年度の補助率・補助上限額を記載します。
以下、令和4年度の実施内容です。
補助率:1/2(商品の市販段階における原材料費の支援は、大企業の場合1/3)
補助上限額:採択1件あたりの補助上限2億円(補助下限:100万円)
商品の市販段階における原材料費の件当たりの補助上限・下限は上記とは別に各々1億円・100万円となります。
※合計で補助上限3億円・200万円まで
参照:令和4年度米粉利用拡大支援対策事業のうち米粉商品開発等支援対策事業
まとめ
本記事では、群馬県の製造業がつかえる補助金を紹介しました。設備投資や販路開拓等を予定されている場合は、補助金の活用もぜひ、あわせてご検討ください。
なお、令和5年度補正予算については詳細内容が未公表ですが、金額が大きなものが含まれていますので、今後の最新情報にご注目ください。
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