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事業承継・M&A補助金とは?過去制度との違いや制度概要を徹底解説

公開日 2025/05/09
更新日 2025/05/09
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

令和6年度補正予算の成立により、令和7年から「事業承継・M&A補助金」の公募が始まります。5月9日の専門家活用枠の申請受付開始を皮切りに、今後、その他の枠の公募も開始予定です。

 

「事業承継・M&A補助金」はこれまでの「事業承継・引継ぎ補助金」の内容を踏襲しつつ、複数の内容変更があります。

 

そこでこの記事では、「事業承継・M&A補助金」について前身の「事業承継・引継ぎ補助金」との違いや制度概要について解説します。

「事業承継・M&A補助金」とは

事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者等が事業承継やM&A(企業の合併や買収)に際して行う設備投資等や事業承継・事業再編及び事業統合に伴う経営資源の引継ぎ、または引継ぎ後の経営統合に係る経費の一部を補助する制度です。

これまで公募を行っていた「事業承継・引継ぎ補助金」の内容を踏襲しつつ、申請枠の再編等を行って公募実施するものです。

 

参照:事業承継・M&A補助金 公式HP

「事業承継・M&A補助金」と「事業承継・引継ぎ補助⾦」との違い

「事業承継・M&A補助金」とその前身となる「事業承継・引継ぎ補助⾦」は、複数の相違点があります。ここでは大きく3点に分けて解説します。

申請枠|4枠へ増枠

1つ目の違いとして、申請枠数が挙げられます。「事業承継・M&A補助金」の公募実施に際して「PMI推進枠」を新設し、申請枠が4枠となりました。

また、これまでの「経営革新枠」は名称を変更して「事業承継推進枠」となっています。

事業承継・M&A補助金(令和7年)

事業承継・引継ぎ補助金(令和6年)

・事業承継推進枠
専門家活用枠
・廃業・再チャレンジ枠
・PMI推進枠

・経営革新枠
・専門家活用枠
廃業・再チャレンジ枠

補助上限額|全体的に引き上げ

2つ目の違いとして、補助上限額の引き上げが挙げられます。全体的な引き上げに加え、賃上げなど一定の要件を満たす場合には、さらに補助上限を引き上げます。

補助率|一部要件の追加あり

3つ目の違いは、補助率です。事業承継・M&A補助金において、専門家活用枠に「100億円企業要件」を追加しました。

買い手支援類型で100億円企業要件を満たす事業者には、最大2,000万円を補助します。

ただし、令和7年5月9日から申請受付を開始する11次公募では、この100億企業要件を満たす事業者に対する補助上限額拡大は実施しません。ご注意ください。

事業承継・M&A補助金 概要

出典:事業承継・M&A補助金 チラシ

掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧

 

事業承継・M&A補助金は、4つの申請枠を設けて公募を行います。

申請枠ごとに対象となる取組みや支援内容が異なるため、ここでは各支援枠の概要を紹介します。

事業承継促進枠

事業承継促進枠(旧 経営革新枠)は、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している事業者を支援する枠です。

要件を満たす場合、最大1,000万円を補助します。補助対象経費は事業承継にかかる設備費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費等です。

専門家活用枠

専門家活用枠は、M&Aとして補助事業期間に経営資源を譲り渡すまたは譲り受ける事業者を支援する枠です。

要件を満たす場合、最大1,000万円を補助します。補助対象経費はM&Aにおいて専門家を活用する際にかかる費用で、具体的には謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料等が該当します。

PMI推進枠

新設のPMI推進枠は、M&A成立後の経営統合(PMI:Post Merger Integration)を行う事業者を支援する枠です。PMIとは、M&A後の経営統合、業務統合、意識統合といった経営統合を指します。

「PMI専門家活用類型」「事業統合投資類型」に分け、最大1,000万円を補助します。対象経費は、設備費、外注費、委託費等です。

廃業・再チャレンジ枠

廃業・再チャレンジ枠は、事業承継やM&Aの検討・実施等に伴って廃業等を行う事業者を支援する枠です。

最大150万円を補助し、事業承継推進枠、専門家活用枠、事業統合投資類型と併用申請する場合には、各補助上限に加算する形で支援を行います。

 

対象経費は、廃業支援費、在庫廃業日、解体費、原状回復費、リースの解約費移転・移設費用(併用申請の場合のみ)です。

 

参照:事業承継・M&A補助金 チラシ

掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧

事業承継・M&A補助金 申請方法

申請は、原則、電子申請(jGrants)で行います。申請にはGビズIDプライムが必要になるため、事前にアカウントを取得しておきましょう。

アカウントの申請・発行には1週間から2週間程度必要となります。また、混雑時は3週間程度必要となるため、ご注意ください。

 

参照:中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 専門家活用枠 公募要領

掲載ページ:事業承継・M&A補助金 公式HP

 

参照:GビズID

事業承継・M&A補助金 申請スケジュール

令和7年5月8日時点で公募日程が明らかとなっているのは、専門家活用枠のみです。

専門家活用枠の11次公募のスケジュールは、以下のとおりです。

 

申請受付開始:令和7年5月9日(金)

申請受付締切:令和7年6月6日(金)17:00 ※厳守

※締切日時を過ぎてからの申請は受け付けないので注意すること。

 

なお、事業承継推進枠、PMI推進枠については11次公募での公募は実施しません。

各申請枠の12次公募以降の実施有無やスケジュールについては、今後公開予定ですのでお待ちください。

 

参照:事業承継・M&A補助金 公式HP

事業承継・M&A補助金 採択結果

直近の公募回となる10次公募は、専門家活用枠の実施のみでした。専門家活用枠 10次公募の採択結果は、次のとおりです。

公募期間:2024年7月1日~2024年7月31日
申請 518件、採択 321件 (うち、専門家活用枠 318件、廃業・再チャレンジ枠(併用)3件)、採択率 約62.0%

 

そのほか、9次公募の採択結果は次のとおりです。

・総計:申請 853件、採択 522件、採択率 約61.2%

 

—-以下、内訳
・経営革新枠:申請 388件、採択 233件、採択率 約60.1%
・専門家活用枠:申請 440件、採択 275件、採択率 約62.5%
・廃業・再チャレンジ枠:併用申請 25件、採択 14件、採択率 56.0%

全国:中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金/11次締切
事業承継・M&A補助金は、事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業等及び、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業等を支援する制度です。 ■専門家活用枠 申請受付期間:2025 年 5 月 9 日(金)~2025...

まとめ

この記事では、「事業承継・M&A補助金」について前身の「事業承継・引継ぎ補助金」との違いや制度概要について解説しました。

申請枠の新設等、これまでの制度から変更があるため、申請検討の際は必ず最新情報をご確認のうえ、準備を進めてください!

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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