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ITツールの活用の重要性はオフィスワークに限った話ではなく、農業にも当てはまります。
農業におけるITツールの活用は、近年、農業で深刻化している高齢化問題や後継者不足への対策となり得ます。
そこでこの記事では、農業におけるITツールの活用につかえる「IT導入補助金」について、制度の概要や申請時の注意点、採択事例について解説します。
農業で活用できる「IT導入補助金」概要
出典:中小企業庁 サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2025』の概要
掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
IT導入補助金の制度詳細については、こちらの記事をご参照ください。

補助対象者
補助対象者は、中小企業・小規模事業者等の定義に沿う会社または個人事業主で、農業の場合も補助対象となります。
過去行われたIT導入補助金において申請を受け付けた農業関連の主な組織形態の例として、以下の組織が挙げられます。
・農事組合法人
・農業協同組合
・農業協同組合連合会
補助対象経費
IT導入補助金の補助対象経費は、業務効率化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入費用で、具体的な項目は申請類型により異なります。
ただし、いずれもあらかじめ事務局に採択されているIT導入支援事業者が提供し、登録されたITツールの導入費用に限定されます。
IT導入支援事業者とは、ITツールの導入により生産性の向上を目指す中小企業・小規模事業者等と共に事業を実施するパートナーとして、中小企業・小規模事業者等に対するITツールの説明、導入、運用方法の相談等のサポートおよび、補助金の交付申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポートを行う事業者のことです。
なお、農業で本補助金に申請する場合に想定される経費として、以下のようなツールが挙げられます。
・従業員の給与計算、労務管理等の機能を有するソフトウェア
・社員教育の受講状況を管理する教育管理ツール、業務に必要となる資格取得状況を管理するソフトウェア
・農薬や備品の在庫管理、物流に資するソフトウェア、サービス など
インボイス枠(インボイス対応類型)ではパソコンやタブレット端末といったハードウェアも補助対象となりますが、そのハードウェアがソフトウェアの使用に資するものであることが要件となります。
また、複数社連携IT導入類型もハードウェアを対象経費とすることが可能です。
ただし、複数社連携IT導入類型は、複数の中小企業・小規模事業者が連携してITツールの導入を行う場合が対象となるため、農業者が単体で申請することはできません。
IT導入支援事業者・ITツール 検索方法
出典:IT導入補助金2025 IT導入支援事業者・ITツール検索(コンソーシアム含む)
補助対象となるITツールを検索する場合は、公募サイト内にあるIT導入支援事業者・ITツール検索のページで検索します。
ITツールを検索する場合は、「要件/目的から探す」の「絞り込みオプション」で「農業・林業・漁業向け」にチェックを入れて検索すると効率的です。(画像参照)
検索結果として表示されたITツールを導入する場合、本補助金に申請できます。
農業で「IT導入補助金」に申請する際の注意点
農業を営む事業者も、要件を満たせばIT導入補助金に申請できますが、申請時に注意すべき点があります。ここでは、大きく3つの注意事項について解説します。
なお、この他にも申請要件が設けられています。申請の際は、公募要領にて申請要件等詳細を必ずご確認ください。
補助対象は“事前に登録された”ITツールのみ
先述のとおり、IT導入補助金の補助対象経費はIT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用に限定されます。
申請を検討している場合は、事前に導入したいツールの導入支援事業者・ツールが登録されているかご確認ください。
IT導入支援事業者と共同で申請
IT導入補助金に申請する際、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請する必要があります。
事業者単独での申請はできないので、ご注意ください。
ハードウェアはソフトウェアの使用に資する場合のみ対象
補助対象経費の項目で触れたとおり、インボイス枠(インボイス対応類型)ではハードウェアも補助対象となります。
ただし、ソフトウェアの使用に資する場合のみに限られますのでご注意ください。
農業の「IT導入補助金」採択事例
ここでは、農業の主な採択事例を紹介します。
米作りに必要な水管理にIoTを活用
<課題>
米の耕作面積の増加・飛び地の増加により、農作業の量が年々増している。身体的負荷も考え、ITを活用した省力化を模索していた。
特に、水管理は、栽培暦に従って成育段階に応じた調整が必要で、田んぼが散在していると、状況把握や水門の開け閉めに多くの時間がとられる。
<対策>
富山県の笑農和(えのわ)が開発したIoTを用いた水門開閉システムを導入し、手元のスマートフォンやパソコンから水位水温を把握し、用水路の水門を開閉操作できるようになった。
<効果>
水温や水量をその場にいなくてもタブレット等から把握でき、給水弁の開け閉めも遠隔操作可能となった。遠隔から水門の開け閉めが可能となり、現地を往復する時間が削減された。
参照:中小企業庁 ミラサポPlus 支援事例を探す(事例ナビ)

まとめ
この記事では、農業におけるITツールの活用につかえる「IT導入補助金」について、制度の概要や申請時の注意点、採択事例について解説しました。
農業におけるITツールの活用は、今後ますます重要性が高まります。ただし、ITツール活用には導入費用が伴いますので、補助金の活用もあわせてご検討ください。
当社 ㈱Staywayでは、IT導入補助金2025への申請をご検討中の事業者様によるご相談を受け付けております。
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