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事業再構築補助金採択後の上乗せ補助!自治体による中小企業等へのさらなる支援策まとめ

公開日 2023/09/16
更新日 2023/09/17
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

国や自治体が実施している補助事業のうち事業再構築補助金は、補助対象となる業種が幅広く、補助金額が高額であることから事業者による注目度が高い補助金です。この補助金の採択者に対するさらなる支援を目的として、自治体が上乗せ補助を実施していることがあります。

そこでこの記事では、自治体が事業再構築補助金採択者を対象に行っている上乗せ補助を解説します。

本記事で紹介する上乗せ補助の対象者は事業再構築補助金の過去公募の採択者ですが、今後実施される公募回の採択者向けにも各自治体で上乗せ補助が実施される可能性があります。

事業再構築補助金への申請をこれから行う場合で、上乗せ補助の申請を検討する場合は、各自治体の上乗せ補助の実施状況を必ず事前にご確認ください。

宮城県:中小企業等事業再構築支援補助金 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした新しい行動・生活様式の浸透など、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための新分野展開、事業転換・業態転換などの事業再構築を宮城県が支援するものです。

補助対象者

国の「事業再構築補助金」を活用している事業者で、以下の要件をいずれも満たす必要があります。

・国の実施する「事業再構築補助金」の交付を受けていること
(通常枠、卒業枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠に限る)

・中小企業者又は中小企業者と同等と認められる者であること
(国の「事業再構築補助金」にある中堅企業等(みなし中堅企業等を含む)は対象外となります)

・県内に本店を有する法人又は県内に住所を有する個人事業主

・県税に未納がないこと

・暴力団等との関わりがないこと

通常枠は事業再構築補助金 第10回公募から廃止され、成長枠として再編成されました。
ただし、上乗せ補助は過去採択された事業者が対象であることから、通常枠での採択が要件に含まれています。

補助率・補助上限額

出典:宮城県 中小企業等事業再構築支援補助金

補助率:国の「事業再構築補助金」に採択された事業の補助対象経費にかかる事業者の自己負担分の1/3以内

補助上限額:500万円

申請フロー

申請フローは上図のとおりです。

上乗せ補助を希望する場合、国が実施している事業再構築補助金の補助金額の確定通知後、「中小企業等事業再構築支援補助金事務局」へ交付申請を行います。

参照:宮城県 中小企業等事業再構築支援補助金

宮城県:中小企業等事業再構築支援補助金
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって業況が悪化し、経営の維持向上に支障をきたしている宮城県内の中小企業・小規模事業者等が、本事業の活用により持続可能な経営形態への転換など事業の再構築を図る取組みを支援する補助金です。 ----- ...

千葉県:ちば事業再構築チャレンジ補助金

本補助金は、中小企業者等が取り組む、新分野参入や、業種・業態転換等の事業再構築のうち、省エネルギーの促進や再生可能エネルギーの活用等に資するものに対して助成するものです。以下の2つの補助事業で構成されています。

1. 千葉県独自の助成
2. 国の支援策への上乗せ助成

県独自の補助事業はすでに締め切られているため、ここでは上乗せ助成についてのみ紹介します。 

国の支援策への上乗せ助成 概要

国の事業再構築補助金の採択事業者のうち、省エネ・再エネ促進に取り組む者に対し、国庫補助対象経費の自己負担分の一部を助成します。

補助対象者

国の「事業再構築補助金」(第5回公募分以降で、令和4年度中に採択を受けたものに限る)の採択を受けた事業(省エネルギーの促進や再生可能エネルギーの活用等に資するものに限る)を行う事業者。

その他、対象要件として、下記の要件を全て満たしている必要があります。

・千葉県内に補助事業を実施する事業所等を有する中小企業者等※(みなし大企業は除く。)であること。
・事業内容が公の秩序若しくは善良の風俗を害することとなるおそれがないこと。
・事業を営むに当たって関連する法令及び条例等を遵守していること。

※事業を実施した結果として県内に事業所が設立される場合も含みます。

補助率・補助上限額

補助率:補助対象経費の12分の1以内

補助上限額:500万円

申請フロー

出典:千葉県 ちば事業再構築チャレンジ補助金

申請フローは上図のとおりです。なお、申請時には事業再構築補助金の事業計画書の写しや事業再構築補助金の交付決定通知書の写しが必要となります。

千葉県:ちば事業再構築チャレンジ補助金
千葉県独自の補助は申請を令和5年5月31日(水)で締め切りました。 国の「事業再構築補助金」への上乗せ補助の申請期限を令和5年10月31日(火)から令和5年11月30日(木)まで再々延長しました。(※) (※)国の「事業再構築補助金」は...

長野県:プラス補助金 第1弾(信州未来リーディング企業育成事業)

長野県経済において中心的な役割を果たしている中小企業の未来(ポストコロナ)に向けた事業再構築を支援し、日本の各産業分野におけるリーディングカンパニーへの成長を促進するとともに、ウィズコロナ・ポストコロナを見据え、ニューノーマルに対応した低感染リスク型ビジネスへの取組など、持続可能な経営形態への転換を支援するものです。

補助対象者

中小企業経営構造転換促進事業補助金(第1弾)交付要綱に基づき、国補助金の交付決定を受け事業を実施する県内中小企業(県内に本社所在地を有する事業者)が対象です。

第1弾は、事業再構築補助金 第5回公募までの採択者が対象となります。

ただし、本補助金の交付を受けるためには、国補助金の交付決定を受けた後、事業計画を県に提出し、補助事業の確認を受ける必要があります。

補助率・補助額

出典:長野県 プラス補助金

補助率と補助額は上図のとおり、補助率:最大8/10、補助上限額は100万円です。
本補助事業には、事業再構築補助金採択者を対象とした「信州未来リーディング企業育成事業」のほか、ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金の採択者向け事業もあります。

申請フロー

出典:長野県 プラス補助金

本事業への申請フローは、上図のとおりです。申請を希望する場合は、産業・雇用総合サポートセンターへの事前相談が必要となります。

長野県:長野県プラス補助金(第1弾/第2弾)(中小企業経営構造転換促進事業補助金:第1弾/第2弾)
長野県プラス補助金(第2弾)の公募ページは下記です。 ※【第2弾】令和4年度から補助事業を開始した事業者向け ※【第1弾】令和3年度から補助事業を開始した事業者向け 令和5年12月15日:交付申請の期限を令和7年2月14日...

北海道札幌市:事業再構築サポート補助金

新型コロナウイルス感染症により、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業のうち、国補助金に申請・採択された事業者を対象として、国補助金に連動して上乗せ補助を行うものです。

補助対象者

国補助金(第1~5回公募分まで)の「通常枠」、「緊急事態宣言特別枠」、「最低賃金枠」、「大規模賃金引上枠」のいずれか交付決定を受けた中小企業者

補助率・補助上限額

補助率:補助対象経費の6分の1まで
※予算の都合上、6分の1に満たない場合があります。

補助上限額:750万円

申請フロー

以下のとおり、国補助金について補助事業が完了し、国補助金の交付額が確定した後に札幌市への交付申請を行います。

1.国補助金への申請・採択
2.採択された事業の完了
3.国補助金の実績報告・補助金額の確定
4.札幌市への交付申請
5.札幌市による審査・決定

参照:北海道札幌市 事業再構築サポート補助金

北海道札幌市:事業再構築サポート補助金
国の「事業再構築補助金」の交付決定を受けた事業者に対し、補助対象経費の一部を補助し、中小企業者等の新分野展開や業態転換等の事業再構築の取組を支援します。 ・補助率:補助対象経費の6分の1まで ※予算の都合上、6分の1に満たない場合があり...

埼玉県川口市:DX推進補助金(上乗せ支援型)

この補助金では、事業再構築補助金以外の補助金(モノづくり・商業・サービス補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金)も上乗せの対象となります。 

国の補助金(以下の1~4)の交付を受け、DX・デジタル化に繋がる取り組みを行った場合に、国の補助金に上乗せして市が補助金を支給するものです。

1.モノづくり・商業・サービス補助金
2.IT導入補助金
3.小規模事業者持続化補助金
4.事業再構築補助金

補助対象者

以下の1~4全てに該当する、川口市内の事業者が対象となります。

1. 別途定める中小企業・小規模事業者等であること
2. 国の補助金の交付確定通知を受けていること
  以下の4つの補助金について、令和5年4月1日以降に交付確定通知を受けた事業者が対象となります。
   ⓵モノづくり・商業・サービス補助金
   ⓶IT導入補助金
   ⓷小規模事業者持続化補助金
   ⓸事業再構築補助金

3. DX・デジタル化に向けた取り組みを行っていること
4. 川口市内の事業者であること

補助率・補助上限額

補助率:下記(①-②)×1/2

① DX・デジタル化への取り組みに要した経費(国の補助金において補助対象となっている経費に限る)
② 国の補助金の交付確定金額

補助上限額:100万円(1,000円未満の端数は切り捨て)

申請フロー

1.国の補助金の交付申請
2.国の補助金の交付決定
3.事業に着手
4.事業完了報告書を国に提出
5.国の補助金の交付確定通知
6.市にDX推進補助金を申請
7.審査
8.補助金支給

国の補助金確定後(事業実施後)に申請が必要となります。
なお、DX推進補助金には「上乗せ支援型」と「独自支援型」がありますが、これら2つを同時に申請することはできません。

参照:埼玉県川口市 DX推進補助金〔上乗せ支援型〕

埼玉県川口市:川口市DX推進補助金(上乗せ支援型)
川口市では国の補助金(以下の1から4)の交付を受け、DX・デジタル化に繋がる取り組みを行った場合に、国の補助金に上乗せし市が補助金を支給します。(採択予定件数:30件程度) 1モノづくり・商業・サービス補助金 2IT導入補助金 3小規...

和歌山県和歌山市:令和5年度 事業再構築支援補助金~国の事業再構築補助金への上乗せ支援について~ 

新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援する国の事業再構築補助金の交付の確定を受けた市内中小企業者等に対し、令和3年度から引き続き、和歌山市独自の上乗せ支援を行うものです。

補助対象者

次の掲げる要件すべてに該当する必要があります。

1.国の事業再構築補助金の交付の確定を受けていること 
  (国の事業再構築補助金の事業類型のうち「グリーン成長枠」は対象外)
2.中小企業者又は中小企業者と同等と認められるものであること
  (国の事業再構築補助金で定義される中堅企業等は対象外)

※国の事業再構築補助金(第1回~第7回)の公募で採択された事業者が補助の対象となります。

補助率・補助上限額

補助率:国の事業再構築補助金における補助対象経費の1/6(1,000円未満の端数は切り捨て)

補助上限額:100万円

申請フロー

出典:和歌山県和歌山市 令和5年度事業再構築支援補助金~国の事業再構築補助金への上乗せ支援について~

申請フローは上図のとおり、国の交付額確定後に、市補助金への申請を行っていただきます。なお、図内に記載のとおり、令和4年度と申請のタイミングが異なります。

和歌山県和歌山市:令和5年度 事業再構築支援補助金~国の事業再構築補助金への上乗せ支援について~
和歌山市では新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援する国の事業再構築補助金の交付の確定を受けた市内中小企業者等に対し、令和3年度に続き、和歌山市独自の...

広島県呉市:中小企業等事業再構築促進事業への追加支援 

呉市内の従業員概ね300人以上の事業所の休止・閉鎖・事業再編方針やコロナ禍への対応等で事業の再構築に挑戦する事業者の方で、国が実施する「中小企業等事業再構築促進事業」において交付額の確定を受けた中小企業・小規模事業者の方に対する支援を行います。また、休止等大規模事業所の関連事業者に対しては、更に加算措置を行うものです。

補助対象者

国の中小企業等事業再構築促進事業の第9回までの採択者で、呉市内で事業を実施したものが対象となります。対象要件は、次のとおりです。

・国の中小企業等事業再構築促進事業において交付額の確定を受けた事業者で、呉市内において事業を実施した者
・市税の滞納がない者
・呉市暴力団排除条例(平成24年呉市条例第1号)第2条第1号、第2号及び第3号の規定に該当しない者

補助率・補助上限額

補助率:事業者負担の1/10

補助上限:300万円

申請フロー

出典:広島県呉市 中小企業等事業再構築促進事業への追加支援

他の自治体の上乗せ補助と同様に、国からの交付額確定後、市に対して申請を行います。

広島県呉市:中小企業等事業再構築促進事業への追加支援
呉市内の従業員概ね300人以上の事業所(以下「休止等大規模事業所」という)の休止・閉鎖・事業再編方針やコロナ禍への対応等で事業の再構築に挑戦する事業者の方で、国が実施する「中小企業等事業再構築促進事業」において交付額の確定を受けた中小企業・...

まとめ

国の事業再構築補助金の採択事業者を対象とした、自治体の上乗せ補助を解説しました。

すでに事業再構築補助金に採択されている場合は、各自治体が実施している上乗せ補助の制度をぜひご活用ください。

また、今後の事業再構築補助金の公募実施にあわせて、上乗せ補助対象者の範囲も広がることが想定されます。国の事業再構築補助金への申請を検討している場合は、ぜひ、上乗せ補助への申請も視野に入れてご検討ください。

 

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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