【最新版】事業再構築補助金:飲食サービス業の主要分野別事例とは?

公開日 2021/08/31
更新日 2022/11/19
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新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの中小企業が経営環境を悪化させています。
こうした状況下、中小企業などに対する経営支援を主な目的として、事業再構築補助金が制定されています。
この記事では、飲食サービス業における具体的な受給事例について、5つの主要カテゴリ毎に取り上げます。

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事業再構築補助金

テイクアウト・デリバリー・移動販売

テイクアウトやデリバリーなど、店外でのビジネスを志向する事例です。

株式会社NPF・エスペリオ(北海道:緊急事態宣言特別枠)

資本金:27百万円

『おうちでレストラン』をテーマにした商品製造とテイクアウト販売コーナーの開始

中食、内食向けの食肉加工設備・保管梱包設備の導入と、冷凍販売に対応した新商品の開発および、新商品販売のためのテイクアウトコーナーの増築(併せて現在の飲食コーナーの一部撤去)。

花龍(岩手県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

ビーコン等のデジタルツールを活用した焼きおにぎり専門販売キッチンカー

自家製の味噌を使った焼きおにぎりをキッチンカーを用いて移動販売する。Withコロナに対応したビーコンSNS等のO2Oツールを最大限活用し、オリジナルメニューのブランド化に向けて取り組む。

直樹(福岡県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

現固定店舗の撤退と新規キッチンカーによる移動販売への業態転換

新型コロナウイルス蔓延により売り上げが著しく低下し回復の見通しが立たない現店舗を閉鎖し、新たにキッチンカーによる移動販売へ業態転換する。現在需要の高まっているテイクアウト業に参入し、速やかに経営の改善を図る。

焼肉伝説バリバリ(大阪府:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

テイクアウト開始による売上の柱の構築

コロナウイルスの影響により、店内販売の売上が最大で14%まで減少した。そのため、店内販売に頼らない販売の柱としてテイクアウト事業を開始する。 また、アフターコロナにおいて換気・衛生設備を増強し、顧客の安心感と満足の向上を図る。

美容・健康・薬膳系

美容や健康を意識した事例です。

株式会社フォーシーズンズ(富山県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:32百万円

食品の「健康志向ニーズ」に対する商品提供と生産体制の構築事業

既存事業と親和性の高い食料品製造分野へ進出し、コロナ禍で変化した消費者ニーズに対応する商品供給を行うため、製造設備体制及び販売体制を経営者及び従業員が一体となって構築する全社的な補助事業。

ワクワクキッチン(岡山県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

女性に好まれるヘルシーで健康的な中食(惣菜)の製造販売

中食(惣菜)はこれまでは「(ボリュームや味の)満足感」に重点を置かれていたが、最近は単身高齢者や、不調・持病のある人が多く、治療中の人でも安心して食べられるヘルシー商品の開発が望まれている、こうした健康志向の消費者を選択し、地域資源を活用した惣菜を自社が保有する最先端の設備・商品製造技術を集中して投下する。これにより地域経済活性化にも寄与する。

ポッポ亭(徳島県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

町の飲食店の美容サービス提供開始による新たな顧客層獲得事業

新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少及び新規顧客獲得に悩む飲食店が、美容業にて新たなサービスを提供することで、既存顧客とは異なる性別・年齢層の新規顧客を獲得し、全体的な売上の向上を図る。

株式会社旬食いただき(滋賀県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

「京風・幕の内弁当の販売」健康志向の女性層に向けた自家製味噌を組合せた生麩の販売

コロナ禍における来店客減少などの環境変化に対応するため、新規客層の開拓を目的として、夜だけの営業から昼営業の弁当販売も開始する。店舗営業では富裕層男性客が主な客層となっているが、自社技術を活かした健康志向のお弁当女性客を獲得する。

IT・EC展開、ネット販売

IT・ECやネット販売系の事例です。

有限会社エイブルフーズ(徳島県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

特殊冷凍による刺身・寿司等冷凍仕出し料理の開発及び全国通販事業

特殊冷凍技術の導入により、刺身・寿司等、ハレの日を彩る高品質な冷凍仕出し料理を開発、B2B専用ECサイトを設け、全国の介護施設等へ販売する。

有限会社国分寺産業(栃木県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:3百万円

下野エリア初、IT活用による非接触次世代型ハイブリッド鮮魚店の展開

全く見通しが立たない居酒屋業態の売上回復に対して、自社の強みである地元企業との繋がりや鮮魚を売りにした店舗の存在を活かして、テイクアウト型鮮魚店へ新たに展開。さらにポストコロナ時代の社会性を鑑み、ITを活用しながら、出来得る限り非接触型で商品を受け取れる仕組みを導入する。

千房ホールディングス株式会社(大阪府:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円

新たな時代に対応した新規事業~居酒屋業態の冷凍加工EC販売

コロナウイルスの影響で外食需要が激減する中、Withコロナの時代に突入し宅食需要が増加し、高鮮度維持が可能な急速冷凍機を用いて、店舗の味をそのままに感染防止の安心と食の楽しみ、喜びを届ける事業を目指す。

株式会社味王本店(福岡県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:1百万円

スマホを使用し利用者の試行に合せた学校給食事業の構築と展開

コロナ禍で激減する仕出し業から、学校給食を対象にスマホを活用した事前予約による嗜好に合せた昼食の提供と、現場での効率的食事の提供、新規顧客の獲得を実現する事業を展開する。

地域密着・地域資源活用

地域密着型、地域資源を活用する事例です。

もんど(岩手県:通常枠)

資本金:非公開

地域密着クラフトビール醸造所併設飲食店によるEC戦略

既存飲食店に併設したクラフトビール醸造所を所有ビル内に建設し、通信販売、直販を行う新たな事業とする。また、既存飲食店でクラフトビールを提供し、相乗効果を狙う。

株式会社加とう(愛知県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円

セルフメディケア時代における「地域の”食”と”健康”推進ステーション」事業

これまで培った食を軸に、食×健康サービス業へ市場を拡大する。地域の食と健康推進ステーションとして安心・健康食のテイクアウト事業と健康・運動サポートの接骨院事業を展開し地域の健康作りに貢献する。

宿場町矢掛の侍イタリアン(岡山県:通常枠)

資本金:非公開

高級食パンを使ったサンドイッチによる地域貢献と売上増加

新たに店舗を構えて、甘麹を使用した高級食パンを製造し併せてサンドイッチを新メニューとして販売する。パンの製造には生地を障害者雇用所、店舗運営に地元雇用、使用する食材は地元産の野菜や果物とし、当店だけでなく地域全体にお金が回る仕組みとし関係者全員の収益増加を図る。

Borage DINING&CAFE(兵庫県:通常枠)

資本金:非公開

地域資源「播州地卵」を使ったお菓子製造販売業への転換

新型コロナウイルス感染症拡大によって飲食業という対面ビジネスに限界を感じ、今まで培ってきたデザート提供の強みを生かして地域資源「播州地卵」を活用したお菓子を開発し、思い切って菓子製造業に業種転換する。

異業種への転換

異業種への転換を目指す事例です。

LEPIA(石川県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

脱毛専門エステサロン事業計画

緊急事態宣言による外出自粛等の影響により飲食店の集客が戻らないため、新たに脱毛専門のエステサロンを開業。飲食店と脱毛サロンの相乗効果による売上増加を見込む。

Barシャドック(北海道:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

エコ資源・人的資源を活用したペットフード加工事業の開始

エゾ鹿や廃棄される未利用魚などを利用してペットフードの加工事業を始める。委託加工にて安定した加工量を確保しながらオリジナル商品を開発し販売する。従業員に安定した働く場所を提供する。

魚串BAR(大阪府:通常枠)

資本金:非公開

IoT導入オープン型コインロッカー併設コインランドリー

コロナウイルスの影響で行きが見えない状態では既存事業は廃業の危機にある。そこで、コロナ等を含め、外部環境に左右されにくく、継続的かつ安定的に売上を向上させていく分野への展開を図り事業の再構築を図るため、コインランドリー事業を展開する。

有限会社長州(埼玉県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

屋外飲食ブース&テイクアウト用屋台づくりと貸会議室の新規運営

①コロナ禍で入店に抵抗を感じるお客さまのために屋外飲食ブース新設とお料理をテイクアウトできる屋台の運営
②長州ビル3階ワンフロアを貸会議室・コワーキングスペースに改修・運営

最後に

飲食サービス業での補助金受給企業は、前に解説した宿泊業とあわせると全体で1,716件と膨大で、この記事で取り上げたのはそのごく一部です。
各事業の詳細はそれぞれの企業のホームページ等でもご確認ください。
これから同補助金を申請しようとしている事業者への参考となれば幸いです。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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