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DXを支援!観光事業者のデジタル化促進事業補助金とは?

公開日 2023/04/28
更新日 2023/05/01
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

デジタル技術を活用し、新たな付加価値を加える取り組みは、「DX(ディーエックス)化」「デジタルトランスフォーメーション」と呼ばれています。

この取り組みは各業界において、生産性向上や人手不足解消のための急務です。観光事業者も例外ではなく、DX化の必要性が高まっています。

こうした背景から、東京都では、環境業におけるDX化を支援するため「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」を実施しています。そこで本記事では、「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」について詳しく解説します。

事業概要

東京都および(公財)東京観光財団では、都内の中小企業の観光事業者のデジタル化やDXを支援することにより、事業の生産性向上や新サービス・商品の開発等を促進し、都内の観光産業の活性化を行うとともに、旅行者の利便性を向上させるスマート観光の実現を図ることを目的とした取組を支援しています。

引用:(公財)東京観光財団 観光事業者のデジタル化促進事業補助金

令和4年度事業との違い

「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」は、令和4年度にも実施されていました。

令和4年度と今回の令和5年度実施分における違いは、1事業者あたりの補助金上限額が大きく引き上げられたことです。具体的には、これまで上限が2,000万円だったのに対し、令和5年度では最大3,000万円までとされています。

なお、令和4年度、令和5年度いずれも下限額(100万円)が設定されていて、広告費の上限が500万円となっている点は変わりません。

補助率・補助限度額

補助率と補助限度額は、次のとおりです。

補助率:補助対象経費の2/3以内

補助限度額:3,000万円

※下限額:100万円
※広告費は上限500万円

補助対象事業者 

本事業は、都内の中小企業の観光事業者(宿泊事業者、飲食事業者、小売事業者、旅行事業者等)を対象としています。対象には、これから観光関連事業を営む予定の事業者も含みます。

その他、細かな要件があり、以下の①~⑤すべてを満たす必要があります。

①中小企業者(会社及び個人事業者)であること
②東京都内で旅行者向けにサービス・商品を販売・提供する事業を営む(予定を含む)観光事業者であること
③東京都内に事業所を設置している事業者であること
④法人は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、個人事業者は「個人事業の開業・廃業等届出書」が確認できること
⑤公序良俗に反する点がないこと(「東京都暴力団排除条例」に規定する事業者でないこと、刑事法令による罰則の適用を受けていないこと、都税その他租税の未申告または滞納がないこと、など)

支援内容

本事業の主な支援内容は、以下のとおりです。

経費の補助

都内の中小企業の観光事業者が行う、以下のような取り組みに対し、経費の補助を行います。

  • デジタル技術を活用して新たに実施する自社の生産性向上における取り組み
  • 新サービス・商品開発等に関する取り組み

具体的な取り組みには、以下のような例が挙げられます。

【想定例】

  • 管理業務の効率化や販売実績の分析等が可能な顧客予約管理システム(PMS)の構築・導入
  • 直販比率拡大のための自社サイト内の予約販売・決済システムの構築・導入
  • AIや位置情報を活用した混雑情報の発信
  • ロボットによる受付・案内・掃除・運搬等
  • IoTを活用した空室情報サービスの提供
  • 旅行者の行動・購買履歴等のデータを活用した販売促進 等

経営アドバイザーによる支援(任意)

生産性向上や新サービス・商品開発に取り組むにあたり、中小企業診断士が①・②のようなアドバイスを行います。

①事業計画のブラッシュアップ
事業性の観点から、事業計画の課題と方向性を提示し、具体性の高い事業計画に向けた助言

②事業計画の実行支援
アドバイザーが補助事業の進行管理とともに、進捗状況に応じて、デジタル 化・DX に関する助言

※経営アドバイザーの派遣期間は、補助対象期間に準じます

補助対象事業の主な留意点

補助対象事業に関し、以下5点に留意してください。

  • 事業の主要部分(構想、企画、仕様)の策定は自社で行うこと
  • 新サービス・商品開発の場合は、補助対象期間内に目標を達成する最終成果(サービスの提供の基礎となる仕組みやノウハウ、試作品等)を完成させること
  • 補助対象期間の途中で申請要件を満たさなくなった場合や、目標達成の見込みがないと判断された場合には、期間内であっても支援を打ち切る場合あり
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、実現性のある事業計画を策定すること
  • 原則、都内の観光客のサービスのレベルアップや利便性が向上する取り組みを実施すること

補助対象事業とならない場合の例

以下に該当する場合、補助対象事業とならないため、ご注意ください。

  • 開業、運転資金等の本事業で直接関係のない経費の補助を目的としている事業
  • 新サービス・商品開発の内容が特定の顧客(法人・個人)向けで、汎用性のない事業
  • 公序良俗に反する事業など、事業の内容について適切ではないと判断される事業

申請期間・申請方法

出典:【令和5年度】観光事業者のデジタル化促進事業 募集要領(第1回募集)

申請期間:令和5年4月19日(水)~令和5年6月16日(金)【当日消印有効】

申請方法:必要事項を明記した書類を、「簡易書留」により申請期間内に郵送すること。

※申請書類に不備がある場合は、申請を受け付けられません。
※募集締切後、書類審査(一次審査)及び面積審査(二次審査)を実施し、補助対象事業者を決定します。

なお、申請から補助金交付までのフローは画像のとおりですが、書類審査の後に面接があります。最長2年間の補助対象期間を経て、完了検査を受けた後、補助金交付となります。

過去採択率

これまで実施された本事業の採択率や採択件数は、非公開となっています。

東京都:観光事業者のデジタル化促進事業補助金/第2回
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まとめ

「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」について解説しました。

近年、観光業界や宿泊業界で人手不足が問題となり、DX化による解消が期待される一方、観光客や利用客にとってもメリットの大きな取り組みです。

インバウンド回復の兆しも見え始めてきたこの時期、ぜひ、本補助金を事業の拡大にお役立てください。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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