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農林水産省は、農林漁業者及び食品事業者の所得確保や持続的な発展を目的として、食品産業における加工食品等の輸出拡大を支援する「輸出向けHACCP等対応施設整備事業」を実施しています。
具体的には、令和5年3月13日(月曜日)から「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備緊急対策事業(令和4年度補正予算)」の追加募集と、「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業(令和5年度当初予算)」の募集を行っています。
令和4年度補正予算では最大5億円、令和5年度当初予算では最大3億円を交付する事業です。現在実施中の公募は、4月13日をもって終了となりますが、年度末にもう1度実施する可能性があります。
そこでこの記事では、「輸出向けHACCP等対応施設整備事業」について解説します。
事業の趣旨
本事業では、農林水産物・食品の輸出拡大を図るため、輸出向けHACCP等の認定・認証の取得による輸出先国の規制等への対応に必要となる施設や機器の整備を支援します。
例として、農林水産物・食品の輸出を目指す事業者のうち、以下のような事項で困っている者に対し、輸出先国の規制・条件に対応した施設・機器の整備とHACCP等の施設認定・認証取得を一体的に支援します。
・対米・対EU輸出に際し、施設の認定を取得するための衛生設備の整備や、HACCPに沿った衛生管理をする必要がある。
・輸出先国のバイヤーから国際認証(ISO22000、FSSC22000等)の取得を求められ、認証の要求事項に対応した施設整備や活動が必要である。
支援対象事業者、対象事業
本事業における支援対象事業者と対象事業は、次のとおりです。
対象事業者
食品製造事業者 、食品流通事業者 、中間加工事業者など
支援対象事業
①施設等整備事業
加工食品等の輸出拡大に向け、輸出先国等の求める基準・条件等の規制に対応するため、製造・加工、流通等の施設の新設(掛かり増し経費)及び改修、機器の整備に係る経費を支援します。
②効果促進事業
施設整備と一体的に行い、その効果を高めるために必要なコンサルティング費用等の経費(効果促進事業)を支援します。(①の事業費の20%以内)
支援事業の例
「①施設等整備事業」の支援例として、以下が挙げられます。
- 施設の衛生管理の強化に対応する排水溝、床、壁等の改修
- 厳密な温度管理に対応する急速冷凍庫等の導入
- 空気を経由した汚染を防止する設備(パーティション)の導入
- 製造ラインにおいて添加物混入を回避する輸出専用ミキサーの導入
参照:2030年輸出5兆円目標の実現に向けた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の実施のうち食品産業の輸出向けHACCP等対応施設の整備
交付率、交付額
交付率
1/2
交付額
令和4年度補正予算:上限5億円、下限250万円
令和5年度当初予算:上限3億円、下限500万円
申請方法
各都道府県に事前に相談の上、締切までに下記書類を各都道府県窓口に提出します。
- 事業実施計画案
- 輸出事業計画案
公募スケジュール
既に、令和5年3月13日(月曜日)から令和4年度補正予算の追加募集分、令和5年度当初予算分ともに募集が行われています。令和5年度当初予算事業の実施については、予算成立が前提となります。
締切日は、都道府県ごとに異なります。そのため、本事業への応募を検討する場合は、整備する施設がある都道府県窓口に確認が必要です。
なお、各都道府県から地方農政局等への提出は令和5年4月13日(木)を予定していて、この日をもって現在の公募は締切となります。
ただし、年度末に再度募集実施の可能性があります。応募をご検討中の方は、注意して情報をご確認ください。
主な都道府県の募集締切日
都道府県ごとに締切を設定しているため、ここでは主な都道府県の募集締切日を紹介します。
多くは既に締切を迎えていますが、締切日の設定に大きな幅があるため、次回募集時に向けて参考にしてください。
- 北海道:令和5年3月31日(金)
- 東京都:令和5年3月27日(月)
- 福井県:令和5年4月7日(金)
- 大阪府:令和4年11月21日(月)17時
- 京都府:令和4年10月26日(水)17時
- 福岡県:令和5年4月6日(木)17時
まとめ
今回は、食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業について解説しました。
輸出は、新たな販路開拓のチャンスです。自社の事業維持・拡大のため、輸出に向けた取り組みを支援する本制度を、ぜひご活用ください。
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