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「健康経営優良法人認定制度」は、企業の信頼性やブランド力を高める取り組みとして注目されている制度です。
要件を満たし、申請料を支払うことで認定を受けることができ、補助金申請時の加点や資金調達での優遇措置を受けられるほか、企業イメージの向上による人材確保にもつながります。
そこでこの記事では、健康経営優良法人認定制度の概要、認定による具体的なメリットについて解説します。
健康経営優良法人認定制度とは
健康経営優良法人認定制度とは、日本健康会議が、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」して認定する顕彰制度です。
健康経営を実践する法人における従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的な評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。
この制度では、大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門を設けています。
なお、「健康経営優良法人」の認定期間には約1年間という期限があります。「健康経営優良法人2025」の認定期間は、2026年3月31日までです。
そのため、「健康経営優良法人2025」に認定されている法人が2026年4月以降も認定を受け続けるには、2025年度健康経営度調査への回答が必要です。
日本健康会議とは
「日本健康会議」とは、少子高齢化が進む日本において、国民の健康寿命を延ばし、適正な医療を実現することを目的に設立された組織です。
民間団体が連携し、行政の全面的な支援を受けながら実効性のある活動を行っています。
参照:日本健康会議とは
健康経営とは
「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営の視点で捉えて戦略的に取り組むことを指します。
企業理念に基づき従業員への健康投資を行うことで、従業員の活力や生産性が高まり、組織全体の活性化につながります。その結果、業績の向上や株価の上昇にも結びつくと期待されています。
健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定について
ここでは、健康経営優良法人2026における「大規模法人部門」の認定について解説します。
対象法人
出典:健康経営優良法人申請区分
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 大規模法人部門)
「大規模法人部門」の区分に申請できる企業は、「会社法上の会社等」または「士業法人」の場合、業種別・従業員数別に定義されています。
ここでいう「従業員」とは、「常時使用する従業員」を指し、労働基準法第20条に基づく「解雇の予告が必要となる者」が該当します。
例えば卸売業の場合、この定義に当てはまる従業員が101人以上いれば、「大規模法人部門」への申請対象となります。
ただし、他にも区分や要件が設けられているため、申請前には必ず公式ホームページで詳細を確認してください。
なお、代理申請を認めていないため、行政書士などが申請代行を行うことはできません。申請者本人がご記入のうえ、申請するようご注意ください。
認定要件
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 大規模法人部門)
健康経営優良法人2026(大規模法人部門)には、上表のとおり、認定要件があります。申請の際は、5つのカテゴリ・計28項目の認定要件を満たしている必要があります。
<参考:申請要件のカテゴリ(大項目)>
1. 経営理念(経営者の自覚)
2. 組織体制
3. 制度・施策実行
4. 評価・改善
5. 法令順守・リスクマネジメント(自主申告)
認定申請方法
健康経営優良法人認定の「大規模法人部門」では、申請時に「健康経営度調査」への回答が必須です。
健康経営度調査は、法人における健康経営の取り組み状況や経年的な変化を分析するための調査で、2014年度から実施しています。
この調査結果は、「健康経営銘柄」の選定や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定に必要な基礎情報として活用します。
大規模法人による回答内容をもとに要件の達成状況を判定し、上位500法人は「ホワイト500」として認定します。
認定申請料
認定申請料:80,000円(税込88,000円)/件
グループ会社との合算で申請する場合、申請主体となる法人80,000円(税込88,000円)に加えて、同時認定の対象となる合算1法人あたり15,000円(税込16,500円)を加算します。
健康経営度調査への回答のみを行う場合、フィードバックシートの提供はありますが、認定審査は行わないため認定申請料不要です。
申請期間後、メールまたは郵送にて請求書が送られます。請求書を受け取った後、上記の金額を指定の口座に振り込みます。
12月31日(水)15時時点の入金確認をもって認定審査を実施しますので、期日までにお支払いください。
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 申請料のお支払い)
2025年度 健康経営度調査回答期間
2025年度における健康経営度調査の回答期間(=健康経営認定制度への申請期間)は、次のとおりです。
・2025/8/18(月)~2025/10/10(金) 17時 締め切り
健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)の認定について
ここでは、健康経営優良法人2026における「中小規模法人部門」の認定について解説します。
対象法人
出典:健康経営優良法人申請区分
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 中小規模法人部門)
「中小規模法人部門」の区分に申請できる企業は、「会社法上の会社等」または「士業法人」の場合、業種別・従業員数別・出資金または資本金額によって定義されています。
ここでいう「従業員」は、「常時使用する従業員」を指し、労働基準法第20条に基づく「解雇の予告が必要となる者」が該当します。
例えば卸売業の場合、この定義に当てはまる従業員が1人以上100人以下、もしくは、出資金または資本金額が1億円以下であれば、「中小規模法人部門」への申請対象となります。
ただし、他にも区分や要件が設けられているため、申請前には必ず公式ホームページで詳細を確認してください。
なお、「大規模法人部門」同様に代理申請を認めていないため、行政書士などが申請代行を行うことはできません。申請者本人がご記入のうえ、申請するようご注意ください。
認定要件
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 中小規模法人部門)
健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)には、上表のとおり、認定要件があります。申請の際は、5つのカテゴリ・計24項目の認定要件を満たしている必要があります。
<参考:申請要件のカテゴリ(大項目)>
1. 経営理念・方針
2. 組織体制
3. 制度・施策実行
4. 評価・改善
5. 法令順守・リスクマネジメント(自主申告)
認定申請料
認定申請料:15,000円(税込16,500円)/件
申請期間後、メールまたは郵送にて請求書が送られます。請求書を受け取った後、上記の金額を指定の口座に振り込みます。
12月31日(水)15時時点の入金確認をもって認定審査を実施しますので、期日までにお支払いください
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 申請料のお支払い)
認定申請方法
中小規模法人が申請する場合、まずは加入している保険者が実施する「健康宣言事業」への参加が必要です。実施の有無については、加入先の保険者へお問い合わせください。
保険者が健康宣言事業を行っていない場合は、自治体の実施する健康宣言事業への参加、または自社独自の健康宣言で代替できます。
そのうえで「健康経営優良法人認定申請」に回答し、内容に基づいて要件の達成状況を判定します。
判定結果により、上位500社は「ブライト500」、501位~1500位の法人は「ネクストブライト1000」として認定します。
申請手順は「初めて申請する場合」と「過去に申請経験がある場合」で異なります。
申請には申請用IDが必要で、初めての申請時は事前に取得する必要があります。すでにIDをお持ちの場合は再発行は不要です。
詳細な申請手順については、以下をご確認ください。
認定申請期間
2025年度における健康経営優良法人認定申請期間は、次のとおりです。
・2025/8/18(月)~2025/10/10(金) 17時 締め切り
健康経営優良法人認定を受けるメリット
ここでは、企業等が「健康経営優良法人認定」を受けるメリットについて、大きく3つに分けて解説します。
補助金の審査時に加点対象となる
本認定を受けると、後述する補助金の審査で加点措置の対象となります。
加点により採択の可能性が高まるため、補助金の活用を検討している企業にとって、大きなメリットとなります。
働き方改革推進支援資金において優遇利率が適用される
さらに、日本政策金融公庫の働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)において、優遇利率の適用対象となります。
働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)は、「働き方改革」に取り組むために必要な設備資金や長期運転資金として融資されるもので、融資限度額は7億2千万円です。
基準利率は1.75%ですが、次のとおり要件に応じて特別利率が適用されます。
・健康経営優良法人の認定を受けている方:2億7千万円まで 特別利率 1.35%
・うちホワイト500又はブライト500の認定を受けている方:2億7千万円まで 特別利率 1.10%(いずれも令和7年2月3日時点。貸付期間5年の場合。)
・2億7千万円超:基準利率 1.75%
人材確保に有利となる
さらに、認定を受けることで、次の優遇措置の適用対象となります。
ハローワーク求人票に「健康経営優良法人」のロゴマークが利用できる |
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在留資格審査手続きの簡素化 |
ロゴマークを使用することで、健康経営に取り組んでいることを対外的にアピールでき、企業イメージの向上や社会的な信頼獲得につながります。
さらに、在留資格審査の手続きが簡素化されるため、採用活動をスムーズに進めやすくなるというメリットもあります。
健康経営優良法人認定により加点対象となる補助金
企業等が健康経営優良法人の認定を受けると、次の5つの補助金の審査で加点対象となります。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業等が取り組む、革新的な新製品・新サービス開発等を行うための設備投資等を支援する制度です。
2つの申請枠があり、補助率は1/2~2/3、補助上限額は2,500万円~4,000万円です。(申請枠、要件による)

IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する制度です。
計5つの申請類型があり、補助率は1/2~4/5、補助上限額は50万円~450万円です。(申請枠、要件による)

事業承継・M&A補助金
事業承継・M&A補助金は、事業承継に際しての設備投資や、M&A・PMIの専門家活用費用等を支援する制度です。
計5つの申請枠があり、補助率は1/2~2/3、補助上限額は150万円~2,000万円です。(申請枠、要件による)

中小企業新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金は、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等を支援する制度です。
補助率は1/2、補助上限額は2,500万円~9,000万円です。(要件による)

Go-Tech事業 ※2025年度公募終了
Go-Tech事業は、中小企業等がものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けて、大学・公設試と連携して行う研究開発を最大3年間支援する制度です。
補助率は2/3以内、補助上限額は9,750万円または3年間合計3億円以下となります。(申請枠・要件による)

まとめ
この記事では、健康経営優良法人認定制度の概要、認定によって得られる具体的なメリットについて解説しました。
健康経営優良法人認定制度は、補助金申請での加点や資金調達時の優遇、企業イメージ向上による人材確保など、企業にとって大きなメリットがある制度です。
従業員の健康づくりを経営戦略の一環として位置づけることで、組織全体の生産性向上や離職防止にもつながります。
今後の事業発展や採用活動を有利に進めるためにも、ぜひ認定取得を検討してみてください。
なお、当社 ㈱Staywayでは、補助金申請に関する無料相談を承っています。補助金活用をご検討中の事業者様は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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