新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの中小企業が経営環境を悪化させています。
こうした状況下、中小企業などに対する経営支援を主な目的として、事業再構築補助金が制定されています。
この記事では、製造業に続き、建設業おける具体的な受給事例について、5つの主要カテゴリ毎に取り上げます。
カテゴリ1:IT・EC・次世代通信
IT・ECなどの新規テクノロジーを活用する分野です。
株式会社大幸組(九州:緊急事態宣言特別枠)
資本金:39百万円
地元土木会社に対するICTコンサルティングサービスを新規展開
建設業で喫緊の問題となっているのが、担い手不足および財政難を解消すべく、国が掲げている土木のICT化です。イニシャルコストや教育時間により、活用できない地元の土木会社にICTを気軽に活用できるサービスを新規に展開します。
アゼウス株式会社(関東:緊急事態宣言特別枠)
資本金:非公開
インターネットなどのデジタル技術活用により、販路拡大と業務効率化の実現
インターネット等のデジタル技術活用により、対面型事業(既存マーケットの縮小)から非対面型事業への転換を図り、新規マーケットへの販路拡大と業務効率化を実現する。政策や市場動向に合致した高スペック・リーズナブルな照明器具の小売販売を目指す。
株式会社フューダック(中部:緊急事態宣言特別枠)
資本金:非公開
WEB完結型オンライン住宅販売システムの構築
①耐震性等の優れた高性能住宅への対応
②高性能住宅を一般住宅並みの価格で提供
③コロナ感染リスクの回避
これらの課題を解決するために高性能規格住宅の商品開発によりコストダウンを図り、VRシステムで体感・WEB上で見積り・資金計画・ローン手続きまで行えるWEB完結型の非対面住宅販売システムの構築を行う。
青山建築事務所(近畿:緊急事態宣言特別枠)
資本金:非公開
まだ間に合うEC市場・気軽に利用できる撮影スタジオ
関西では数少ない本格白Rホリゾント撮影スタジオで、同社のPR映像や自身のPR映像または商品のPR映像を同僚や友達同士で、緊張することなくいつもの笑顔で世界に即発信できるシステムを提供。
カテゴリ2:医療・バイオ・未来
医療やバイオ、未来系の事業分野です。
株式会社トーレイ(関東:緊急事態宣言特別枠)
資本金:10百万円
オゾン発生器とナノバブルを用いた水質浄化事業
オゾンを用いたナノバブルの活用により、店舗や工場から排出される汚水を処理し環境改善に役立てると共に、顧客に昨今の世界的情勢であるSDGsの目標達成手段を提供する。
株式会社ウラシコ(中部:通常枠)
資本金:非公開
医療廃棄物を滅菌処理し、再生化した物を販売する事業への新規参入
医療廃棄物の不法処理による自然・環境破壊、医療事故問題を解決するため、医療廃棄物を無害化し、無害化した物を再生化していくことで、自然環境問題解決をする医療廃棄物の再生化事業に新規参入する。
スターテクノス株式会社(中国:緊急事態宣言特別枠)
資本金:10百万円
電気自動車(EV)用充電スタンドのレンタル事業
企業や小規模事業者を対象にEVスタンドレンタル事業を進める。急激に増えていく電気自動車を鑑み、EVスタンドを初期費用0円でレンタル提供し、小規模事業者でも導入を容易とする。
株式会社折園(九州:通常枠)
資本金:20百万円
剪定くず・伐採くずで燃料チップ及びバイオマスチップを生産するリサイクル事業
従来造園事業で発生していた剪定くず・伐採くず(木片・生木・流木・ベニア等)は、産業廃棄物処理業者へ廃棄依頼をし多くのコストをかけてきた。そこで同社では中間処理施設を建設し、燃料チップ及びバイオマスチップを生産するリサイクル事業へ取り組む。
カテゴリ3:地域再生
地域再生を目指すプロジェクトです。
工藤物産有限会社(東北:通常枠)
資本金:3百万円
ふるさとを緑豊かな森にする事業
成熟した森林資源が適切に伐採され、様々な形で木材の利用が図られるとともに、伐採跡地には将来の利用に向けて再び森林が造成され、持続的な循環利用が保たれる。地域再生のため、緑豊かな森が形成される助力を行う。
東伸工業株式会社(関東:通常枠)
資本金:30百万円
「地域資源再生企業」へ 建設力・環境力・地元力で宿泊業参入
廃業した和風旅館を再生して、1階はサイクリストと釣り客向けの簡易宿泊所、2階は高級和室旅館という二面性の宿泊施設でケータリングを活用し地域飲食店と共存共栄する。体験型ショールームとして既存事業に活用する。
株式会社崎山組(近畿:通常枠)
資本金:60百万円
土地活用に繫がる地域密着型グループホーム事業の導入
市場縮小等による経営不安解決のため、当補助金により同社にとっては新分野事業である「障がい者グループホーム」の運営に参入する。自社の経営の多角化を図り、障がい者の自立支援と地域貢献を目指す。
株式会社シンクリエイト(関東:緊急事態宣言特別枠)
資本金:20百万円
安全な店舗環境で、安心の食材を提供する飲食店開業
健康と食の安全にこだわった飲食店を提供。既存事業で培った店舗設計ノウハウを活用し、設計段階から本格的なウィルス感染対策を取り入れた店舗を開店。地域の農家等を連携し、地産地消の食材を使った食の安全にこだわった料理を提供。
カテゴリ4:コロナ対策
コロナ対策に取り組む事例です。
株式会社LLCtoy(中部:緊急事態宣言特別枠)
資本金:5百万円
家族や友人等との小規模披露宴等をトータルプロデュース
コロナ禍で結婚式等が延期や中止となるケースが多発しており、その中で身近な家族等、少人数を対象とした披露やフォトウェディングの需要が増大している。これに対応するため、当該事業で小規模人数に特化した披露宴やフォトウェディング事業を提供。
株式会社オーネスト(中国:緊急事態宣言特別枠)
資本金:10百万円 年商:非公開
ログハウスメーカーによる北欧式家庭用サウナ通販事業展開
コロナ禍の経済不安で減少したログハウスの販売を、世界No.1のログハウスメーカーとしてのブランド力を活かし、北欧ライフスタイルを提案するビジネスモデルに転換する。同社の強みを活かし、人気急上昇中の本格的北欧サウナの通販事業を開始する。
株式会社みかわ屋(中部:緊急事態宣言特別枠)
資本金:5百万円
リユース店頭買取事業とインターネット販売事業
コロナの影響を受けやすい建設業界の経営リスク回避を図るため、建設業界の影響を受けにくいリユース店頭買取販売事業を開始。既存事業のなかで構築してきた地元工務店等ネットワークを活用し、新事業の価格競争力を武器に地域雇用創出に繋がる事業を目指す。
株式会社アボス(近畿:緊急事態宣言特別枠)
資本金:30百万円
ウイルス対策を完備した新型ヨガスタジオを開設し地域住民の健康増進を図る計画
ウイルス対策を完備し、子供連れでも安心して通える新型ヨガスタジオを開設し、コロナ禍による外出自粛で体や心の健康を損なっている地域の方々へ癒しを届け、地域のコミュニティーの場として健康の増進を図る。
カテゴリ5: 新規アイデア提供
新規にアイデアを創造し、提供を目指す分野です。
佐藤重工業株式会社(北海道:通常枠)
資本金:20百万円
最新式3次元レーザ加工機導入と設計力・鉄骨加工の技術力を複合活用したインフラ・デザイン建築建具需要獲得による事業再構築
感染症の影響を受け主事業の畜産施設建築の需要が低迷している。3次元レーザ加工機の導入と長年の鉄骨加工ノウハウ、デザイン力を複合的に活用することで鉄骨等の高精度3次元加工体制を構築し、事業継続のため需要伸長が見込めるインフラ業界や建築建具などの需要を取り込む大胆な新分野展開を図る。
株式会社旺建(四国: 通常枠)
資本金:50百万円
「森林の廃棄資源」を用いて、SDGs達成へ向けた製造業へ新チャレンジ
間伐時に山に廃棄される資材に着目し、それを原材料とした製造業へと新分野展開を図る。同社の強みや事業機会等を分析し、確かな原材料の成分に関するエビデンスに基づき、既存事業とシナジー効果を図る。
竹之内工務店(近畿:緊急事態宣言特別枠)
資本金:非公開
先端建築技術を用いた低感染リスク型飲食店開業による新分野展開
経営改善には、感染症対策として有効な施工法の習得が急務である。それには換気機能の強化が有効であり、認知を広める方法として低感染リスク型飲食店をモデル店舗として新たな事業展開を図る。
株式会社大煌(中部:緊急事態宣言特別枠)
資本金:5百万円
個人向けB2C足場市場から大規模修繕向けのB2B足場市場への業態転換
民間工事から高所作業工事(マンション大規模修繕工事)を受注するため、ランディングボックスを導入する。ランディングボックスを導入することで、荷役作業の安全性が向上し、作業効率の向上が可能となる。
最後に
建設業での補助金受給企業は全体で543件と多数で、この記事で取り上げたのはそのごく一部です。
各事業の詳細はそれぞれの企業のホームページ等でもご確認ください。
これから同補助金を申請しようとしている事業者への参考となれば幸いです。
関連する補助金