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0.はじめに
省エネ補助金(設備単位型)は、省エネ性能の高い指定設備を導入する中小企業・中堅企業にとって、設備投資コストを大幅に削減できる有力な制度です。しかし、補助経費の対象となる設備や性能基準はこまかく定められているため、注意が必要になります。
本記事では、省エネ補助金(設備単位型)について、補助対象経費の具体的な範囲や計上できない経費のポイントまで解説します。申請を検討している方は、ぜひ最後までご確認ください。
1.省エネ補助金(設備単位型)とは
省エネ補助金(設備単位型)は、産業・業務部門における省エネを推進するため、省エネ性能の高い「指定設備」の導入を支援する国の補助制度です。一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が執行機関となり、経済産業省の委託を受けて運営されています。
この制度の最大の特徴は、工場や事業場全体のエネルギー消費量ではなく、導入する設備単体の省エネ性能に着目している点です。そのため、省エネ計画の策定や事業場全体のエネルギー管理体制の整備が必要な「工場・事業場単位型」と比べて、申請手続きが比較的シンプルで、幅広い規模の事業者が活用しやすい仕組みになっています。
令和7年度の動向

出典:トップページ SII:一般社団法人環境共創イニシアチブ
令和7年度補正予算においても「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」として制度が継続されており、1次公募は2026年3月30日より受付が開始されています。
令和7年度の大きな変化のひとつが、制度名称の変化にも表れているとおり、「非化石転換(脱炭素化)」の視点が明確に強化されたことです。従来の省エネ促進という目的に加え、化石燃料から電気・再生可能エネルギーへの転換を後押しする「電化・脱炭素燃転型」も設けられ、GX(グリーントランスフォーメーション)推進の観点からより幅広い設備導入を支援する体制が整いつつあります。
なお、令和7年度補正予算では、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型、(Ⅲ)GX設備単位型、(Ⅲ)設備単位型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型という複数の事業類型が設けられています。申請を検討する際は、自社の設備投資の目的に合った類型を選択することが重要です。
補助対象経費の範囲と補助率
設備単位型における補助対象経費は、原則として「設備費」のみです。
補助率は補助対象経費の1/3以内と定められています。設備の導入に直接かかる費用(機械・装置本体の購入費)が対象の中心となり、後述するような建物工事費や汎用備品費などは原則として対象外となります。補助上限額は設備の種類や規模によって異なるため、公募要領の最新版で必ず確認するようにしましょう。
他の事業類型との違い(工場・事業場単位型との比較)
省エネ補助金には、設備単位型のほかに「工場・事業場単位型」という類型があります。両者の違いを正しく理解しておくことで、自社に適した類型を選べるようになります。
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設備単位型 |
工場・事業場単位型 |
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省エネ評価の単位 |
導入設備単体 |
工場・事業場全体 |
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補助対象経費 |
設備費のみ |
設備費・工事費・調査費など |
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申請の難易度 |
比較的シンプル |
省エネ計画の策定が必要 |
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補助率の目安 |
1/3以内 |
1/2以内(中小企業等) |
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向いている規模・状況 |
単体設備の更新・導入 |
大規模な省エネ改修 |
設備単位型は工場・事業場単位型と比較して申請のハードルが低い反面、補助対象経費が設備費のみに限定されるため、工事費や調査費は自己負担となります。一方、工場・事業場単位型は対象経費の幅が広く、補助率も高くなる場合がありますが、エネルギー使用状況の詳細な把握や省エネ計画の策定が求められます。
2.補助対象経費となる指定設備
設備単位型の補助を受けるには、SIIが定める「指定設備」に該当し、かつ製品型番登録がされた設備を導入することが前提です。指定設備は大きく「ユーティリティ設備」と「生産設備」の2種類に分類されます。
ユーティリティ設備
ユーティリティ設備とは、工場や事業場のエネルギーを供給・変換・制御する設備全般を指します。製造プロセスに直接関与するものではなく、照明・空調・熱源・電力供給など、施設運営の基盤を支える設備が中心です。
補助対象となるユーティリティ設備のカテゴリーは以下のとおりです。
- 高効率空調
- 産業ヒートポンプ
- 業務用給湯器
- 高性能ボイラ
- 高効率コージェネレーション
- 変圧器
- 冷凍冷蔵設備
- 産業用モータ
- 制御機能付きLED照明器具
これらの設備は、原則としてトップランナー基準以上の省エネ性能を持つ製品であることが条件です。トップランナー基準とは、国が定める省エネ性能の最高水準を指し、市場に流通している同種設備の中でも特に優れた省エネ性能を持つ製品群が該当します。補助金の申請にあたっては、SIIの補助対象設備一覧に型番が登録されているかどうかを事前に確認することが不可欠です。
参考:『指定設備』補助対象設備一覧 SII:一般社団法人環境共創イニシアチブ
なお、構成案に記載のある「低炭素工業炉」や「調光制御設備」については、低炭素工業炉は製品型番登録を行っておらず、また圧縮機(コンプレッサ)を除く産業用モータについても製品型番登録されていない設備であっても申請可能な場合があります。 申請を検討している方は公募要領を詳細に確認するか、以下のお問い合わせからSIIへ直接問い合わせることをおすすめします。

出典:令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型) SII:一般社団法人環境共創イニシアチブ
生産設備
生産設備とは、製品の製造・加工プロセスに直接用いられる設備です。製造業の省エネを後押しするうえで重要な位置づけであり、以下のカテゴリーが補助対象とされています。
- 工作機械(レーザー加工機等)
- プラスチック加工機械(射出成形機)
- プレス機械
- 印刷機械
- ダイカストマシン
生産設備は製造業に特有の設備が多く、導入に際して付帯・関連設備が必要となるケースがあります。これらの付帯設備が補助対象に含まれるかどうかは、設備の内容によって異なり、経済産業省・SIIとの個別協議が必要な場合もあります。独自に判断するのではなく、申請前に事務局へ確認を行うことが重要です。
3.補助対象外(計上不可)となる経費
補助金申請で失敗しないために欠かせないのが、「何が対象外となるか」を理解しておくことです。ここでは、計上不可となる補助対象外の経費について解説します。
建物や施設に関する経費
設備の設置に伴う建物の改修費用、基礎工事費、施設の建設費などは補助対象外です。
たとえば、大型の省エネ空調を導入する際に壁の開口工事が必要になった場合、その工事費は補助対象に含めることができません。
設備単位型は「設備費のみ」が対象であり、設置工事にかかる費用は自己負担となります。
この点は工場・事業場単位型との大きな違いのひとつです。大規模な改修を伴う設備更新を検討している場合は、工場・事業場単位型の活用も視野に入れて検討するとよいでしょう。
汎用的な機器・備品
パソコン、机、椅子、書棚といった什器類や一般的な事務機器は、補助対象外です。これらは「事業を遂行するうえで当然備えているべきもの」と見なされるため、省エネ補助金の補助対象経費として認められません。
「設備を管理するためにPCが必要」「作業効率化のために備品を購入した」といった理由があったとしても、汎用性の高い機器・備品類は補助対象から除外されます。補助を受けたい設備と関連するように見えても、その汎用性が問題視されるケースがあるため、計上前にSII事務局へ個別に確認することをおすすめします。
事業に直接関係のない経費・諸費用
次のような費用も、原則として補助対象外です。
- 事故・災害処理費
- コンサルタントへの成功報酬
- 振込手数料
- キャンセル料
設備導入中に発生した事故や災害による処理費用は、原則として対象外となります。また、補助金申請支援業者に支払う成功報酬型の費用についても補助対象外です。
設備代金の支払いにかかる振込手数料や、発注済みの設備がキャンセルになった場合のキャンセル料の諸費用も原則として対象外になります。ただし、キャンセル料の場合は帰責事由が申請者側にない場合など、例外的に相談できるケースもあります。
上記以外にも、補助事業の実施期間外に発生した経費や、交付決定前に契約・発注を行った設備費用なども補助対象外です。
「交付決定前の発注は補助対象外」という原則は特に見落としがちなため、スケジュール管理に細心の注意を払いましょう。
まとめ
令和7年度補正予算では「非化石転換(脱炭素化)」の観点が強化され、補助金制度全体が進化しています。補助対象経費を正確に把握することは、申請書類の作成ミスを防ぐだけでなく、採択率向上にも直結します。
補助金申請に不安がある場合や、自社の設備が対象になるかどうか判断できない場合は、まずは専門家に相談してみましょう。Staywayでは、補助金・助成金活用の無料相談を承っております。最短翌営業日にオンラインでのご相談が可能ですので、ぜひお問い合わせください。



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